ツァイガルニク効果って何?ビジネスに活用する方法についてもご紹介


ツァイガルニク効果って何?ビジネスに活用する方法についてもご紹介

ツァイガルニク効果とは、完了した物事より未完の物事のほうをよく覚えている現象を指し、日常生活からビジネスまで幅広い場面で活用されています。

今回は、ツァイガルニク効果が生じる事例やビジネスに取り入れる方法について解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

今回は、ツァイガルニク効果が生じるシーンや、ビジネスに取り入れる方法について解説します。

この記事を読めば、ツァイガルニク効果のメリット・デメリットを理解でき、ビジネスシーンで応用する方法が理解できるでしょう。作業の効率化を図りたいと考えている人事担当者や経営層の人は、ぜひ参考にしてください。

ツァイガルニク効果とは一体何?

ツァイガルニク効果とは、すでに終わらせた事柄よりも、達成していない事柄のほうが強く記憶に残る現象です。ツァイガルニク効果を引き起こす原因は、「中途半端な状態をすっきりさせたい」という脳の働きによるものであると考えられています。心理学者のクルト・レヴィンとブルーマ・ツァイガルニクが行った心理学実験により解明されました。

ツァイガルニク効果を活用するシーンは多く、普段の生活からマーケティングに至るまで様々です。ビジネスの場面においては、業務の効率化を図りたいときや、モチベーションの向上を目的に用いられることがあります。

ツァイガルニク効果はなぜ発生する?

ツァイガルニク効果の発生には「心理的リアクタンス」が関係していると考えられています。そこで心理的リアクタンスについてわかりやすく解説します。

心理的リアクタンスとは

心理的リアクタンスとは、自身の行動の自由が制限された際に自由を取り戻そうとする心理を指します。アメリカの心理学者であるジャック・ブレームにより、1966年に提唱された心理現象です。

親に「宿題をやりなさい」といわれた途端、やる気が失せてしまった経験がある人は多いでしょう。他者から行動を強制されると、反発心が生まれることがあります。「宿題をやろう」と思っていたとしても、他者から命令された瞬間に取り組む意欲がなくなります。

心理的リアクタンスが高まる理由

自身にとって重要なことや優先度が高いことに制限が入ると、心理的リアクタンスが高まりやすくなります。何が重要であり、優先度が高いのかについて決定づけるのは、個々の判断によるものです。

他者が予想できるものではないため、思いがけない場面で心理的リアクタンスが高まる可能性もあります。

ツァイガルニク効果の具体例

ツァイガルニク効果が発生する原因について解説しましたが、実際にどんな場面で活用されているのか気になる人もいるでしょう。

以下では、ツァイガルニク効果が用いられるシーンと具体例を解説します。

1:ビジネスにおけるツァイガルニク効果の例

ビジネスシーンでは、作業効率を上げるための手段としてツァイガルニク効果が用いられるケースがあります。仕事のノルマを達成できた月よりも、達成できなかった月のことをよく覚えているといった経験がある人もいるでしょう。

業務に取り組んでいる最中、ほかの優先するべき業務を任されると「早く完了させなくては」という心理が生まれます。中途半端な業務を片づけたくなる気持ちをうまく利用すれば、作業の効率化が図れるでしょう。

2:マーケティングにおけるツァイガルニク効果の例

マーケティングで活用されるツァイガルニク効果の代表例として、テレビ番組の合間に放送されるCMが挙げられます。

クイズ番組では、答えが発表される直前に「正解はCMの後」というテロップが表示されてCMに入るパターンが多いです。そのため、視聴者のなかにはクイズの答えが気になり、番組が再開するまでチャンネルを変えない人もいるでしょう。これが「中断されると気持ちが悪い」という人間の心理を、逆手に取った方法です。完結していない事柄に強い興味をもたせることで、視聴者の離脱を防いでいます。

3:勉強におけるツァイガルニク効果の例

ツァイガルニク効果は、勉強の場面で生じるケースもあります。試験で問題を解いている最中に終了してしまい、答えを導き出せなかった問題の内容が頭からいつまでも離れなくなったことがある人もいるでしょう。

人は中途半端な状態の事柄に、関心を寄せる傾向があります。キリの悪いところでやめた勉強が気にかかることは、ツァイガルニク効果が関係しているといえるでしょう。

4:恋愛におけるツァイガルニク効果の例

成就した恋愛よりも、結ばれなかった恋愛のほうが鮮明に覚えているという人もいるでしょう。

相手から振られてしまうと、その相手のことがいつまで経っても頭から離れなくなります。これは、振られた側が「中途半端な状態になってしまった」と感じるためです。中断された恋愛を成功させたいという意識が働くことで、成就させたい気持ちが強まります。相手を諦めきれないと、新しい恋愛をなかなか始められません。

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ツァイガルニク効果で得られるメリット


ビジネスシーンにおけるツァイガルニク効果は、生産性の向上や作業効率のアップに有効です。

そこで、ツァイガルニク効果で得られる3つのメリットを解説します。

生産性向上につなげられる

ツァイガルニク効果を用いて業務を適切に管理すれば、生産性が向上しやすくなります。例えば、終わらせるべき業務を中途半端な状態にしたまま休憩に入ると、休憩時間をだらだらと過ごしてしまうことを防止できるでしょう。

