【徹底解説】DX人材とは「デジタル改革を推進する社員」必要なスキルと企業事例を紹介


【徹底解説】DX人材とは「デジタル改革を推進する社員」必要なスキルと企業事例を紹介

「こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。」

「DX人材に必要なスキルは?」「DX人材育成はどう進めたら良い?」とお悩みの担当者の方が、いらっしゃるのではないでしょうか。


近年はDX推進に取り組む企業が増えていますが、まだ実行できていない企業は多いです。DX推進を行うには「人材の確保」が大きな課題です。


しかし、DX人材は専門的なスキルのほかに主体性や好奇心などのマインドも重要となるため、育成に高いハードルが求められます。そこで本記事では、DX人材について詳しく知ってもらうために以下の内容を紹介します。


  • dx人材の基礎知識
  • dx人材に必要な職種とマインド
  • dx推進を行う企業とおすすめのサポート


DX推進を取り入れ、自社の業務促進・効率化を実現していきましょう。


DX人材とは?基礎知識を解説


まずは、DX人材の基本的な概要を説明します。DX人材という言葉は耳にしたことがあっても具体的に説明できないという方は多いので、ここで理解しておきましょう。注目されるようになった背景やDXリテラシー標準についても触れているので、ぜひ参考にしてみてください。


DX人材の意味


DXとは「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」を略した言葉で、デジタル化を促進し、ビジネスや組織の変革を図るという意味です。2004年にスウェーデンの「エリック・ストルターマン」が提唱し、日本では経済産業省が「デジタルガバナンス・コード2.0(旧DX推進ガイドライン)」として定義などをまとめています。


そのデジタル変革を推進する役割を担う人を「DX人材」と呼びます。DX推進は企業の「デジタル化」そのものを目的とするのではなく、データやデジタル技術を活用し変革を実行することで、競争上の優位性を確立するための手段です。変革は主に以下の5つを対象とします。


  • 業務
  • 組織
  • プロセス
  • 文化
  • 風土


主に、ビジネスデザイナーやエンジニアをはじめデータサイエンティストの分野において、DX人材が選出されることが多いでしょう。人材管理をする際は、スキルマップを作成するのがおすすめです。スキルマップは、職種ごとに異なる役割や必要なスキルをひと目でわかるように表にまとめたものです。「自分は何をやるべきか」を明確化するのに役立ちます。


人事におけるDX化について詳しく知りたい方は、別記事「人事DX(HRDX)の重要性について|メリットや導入の手順を解説」をあわせてご確認ください。


DX人材が注目されている背景


DX人材が注目されたのは、経済産業省が「2025年の壁」を発表したことが理由です。2018年に発表されたレポートでは「日本企業はDX推進をしなければ、2025年以降の5年間で毎年最大12兆円の赤字が生じる」と試算されています。


「2025年の壁」は、日本企業の大半が利用している老朽化したITシステムへの課題が表面化し、DX推進に対応できていない企業は競争力を失うという警告ワードです。


「2025年」をリミットとしているのは、超高齢化社会をむかえることや、IT市場の基幹システムのサポート終了時期が2025年前後に集中していることで設定されています。


このような背景から、企業ではデジタル化の推進が重要視され、専門スキルとノウハウを持つ「DX人材」の価値は高まる一方です。IT業界自体の人材不足が深刻化しているため、企業は人材投資や育成に力を入れることが今後の発展へのカギとなるでしょう。


経済産業省の指針【DXリテラシー標準】


「DXリテラシー標準」とは、経済産業省が定めたDX推進に必要なスキルやマインドの指針です。

働き手1人ひとりが「DXリテラシー標準」に従いスキルを身につけることで、DX推進を自分ごとととらえ変革に向けて行動しやすくしたり、方向を統一したりする目的で活用されます。


全体像としては、大まかに以下の4つを軸として学びを進めます。


  • DXの背景(Why)
  • DXで活用されるデータ・技術(What)
  • データ・技術の活用(How)
  • マインド・スタンス


組織としてだけでなく、年代や職種を問わずそれぞれの業務知識とDXリテラシーを掛け合わせ、自身の責任で学ぶよう促すことが非常に重要です。


DX人材が求められる職種7選


この章では、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が「DX推進に向けた企業とIT人材の実態調査」でDX推進に対応する人材としてあげている7職種を詳しく紹介します。


  • プロデューサー・プロダクトマネージャー
  • ビジネスデザイナー
  • データサイエンティスト
  • 先端技術エンジニア
  • UI/UXデザイナー
  • エンジニア・プログラマ
  • テックリード(アーキテクト・エンジニアリングマネージャー)


DX人材の育成では、それぞれの職種で現状と不足しているスキルを把握し、プロジェクト実行までを見据えた計画が必要です。以下で紹介する職種を参考に、スキルマップを作成してみてください。


