【保存版】社員が無断欠勤する理由5選・対応手順5ステップ!未然に防ぐ対策も紹介


【保存版】社員が無断欠勤する理由5選・対応手順5ステップ!未然に防ぐ対策も紹介

無断欠勤を繰り返す社員に困っている方も多いのではないでしょうか。やむを得えない理由で無断欠勤をした場合もあるため、適切に対応する必要があります。本記事では、無断欠勤の対応方法や防止策を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。「無断欠勤を繰り返す社員の対応に困っている」「無断欠勤は解雇できるのか」といったお悩みをお持ちではないでしょうか。


結論から言うと、無断欠勤を重ねる社員の解雇は可能です。無断欠勤とは、企業に連絡を入れずに社員が自己判断で休むことを意味します。無断欠勤は社会人として行ってはいけないだけではなく、重大な契約違反です。しかし中には、やむを得えない理由で無断欠勤をした場合もあるため、対応方法に悩む方もいるでしょう。


そこで本記事では、社員が無断欠勤する理由や未然に防ぐ方法を解説します。また、無断欠勤を繰り返す社員を解雇する方法や損害賠償についても説明しています。無断欠勤が発生した際の適切な対応方法が分かる内容になっているため、人事労務担当者はぜひ最後までお読みください。


無断欠勤を理由に社員を解雇することは可能

無断欠勤は、社内規則で「欠勤の手順」が定められている場合、規則違反に該当するため、解雇が可能です。厚生労働省の解雇理由の調査では「頻繁な無断欠勤」が理由の解雇は、全体の17.1%を占めています。


また、東京プレス工業事件では無断欠勤を繰り返す社員に対して、会社が勝訴した事例があります。当該社員は「半年間に24回の無断遅刻と14日間の無断欠勤」をしており、会社が何度も注意を促しても、改善が見られませんでした。


裁判所は、事前に届出がされていない遅刻や欠勤は、職場の秩序を乱す行為と判断しました。さらに、就業規則などに定められている懲戒解雇の事由に該当するため、解雇処分に正当性があると認めました。


無断欠勤だけでなく、無断遅刻や注意に応じない姿勢など、さまざまな要因が重なることで当該社員を解雇できる可能性は高まります。


しかし、やむをえない事情による無断欠勤の場合は解雇ができないため注意が必要です。社員の無断欠勤による解雇を検討する場合は、無断欠勤の理由の確認と、事実を記録しておきましょう。


社員が無断欠勤する理由5選


社員が無断欠勤をする理由として考えられるのは、以下の5つです。


  • 自己管理不足
  • 事故・急病
  • 精神疾患
  • ハラスメント・いじめ
  • 退職目的


まずは、どのような理由で無断欠勤が発生するのかを知る必要があります。適切に対処するためにも、人事担当者は原因を把握しておきましょう。


自己管理不足


自己管理不足は、寝坊や二日酔いなどが該当します。起床した時点で出社時間を過ぎている、もしくは遅刻が確定している状況が大半です。遅刻して上司に注意を受けるのが嫌で、連絡せずに欠勤してしまうのです。

本来、遅刻よりも無断欠勤の方が厳しく注意されますが、後先を考えずに現実逃避をしてしまう方もいます。自己管理不足が理由の場合は、翌日には出勤してくると考えられます。しかし、注意を受けるのが怖くて、無断欠勤を繰り返してしまう可能性もゼロではありません。

事故・急病


事故や急病などの緊急事態で、連絡が取れないパターンが考えられます。特に、社員が一人暮らしや、トラブル発生時に周りに誰もいなかった場合などは、連絡したくてもできないため、無断欠勤になる可能性が高いです。また、本人ではなく家族や友人が、事故や急病の場合もあるでしょう。

本人は無事ですが、急な出来事でパニックになってしまい、連絡ができないケースも考えられます。翌日になっても連絡が取れないときは、事故や急病といったケースを考えましょう。

精神疾患


精神疾患には、以下の病名が挙げられます。

  • うつ病
  • 適応障害
  • ストレス障害
  • 自律神経失調症


精神疾患になると、朝になると起きられなかったり、連絡しようとすると発作が起きたりする場合があります。連絡したくても、できないことがあるでしょう。なお、精神疾患の原因が企業に関わる場合は、適切な対応が求められます。

