ITソリューション業
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18,000名

科学的人事ケーススタディ

リコージャパン株式会社

常務執行役員 人財本部本部長 山田裕治様

リコージャパン株式会社

「モノからコト」へ業界全体が変化
“多様な個”を活かしプロ人財育成を目指す

全国に拠点・ネットワークを持つ事業会社でありながら、支社単位の地場密着型でオフィスソリューションを中心に事業展開を行なってきた。インターネットの普及に伴いサイバーセキュリティやクラウド化が進む昨今、事業は従来の画像領域からICT領域へと大きく転換していくこととなる。事業転換により求められたのはこれまでの物売りではなく、提案・ソリューション型の課題解決ができるプロ人財。継続した顧客満足を提供できるプロ人財育成の体系化と共に、スキルや専門性を磨き続け生涯成長できる環境を創る働き方改革こそが人財本部のミッションであり、科学的人事に取り組むきっかけであった。

1働き方改革始動と社員とのダイレクトコミュニケーション

当社の働き方改革は、2016年から本格化しました。会議時間は20分で資料は紙一枚。メールでの情報共有は廃止され、必要情報はクラウドからのPull型に。業務プロセス改善に向けた新システム導入や時間年休制度の導入、全社員へのモバイル、タブレット供給など、業務面・人事面など各方面から行なっています。人事制度改革のみならずダイバーシティや健康経営も視野に入れたこの取り組みは成果を出し始めており、現場社員から当社が働きやすい会社に変わってきているという嬉しい声が聞こえてきています。当社の働き方改革は「お客様満足度」と「社員満足度」の向上を目的に構築しており、現在もその軸を徹底的に追求しています。経営に偏った改革にならないよう、現場の目線から業務課題や問題認識を取り入れるため「この1年で一番改善が行われたと感じていることは何か」「改革が進んだことで感じている問題点はあるか」という2つを共通質問とし、全国の拠点を巡り社長・役員自らが社員の声を拾っています。

2全職種共通の育成の仕組み「プロ認定制度」を導入

これまでは、企業の人事・総務の方にコピー機販売を行う「物売り」要素の強い営業スタイルでした。しかし時代が大きく変わり、事業はICTを軸に転換。売り物も売り方も求められるものが変わってきました。顧客ニーズを想定しソリューションを組み合わせて商品やサービスを提供する「スクラムパッケージ」を業種・業務別に販売していくことに加え、今後は会社の基幹に関するソリューションもご提案したいと考えています。そのためには社員全体のスキルを底上げし、お客様への価値提供をし続けられるプロ人財が必要です。
そこで、各職種で行ってきたスキルアップ体系を改め、プロレベルの人財育成の体系化を目指す「プロ認定制度」という各職種共通の仕組みを2018年度から導入しました。まずは営業、カスタマーエンジニア、SEの主要3職種を対象とし、1から8までのレベル設定で会社を超えて職種ごとに能力要件を定義。この定義に基づく育成・アセスメントプログラムにより、業界NO.1の人財の育成を目指します。変化が激しい時代だからこそ必要なスキルや専門性をしっかり定めることで、目指すべき方向へと戦略的にシフトできると考えています。

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3マッチング精度を高めた戦略ローテーション

専門性が紐づく多様な“個”をどのように活かしていくかという点が、今後人事には求められています。育成面では本人の特性や能力に適合した教育機会をAIでリコメンドさせていきたい。一方、人事に目を向けると、これまでの人事異動は上司の主観的な評価を元に行われがちでした。今後はITの力で属性や状況など、あらゆる角度から総合的に社員を捉えた人財配置やマッチングに取り組んでいきたい。そのような中で、タレントパレットは社員のあらゆるデータを一元的に蓄積、分析可能な状態に整え、経営施策に対する予測として活用することを想定して導入しました。
例えば、入社から現在に至るまでの人財データを職位レベルに合わせて開示することで、芽の出なかった社員のローテーションを実施し、後継が見えにくくなっていたトップタレントを育て輩出すること等を実施したいと考えています。大事なのはIT頼みではなく、あくまでもリアルな現場感との掛け合わせです。ITを活用した科学的な仕組みから気づきを得て、現場で確認することが重要だと考えています。

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タレントパレット導入により期待する未来

業績を様々な指標で見たとき、個人のパフォーマンスと能力の関係性やチームとしての最適性、生産性などあらゆる相関をタレントパレットで照合しながら個を伸ばす科学的人事の実践により、人事として業績に貢献していくことを目指しています。