金融機関が「タレントパレット」を導入する理由とは
課題:人材の見える化、人材育成
課題:人材の見える化、人材育成
業種 金融 社員数 10,000名
横浜銀行は次の100年を目指した持続的な成長の実現に向け、多様なソリューション提供による企業成長と従来の銀行のビジネスモデルを変えるタイミングと捉え、これまで事務的な要素が多かった銀行業務から、お客様の課題やニーズを把握し、お客様の利便性向上と銀行の生産性向上を叶えるべく、業務と組織の抜本的な見直しに取り組んでいる。
その取り組みのひとつとして、一人ひとりの働きがいとエンゲージメント向上を目的として「持続的な成長を支える強い組織と人づくり~
はまぎん総活躍プロジェクト~」を立ち上げ、経営戦略と人財戦略を結びつけるため、タレントマネジメント強化に動いた。
「はまぎん総活躍プロジェクト」はわかりやすく、「グングン編」「ワクワク編」「イキイキ編」とネーミング。「グングン編」ではキャリアパスや研修、自己研鑽の取組みを後押しするような人財育成施策、「ワクワク編」では年齢に関係なく活躍できる人事制度への改定、プロ人財認定制度やグループ企業との連携など多様なキャリアパスを実現していくための支援、そして「イキイキ編」では育児や介護に係る支援、従業員の健康保持・増進、生産性を高めるためのインフラ整備や柔軟で効率的な働き方を推進している。
また、経営戦略の実現に必要な人財を確保するため、人財ポートフォリオの見える化を行うべく、採用から育成、配置まで組織横断で考えていく「タレントマネジメント委員会」を2020年8月に発足し、タレントマネジメントシステムの利用も開始した。
タレントマネジメントシステムを活用するにあたっては、従来、労務データと共に現行の人事システムに入っていた評価や人財育成に係る情報をタレントパレットに移行し、内容を充実させると共に、脱・表計算ソフト、脱・力業作業、ペーパーレス化を実現。また、活用シーンとして、社員一人ひとりのキャリアデザインの策定から、上司の目標・実績評価、各種面談記録、また人事部門などではスキルや職務経歴の体系化、サクセッションプラン管理などに活用できるように取り組んでいる。
畑様:今回、このセミナーに参加している方の多くは、タレントマネジメントシステムの導入を検討している企業担当者の方が多いと思います。そこで、導入の目的や活用の考え方について解説します。
みなさんは、このような課題を抱えていないでしょうか。例えば、人事部門で人事異動や評価を担当している者が異動してしまうと後任の担当者が、自身のやり方で一からデータの蓄積をおこなうことで、これまでのデータが活用されなくなる。あるいは、人事データは蓄積されているものの、それらを活用する視点が欠けており、有効活用することができていない。そのほかにも人事データに関するさまざまな課題が存在しているかと思います。
タレントマネジメントシステムの導入は、まさにこれらの課題を解決するための手段となるでしょう
ここからは畑様に加え、株式会社プラスアルファ・コンサルティング 取締役副社長 鈴村 賢治が登壇し、対談形式でタレントパレットを活用した新たな科学的人事についてお話いただきました。
鈴村:近年、金融業界を取り巻く環境は急激に変化しており、柔軟な対応が求められていると思います。改めて、横浜銀行が『タレントパレット』の導入を決めた理由を教えてください。
畑様:おっしゃるとおり、銀行のビジネスモデルは構造的な変革を迫られています。また、社員一人ひとりの働き方が急速に多様化していることも、忘れてはなりません。このような環境の変化に対応するためには、経営戦略と人財戦略を結びつけながら、スピーディーな対応をしていく必要があります。そのために、さまざまな人事データを統合して管理・活用できるタレントパレットというプラットフォームの導入が、有力な手段となりました。
鈴村:ビジネスモデルが変化するということは、人材の配置の仕方も影響を受けますよね。人材ポートフォリオを形成するために、社員データを一元化して分析・活用することが急務になったと思います。ちなみに、今まではこれらのデータをどのように管理していましたか?
畑様:人事システムにもデータは登録しておりますが、正直なところ、頻繁に使うデータは各グループがExcelにデータを入力して、バラバラに管理しておりました。そのため、あるデータが必要になったときは、点在するExcelのデータを手作業で集計するといった形です。当然のことながら、俯瞰的にデータを把握するには手間がかかっていました。
鈴村:今後、どのような役割の社員がタレントパレットを活用していく予定ですか?
畑様:基本的には、管理者の利用がメインになると考えています。今までは、営業店と本部間、異動に伴う新旧の管理者間十分な情報共有や引継ぎが行われていませんでした。タレントパレットを導入することで、このような問題を解決できるのではないかと期待しています。また、現場のスタッフ層に対しても、目標・実績管理やキャリアデザイン、スキル判定といったことで、システムを利用できるようにしていくつもりです。
鈴村:タレントマネジメントシステムを導入するにあたり、大切だと考えていることはありますか?
畑様:使いやすさと権限設定が非常に重要なポイントだと考えています。どんなに優れた機能を持っていても、高いリテラシーが求められるシステムは、全社的に活用していくときに、現実的ではないでしょう。また、権限設定を細かく設定できるかどうかも重要な論点になります。タレントパレットの導入は、非常にスピーディーかつ正確に対応していただいているので、これから開発を進めつつデータの整備に尽力し、持続的な成長の基盤づくりを行っていきます。
人事の「今」と経営の「未来」を変える、
タレントマネジメントシステムです。