こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「研修の効果を確かめるには振り返りがいいけど、何を行えばいいかわからない」という方は多いのではないでしょうか。
たしかに研修が受講者のスキルアップにつながったかどうかを確認するには、振り返りを行うことが大切です。しかし、自社に適した研修の振り返り方を実施しないと、効果を正しく把握できないだけでなく、受講者や研修担当者に大きな負担がかかってしまいます。
そこで本記事では、研修の振り返り方法とフレームワークについて詳しく紹介します。
振り返りシートで書いてもらうべき内容や、振り返りを適切に実施する方法も解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
なお、研修について詳しく知りたい方は、別記事「研修」をあわせてご確認ください。
研修の振り返りは効果測定が目的
研修の振り返りは、受講者がスキルや知識を習得できたかどうか効果を確認するために実施します。スキルアップにつながる研修を作るには、検証と改善を繰り返し、研修内容をブラッシュアップするのが大切です。
研修の振り返りは検証にあたる段階で、研修プログラムの価値や効果を明確化します。過去に実施した研修の効果と比較・分析することで、内容変更によって改良した点や問題点を可視化できます。
今後より良い研修を実施するためにも、振り返りによる効果測定が必須です。
また、研修の目的について詳しく知りたい方は、別記事「研修目的」をあわせてご確認ください。
研修を振り返る方法4選
研修を振り返る方法として、以下の4点があります。
- アンケート
- 振り返りシート(レポート)
- プレゼンテーション
- インタビュー
それぞれのメリットやデメリットについて詳しく把握できますので、自社に合った方法を探してみましょう。
アンケート
アンケートは一般的によく活用されている振り返り方法で、あらかじめ講師側が質問事項を用意し、受講者に回答してもらいます。
「目標を達成できたか」や「学んだことをどう活かすか」などの質問を用意し、受講者は1~2行程度で回答できるようにします。受講者にとって負担がかからないため、気軽に効果測定できる点がメリットです。
ただし中長期の研修では、受講者がアンケートの回答に慣れてしまい、適切に効果測定できないおそれがあります。
振り返りシート(レポート)
アンケートよりも受講者が深く内省できる方法として振り返りシート(レポート)の作成があります。振り返りシートでは、以下のような項目を自由記述式で書いてもらい、受講者に研修の内容を言語化してもらいます。
- 研修テーマ
- 感想
- 研修で得られた効果
感想欄に受講者の課題や改善点を書いてもらうことで、内省ができ成長につなげることが可能です。ただし、受講者の中には箇条書きで淡々と感想や研修内容を書く可能性があるため、スキルが上手く身につかない可能性があります。
プレゼンテーション
研修後にフォローアップ研修を行う場合は、プレゼンテーション形式で振り返りを行うのがおすすめです。フォローアップ研修は、研修後に一定期間空けたあとに、学んだ内容が活かされているかどうかを確認する目的で行われます。
資料作成によって研修で実施したことや実務で活かせたこと、課題などを整理できるため、内省できる効果があります。また、資料作りや発表を通してプレゼンテーション能力も身につくのも特徴的です。
ただし、発表資料の作成やプレゼンの練習などを業務中に準備する必要があり、受講者の負担が大きいのがデメリットとして挙げられます。
なお、研修発表について詳しく知りたい方は、別記事「研修発表」をあわせてご確認ください。
インタビュー
インタビュー形式は、研修担当者が受講者に直接質問するという手法です。記述式のものと比べてすぐに回答してもらえるため、アンケートや振り返りシートよりもリアリティのある感想や意見を受け取れます。
傾聴を意識して受講者の発言を深掘りすることで、解像度の高い研修効果や課題の把握が可能です。
ただし、本音で答えてもらえない可能性もあるため、ほかの振り返り方法と一緒に実行して、相手が本音で伝えているかを確認する必要があります。
研修を振り返りで確認すべき項目を把握できる5つのフレームワーク
研修内容を振り返る際は、確認すべき項目が複数ありますが、自社で一つひとつ決めようとすると、手間がかかります。この章では、振り返りに良く利用されているフレームワークを5つ紹介します。
