ホールディングス全体の人財を可視化し、
キャリア支援からエンゲージメント向上に寄与
課題:人材の見える化、エンゲージメント向上、自律的なキャリア形成
課題:人材の見える化、エンゲージメント向上、自律的なキャリア形成
業種都市ガス
社員数5,000名
西口様:人事業務をしている中で、「社員のモチベーションアップに寄与できるものが何かないだろうか」と考えていたことがそもそものきっかけです。当社は業界的に平均年齢が高く、インフラ業界ならではの文化もあり、満足度調査などの結果から若手社員のモチベーションにも課題がありました。ちょうどその当時、タレントマネジメントシステムが世の中に出始めた時期でもあり、自分のキャリアプランを表明したり、面談で上司とのコミュニケーションを活性化したりできると聞いていたので、先ほどの課題を解決するためにも「タレントマネジメントシステムがあったらいいな」という話を人財戦略部内でしていました。
そのような中で、2021年に西部ガスのホールディングス化が決まったときに、経営層から「グループは業界・業種が多岐にわたるので、各社の社員が保有する資格やスキルなどをグループ横断で可視化できるようにしたい」とオーダーがありました。そのオーダーを実現するため「人財情報を一元管理できるシステム」が必要となったことが契機となり、タレントマネジメントシステムの導入を決定しました。
西口様:ポイントとなった点がいくつかあります。今回当社が検討するきっかけとなったグループ会社を横断したデータ管理・活用というニーズに対し、当初は一気通貫して可視化ができないサービスが多かったです。その点、タレントパレットであれば「グループ戦略ポータル」という機能を活用することで、グループ全体を横断して見える化ができ、データの活用までできることが導入の一番大きな決め手になりました。
また、他のサービスでは、契約面で1社ごとに契約しなければならない点や費用面で難しい点もあった中で、タレントパレットは導入するグループ内の各社が個別に契約する必要がなかったことが良かったです。
濵田様:また、そのほかのポイントは操作面と機能面ですね。
操作面でいうと、もともと保持している人事基幹システムにもタレントマネジメントのモジュールがありましたので、それを活用した方がデータ連動などは簡単だったと考えています。ただ、それでは人財戦略部内だけでなく現場の社員の方も活用する面を考慮した際の使いにくさなどが懸念でした。
機能面では、やはりせっかく導入するならいろいろな機能が使えたほうが良いと考えて、どのような機能が欲しいかを人財戦略部内で話し合いました。そこで、出てきた多様な意見を整理するのがとても大変でした。
欲しい機能をすべてリストアップして、導入を検討していた各システム会社に実現可否を細かく確認して比較しました。その中でも、私たちが優先度が高いと考えていた機能をほとんど備えていたのがタレントパレットでした。
例えばタレントパレットであれば「計算属性」という機能で複雑な集計などもできると思うのですが、ほかのサービスだと少し弱かった点がありました。
システム導入にあたっては、当社社員のモチベーションが課題でしたので、機能の中でもパルスサーベイや、当時検討していた研修プラットフォームも包括できる研修管理・eラーニングの機能が基本機能として実装されていることは非常にありがたかったです。
また、ビジュアル面から、わかりやすい見た目もタレントパレットに決める一つの要因になりました。
濵田様:グループにおける人財戦略や施策などはホールディングの人財戦略部が考え、タレントパレットの保守やメンテナンスに関してはグループ内のシステム子会社と協力しながら運用しています。
もともと私自身が前職でシステムに関係する仕事をしていた経験から正確にスピード感をもって対応するには、役割分担をした上で運用した方がスムーズだと考えていたため、そのような体制で進めました。
グループとして活用するので、データ連携の数もかなり多いだけでなく、複雑な権限設定なども必要なので、この体制で実施して良かったと思っています。
グループ内のシステム子会社とは定例会を実施し、情報に漏れがないように密に連携しています。
濵田様:グループ内の各社はそれぞれ業務内容も従業員の属性も異なるので、導入当時も今も、全社一律で同じように使っていくという考えではなく、各社に必要な用途に合わせて機能を活用していく予定です。
主軸であるグループ子会社については、西部ガスと同じように一般社員にも利用をしてもらう一方で、その他の会社では人事総務担当(管理担当者)が、どのような社員がいるのか、誰がどういう資格を持っているかなどを把握してもらうために使っています。現在管理担当者のみで使っている会社も、今後蓄積したデータを社内活用していく可能性はあるかと思いますので、少しずつデータ整備を進めています。
当社は建設業者界でもあり、業界柄案件の受注には資格取得が非常に重要です。グループ横断でホールディングが研修機会を提供していけないかと検討しています。
また、社員のキャリア自律を後押しすべく、キャリアデザインシートをタレントパレットの中で運用しています。これまでは上司と部下の間に普段から会話があっても、なかなか自分のキャリアについて発信する機会はありませんでした。キャリアデザインシートを通じて、上司が部下のキャリアを意識できるようになったことがマネジメント視点でもよかったと感じています。
濵田様:キャリアデザインシートには、仕事のキャリアのことだけでなくプライベートのことも書いて良いことにしています。50代、60代の社員も多い中で、今後のキャリアのことだけを書いてもらうことはなかなか難しいと思います。あくまで「仕事一本」でなくていいとすることで、まずは書きやすい環境にしています。「腰痛を治す」「孫を可愛がる」など、プライベートの目標を書く社員もいますね。
西口様:全社員にキャリアデザインシートを書いてもらうために、クリック1つでどんなことを書いて欲しいのかのサンプルが見られるようにもしています。あまりパソコンが得意ではない社員にもスムーズに書いてもらえるように、複数のかなり丁寧なサンプルを用意しました。
歴史のある会社なので、いきなり大きく変化させることは難しいのですが、このようにキャリアを可視化して今後につなげていくなど、仕組みだけではなく風土を少しずつ変えていけたらと考えています。
濵田様:TPI 適性検査も使っています。上司が適性検査を見て部下の特性を把握しながら、業務でのフィードバックやキャリア面談の際に活用しています。
濵田様:あとはeラーニングとパルスサーベイも活用しています。
eラーニングに関しては、もともと別のシステムを使っていたのですが、サポートが切れるタイミングでタレントパレットに移行しました。現在は西部ガスで行うeラーニングがメインですが、将来的にはグループ会社向けeラーニングへの活用も検討しています。
パルスサーベイは入社3年目までの若手社員を対象に実施して、モチベーションを見たりアラートをしっかりキャッチできるようにしています。
濵田様:会社として大きく4つ考えており中期経営計画にも入れていますが、1つ目が経営戦略に連動する人財の育成活用、2つ目がエンゲージメントの向上、3つ目がグループのダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進、4つ目が健康経営の実践です。
また、人事としてはキャリア自律の支援や個人のキャリアへの意思を汲み取ることが非常に重要だと考えています。キャリアデザインシートと育成を連動させて、会社と社員一人一人が目目指す方向に少しずつ近づけていきたいですね。
あとは、新しいことにチャレンジできる人財を育てることも大切だと考えています。安全・安心を第一にお客さまにエネルギーを供給する必要がある一方で、大きく変化していく時代にあっては、新しいことにチャレンジしていけるような人財を一定数育てていかなければならないという思いがあります。タレントパレットを使って実現していきたいです。
西口様:タレントパレットの機能面では、アンケートやテキストマイニングも今後より一層活用できたらと思っています。眠っているテキストデータがあるので、テキストマイニングで可視化し、他の要素を掛け合わせて分析したり、施策に活用していきたいです。
人事の「今」と経営の「未来」を変える、
タレントマネジメントシステムです。