無断欠勤が長期にわたったとしても、減給や解雇などは原則できません。企業側は、直ちに社員を治療に専念させる必要があります。

ハラスメント・いじめ


ハラスメントやいじめが原因で、出勤できなくなってしまうケースです。欠勤理由を伝えると報復が怖いという気持ちから、無断欠勤をすることがあります。また、ハラスメントやいじめが原因で、精神疾患を引き起こす場合もあるでしょう。

ハラスメント・いじめも企業側に問題があるため、実態を把握するとともに、適切な対応が必要です。被害者に懲戒処分を行ってはならないのはもちろん、場合によっては加害者への対応も必要でしょう。

退職目的


すでに退職を考えているため、無断欠勤をしている社員もいます。本人は辞める前提でいるため、無断欠勤後の注意や処分を、深刻に考えていない可能性が高いです。社員を退職させるには、いくつかの手続きを踏む必要があります。スムーズに退職処理を進めるためにも、本人と連絡を取れる状態にすることが望ましいです。

無断欠勤した社員への対応方手順5ステップ


無断欠勤をした社員への対応方法として、以下の5つの手順を踏みましょう。


  • 安否確認をする
  • 無断欠勤の理由を聞いて指導・教育する
  • 無断欠勤の理由に応じて処分を行う
  • 改善が見られないなら退職勧奨を行う
  • 解雇処分を検討する


ただし、無断欠勤の理由や頻度によっては、対応方法が異なります。一つずつ解説するので、ぜひ参考にしてみてください。


安否確認する


無断欠勤した社員に対して、電話やメールで連絡を入れ、安否確認しましょう。事故や急病などの場合は、社員自身が連絡できないことがあります。社員が無事かどうかの確認を最優先に考えて、行動しましょう。

寝坊や二日酔いなどが原因の場合は、すぐに連絡がつく傾向にあります。しかし、数日経っても音沙汰がないときは、家族と連絡を取ることも一つの方法です。

無断欠勤の理由を聞いて指導・教育する


本人の無事を確認できたら、無断欠勤の理由を聞きます。自己管理不足が理由なら、無断欠勤は契約違反である旨を伝えて、厳重に注意しましょう。初回の注意は直属の上司で問題ありませんが、何度も繰り返す場合は、人事担当者などが指導・教育を行います。指導・教育を怠ると、企業側が無断欠勤を容認しているとみなされるため、注意が必要です。

ただし、ハラスメントや精神疾患が理由の場合は、自己管理不足とは異なる方法で対処しましょうハラスメント・精神疾患の原因に企業が関わっているなら、迅速にフォローすることが重要です。

話を聞く場合は、上司ではなく人事担当者の方が良いケースがあります。ハラスメントや精神疾患の原因が、部署や上司である場合、関わりの薄い人の方が話しやすい可能性があるからです。まずは、無断欠勤をしている社員の話を聞き、状況に応じて加害者にもヒアリングしましょう。適切な指導・教育を行い、再発防止に努めることが大切です。

無断欠勤の理由に応じて処分を行う


無断欠勤を繰り返すという理由では、簡単に社員を解雇できません。無断欠勤理由や状況に応じて適切な処分を行う必要があります。処分の種類は以下のとおりです。

  • 顛末(てんまつ)書
  • 出勤停止
  • 減給


顛末(てんまつ)書は、仕事上のミスやトラブルを社内に報告する文書です。無断欠勤がどのような経緯で発生し、どのような対応を取ったのかを細かく記入させます。出勤停止の場合は、期間中給与を支給する必要はありません。期間については法律上の制限がなく、企業が設定可能です。

減給は、特に重い処分です。なお、減給できる金額は法律で決められています。月給に対して10分の1以下、平均賃金の1日分の半額以下までしか減給できません。また、就業規則に記載がない場合、減給はできないため注意しましょう。

無断欠勤に対する処分は、就業規則に沿って科すことが重要です。ただし、ハラスメントや精神疾患など、厳しい処分が妥当でないケースもあります。ハラスメントや精神疾患で悩んでいる社員に厳しい処分を科すよりも、本人が安心して働ける環境にする方が大切です。

改善が見られないなら退職勧奨を行う


退職勧奨とは、企業が社員に対して退職を勧めることを指します。退職させるには、企業と社員双方の合意が必要です。企業が一方的に退職を言い渡す解雇とは、意味合いが異なります。退職勧告は、あくまで社員に自発的な退職を促すのがポイントです。

