「それってタレパでできないの?」を合言葉に推進する人事DX
課題:人材の見える化、採用管理、人事評価の効率化
課題:人材の見える化、採用管理、人事評価の効率化
業種化学・商社社員数500名
まずは「データの一元管理と見える化」を目標にしていましたが、一元化した先のやりたいことについては明確に見えていない状況でした。そんな中、タレントパレットには非常に多くの機能があり、今後、目的や方針がどのような方向性に進んでいってもタレントパレットであれば実現できるのではないかと感じ、導入を決めました。
導入後、最初に行ったのが、社内の各所に散らばっていた人材データをタレントパレットに集約することです。
先ほど申し上げたExcel管理のほかに、各社員の人事評価の結果データは別で導入していた人事管理システム、研修受講状況やアンケート結果はまた別のシステムと、全く接続性のない3つの異なる格納先で管理している状況でした。
集約した結果、様々なメリットが生じました。
1つ目は、同じようなデータを部署ごとでに管理していた状態が解消されたこと。それにより大きな業務改善が図れました。
2つ目は「タレントパレットに入っているデータが正のデータ」と位置づけることができるようになったこと。
実は過去に、別々の部署で同じ資料が存在するものの数値など内容が異なってしまっており「どっちが正しいの?」ということが起きていたのです。タレントパレットに一元化することで正となるデータがはっきり分かるようになりました。
また、一元化したからこそ、タレントパレットに入っていないデータは社内には存在しないと判断ができるので、あるかどうかわからないデータを探す手間もなくなりました。
3つ目は、上長が部下のデータをタレントパレットで閲覧し、円滑なコミュニケーションを取れるようになったことです。これまでは、上長から部下の情報についての問い合わせが頻繁にありましたが、現在はタレントパレットのおかげでほとんどありません。
活用シーンは多岐に渡るのですが、まずは採用から。
コロナ禍で採用活動がオンラインへ移行しましたが、ここでタレントパレットが大いに役立てられました。
タレントパレットの採用における活用シーンは、イベントの募集から始まります。
まず、QRコードを通じてタレントパレットにアクセスしてもらい、メールアドレスの登録とオンライン会社説明会の申し込みをしていただきます。会社説明会では、終了後すぐにアンケートを実施。アンケート結果はリアルタイムで閲覧できるため、「学生さんはここを特に聞きたがっているんだな」と把握し、その情報をさっそく午後の説明会に反映するなどの使い方を行いました。その後の選考では、タレントパレットで作成したエントリーシートの記入や適性検査を行っていく流れとなります。
収集した採用候補者のデータは、社内の面接担当が面接時や判定会時に閲覧できるようにしています。
導入前はこれらを全て人事担当者がプリントアウトし、面接官に手渡していたので、かなり工数削減されました。採用面接時の評価に関しては、面接の際にリアルタイムで記入できるようになっています。そのため人事担当者もすぐに確認できるのが便利なところです。
従来だと面接担当の面接結果を紙で回収して人事が手動でExcelに入力、出来上がったものを判定評価会議に持参する、という流れだったので、判定会議までの進行も非常にスムーズになりました。
当社ではタレントパレットを使った採用活動は今回が初めてだったので、今年入社してくる新入社員は、エントリーシートや適性検査の結果、面接の内容など採用時の情報がすべてタレントパレットにまとまっています。
入社後に、配属先の上司がその情報を見て、コミュニケーションをとったり、数年経った後に採用時のデータを見返すことで、面接の時にどう見えていた学生が結果的にどんな人材になったかなど、興味深いことが分かるのではと考えています。また、それにより、当社に合わず早々に辞めてしまうような、マッチングミスを避けることにも繋げられると考えています。
続いて、評価運用の活用事例です。
弊社では目標管理(MBO)による人事考課を実施しています。タレントパレット上に評価シートを作成し、各社員はタレントパレットにログインし、目標を入力します。入力した内容を上司と共有しながら面談を行っています。
タレントパレットでは自社に合わせて柔軟に評価シートの作成ができるため、上司が面談コメントを入れる箇所を作成しており、さらに上の評価者へ「どのような目標登録を行なっているか」「今どんな活動しているか」をそのまま共有できるようにしています。
中間面談では、タレントパレットで目標内容などを確認しつつ「もう少しこうした方がいいのでは」などの内容をフィードバックしています。
期末の評価会議では、経営層などへタレントパレットの画面を共有することで、全員が同じ情報を見ながら話し合って評価ができます。少し議論が複雑になり「この社員はこれまでどんなことをやってきたのか」を調べたい時にも、顔写真をクリックするだけで過去の経験や評価などをすぐに確認することができます。
これにより勘や経験だけに頼った評価ではなく、実際のデータに基づいて評価をすることが可能になりました。また、評価に対して社員がどう感じているかのアンケートも実施し、評価運用の改善につなげています。
