タレントパレットで実現した
「ADK流人事データ活用」
~定量・定性両面でのPDCA~
課題:人材データ分析、意思決定への活用
課題:人材データ分析、意思決定への活用
業種 広告 社員数 3,000名
人事企画部 人事企画室 兼
人材開発室
加藤 雄一郎 様
私達がタレントマネジメントシステムに求めていたことは、「見たい森(組織全体)」の状況を俯瞰(ふかん)してみながら、「見たい木(個々の社員)」が持つパフォーマンスを見ることでした。
タレントパレットは、高度な分析技術を備え、私たちの「見たい森」と「見たい木」をよりクリアにする力を持っていたので他社のシステムから切り替え、タレントパレットを導入しました。
タレントパレットは様々なシーンで活用していますが、まずは新入社員へのフォローの事例をご紹介します。最近はコロナ禍ゆえに、新入社員にいきなりテレワークを要求するなど業務環境の変化も大きいので、弊社では社員へのサポート体制を整える必要を感じ、月に1回パルスサーベイを実施しています。
サーベイでは就業が楽しかったのか、周りの社員と協働ができたのかといった感情的な定点観測や、人事との面談相談を希望するかも募り、何か相談をしたいなと思えば人事が相談できる体制を整えています。
また、私のメイン担当である人事評価に関しては、人事のKPIとして評価の「納得度」を重視しており、評価者側、被評価者側それぞれにとっての課題と感情を抽出するため、半期に1回の評価のタイミングでアンケートを実施して、評価の納得度を収集しています。
具体的には、タレントパレット上でアンケートを作成し、どういったところに納得したのか、人事評価制度やシステムへの要望、また目標管理についてどう感じているのかなど、項目ごとに分析しています。
アンケートを取り、課題抽出をし、仮説設定をし、そこから導き出された課題解決策を実行、そして効果検証する……というフローを、タレントパレット上で回しており、課題抽出と解決策の実行を繰り返すことで、KPIである「納得度」は徐々に上がってきています。
アンケートの分析は、査定、年齢、グレードといった項目でクロス集計を行い、社員の回答をテキストマイニングすることで、「納得できない」「不満に思う」という定性的な意見も見えてきました。そこから分かったことは、被評価者側である社員が勘違いをしたりしていて、人事の声が届いていないことでした。現在は、ウェビナー形式で人事に質問する機会を設け、改善に取り組んでいます。
社員の就業管理や工数管理の可視化にも活用しており、どのクライアントにどれくらいの時間をかけているのかまで、ダッシュボード上で見られる状態になっています。勤怠管理には専用のシステムを使っていますが、そこのデータもタレントパレットに流し込むようにして、最終的には一元管理を実現しています。
個々人の工数を見える化していますので、特定の人の負荷が大きくなる傾向にも気づきやすいです。個人の残業時間や、注意を向けるべき人などもチェックできるため、面談時や人事異動の際に、個人に寄り添った対応ができるようになっています。たとえば本人から相談がある前に、「最近忙しそうですけど、大丈夫ですか?」といった声かけもできるようになりました。
その他には退職者の傾向も、自動的にダッシュボード化できる仕組みを整え、今年の傾向や、過去との傾向比較がダッシュボードの中で見られるようにしました。例えば月別の退職者の数や職種やグレード別など様々な視点で分析し、対応を検討しています。
退職が発生した際に経営陣へ傾向の報告をする際にどんな人だったのかを報告する上で、タレントパレット上に残している退職面談の記録をレポートとして共有しています。
改めて、弊社の人材育成についての考え方を3点にまとめました。
タレントマネジメントシステムも、この考え方に則って活用しています。
1つ目は、プロが育つ・プロを育てる・プロが集まるADKであることです。どうやったらプロが育っていくのか、育てることができるのか、その検討のためにデータ活用を重視しています。
2つ目は、論理と感情のバランスです。人事施策の中で、論理的な考え方と感情への配慮はどちらも必要ですが、そのバランスを保つためにデータを活用しています。