無断欠勤が続くと、該当社員が所属している部署や同僚などに影響を及ぼすため、解雇したいと考える人事担当者もいるでしょう。しかし、いきなり解雇を行うと、不当だと訴えられるリスクがあります。企業側が不利にならないためにも、双方の合意が必要な退職勧奨を行うのが適切です。

無断欠勤による退職勧奨について詳しく知りたい方は、別記事「無断欠勤退職」をあわせてご確認ください。

解雇処分を検討する


最終的な手段として、解雇を検討します。あらゆる手を尽くしても状況が変わらない場合、会社としては決断をしなければなりません。しかし、解雇処分は大きなトラブルにつながる可能性が高まるため、決められたルールを確実に守った上で行う必要があります。また、解雇理由によって解雇の種類が異なります。

解雇を不服とした社員に訴えられないように、法律に則った対策や事前準備をしっかりと行っておくことが重要です。無断欠勤の解雇に関する裁判事例について詳しく知りたい方は、別記事「無断欠勤解雇」をあわせてご確認ください。

無断欠勤を重ねる社員を解雇する方法5ステップ


注意をしても改善が見られず、退職の意向も見られない場合は、最終手段として社員の「解雇」を検討します。ここでは、社員を解雇する方法を5ステップで解説します。


  • メールや電話で出社を催促した記録を残す
  • 解雇を予告する
  • 解雇予告通知書を送る
  • 解雇を行う
  • 離職票を発行する


裁判で訴えられても対応できるように詳しく解説するので、社員とのトラブルを回避したい方はぜひ参考にしてみてください。


メールや電話で出社を催促した記録を残す


退職勧告を行っても、自発的に当該社員が退職する意向を示さないときは、解雇処分の準備を始めましょう。トラブルなく解雇処分をするには、会社が段階的に必要な対応をしてきた証拠を残しておくことが重要です。以下の項目は、記録しておくようにしましょう。


  • 出勤命令をした日時(メール・電話)
  • 手紙を送った日時
  • 自宅を訪ねた日時


出社命令などを行ったにも関わらず、社員が応じなかったという記録を残しておくことが重要です。時系列で確実に説明できるようにしておけば、裁判で訴えられても落ち着いて対応ができます。当該社員から連絡がこない時の対処法を詳しく知りたい方は「無断欠勤連絡こない」をあわせてご覧ください。


解雇を予告する


社員が無断欠勤を続ける場合は「解雇予告」を行います。「30日前に解雇を予告をする必要がある」ことが法律で定められているので、注意しておきましょう。予告を行わない場合や予告日数が30日に満たない場合は、不足している日数の平均賃金を会社が当該社員に支払う必要があります。


解雇予告は口頭でも効力がありますが、トラブルを未然に防ぐためには「解雇通知書」を作成することが望ましいです。記録が残らない口約束では、訴えられた時の証拠として提出できません。社員を解雇する意思を正式に表示するための書類は、以下の2つの種類があります。

書類の種類

説明

解雇予告通知書

・解雇する30日前までに使う

・解雇予告手当は不要

解雇通知書

・即日解雇する時に使う

・解雇予告手当は必要

ポイントは「解雇予告手当」の有無です。解雇予告ができる状況であれば、解雇予告手当は用意する必要がありません。なお、当該社員と連絡がつかない場合は、以下のいずれかの対応をしましょう。


  • 解雇予告手当を支給する
  • 解雇予告除外認定を受ける


解雇予告除外認定とは、即日解雇が可能となる制度で、労働基準監督署に申請する必要があります。


解雇予告通知書を送る


作成した解雇通知書は、当該社員が受け取っていることが重要です。手渡しをするケースは、解雇予告通知書のコピーを用意しておきましょう。解雇予告通知書のコピーには、当該社員から以下を証拠としてもらっておいてください。


  • 受領した日付
  • 受領完了のサイン
  • 印鑑


手渡しができない場合は「内容証明郵便」で、当該社員に解雇予告通知書を送ります。内容証明郵便であれば、受領サインなどがもらえなくても、当該社員が解雇予告通知を受け取った証明ができるためです。また、内容証明郵便とは別に「普通郵便」でも解雇予告通知を送ると良いでしょう。内容証明郵便で受け取り拒否をされても、普通郵便であればポストに届いた時点で、当該社員にきちんと届いたことになります。


