働きやすい環境と仕組みづくりで目指したのは
社員のモチベーションとスキルレベルの向上
課題:人材育成・研修管理、エンゲージメント向上、社内ナレッジ強化
課題:人材育成・研修管理、エンゲージメント向上、社内ナレッジ強化
業種業務支援サービス社員数550名
塩澤様:約550名が所属する、サービス統括本部が対象です。そのうち、マネージャー層が2割、インサイドセールスを担当する社員が8割。ここには東京に加えて横浜、沼津、大阪、松山、福岡の拠点と、クライアント先に常駐している社員も含まれます。
普段散らばっている社員がそれぞれサービスの品質を上げていくためは、これまで属人的にやってきた管理では限界があると感じていました。マネージャーやメンバーを我々が求めるラインまでスキルアップさせていく、そのためにはそれぞれが今どの状況にあるかを見える化しなければなりません。
渡部様:弊社は法人営業改革の支援サービスを提供していくなかで、営業活動やマーケティング活動のデータ化・データ活用は従来から行っていました。一方でメンバーの評価や人事関連になると、紙や感覚に頼っている部分があった。このギャップに強く違和感を覚えていました。本来弊社が強みとしているはずのデータ活用ですが、マネジメント分野ではまだまだできることがあるのではないかと感じていました。
また、当時社員のエンゲージメント向上は全社的な課題になっていました。市場調査もする中で、従業員エンゲージメントを左右する要因として「評価や配置が客観的なデータに基づいたものであるかどうかが重要である」と知り、それが弊社の現状を顧みる機会となったのです。
もしかしたら、弊社もデータに基づかない指導や評価、アサインをしてしまっているかもしれない。それに対して納得感や今後の展望を持てずに不安や不満を抱いている社員がいるとすれば、やはり早急に解決しなければなりません。そういった背景のもと、スキル評価の基準やルールを明確にしたり、それらをデータ化・システム化したりすることに取り組んできたのですが、そのプロセス上にあったのが、このタレントマネジメントシステムの導入でした。
中越様:導入検討では、まず十数種類のシステム候補を表にして、スキル評価やeラーニング、ワークフロー、MBOなど20項目について○×をつけていく方法で、3社まで絞りました。その3社にプレゼンをしていただいて、最終的にタレントパレットに決めました。
越智様:必須の条件を全てクリアした上で、特に重視していたスキルの可視化機能も、求めている要件を大きくクリアしていました。加えて、画面がわかりやすく自社で活用するイメージを明確に持つことができたことも大きな決め手でした。
中越様:想定はしていましたが、最初はアクセスが伸び悩みましたね。いつも決まった人ばかりがアクセスしていたので、どうすれば社員全員が気軽に見てくれるようになるのかを考え、愛着を持ってもらえるような取り組みから始めました。
弊社ではタレントパレットのことを「B’Talent(ビータレント)」という独自の愛称で呼んでいるのですが、これは社内公募で募集したものです。
「B’Talent」には、オリジナルのキャラクターもおり、「ビータ君」と「レントちゃん」といって、越智がデザインしたんです。トップページも、シーズンごとに四季折々のデザインに変えています。
塩澤様:はい。それまでは会社の共有サーバーに研修教材や評価データを保存したり、評価を記入した紙を所属長たちがキャビネットに入れて手元で管理するようなやり方をしていました。ただ、常駐先ではそういった紙の保管は難しいですし、当然社内のサーバーにもアクセスできません。拠点によっては、得られるはずだった研修の機会が得られないこともありました。
タレントパレットを導入してからはどこの拠点からでもセキュリティ面で安心して活用できるように“2段階認証”を使ってアクセスができるようにしました。客先で常駐している社員は、だんだん弊社に対する帰属意識が薄れていってしまうこともあったのですが、社外からでもアクセスができることにより、
タレントパレット上で会社の情報を定期的に配信ができるようになったため、定期的に会社のカルチャーや取り組みに触れる機会ができ、社内から好評の声を受けています。
越智様:まずは評価運用がペーパーレス化されて、どの拠点にいてもMBOの評価と承認ができるようになりました。これは大きく効率化された点です。所属長が変わると過去のデータが追いきれなくなっていましたが、それも解消されました。
MBOとスキルスコアをインサイドセールス個人ごとにつけているのですが、トータルの点数はもちろん、強みや改善点についても過去の履歴を含めて全てタレントパレット上で確認ができるようになりました。これらの情報をこれまではExcelにまとめ、MBOは紙で運用していたんです。
川畑様:紙の運用だと、まず550人分の記入済みのMBO用紙を集めて、書いてある点数を全てExcelに手入力し、それが合っているかどうかを何度も確認して、人事に提出していました。その読み合わせ作業もなくなりましたし、提出されてない人は画面で確認できるので、抜け漏れのリスクもありません。作業期間としては1ヶ月が2週間になったと言っても、過言ではないです。
それに人力作業だと、万一ミスがあったときに社員の評価に直結するので、そのあたりの精神的負担も激減しました。
塩澤様:プロジェクトへアサインするときの下準備もかなり省略化できました。
過去のアサイン履歴、工数管理に関する情報、本人の強み・弱み、達成状況……。今までは過去のマネージャーにアタリをつけて聞きに行き、「その人は私の担当ではなかったです」「あ、そうなんだ」ってまた違う人に聞きに行くような(笑)。もう、手探り感満載だったんです。そのあたりの必要なデータが全て、本人に紐づいて管理できるようになりました。
