薬局950店舗以上で働く社員のデータを一元化
専門スキルを可視化し、自律的成長を支援へ

課題:人材育成、最適配置、人事評価の効率化

クラフト株式会社

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薬局事業部 部長 澤村 亮 様、薬局管理部 課長代理 小松 梓 様

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    業種調剤薬局社員数6,000名

1982年の創業以来、全国各地で調剤薬局「さくら薬局」を運営するクラフト株式会社。グループ店を含めると、現在の店舗数は950店以上にのぼります。社員の半数ほどが薬剤師資格を持ち、さまざまな角度から地域医療を支える同社は、どのようにタレントパレットを利用しているのでしょうか。クラフト株式会社ならではの活用方法や今後の展望も含め、澤村様と小松様にお話をうかがいました。

目次:

店舗数が増え把握しづらくなった「社員情報」 会社の今後を見据え “視える化”へ

― タレントパレット導入に至った経緯や、貴社がそれまで抱えていた課題について教えてください。

澤村様:数年ほど前から店舗数が急激に増えたことで、社員の顔やスキルがどうしても見えにくくなっていました。また、研修認定薬剤師や専門認定薬剤師など、業務の幅が広がる資格を持っている人材のことも、なかなか把握できない現状がありました。そこで「これからも会社をしっかり舵取りしていくためには、人事データを一元化できるタレントマネジメントシステムが必要だ」という判断により導入を決めたのです。

― 数あるサービスからタレントパレットを選んだ決め手は何だったのでしょうか。

澤村様:リーズナブルな価格と、人事に活かせるTPI適性検査の機能です。比較検討した他社システムは、外部で受けた適性検査のデータを取り込むしか方法がなかったんです。タレントパレットならTPI適性検査が機能に含まれているため、連携がスムーズにでき良いと感じました。また、ただ情報が見られるようになっているのではなく、グラフで視覚的にも分かりやすい“視える化”がされていたのも印象的でした。

小松様:導入後、年1回のペースでTPI適性検査を実施することで、社員のパーソナリティの“視える化”も進んでいるように思います。また、一人ひとりの社員情報を入社前から離職後まで一元管理できるのも魅力的でした。

人事評価と社員データベースのデジタル化で 人事戦略がぐっと効率的に

― 普段はどのようにタレントパレットを活用されているのですか。

小松様:特に活用しているのは人事評価機能です。導入前は一人ひとりに紙の評価シートを記入してもらい、それを上長や人事課に回してExcelに入力しなおし、データを起こしたうえで評価をしていました。今はシステム経由で入力・承認・集計ができるようになったため、業務負担がぐっと減り人事課は特に喜んでいます。

澤村様:社員のスキルをまとめて管理できるのも便利です。たとえば、薬局業務で使うレセコン(調剤報酬明細書を作るシステム)にはいくつかソフトがあるため、配属の際には勤務先のレセコンを使えるかどうか確認しなければなりません。これまでは経験があるか、問題なく使用ができるか毎回ヒアリングを実施していましたが、現在はタレントパレットのスキル検索により対応可能な社員をすばやくピックアップできるようになりました。

小松様:登録情報は役職ごとに権限を切り分けてデータの閲覧制限をかけています。詳しい社員データはマネジメント職以上のみ、所属している組織の範囲しか見られないようにするなど個人情報の観点からも安心して使用できています。

― 社員の方は、どんな場面でタレントパレットを使われていますか?

小松様:パートやアルバイトを含めた全社員がそれぞれにアカウントを持っており、アンケート機能を用いて週次セルフチェックなどを行っています。弊社では「システムを利用するアカウントは店舗につき1つ」と店舗単位での支給なのですが、業務上利用するシステムの中で唯一タレントパレットだけが個人単位でアカウントを発行できているため、個人にヒアリングしたい事項があるときは特に重宝しています。

例えば週次セルフチェックでは、チェック項目は「業務量」「職場環境」「体調」などの5項目で、選択肢は「大変満足している」から「大変不満」の4段階に設定。「どちらでもない」という真ん中の選択肢をなくすことで、社員の素直な気持ちをモニタリングできるようにしました。