注意事項は、内容証明郵便に「普通郵便でも解雇予告通知書を送っている」という旨を記載することです。解雇予告通知書は当該社員の手元に届いて初めて意味があるため、手渡しでも郵送でも確実に届ける必要があります。内容証明郵便で送った後は、郵便局のホームページで番号などを追跡して配達状況を確認しましょう。


解雇を行う


解雇通知書の交付が完了したら、当該社員の解雇処分を進めます。解雇には以下の3種類があります。


  • 懲戒解雇
  • 整理解雇
  • 普通解雇


懲戒解雇とは、悪質な契約違反や非行を行った際に懲戒処分として行われる解雇です。労働契約書や就業規則に具体的な条件が明示されていることがポイントです。例えば「企業に甚大な損害を負わせた」「犯罪行為に加担した」などが挙げられます。


整理解雇とは、会社の経営危機などにより人員を整理するための解雇です。整理解雇をするには、以下の4つの条件を満たしている必要があります。


  • 人員削減の必要性がある
  • 解雇する社員の選定に合理性がある
  • 解雇を回避するための手を尽くした
  • 当該社員と話し合いが済んでいる


普通解雇とは、懲戒解雇と整理解雇に当てはまらない解雇です。例えば、著しい能力不足や協調性が欠如しているために、業務に支障をきたしている場合に行われます。また、健康上の問題で職場復帰の見込みが立てられないときに行われます。解雇処分を行う際は、どの解雇に該当するか確認しておきましょう。


離職票を発行する


無断欠勤で退職処分を行なった時に見落としやすいのが、離職票の発行です。退職の理由が無断欠勤であっても、当該社員は失業保険を受け取る権利があります。会社は社員が退職したら、忘れずに失業保険に対応するための準備をしておきましょう。しかし、失業保険はすべての人が受け取れるわけではありません。準備する前には、当該社員が失業保険の受給条件に当てはまるかを確認しておくことが重要です。


無断欠勤をする社員を解雇できない4つケース


無断欠勤を重ねる社員を解雇したくても、できないケースがあります。以下の4つの条件に当てはまる場合は、解雇が難しいです。


  • 無断欠勤が14日以内である
  • 無断欠勤の証拠がない
  • 無断欠勤の原因が精神疾患である
  • 無断欠勤の原因が災害や事故である


解雇ができない条件を詳しく見ていきましょう。


無断欠勤が14日以内である


無断欠勤が14日以内の場合は、解雇するのが難しいです。明確な無断欠勤の日数は法律上決められていませんが、14日以上の無断欠勤が解雇を認められる目安とされているためです。しかし、例外として無断欠勤の日数が14日以内でも解雇を認められる可能性があります。


例えば、会社が無断欠勤をしている社員に対して「健康状態の確認」や「出社命令」をしても対応しないケースです。また、有給休暇で調整されるケースもあるため、14日以上という定義はあくまでも目安になります。裁判所に不当と判断されないよう、無断欠勤を理由に解雇するには、日数を確認しておくことが重要です。


無断欠勤の証拠がない


証拠が用意できていない場合は、無断欠勤で社員を解雇することはできません。実際に社員の無断欠勤に困って解雇しようとしても、証拠がなかったために裁判で敗訴している事例もあります。また、社員は欠勤の連絡をしたと言い張り、会社は連絡を受けていないと認識していた事例もあります。


明確な証拠がないことで、お互いの認識に誤りが生じてトラブルにつながることもあります。勤怠データやタイムカードの管理は徹底しておくことが必要です。無断欠勤により、実際に業務に支障をきたしていることも記録しておきましょう。裁判を起こされても、会社として不利にならないように、タイムカードや勤怠のデータは証拠としてしっかりと整理しておいてください。


無断欠勤の原因が精神疾患である


精神疾患が原因で社員が無断欠勤をした場合は、解雇ができません。例えば、ハラスメント行為や長時間労働など、社員が必要以上のストレスをかけて追い込んでしまっている場合が挙げられます。


社員に精神疾患の診断が出たら、まずは本人と話し合い、休職させるかどうかを判断しましょう。精神疾患や働く環境に配慮をせず解雇することは不当です。企業は社員に訴えられれば、慰謝料を請求されたり、社会的イメージが下がったりする危険があるので注意してください。解雇予告を一度出せば、企業の都合で取り下げることはできないため、慎重に判断することが大切です。


無断欠勤の原因が災害や事故である


無断欠勤の原因が、災害や事故に巻き込まれたことによるものである場合、解雇の理由には該当しません。また、例えば、災害により欠勤の連絡をするのが難しい場合もやむをえない状況と言えます。社員から連絡がこない場合は災害や事故の可能性も考え、メールを送ったり電話をかけたりして安否を確認しましょう。