プロデューサー・プロダクトマネージャー


DX推進の計画を主導するリーダー格となるのが、プロデューサーやプロダクトマネージャーです。デジタル技術の知識だけでなく、企業ビジョンを深く理解している必要があり、管理職クラスの人材が任命されることが多いでしょう。


課題設定力も求められ、プロジェクトがうまく進むようチームに働きかけたり、スケジュールを調整をしたりするなど業務範囲は多岐に渡ります。最終課題である「プロジェクトの成功」の責任を担うポジションです。


ビジネスデザイナー


ビジネスデザイナーは、デジタルビジネスモデルの立案や推進を担う人材です。競合や顧客の動きを分析するマーケティングを行い事業戦略を練る「ビジネスコンサルタント」のような役割があります。ビジネスをよく理解し、広い視野を持って外部環境を読み取れる人材が望ましいです。


プロデューサーと同様に会社内部からの人材選出が適しているため、教育が重要視される職種です。能動的に新しいことを生み出す発想力と、チームやパートナーとともにプロジェクトを構築する協調性が求められます。


データサイエンティスト


データサイエンティストは、事業や業務のデータ分析をする人材です。「統計学」「アルゴリズム」の知識を用いてシステムを解析し、プロジェクトでの最適な活用方法を考案します。また意思決定の局面においても、データにもとづいた合理的な判断をサポートするために重要な役割です。

市場トレンドを把握し、長時間データや数字を扱える人が向いており、新卒や外部の人材が選出されるケースもあります。データ収集と分析を専門とする「データアナリスト」と業務内容は同じです。しかし、データサイエンティストは企業課題の解決までを目指すため、責任範囲の広さに大きな違いがあります。

先端技術エンジニア


先端技術エンジニアは、先端的なデジタル技術を用いたITシステムを扱う人材です。以下のそれぞれの技術に適した開発言語で、実装や運用までを手がけます。

  • AI
  • 機械学習
  • ブロックチェーン
  • ディープラーニング
  • AR/VR
  • ビッグデータ


具体的にはデータ分析とクレンジング(加工)をしたのち結果を学習させ、導き出された法則に従って動くプログラムモデルの作成を行います。テクノロジーの変化速度は非常に早いため、外部連携で人材補完されることが多い傾向です。

UI/UXデザイナー


UI/UXデザイナーは、ユーザーに向けたインターフェースを使いやすいビジュアルに整える技術者です。サイトやアプリケーションにおいて、優良なデザインを考案できるUI/UXデザイナーがいれば、顧客満足度や利用率の向上につながります。

UI/UXデザイナーの人材確保の際は、外注することが多いです。そのため、企業やプロジェクトのコンセプトや表現したいポイントを的確にくみ取り、デザインに落とし込める能力が必要です。さらに、コミュニケーションスキルも兼ね備えた人材が望ましいでしょう。

エンジニア・プログラマ


システムの実装やインフラ構築・保守などを担うのが、エンジニアやプログラマです。主に以下の4つの流れでアプリケーションやネットワークサーバーを作り上げ、リリース後も運用しながら改善を図ります。

  1. 要件定義
  2. 基本・詳細設計
  3. 実装
  4. 運用・保守


エンジニアは設計を、プログラマは設計に基づいてシステムが作動するようプログラミングを担当します。DXに携わるエンジニアやプログラマは、技術力だけでなく業務の分析やプロジェクトマネジメントスキルなどが必要です。そのため、高いレベルの教育または適切な人材確保が必要です。

エンジニアの評価制度について詳しく知りたい方は、別記事「エンジニアにおける評価制度の特徴と気を付けるべきポイントとは?」をあわせてご確認ください。

テックリード(アーキテクト・エンジニアリングマネージャー)


テックリードは、エンジニアチームのリーダー役を担います。DXに関するシステムの設計や実装ができることに加え、エンジニアやプログラマの窓口として機能していく必要です。そのため、精神的にチームの支えとなってプロジェクトを進めていく引率力が求められます。

テックリードにはチーム全体の生産性に目を向け、成果を上げるための指示ができる人材が適しています。経験を積んだ技術のある社内エンジニアが選出されたり、経験者を中途で採用したりするケースが一般的です。

DX人材に必要な3つのマインド【ソフトスキル】


ここでは、DX人材に求められるマインドセットやソフトスキルについて解説します。


  • 的確な課題を設定しようとする姿勢
  • 周囲のメンバーを巻き込む意識
  • 最後までやり遂げる責任感


DX人材は、技術力だけでなくプロジェクトを進める上での「考え方」も重要な要素です。経済産業省が定めた「DXリテラシー標準」でも取り上げられている内容を踏まえながら紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。


的確な課題を設定しようとする姿勢


DX人材には第一に、解決すべき課題を自ら設定し取り組む姿勢が大切です。DX推進では、現状に満足せず新しい変革を実行し続けるため、常に未来を想像した課題設定力が求められます。