- KPT
- YWT
- PDCA
- 4行日記
- LAMDA
はじめて研修の振り返り内容を決める人でも使いやすいフレームワークを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
KPT
KPTは以下の3つの要素の頭文字を取ったフレームワークのことです。
- Keep:今後も継続したいこと
- Problem:良くなかったこと
- Try:良くなかったことに対して挑戦していくこと
をそれぞれ記載してもらいます。
KeepやProblemで研修で良かった点と反省点を整理できるため、受講者自らが内省できるようになります。最後にTryで受講者が今後何をすべきか考えられるようになり、今後のスキル定着へとつなげられるでしょう。
通常の業務の振り返りにもよく活用されており、汎用性が高いのが特徴です。
YWT
YWTは、以下の3つの要素で振り返られるフレームワークです。
- Y:やったこと
- W:わかったこと
- T:次にやること
研修においては、Yで受講内容を書き、Wで理解したことを記載します。最後にYとWの内容を通して次の行動をTで書くという構成になっており、思考整理の際に有効です。
ただやったことやわかったことを書くだけでなく、行動した理由や成果につながった原因も書いてもらうことで、受講者が論理的に考えられるようになります。
PDCA
PDCAは長期的なプロジェクトや通常業務に良く活用されるフレームワークで、以下の4つの要素で構成されています。
- Plan:計画
- Do:実行
- Check:評価
- Action:改善
Planで目標達成までの計画を立て、Doで計画を実行し、Checkで計画通りに実行できているかを評価します。評価によって計画通りに上手くいかなかった場合は、Actionで原因の調査と改善点の提案を行い、次の行動を決めます。
PDCAで振り返ることで、受講者が自ら実務でもPDCAサイクルを回せる人材に成長させることが可能です。
4行日記
4行日記とは、以下の4項目を1行ずつ書いて振り返るフレームワークです。
- 事実
- 気づき
- 教訓
- 宣言
1日にあった出来事を「事実」に記載し、事実から思ったことを「気づき」として書きます。「教訓」では気づきから得られたことを抽象化した内容を書いて、最後に自分が将来なりたい姿を「浅間」で記載して振り返りは完了です。
簡潔に振り返りができるため、長期的な研修でも継続しやすいのがメリットです。また、個人で振り返りを行う際にも、活用できます。
LAMDA
LAMDAは以下の5つの要素から構成されているフレームワークです。
- Look:現地現物について記載する
- Ask:問いかけて背景を知る
- Model:Askでわかったことを簡潔化する
- Discuss:具体的なポイントを議論し、深める
- Act:決定事項をもとにアクションする
LAMDAは、PDCAサイクルの発展型となっており、より高度な振り返りを行えます。5つの要素だけでなく、以下のような独自のルールもある点がLAMDAならではの特徴です。
- 机上で考える前に現場で現地現物を確認する
- 内省だけでなく、他社ののコミュニケーションを通じて問題点を把握する
- 抽象的に考えず、プロトタイプ化して具体的に考える
- 他者からのフィードバックも取り入れる
上記のルールによってより効果的な振り返りを行えますが、難易度が高く実行が難しいデメリットもあります。
研修の振り返りシートで書いてもらう内容3選
受講者の内省に効果的かつ、研修担当者が運用しやすい方法として、振り返りシートがおすすめです。この章では、振り返りシートの導入を検討している人に向けて、どのようなことを書いてもらえばいいかを3つ紹介します。
- 目的と目標の達成度
- 研修で得られたこと
- 受講者の問題点・改善点
振り返りシートの作成に活用できる内容になっていますので、ぜひ読んでみてください。
目的と目標の達成度
受講者が研修前や研修内で立てた目標がどれだけ達成できたかを書いてもらいます。達成度がわかることで、研修の効果が明確になります。
事前に受講する目的や目標を記載してもらうことで受講する動機付けができ、モチベーションが高まるため学習効果の向上にも効果的です。
研修で得られたこと
