こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
近年、さまざまな企業がワークシェアリングを取り入れています。この記事ではワークシェアリングの意味や種類、実際に行っている企業の導入事例、ワークシェアリングの導入方法について詳しく解説します。
ワークシェアリングの意味や種類
ワークシェアリングとは、従業員同士で仕事を分け合うことです。従業員同士で仕事を分け合うことにより、ひとり当たりの従業員の労働時間を減らし、多くの人材を雇用できるようにすることが目的です。
この記事では、ワークシェアリングの種類や海外における事例・成果などについて、詳しく解説します。
ワークシェアリングの種類
ワークシェアリングは、以下の4種類に分類できます。
- 雇用維持型
- 雇用創出型
- 多様就業促進型
- 緊急対応型
これら4つのタイプを、それぞれ解説しましょう。
雇用維持型は、定年が近い従業員や定年を迎えた従業員を退職させず、労働時間を短縮して雇用を維持する方法です。
雇用創出型では、現在の従業員の労働時間を短縮して新規に従業員を雇用し、仕事を分け与えます。
多様就業促進型では、パートやフレックスといった多様な働き方を容認し、雇用を促進します。育児や介護などにより、短時間しか就業できない人にも働く機会を与える方法です。
緊急対応型は、何らかの理由で企業の仕事量が激減した場合でも、従業員を減らさずに雇用を維持する方法です。現在の人員で仕事を分け合い、雇用を維持します。
このように、一口にワークシェアリングといっても、いくつかのタイプに分類されるのです。
ワークシェアリングの海外における成果
海外でも、ワークシェアリングは広く取り入れられています。
オランダでは、1980年前半の不況により雇用が激減する中で、ワークシェアリングが取り入れられました。労働時間や雇用スタイルを選択しやすくなって、ワークシェアリングが一気に浸透し、国も差別のないワークシェアリングを推進しています。
ドイツでも企業業績が悪化したため、失業者を減らすために採用されています。オランダ同様、労働時間や雇用スタイルを自由に選択できるようになりました。
ドイツでも、非正社員への差別禁止など、国をあげてワークシェアリングをしやすい環境を整えましたが、まだ企業ごとの取り組みに留まっているのが現状です。
フランスでは1週間の労働時間や有給取得が厳しく定められているため、ワークシェアリングが取り入れられやすい環境といえます。
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ワークシェアリングの導入事例
国内でも、いくつかの企業がすでにワークシェアリングを導入しています。ここからは、ワークシェアリングを導入している企業の事例を紹介します。
トヨタ自動車株式会社で行ったワークシェアリング
トヨタは、2009年に自動車の販売台数が減少したため、ワークシェアリングを実施しました。トヨタがワークシェアリングを導入した目的は、雇用の維持です。休業日を増やし、賃金の2割をカットしましたが、ワークシェアリングによって従業員の減少を最小限に抑えられました。
マツダ株式会社で行ったワークシェアリング
ワークシェアリング実施前は昼夜2交代制で稼働していましたが、売上不振のため夜間の稼働を停止したことで、従業員の労働時間が減少しました。そこで、なるべく雇用を減らさないように取り組んだのがワークシェアリングです。
基本給や残業時間が減ったため従業員の収入は減りましたが、人員整理は行う必要がありませんでした。基本給の減額や、残業の減少などの取り組みによって、人員を減らすことなく業績を持ち直した事例です。
株式会社ベネッセホールディングスで行ったワークシェアリング
日本でいち早くワークシェアリングを導入したのが、株式会社ベネッセホールディングスです。子育て世代の女性が働きやすい環境を作ることを目的に導入されました。
同社ではロールモデルの共有や、ワーキングマザーが情報交換できる機会を増やす取り組みを行っています。
働くのが難しい環境にある方に、「働ける環境」を提供する取り組みを積極的に行っている企業といえるでしょう。
まいばすけっとで行ったワークシェアリング
スーパーマーケットのまいばすけっとでは、新型コロナウイルスが原因で休業している外食産業から人員を受け入れる目的で、ワークシェアリングを実施しました。
外食産業は、コロナ禍の緊急事態宣言などによって大きな打撃を受けた業界です。まいばすけっとの事例は、ワークシェアリングによって緊急時に雇用の継続と安定を図った取り組みといえるでしょう。
日本IBM株式会社で行ったワークシェアリング
日本IBM株式会社では、結婚や出産、介護などでキャリアをストップする従業員の雇用維持を目的として、短時間勤務を導入しました。
育児に手がかからなくなった場合は、フルタイム勤務に変えられる点が特徴です。ワークシェアリングによって、ライフスタイルの変化によるキャリアの中断を防ぐ取り組みといえます。
ワークシェアリングの導入方法
ここからは、ワークシェアリングの導入方法について詳しく解説します。
ワークシェアリングができる仕事の洗い出し
まず、ワークシェアリングができる仕事を洗い出します。
すべての仕事で、ワークシェアリングができるわけではありません。仕事の中にはワークシェアリングに向いていないものもあり、無理やり実施すると現場が混乱するおそれがあります。
業務のプロセスを鑑みて、仕事の洗い出しを行いましょう。
ワークシェアリングに適した業務のマニュアル化
ワークシェアリングができる仕事を洗い出したら、次は業務のマニュアル化を行います。雇用人数が増えることで、トラブルが発生することも想定されます。誰がその業務に取り組んでもスムーズに業務を行えるマニュアルを作成すれば、ワークシェアリング自体の促進にもつながるでしょう。
ワークシェアリングを実施し、その都度見直す
マニュアルを作成したら、いよいよ運用です。ワークシェアリングを実施して不具合が発生した箇所は、その都度見直しながらブラッシュアップを行います。
ワークシェアリングを何度か繰り返し、効果を測定して見直しを行いましょう。ワークシェアリングについては以下の記事でも詳しく解説していますので、興味がある方はチェックしてください。
「ワークシェアリング」については、こちらの記事をご確認ください。
まとめ
ワークシェアリングは雇用を守り、個人に残業などを押し付けない取り組みといえます。現在は働き方改革などにより、労働時間を制限する動きが顕著です。ワークシェアリングは、働き方改革の推進に合った取り組みといえるでしょう。
しかし、ワークシェアリングを採用したうえで生産性の向上につなげるためには、人事管理を徹底しなければなりません。従来の人事管理では、従業員すべての管理が難しくなるおそれがあります。
そのような場合は、人事管理システムのタレントパレットなどを活用すると戦略的な人事を実現できます。
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