そのためアサインの際に「この人はオンライン商談の経験がある」や、「セキュリティ商材のプロジェクトにいたことがある」といった経歴を見て案件とのマッチング精度を上げたり、「スコア得点を見ると、ある程度中心になれそうな子だな」と
データに基づいたヒントでチーム編成ができるようになっています。
塩澤様:社内教育用に100種類ほどの講習があり、現在も少しずつ増えています。
「いつでもどこでも誰でも受けられる」を実現したくて、クライアント先に常駐している社員も受講できるようにしています。
渡部様:スキル評価はアウトプットだと捉えています。そのためにはインプットが必要です。評価結果から次に学ぶe-ラーニングを選び、インプットして、また評価に、というサイクルを構成しています。これができそうだと思ったのも、タレントパレット選定の理由の一つです。
我々は社員の皆さんに長く活躍いただき、その中で成長してほしいと思っていますが、それは基礎的なスキルがしっかりと身に付くかどうかにかかっています。これがうまくいかないとつまずきやモチベーション低下を起こし、長く続けていく原動力がなくなってしまう。
スキルとモチベーションはセットだと考えています。いくら技能を高めても、それを発揮しようという心の原動力がなければ、必ずしもパフォーマンスは上がらない。
そしてモチベーションは、個々人が持ち合わせるものだけでなく、環境が作用するものもあります。なので、我々が支援して上げられるモチベーションについては、会社として取り組んでいきたいと思います。
塩澤様:全体のスキル向上やサービス品質の向上はもちろん、会社に対する参画意識も上がったと思います。e-ラーニングが受講できる環境やスキルを可視化できるようになったことで、今まではなんとなく仕事していた人たちが「自分もこれをやれば上を目指せるんだ」というイメージを持てるようになりました。
タレントパレット導入前の体制と比べて、受講率は圧倒的に上がっていますし、スキルレベルも向上したと感じます。
越智様:マネージャー層からはスキルやMBOの履歴を追いやすくなり、蓄積された過去の情報を押さえた上で面談に臨めるようになったと喜ばれています。より正確なデータと本人の意思を加味したマネジメントができていると感じます。
拠点をまたがってチームを結成する際も、プロジェクトチームにどんな人がアサインされたのか、プロフィールや人となりを事前にしっかり確認することができるようになりました。この点も、
メンバー同士の気持ちの持ちようにおいて大幅なストレス軽減につながっている手応えがあります。
塩澤様:就業規則や規程類について、正しい情報を持っている人・持ってない人に差があったり、自分が解決したいことを誰も知らないという情報難民のような人もいました。特に福岡はまだ拠点が新しく、マネージャーもあまりいないので困っているケースが多かった印象です。
そんな中で「ここを見ればいい」というポータルサイトの必要性を感じていました。それがあればマネージャーは聞かれる負荷が減りますし、提出物も間違いがないものが提出される。本人としても「ちょっとこれ今更聞くの恥ずかしいな」と思っても、こっそり調べることができる。いろんなことが解決できそうだと思い、導入を決めました。
中越様:今までは何も調べずにすぐ聞いてくる社員もいましたが、人事FAQの導入により、まずは自分自身で調べるという癖づけにもつながったと思っています。
加えて、FAQという日常業務の動線上にある情報が集約されたことで、タレントパレットにアクセスすることが習慣化されました。タレントパレットの利用促進の観点でも良かったのかなと思います。
越智様:間違いなく良いですね。いろんなルールが属人的になっていたり、正しい情報が散らばったりしていましたし、途中で変更されたルールなどはどれが最新かわからない状態だったので、申請をしても「フォームが違う」と戻ってきたり。そうしたことが一切なくなって、役職問わず全員が恩恵を受けられていると思います。
塩澤様:やはりチャレンジし続ける会社であり、組織であり、人であってほしいと思っています。そのために、頑張った人には頑張っただけの評価やチャンスが与えられる。そういう文化はこれまでもありましたが、今後はもっともっと醸成していきたいと思っています。「オファーがなくても自分からポジションを取りに行くんだ」というぐらいのチャレンジマインドを育てたいです。
それにあたって注力したいのは、よりレベルアップしたスキルデータの活用ですね。
テキストマイニング機能も含めて、たとえば「こういうコメントを言ってる子たちはこういうことを考えているから、積極的に上に上げていくべき」とか、「新しいチームが発足したときにはこういうメンバーをアサインしよう」といったことを、データがレコメンドしてくれて動的に見られるような仕組みにしていきたいと思っています。
そのためには、我々ももっとタレントパレットのことを勉強しなくてはと感じています。
渡部様:弊社での活用は4つのフェーズを設けて、段階的・継続的に発展させているのが特徴です。新しい機能を取り入れたり、導入済みの機能についても随時運用を改善していったり。先ほど「チャレンジし続ける」という話がありましたが、運用プロジェクト側も、新たな取り組みを続けることで、タレントパレットの機能を活かせていけるのかなと。
社員の声を逃さずに拾って一つひとつ真剣に検討し、やったら1回きりじゃなく、実直にやり続ける。もちろん機能には非常に助けられていますが、「機能と運用」がきちんと作用し合っている点が大きいのではないかと思います。
人事の「今」と経営の「未来」を変える、
タレントマネジメントシステムです。