研修を通して得られた知識・スキルや、研修後の効果を振り返りシートに記載してもらいましょう。受講者にとって研修で学んだ内容や考えたことを言葉にすることで、理解が深まりやすくなり、内省できる人材に育成できるメリットもあります。
研修側にとっては、研修内容のどの部分が効果的だったかを具体的に把握できます。
受講者の問題点・改善点
目標が未達だった場合「どのような点に問題があったか」「改善する方法があるか」なども書いてもらいます。受講者にとって不足していた点が明確になるため、次の行動につなげられます。
研修側にとっても、研修内容に問題がなかったかを振り返る機会になり、研修の改善ポイントを発見するのに有効です。
上記のように受講者と研修担当者にとって振り返りシートは重要なので、詳しく書いてもらうことが大切です。
振り返りシートは、今後の研修と比較して効果測定したり、受講者の成長を把握したりするために、長期間の管理が必要です。
しかし、紙媒体で管理する場合、紛失するリスクがあり、測定したデータがムダになるおそれがあります。エクセルなどにまとめ直す方法もありますが、入力の手間がかかったり、研修の受講状況を一元管理できなかったりするのがデメリットです。
そこで、紙データの紛失を防ぐ方法として、弊社のタレントマネジメントシステム「タレントパレット」を導入してみてはいかがでしょうか?
タレントパレットでは人事部門にとって必要なデータをシステム内に一元管理でき、データの紛失を防止できます。
管理したデータより社員一人ひとりの研修履歴やスキルを可視化できるため、人材の成長の把握や人材配置の検討に最適です。
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研修の振り返りを実施するポイント4選
研修の振り返りを実施するポイントとして、以下の4つがあります。
- 客観的に見るようにする
- 反省だけで終わらせないようにする
- 振り返りのフレームワークを型どおりに実施する
- 今後のイメージを意識する
より効果的な振り返りを行えるよう、ぜひ読んでみてください。
客観的に見るようにする
受講者は研修で失敗した際、自分を低く見積もり、ネガティブな振り返りをしやすいため、担当者が研修の効果を低く測定してしまう可能性があります。
ネガティブな振り返りにより適切に効果を測定しにくくなるので、客観的な事実だけを受け止めて振り返ってもらうのが大切です。
できるだけ俯瞰してもらえるように、できるようになった点にも目を向けることや失敗は誰にでもあることを伝えてから振り返るように依頼しましょう。
反省だけで終わらせないようにする
研修を受けても効果が得られず失敗した場合、反省も大切ですが、今後の成長のために失敗を防ぐことも大切です。ただ受講者が自身を責めるだけで終わらないよう、改善策を考えてもらい、次の行動に移せるようにしましょう。
フレームワークを活用して内省を促すことをおすすめします。
振り返りのフレームワークを型どおりに実施する
振り返りをする際は、できるだけ既存のフレームワークを用いることをおすすめします。研修運用の経験が少ない場合、オリジナルの型を作って振り返ろうとすると効果を測定しにくいものになる可能性があるためです。
振り返りがムダになるリスクがあるので、はじめはPDCAやYWTなどのフレームワークを活用しましょう。オリジナルの型を作りたい際は、研修を複数回実施して必要だと判断してから既存のフレームワークから改良することをおすすめします。
今後のイメージを意識する
受講者が次のステップに進められるよう、今後のイメージを意識して行動できるように促すことも大切です。
とくに新人社員向けの研修では、長期間で目標を設定し今後のキャリアを具体的にイメージさせるのが重要となっています。
目標に向けて振り返りができる人材になるよう、受講者の振り返りを習慣化するための支援をしましょう。
研修の振り返りを実施して効果測定や課題の分析をしよう
研修の振り返りは、受講者の成長および研修内容の改善につながる重要なものです。レポートの作成やプレゼンテーションなどを研修後に実施し、効果を測定して、研修で自社に必要な人材を育成できる体制を整備しましょう。
また、社員一人ひとりに最適な研修を受講させるには、人材のスキルや経歴を可視化し、その人材が今度身につけるべきが何かを分析して考えることが重要です。
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