無断欠勤した社員に対応する際の2つ注意点


無断欠勤が発生したときに適切に対応できるように、以下の2点を押さえておきましょう。


  • 労働分の賃金や残業代は支払う必要がある
  • 無断欠勤日を有給休暇に変更できない


無断欠勤は基本的に契約違反のため、給与を支払いたくないと考える方もいるでしょう。しかし、雇用契約を結んでいる以上、給与や有給休暇に関してはルールに従う必要があります。注意点を解説するので、ここでしっかり確認しておきましょう。


労働分の賃金や残業代は支払う必要がある


無断欠勤でも、労働分の賃金や時間外手当などは支払わなければなりません。無断欠勤のペナルティとして賃金を支払わないことは、法律で禁止されています。

ただし、無断欠勤によって企業が大きな損害を被った場合は、額面通りの賃金の支払い義務が生じないこともあります。損害の証明が難しいため、労働分の賃金を支払うケースが多いのが現状です。被害額が大きいなどの理由で損害賠償請求を検討しているなら、弁護士に相談しましょう。

無断欠勤を行われた際の給与支払いについて詳しく知りたい方は、別記事「無断欠勤給料」をあわせてご確認ください。

無断欠勤日を有給休暇に変更できない


企業の判断で、無断欠勤日を有給休暇にはできません。有給休暇は、必ず本人による申請が必要だからです。社員は、有給休暇を取得する前日までに、上司や人事部に届け出る必要があります。そのため、本人が後日有給休暇を申請しても認められません。

無断欠勤をした日は賃金が発生しないため、給与が少なくなります。給与を満額もらうべく、無断欠勤日を有給休暇にしたいと考える社員もいますが、変更できないことを留意しておきましょう。

無断欠勤を未然に防ぐ3つの対策


無断欠勤を未然に防ぐ方法は、以下の3つです。


  • 無断欠勤の予兆がある社員をフォローする
  • 勤怠面も考慮して評価する
  • 状況に応じて配置転換を行う


無断欠勤は、発生しないことが望ましいです。無断欠勤を未然に防ぎたい方は、ぜひ参考にしてみてください。


無断欠勤の予兆がある社員をフォローする


普段から社員の様子を観察し、無断欠勤の予兆がある場合はフォローしましょう。考えられる予兆は、以下のとおりです。

  • 体調不良が続いている
  • 職務怠慢の傾向がある
  • 最近元気がない


しかし、企業には多くの社員が在籍しているので、一人ひとりの様子を見る余裕がないケースもあるでしょう。タレントパレットなら、社員の健康状態やストレス状況を管理できます。ツールを用いて無断欠勤の予兆を把握するので、一人ひとり観察するよりも負担が少ないです。無断欠勤の予兆がある社員を把握したいなら、ぜひタレントパレットの導入を検討してみてください。

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勤怠面も考慮して評価する


社員の評価は、仕事の成果だけでなく、勤怠面も考慮して行うことが大切です。無断欠勤をする社員だからといって、業務成績が悪いとは言い切れません。むしろ優秀な場合もあるでしょう。しかし、実績だけで評価するのは避けた方が良いです。

勤怠も含めて、真面目に働いている他の社員の反感を買う可能性があるからです。結果的に、真面目に働いている社員のモチベーションが低下し、利益や生産性が下がるリスクがあります。社員の士気を下げないためにも、評価は勤務態度も含めて総合的に行いましょう。

状況に応じて配置転換を行う


社内の人間関係などで悩んでいる場合は、配置転換を行うと社員のストレスを軽減可能です。特に、ハラスメントやいじめが無断欠勤の原因であった場合は、社員の配置転換を行うと解消する可能性があります。


ただし、配置転換は一方的に行うのではなく、加害者側の意見も聞くようにしましょう。ハラスメントやいじめは、被害者側に加担しがちですが、人事労務担当者には中立な立場が求められます。一方的に処分を下すと、トラブルになる可能性があるため、慎重に対応することが大切です。


「配置転換を考えているが、シミュレーションに時間を奪われるのは避けたい」という方は、タレントパレットのツールをご利用ください。ドラッグ&ドロップで簡単に配置転換のシミュレーションが可能です。会議をしながら複数人で同時に操作もできるため、さまざまなパターンを無限に試せます。