「早く終わらせなきゃ」という意識が働くため、休憩時間が終わった後のオン・オフの切り替えがスムーズになります。業務の再開後も集中力を切らさずに、効率よく取り組めるでしょう。

モチベーション向上につなげられる

課題をあえて中途半端な状態にしておき、モチベーション向上を図るケースもあります。完成させていない業務があると、終わるまでの間は緊張が続くでしょう。

「早く仕事を終わらせたい」「キリがよいところまで進めたい」という気持ちが強まると、作業を効率よく進めることが可能です。ツァイガルニク効果によって生まれる感情を有効活用することで、意欲をもって業務に取り組みやすくなります。

マーケティングに活用することができる

ツァイガルニク効果はマーケティングでも有効活用できます。あえて中途半端に仕上げた広告は、多くのユーザーの関心を集めることが可能です。

例えばCMを制作する場合、サービスの魅力を紹介した後に「続きはウェブで」という形で締めると、ユーザーの興味を惹きつけられるでしょう。ユーザーの「もっと詳しく知りたい」という気持ちを引き出せるように工夫することで、売り上げアップが期待できます。

ツァイガルニク効果のデメリットとは

様々な場面で役に立つツァイガルニク効果には、デメリットも存在します。ツァイガルニク効果の3つのデメリットを解説しますので、ツァイガルニク効果には相性の良し悪しがあるため、合わないと感じる人は別の方法を取り入れましょう。

ストレス増加につながる可能性がある

ビジネスにおいて、完了していない業務が溜まるとストレス増加につながる可能性があります。
「中途半端な状態が続くと気持ち悪い」という意識が強い人の場合、未完の業務が増えるとイライラしてしまいます。ツァイガルニク効果と相性が合わないとメリットが得られないどころか、作業効率の低下を招く可能性があります。ツァイガルニク効果が自身にとって有効的な手段であるかを、確かめながら取り入れることが大切です。

作業効率が低下する可能性がある

業務を終わらせないままでいると、作業効率が損なわれる人もいます。中途半端な状態の業務が溜まってしまい、集中力が切れてしまう可能性がある点がデメリットです。
作業効率の低下を防ぐために、まずは完了した業務・未完の業務・これから着手する業務を整理しましょう。まだ完了していない業務に関しては、所要時間を見積もることが大切です。

モチベーションが低下する可能性がある

完了していない作業があると、なかにはモチベーションが低下する人もいます。

1日で複数の業務をこなしている場合、疲労がどんどん蓄積され、肉体的・精神的な負担が大きくなるでしょう。モチベーションを下げないためには、1日のなかでやるべき作業を、無理のない範囲で設定することが大切です。

人によっては途中で終わらせた業務のことが気になり、やるべき作業が手につかなくなる可能性があります。複数の作業を同時にこなすことが苦手な人は、業務を1件ずつ確実に進めていくことで、モチベーションの向上につながるでしょう。

ツァイガルニク効果をビジネスに取り入れる具体的な方法

ツァイガルニク効果をうまく活用すると、生産性やモチベーションの向上につなげられるでしょう。そこで、ツァイガルニク効果を仕事に取り入れるために必要な3つの方法を解説します。

タスク管理を適切に行う

ビジネスでツァイガルニク効果を取り入れる際は、タスク管理を徹底する必要があります。生産性を向上させるためにも、負荷量を適切に保つことが大切です。負担が大きくなるとやる気が失われ、モチベーションの低下につながる可能性があります。

業務に取りかかる前は「いつまでにどの範囲を終わらせるのか」について定めることがおすすめです。業務に区切りをつけることで、メリハリをもって取り組めるようになるでしょう。

作業にかかる時間を計測する

取り組む業務にかかる時間を計測することで、負荷のかからない業務量を可視化できるでしょう。ビジネスでは、限られた時間のなかで複数の業務をこなすことが求められます。時間を計測する習慣を身につけると、自身やほかの社員の作業スピードを把握することが可能です。

業務を始める前に作業時間を設定し、時間になったら業務が完了していない場合でも休憩に入りましょう。適度に業務を区切ることで、メリハリのある作業が実現しやすくなります。

休憩をこまめに入れる

何らかの業務を進める際、キリがよいところまで到達させるのに時間がかかる場合、取り組んでいる間に集中力が切れる可能性があります。集中力がなくなった状態で作業を進めることは、非効率的といえるでしょう。

だらだらと作業を続けることでミスが増える可能性があります。モチベーションを維持させるためにも、作業時にはこまめに休憩を挟むことが大切です。

まとめ


ツァイガルニク効果は日常生活からビジネスシーンまで、様々な場面で応用できます。ビジネスにうまく取り入れると、業務をスムーズに進めやすくなるでしょう。

ただしツァイガルニク効果との活用方法によっては、業務が思うように進められなくなる可能性がある点に注意が必要です。相性が悪いと、ストレスの増加やモチベーションの低下につながるケースもあります。作業効率の低下を防ぐためには、ツァイガルニク効果のメリットやデメリットを理解したうえで取り入れることが大切です。

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