― 週次セルフチェックの結果は、どのように活かしているのでしょうか。

澤村様:上長は何らかの不安や不満を感じている社員のことを気にかけるようにしています。面談などを設定すると身構えてしまうでしょうから、あくまで「日ごろのコミュニケーション」の範囲内で。ただ、社員が抱えている“不安の芽”を視える化できるようになっただけでも、充分にプラスだと考えています。

小松様上長が「分かっているつもり」になっているのが一番危ないですから。週次セルフチェックは、コミュニケーションのひとつの形。回答にかかる時間は1分未満と社員への負担が少ないように設定しています。

クラフト様_人物

必要なスキルがわかる その結果 社員の成長意欲が向上

― タレントパレットを導入して、社内にどんな変化がありましたか。

小松様:人事評価がシステム上で完結するようになったことで、評価シートの郵送や進捗管理が不要になりました。これまでは締切までに提出されていない場合、誰がどこで止めているのかを電話などで確認していましたが、今はタレントパレット上で確認・催促ができて非常に便利です。

澤村様:社員自身も自分のスキルが視える化できるようにしたため、それぞれの成長意欲も増したと感じます。現時点での評価やこれから必要なスキルを確認できることが明確な目標を持つきっかけになっているのではないでしょうか。

また、今までの教育は個人の裁量が大きく「あの薬局長は面倒見がいいから、新人をつけると成長が早い」となんとなく判断されているケースがありました。「本人はできると思っているけれど上司から見るとできていない」「部下が〇〇の業務ができることを上司が知らない」といった齟齬もあったようです。しかし、タレントパレットでそうしたズレが補正されていけば、適切な教育や自己研鑽の助けになると期待しています。

目指しているのは視える化です。属人的だった人材育成から脱却し、データに基づいて「何を教えていくべきか」「どんな業務を任せるべきか」「何が足りていないか」を判断できるようになればと考えています。

小松様:そのほか、サーベイ機能を使って現場の声を拾いながら「当社が求める人材像」の明確化を進める取り組みも行っています。このデータは今後の採用や育成に役立てていければと考えてます。

明確なデータに基づく人事戦略で、一人ひとりが前向きに働ける環境を

― 今後、タレントパレットを活用して行いたい施策はありますか?

澤村様:2022年4月から人事評価制度を変え、頑張っている人をきちんと評価できるように進めているんです。社員一人ひとりの現状を把握し、成長をシミュレートできるタレントパレットは新しい評価制度とも相性がいいと考えています。

小松様:システム上でいつでも目標を確認できるから、今すべきアクションを常に意識して働けるのもメリットが大きいと思いますね。

澤村様:会社として行いたいのはキャリアモデルとなる成長曲線を作ること。「入社何年目でこれができるように」と明示されていることで、受けるべき研修や身に付けたいスキルが分かります。モデルとなる成長曲線が完成したら、そこからはタレントパレット経由でe-ラーニングを受講してもらうなど、さらに一歩先の活用へ広がるのではと考えています。

― 今後使ってみたい機能はありますか?

小松様:研修に関する機能はもっと活用していきたいと考えています。今は、受講した研修は各部門や担当者で個別に管理しているのですが、本来は情報をまとめて視える化すべき。研修実績や身につけたスキルなどが自動反映される機能もあるので、きちんと紐づけて運用していきたいですね。組織マネジメントの面では、離職防止分析や採用管理、異動シミュレーションなどにも興味があります。

― 最後に、そうした人材戦略を通じて実現したいビジョンをお聞かせください。

澤村様社員一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ち、前向きに働ける環境をつくっていきたいです。人の成長は会社にとって重要なので、人を大切にすることは欠かせません。そのためには、自分の強みや補強すべきところを理解でき、周りからの期待に応えたときにはきちんと評価される仕組みが必要です。さまざまなデータを視える化することで、そのネックとなっている課題もクリアになってくるでしょう。会社の根っこにある課題を少しずつ解決し、やる気と活気のある会社にしてきます。

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