配置転換で気になる部署のバランスも、以下の項目を確認しながら異動後の影響も考慮することが可能です。


  • 人数
  • 平均年齢
  • 人件費
  • 売上予測


経営に関わるシミュレーションも即座にできるため、事前に配置転換の対策を練っておきたい方は、ぜひ資料をご請求ください。


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無断欠勤で被害を受けた場合に「損害賠償請求するのは難しい」


無断欠勤を理由に損害賠償を請求するのは、基本的には難しいです。なぜなら会社は、無断欠勤によって受けた被害を具体的に証明するのが難しい傾向にあるためです。例えば、社員が無断欠勤をして、大口顧客との打ち合わせに行けなかったケースを考えてみましょう。


打ち合わせをする前の段階では、客先と「交渉成立する可能性」や「受注金額」は確定していません。見込みを立てられたとしても、実際の数字ではないため、明確に被害レベルを報告するのは不可能です。


では「事前に賠償を求める決まりがあれば、社員に賠償金を請求できるのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし「客先との契約を成立させられなければ違約金を払う」などの事前に賠償を求める行為は、労働契約法の第16条で禁止されています。つまり、無断欠勤で会社が不利益を被っても、損害賠償請求をすることは極めて困難です。


無断欠勤で損害賠償請求ができるケースは例外的にある


無断欠勤を理由とした損害賠償請求は、難しいのが現状です。しかし、例外的に損害賠償請求できる可能性があります。例としては、以下のような場合が挙げられます。


  • 無断欠勤によって会社が傾くような大きな損害を受けた場合
  • 当該社員が雇用直後に数日で退職を申し出て、無断欠勤をした場合
  • 有期雇用で雇った専門性の高い当該社員が、期間の終了を待たずに身勝手に退職をした場合
  • 会社の預金を私的に引き出し、横領した場合
  • 社用車の運転中に社員が事故を起こした場合


重要なことは、損害賠償請求ができたとしても、被害を受けた全額の請求は認められないことです。なぜなら、会社と社員には以下のような差があるため、公平な判断として被害を分担する必要があることが理由です。


  • 財力の差
  • 危険責任の差
  • 報償責任の差


報償責任とは、利益を得る人が損失も負担するという考え方です。また、損害額を給与から相殺することも労働基準法の24条1項に違反する可能性があるため、認められません。無断欠勤により、会社が大きな損害を受けた場合は、損害賠償が請求できるかを弁護士に相談してみると良いでしょう。


無断欠勤で損害賠償請求するのはリスクと隣り合わせ


社員を訴えることは、リスクと隣り合わせです。なぜなら、社員の無断欠勤の理由が会社にある場合は、会社側が訴えられる可能性が出てくるためです。


無断欠勤の理由は状況によりさまざまありますが、会社でのいじめやパワハラが関係していることがあります。大きなトラブルにつながらないように、日頃からマニュアルを整えたり、社員と細やかなコミニケーションを取ることが重要です。


「効率的なコミュニケーション改善ツールはないかな」とお悩みの方は、タレントパレットの資料を請求してみてください。タレントパレットは、さまざまな角度から社内のコミュニケーションを促せるツールがあります。


例えば、社員の仕事のモチベーションや悩みに関するアンケートをとって確認する方法があります。アンケートの設問内容は、「気軽な状況確認」から「本格的な調査」まで環境に合わせて自由に設定が可能です。単一回答や複数回答なども選べて、思いのままにアンケート作成ができます。社員のリアルなモチベーションを確認しながら、コミュニケーションを積極的にとっていきましょう。


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無断欠勤のまとめ


無断欠勤は契約違反のため、該当社員を適切に処分する必要があります。無断欠勤の処分は、就業規則に記載しておくと、社員とのトラブルを未然に防げます。無断欠勤が続いたり、企業に大きな損害を与えたりした場合は、退職勧奨や解雇を検討しても良いでしょう。


なお、ハラスメントやいじめなど、企業が原因の場合は、適切にフォローすることが重要です。無断欠勤を巡って社員とトラブルにならないように、人事労務担当者は、日頃から勤怠管理を徹底しましょう。


タレントパレットでは、勤怠情報を一元管理できます。社員の勤怠情報を蓄積できるため、不当解雇を訴えられた際に、証拠として活用できます。また、ストレスチェックや離職の予兆のある社員の把握もできるので、ぜひ導入を検討してみてください。


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