社員の声を活かし
ボトムアップを促進する人事戦略とは

課題:人事考課、人材育成、キャリア開発

株式会社大西
  • 株式会社大西

  • 株式会社大西

    業種流通・小売・卸売

    社員数約800名(パートスタッフ含む)

大阪市に本社を構え、衣料品・雑貨の卸売や店舗什器・備品の販売をはじめとする幅広い流通事業をグループ展開する株式会社大西。同社は2021年に創業90周年を迎え、同年に経営理念と人事制度を刷新。その際、同社の人事施策を支えるコアシステムとして、新たにタレントパレットを導入いただきました。その導入の目的や具体的な活用方法について伺います。

※本記事は、2023年12月19日に開催された「タレントパレットコミュニティ」のイベントレポートです。所属・役職はイベント開催当時のものです。

目次:

創業100周年の未来を見据えてタレントパレットを導入

― 貴社の事業内容を教えてください。

弊社は1931年創業のグループ企業で、衣料品や雑貨などの卸売業(大西衣料)、店舗什器・備品の販売や設計施工(店研創意)を中心とする中間流通業を主な事業としています。現在は大阪市に本社を構え、グループ全体で7つの事業領域においてビジネスを展開しています。

2021年の創業90周年~2031年の100周年に向けて、2019年に「ONISI Decade Project」という人事制度の刷新をはじめとした組織変革のプロジェクトを立ち上げました。
『ボトムアップで自走する組織へ』をテーマに、積極的に権限委譲を行い、社員一人ひとりが知恵を出し、社員同士のチームワークで困難を乗り越え、社員一人ひとりの自己実現を図っていく。そんな会社を目指して、経営理念や人事制度の抜本的な改革に取り組みました。

― かなり大胆な改革に挑まれたのですね。

はい。従来の人事制度を抜本的に改定する上で、解決すべき課題として次の4点がありました。

この4点を重要なキーワードとして、「個」の強みを活かし、「チーム」で成果を追求する組織を実現していくことを目指す制度に刷新しました。
ここでタレントマネジメントシステムとして新たに導入したのがタレントパレットでした。

複数の業務システムを統合し戦略的な人事施策の実現へ

― 人事制度刷新を実現するために、新たにタレントパレットを導入されたのですね。

はい。それまでは他社のタレントマネジメントシステムやアンケートシステム、さらには独自の考課システムなどを運用していたのですが、人事関連のデータとシステムが複数に分散していために人に関する情報を一元的に把握するのが難しく、また業務効率の面でも課題がありました。そこで人事制度刷新を機に分散していたシステムを1つに統合し、人事データの共有や活用をより促進することで戦略的な人事施策の実現を企図しました。

世の中には数多くのタレントマネジメント製品が存在しますが、それらの中でもタレントパレットは機能や実績が極めて豊富であるとともに、機能アップデートも頻繁に行われており将来性の面でも安心して使い続けられると判断し、最終的に導入を決めました。

複数の業務システムを統合し戦略的な人事施策の実現へ

― 現在どのような用途でタレントパレットを使われていますか。

大きく分けて「人材データベース」「人事考課」「キャリア開発・人材育成」「採用管理」「アンケート」の5つの領域でタレントパレットを活用しています。それぞれの用途でタレントパレットの複数の機能を組み合わせながら運用しています。

今回の人事制度刷新では人事考課表を一から作り直したので、それを運用するためのシステムも一から作り直す必要がありました。そのためパッケージ製品を使ってシステムをなるべく効率的に構築したいと考えていましたが、同時に弊社独自の制度に対応するために柔軟なカスタマイズ性も必要でした。その点タレントパレットは、そうした柔軟性も十分に備えた製品だと思います。

― 具体的にどのように人事考課制度の運用をしているのでしょうか。

今回の刷新において、部下から上司へのマネジメントサーベイ(360度評価)を新たに導入したのですが、ここでもタレントパレットの機能を活用しています。
ボトムアップ組織を実現するには上司のマネジメントのあり方が非常に重要なので、上司の考課項目はボトムアップを促進するような内容にしています。部下がその項目ごとにスコアを付けるのですが、これは決して評価することが目的ではなく、部下からはどう映っているかを明らかにし、それをより良いマネジメント行動に変えていくための参考材料にしてもらうことが目的です。上司本人にフィードバックをしてメンバーとのギャップを確認してもらうとともに、スコアを考課表シートにも表示して考課の際の参考データの一つにしています。

マネジメントサーベイ(360度評価

― 人事考課の領域において、ほかにどのような用途でタレントパレットを活用されていますか。

弊社では毎期末にマネジメント層が集まって、それぞれが部下に対して行った人事考課の内容を互いに協議する「すり合わせ会議」というものを開催しています。これまでのすり合わせ会議では、考課のデータのみが羅列されたものを共有しながら実施していましたが、タレントパレット導入後は社員の顔写真や、すり合わせに必要な各種情報をタレントパレットの画面上で視覚的に共有できるようになり、より有用で活発な議論が可能になりました。

アンケートと社内公募で社員の声を集めキャリア開発を支援

― キャリア開発・人材育成の領域ではどのようにタレントパレットを活用されていますか。

今回の人事制度刷新では、「主体的な自己キャリア開発」を重要テーマの1つに掲げているのですが、これを実現するために幾つかの仕組みを導入しています。1つが「キャリアアンケート」で、社員の現時点でのキャリア志向を会社に申告してもらい、組織と人材のマッチングに繋げる仕組みを新たに設けました。「社内公募」の制度も新たに始めており、さらには社員自身が異動したい事業・部署を人事部長宛に直接申し込むことのできる「キャリアエントリー」という制度も実施しています。このうち、キャリアアンケートと社内公募はタレントパレットを活用しています。

― 具体的にどのように活用しているのでしょうか。

キャリアアンケートはすべての正社員を対象に、今後携わっていきたい事業や職種についてアンケート調査を行うのですが、これをタレントパレットの「アンケート機能」を使って実現しています。こうして収集した社員一人ひとりのキャリア志向性に関する情報は、経営陣が組織編制や人事異動の意思決定を行う際の重要な参考材料として活用しています。

また、社内公募の制度については、半期に1回各事業会社・各部署が必要とする人材を開示・募集することで、グループ内における人材活用の最適化を図っています。
実際に毎年複数名の社員がこれらの制度を通じて、自身の希望に沿った異動を実現させることができています。

アンケートと社内公募で社員の声を集めキャリア開発を支援

― ちなみに今後はどのようにタレントパレットを活用していきたいとお考えですか。

今後は特にダッシュボードを活用していきたいです。具体的には、グループ全体および事業会社ごとの人員構成分布や入社・退職の状況、賃金水準、勤怠データといった様々な人事情報の推移をダッシュボード上で複合的に可視化し、分析に活用できるようにしたいと考えています。

また、新卒ダイレクトリクルーティングサービスの「キミスカ」とタレントパレットが連携するとのことで、弊社でもぜひキミスカを導入して、タレントパレットと連携させることで採用管理業務をさらに効率化できないかと検討を進めているところです。

ダッシュボード