他には、社内コミュニケーション活性化でも活用しています。
例えば、コロナ禍の健康維持増進のために行った、散歩の歩数が多かった方にプレゼントを送る「ウェルビーイングチャレンジ」では、社員から投稿された散歩途中の景色の画像に対し、異なる勤務地の拠点メンバ同士がリアクションをするなど、拠点を跨いでの交流がおこなわれるシーンも見受けられました。
その他、e-ラーニングやTOEICの試験募集もタレントパレットで実施しています。
日付と時間と募集人数を設定すれば、あとは社員がタレントパレットにアクセスし、自分の好きなタイミングにいつでも申し込むことが可能です。申込人数の上限設定といった細やかな機能もあるので管理がしやすく、こちらも大きな業務改善につながりました。
タレントパレットを活用し、早3年が経ちました。その中で感じたのは、「タレントパレットで何をしたいかということが大事」ということです。タレントパレットには様々な機能がありますが、「タレントパレットで何ができるんだろう?」といった発想ではなく、「自分たちは何をしたいか」を起点に、タレントパレットを活用した施策を実施していくのが良いと思います。
2つ目が、アイデアがないと始まらないこと。弊社ではタレントパレットのことを「タレパ」の愛称で呼び、何かが起きるたびに「それタレパでできないの?」を合言葉にして活用推進を進めています。
私たちも、人的資本の国際規格である「ISO
30414」と比べると、足りない人材データがまだまだあると感じるため、さらなるデータの蓄積と高度な分析力を持ち、戦略の舵取り役として経営をリードできる人事総務部になりたいと考えています。
ここからは千倉様も参加いただき、タレントマネジメントシステムの導入を検討している企業へのアドバイスやTIPSについて伺いました。
千倉様:データがどこにあるかが分かるだけで次の作業への一歩がとても速くなりました。信頼できるデータがまとまっているので「これとこれを組み合わせれば資料ができる」と分かり、資料完成までのスピードの時間短縮につながっています。
仕事には納期が必ずあります。従来であれば、データを集めて仕上げるところで納期を迎えていたのが、タレントパレットを導入してからは、資料を作ってからのデータ分析・案件の深堀等、戦略的な目線で資料作成ができており、精度が上がったと感じています。
また、場合によっては「タレントパレットを見れば分かるので、もう資料はいらないよ」と言われることもあり、見たい時に簡単にアクセスできる状態になっていることは、現場にとって、非常に大きな変化だということを実感しました。
千倉様:学生の方も、操作のしやすさなどからその後のイベントへの参加数が増加しています。また、社内での評判も良好です。
例えば採用のシーンですと、これまでは一次面接やイベントでの選考過程の採用候補者の様子を、最終合否決定における検討材料として可視化することが難しく、課題感を感じていました。最終面接時の印象で、採用合否が大方決まるプロセスを改善したく、採用過程での候補者の様子を時系列に見える化することで、納得感ある採用活動へと結び付けることができました。
平口様:入社後に配属された新入社員の指導や仕事を任せる際にも役立てると思っています。
どういう想いを持って入社し、どう成長していきたいかがわかれば、任せる仕事も変わります。「その新入社員が思っていたことができているか」「マッチングしているのか」を見ながら育成指導できるようになると考えています。
千倉様:タレントパレットに限らず、システムが変わると一定数アレルギーのある方がいるかと思います。そのため、業務に関わる内容だけでなく、社員がなじみやすい企画などを組み込みながら、できるだけログインの回数を増やしてもらうことを心がけました。
最初に社員が食いついたのは動物占いですね(笑)。同じ動物同士で一度飲みに行こうかみたいな話題になってもいました。
評価運用やアンケート、e-ラーニングなど幅広いシーンで活用した結果、自然と社員がタレントパレットに触る時間が増えて慣れていきました。現在は社員が率先してタレントパレットを活用してくれています。また社員から「タレントパレットの使い勝手がいい」という声をいただくこともあります。
千倉様:導入するにあたり、サポート体制は大きな論点になりました。導入前はサポートをどの程度いただけるか分からない部分もあったのですが、全く問題はなかったですね。サポートチャットなどで、聞きたいときにすぐ質問できるので効率的に使えています。
平口様:私どもはタレントパレットを「機能の豊富さ」で選びました。まずは課題としてあったデータの一元化をクリアさせたい、その時に先々の活用までは検討できないのが通常だと思います。そんな時に、将来的にやりたいことが出てきた時にできるサービスだと感じたのです。
また、自社のシステムだと新しい機能を追加したいとなっても開発費用が都度かかります。タレントパレットはどんどん機能が追加されていますので、その辺も楽しいところです。「こんな機能が追加されたんだ」「これ使ってみようかな」と新たな取り組みへのチャレンジにもなり、そこから新しい発想に結びつくこともあります。
人事の「今」と経営の「未来」を変える、
タレントマネジメントシステムです。