3つ目として、「今」を見られる仕組み作りが必要だと考えています。人の考えや認識は、時とともに移り変わるものです。それによってパフォーマンスも変わるでしょう。そのため、タレントパレットなどのシステムを使って、個人と組織の「今」を観測し続けられる仕組み作りをしていきたいと思っています。
ここからは加藤様に加え、株式会社ADKホールディングス 人事企画部 人材開発室 室長 齊藤 安司様が登場。タレントパレットを活用した新たな「科学的」人事についてお話いただきました。
人事企画部 人材開発室
室長 齊藤 安司 様
人事企画部 人事企画室 兼
人材開発室 加藤 雄一郎 様
齊藤様:先ほどの「見たい森」と「見たい木」の話と共通しますが、従来のシステムの場合は、木を見る、つまり一人ひとりを見るには良かったのです。しかし、組織全体を見る機能が不足していました。全体を時系列で見ることで社員の変化を追ったり、テキストマイニングなどで傾向を見たりする分析には、タレントパレットが有利だと考えたのです。現職者だけでなく、退職者のヒアリングデータ管理ができるのも選定のポイントでした。
加藤様:人事業務の作業に時間をかけるのではなく、思考や企画に時間をかけたいと思っていたんですよね。実際その点は、タレントパレットを使って大成功でした。これまでExcelで行っていた作業がビジュアル化され、アウトプットのイメージがしやすくなった点もありがたかったです。選定時には、自動化できる範囲が広いこと、見たいデータが瞬時に見られることも決め手になりました。
齊藤様:これまでも、適性検査や評価、異動情報などの定量的なデータは取っていました。しかし人事担当者が社員と面談したときに、どんなことを思っているのかなど、感情面の情報も含めて一元管理をして、見える化することが必要ではないかと感じていました。一方経営側からは、「どんなレベルのプロフェッショナル人材が、どこの部署に何人存在しているのか」という問いも多かったんです。タレントパレット導入により、社員のポートフォリオ、採用のミスマッチ、優秀な社員の離職防止策など、いろいろな周辺情報をすぐに参照できるようにして、経営判断に役立てようと考えました。
加藤様:自分でも人事のアウトプットイメージを作りはするのですが、細かいところまですぐに提示するのは困難です。求められる結論に即してデータを分析しなければならない場面も多い。そういったときに、自分の視点だけですと足りない部分で、データの力を借りています。
齊藤様:現場が求める人材要件は年齢構成や職業経歴などですが、その条件に合っていれば誰でもいいというわけではありません。生産性を高めるためには、これまでの評価など周辺情報も検討しなければならない。要件とデータを吟味して、場合によっては「リーダーに資する人を入れた方がいい」など、我々人事の方から現場に提案し、マッチングした上で、異動の調整を進める場合もあります。
加藤様:本社も支社もテレワークになったことで、いろいろな課題が見えにくくなっていきました。しかしシステム上に寄せられる、社員のコメントがヒントになりました。コメントの数が少なくなったり、そっけないコメントが見られたり、といった傾向から気持ちの変化がわかります。合わせて、何らかの危機を察知したときに、その人のデータをすぐに見られるのもポイントでした。本人からは面談希望をもらっていなくても、こちらから先手を打って声を掛けることができるのです。
齊藤様:弊社には中途入社の社員も多く在籍しています。新卒社員同様、会社に不慣れな状態でリモートワークが続くと、不安を感じる人がいることもわかりました。OJT担当が「いつでも相談していいよ」と伝えても、オンラインでは相手の様子が見えず、気軽に相談しづらいですよね。そんなときにパルスサーベイで集めたデータを参照することで、不安を感じている社員に気づくことができ、適切な動きができた、という声もありました。そういった反応を聞くと、やはり導入してよかったなと思いますね。
人事の「今」と経営の「未来」を変える、
タレントマネジメントシステムです。