ただし、設定した課題が適切でない場合、新たな価値は生まれません。そのため、綿密な分析と仮説の検証を繰り返す工程が必要です。計画通りにプロジェクトが進まないときでも、これまでのプロセスにこだわらず新しいアイデアを取り入れるなど、柔軟で的確な考え方ができる人材が適しています。


周囲のメンバーを巻き込む意識


他者との関わりが自分や業務の糧になるという意識を持ち、周囲を巻き込むことができるスキルは良い影響を生み出します


DX推進は長期的に実施されるため、メンバー全員の「モチベーションの維持・向上」は成功に欠かせない要素です。一部の社員や経営層だけで進めるのではなく、部門や社員同士の意識差をなくすことで、DX化はさらなる価値を発揮します。DX推進においては、周囲を巻き込める人材が重宝されるでしょう。


最後までやり遂げる責任感


DX戦略は、数年にわたりいくつもの改善プロセスを実行していくため、困難な状況でも諦めずに責任感を持って取り組まなければいけません。プロジェクトに関わるメンバーに与えられる一つひとつの業務が、DX推進に不可欠なものです。


リーダーを務める人はもちろんですが、壁を突破するためにそれぞれがリーダーシップを発揮する意識が大切です。その都度発生する問題を解消しながらプラン全体を調整し、成功するまで投げ出さずにやり遂げる責任感はDX人材において必須スキルです。


DX化を推進した2つの事例


この章では、実際にDX推進に取り組んでいる企業を紹介します。


  • 株式会社ニトリホールディングス
  • ユナイテッド株式会社


この2つの企業は、今後の企業ビジョンを明確にした上で、外部サービスを利用しながら人材管理に注目しDX化を進めています。ぜひ参考にしていただき、自社でDX化を遂行するイメージを掴んでみてください。


IT人材の育成方法について詳しく知りたい方は、別記事「社内でIT人材の育成を成功させる方法とは」をあわせてご確認ください。


株式会社ニトリホールディングス


家具やインテリア用品の大手企業である「株式会社ニトリホールディングス」は、必要な人材は「外部から連れてくるのではなく育て上げる」ことを最優先にDX化を目指しています。ニトリの神髄を理解している社員を軸に育成することで、ビジョン実現に向けて進んでいきたいという考えです。

人材育成の過程では、人事情報の分析機能を導入し数字を根拠にしたデータ分析で説得力がある人材管理も実現しました。見落としている部分に気づかせてくれるような機能に衝撃を受けたそうです。

「DX化で顧客の体験を良い方向に変える」との目標をかかげる一方で「人事の顧客=社員」という前提があります。DX推進は、顧客だけでなく社員のためだという意思が伺えます。

ニトリの詳しい事例について詳しく知りたい方は、別記事「経営戦略の実現に向けタレントパレットを導入|多数精鋭組織を育成するニトリHDの構想とは」をあわせてご確認ください。

ユナイテッド株式会社


「ユナイテッド株式会社」は、グループの成長に合わせDX強化を検討し外部システムを導入しました。人事評価や等級の滞留年数などをDX化したことで、ピープルアナリティクスに取り組むことも可能になっています。離職しそうな社員のピックアップなど「人事データを一括管理したい」というニーズが満たされたそうです。

グループの成長にともなう増員にも対応できるようになり、人事管理のリソースを企画に割き、戦略的な人事を目指すステップに向かっています。人事制度がある程度確立された企業でも柔軟に対応できる外部システムがあるので、導入を検討する価値があるのではないでしょうか。

ユナイテッド株式会社の詳しい事例について詳しく知りたい方は、別記事「データ活用で戦略人事を実現|ユナイテッド社の人事改革」をあわせてご確認ください。

人事業務の効率化、データ活用をするならタレントマネジメントシステムの導入が必須


人事業務をDX化することで、社員データの一元化・人材検索・人事評価・配置検討などの幅広い業務を効率化できるようになります。また、人材育成・最適配置・社員パフォーマンスの最大化など、組織力向上を目的とした一歩先のタレントマネジメントまで実現が可能です。

また、タレントマネジメントシステムを導入すれば、社員データを集約し人事評価のペーパーレス化や異動シミュレーション、ハイパフォーマー分析など、高度な施策が実施できます。タレントマネジメントを取り入れて、自社のリソースを最大限に活用しましょう。

DX人材育成にはシステムの活用がおすすめ


DX人材は「2025年の壁」に備え、これからも需要が高まると予想されます。社員1人ひとりがDX化を意識することで、会社全体の業務効率化が図れます。それには新しい人材採用も有効ですが、社内でDX人材を育成していくことも重要です。


しかし、専門的なスキルだけでなくソフトスキルなど総合的な能力が必要なのでDX人材育成の課題は多いでしょう。そんなときは、自社だけで抱え込まず、外部システムを活用することをおすすめします


「計画的にDX人材育成をしていきたい」「フィードバックや評価を適正に行いたい」とお考えであれば「タレントパレット」へぜひご相談ください。


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