こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「研修プログラムをどのように作成すればいいかわからない」
という方もいるのではないでしょうか?
現在、社会情勢や経済環境の著しい変化に対応するには、人材を育成して一人ひとりの生産性を上げ、会社全体を強くすることが望まれます。
人材全体のスキルを底上げする研修の運営は、人事部門にとって重大な任務の一つです。適切なプログラムを組めば受講対象者のスキルアップにつながるでしょう。
しかし、適切な方法で研修を作成しないと、実施してもあまり効果の得られないものになってしまう可能性があるため、注意が必要です。
そこで本記事では「研修プログラム」の作成方法を紹介します。
スキルアップにつながる研修プログラムの作り方や作成のコツについても詳しく把握できますので、ぜひ参考にしてみてください。
研修プログラムの作成手順
社員研修プログラムは、以下の手順で作成します。
- 現状の課題を分析する
- 研修の対象者を決める
- 研修で達成したいことを決める
- 研修の形式を決める
- 研修プログラムの内容を決める
- 運用ルールの策定する
自社に必要とされている研修プログラムを作成できるよう、ぜひ読んでみてください。
現状の課題を分析する
はじめに自社にどのような課題があるかを洗い出します。各部門の社員から「経営方針と現場の取り組みにギャップがないか」「不足している人材がいないか」など、各部門で困っていることをヒアリングしましょう。
各部門の課題や困りごとについて情報を収集したら、それぞれの課題を人材育成により解決できないかを検討します。研修で解決できる場合は、プログラムを作成しましょう。
現場でのニーズに応えられるよう、課題を解決できるスキルや知識が何かを分析して、研修のテーマ決めを行うことをおすすめします。
研修の対象者を決める
研修のテーマを決めたら、どのような人材のスキルを向上させたいかを明確にします。対象者を決めないと、受講者によって効果の薄いものになってしまいます。
たとえば、オフィス製品で資料を作成できる程度のITスキルを身につけさせたい場合は、基礎スキルが不足している新入社員が適切です。エクセルのマクロによる業務効率化の研修をしたい場合は、すでに業務経験があり、専門知識を持った中堅社員を対象者として設定します。
社員のスキルや能力、勤続年数などさまざまな要素から対象者を決め、その対象者が確実にスキルを身につけられる研修を作りましょう。
研修で達成したいことを決める
受講対象者を決めたら、研修後にあって欲しい姿やできるようになる業務をイメージして目標を決めます。
受講者の能力やスキルに応じて、どの程度理解を深めてもらうかをできる限り定量化して考えましょう。研修の実施目的を明確にすることで、方向性が具体的になります。
また、研修の目的について詳しく知りたい方は、別記事「研修目的」をあわせてご確認ください。
研修の形式を決める
研修の内容を具体的に決める前に、形式を明確にします。
研修の形式には、主に以下の4つがあります。
- 集合型研修
- オンライン研修
- eラーニング
- OJT
集合型研修は、受講者を会場に集めて講義するタイプの研修です。実際に会場内で講師と複数の受講者が集まることで一体感が生まれ、受講者の集中力が向上する点がメリットです。ただし、人数が多い場合は社外に集まる必要があり、会場に移動するための交通費や宿泊費、会場の設営費などコストがかかりやすいデメリットがあります。
オンライン研修ではオンライン会議のツールを使用して研修を実施します。在宅でも可能で録画により何度でも見返せるのが特徴です。ただし、社員が主体的に行動しづらく、実践形式の研修を行いにくいのがデメリットです。
eラーニングはインターネット上で受講できる学習プログラムで、パソコンやスマートフォンがあれば時間や場所問わずに学習できます。ただし、社員のやる気によって進捗にばらつきが出やすい点がデメリットとして挙げられます。
OJTは実際の現場で業務を行いながら、先輩社員とマンツーマンで業務を実施する研修形式です。実践的な業務スキルを身に付けられるメリットがある一方、先輩社員によって教える力や所持しているスキルが異なるため、身につく能力や知識に違いが出やすいデメリットがあります。
それぞれ研修内容に沿って最適な形式を選ぶことが大切です。
研修プログラムの内容を決める
研修の具体的なプログラムや実施するまでにすべきことを具体化します。具体的に決める内容として、以下のようなものがあります。
- 研修を実施する時期や日程
- 座学で使用する資料の内容
- グループワークの内容
- 事前課題・事後課題の内容
- フォローアップ研修の内容
受講者目線で「どのような内容や段取りで研修を進めば理解が深まりやすくなるか」を意識して決めることをおすすめします。
なお、研修のスケジュールについて詳しく知りたい方は、別記事「研修スケジュール」をあわせてご確認ください。
運用ルールの策定する
プログラムが決めたら、研修をスムーズに実施できるよう、運用ルールを定めましょう。各業務の担当者や告知方法などを記載し、研修の運用に関わる部署に共有します。
研修は業務中に行われるため、受講するための時間を確保しなければいけません。研修について各部署の社員が知らないと業務の時間が削られることに対して不満が上がる可能性があります。
受講者本人だけでなく上司や管理職にも研修の内容について話し、了承を得られるようにフロー図や運用ルールを作成しましょう。
社員研修プログラムを作成する5つのポイント
効果的な社員研修プログラムを作るポイントとして、以下の5つがあります。
- 5W1Hで考える
- 研修前と研修後の取り組みも重視する
- 実践形式の研修も取り入れる
- 予算を確保する
- 経営目標から自社に不足している能力やスキルを見つける
人材育成の効果を高めるために、ぜひ参考にしてみてください。
5W1Hで考える
研修の方向性をスムーズに決める方法として、5W1Hの活用がおすすめです。
例として、以下を見てみましょう。
5W1Hの項目 | 具体例 |
---|---|
Why:なぜ研修が必要か | 社員のITスキルの底上げのため |
What:何を身につけてもらうか | オフィス製品での資料作成 |
Who:誰が対象なのか | 総合職で入社した新入社員 |
Where:どこに向かっている研修か | 業務で最低限必要なオフィス製品の操作スキルを習得 |
When:いつ実施するか | 入社してから1ヶ月間 |
How:どう行うのか詳細を決める | 集合型研修を社内で実施 |
上記のようにフレームワークを活用することで、研修プログラムのイメージを高められ、具体的な内容を決めやすくなります。
研修前と研修後の取り組みも重視する
効果的な研修を行うために、研修前後に実施する取り組みにも力を入れましょう。研修前後の重要性は、アメリカの大学教授であるロバート・ブリンカーホフが提唱した「4:2:4の法則」で指摘されています。
4:2:4の法則によると、効果のない研修の原因は研修前後と研修当日で以下のような割合になっていることがわかっています。
- 研修前:40%
- 研修当日:20%
- 研修後:40%
上記より研修前後が80%を占めており、研修当日の内容以上に重要であるため、しっかりと内容を決めるのが大切です。
研修前には参加者のニーズの把握や、受講する動機付けを行い、モチベーションを高める取り組みをしましょう。研修後はスキルが定着するよう振り返りの機会を設けたり、上司からのフォローアップを行ったりすることをおすすめします。
実践形式の研修も取り入れる
研修に集中できるよう、できるだけ社員が能動的に学べるプログラムを作ることが大切です。社員が考えて動ける研修にするために、実践形式の講義も取り入れましょう。
たとえば、グループディスカッションや報告会、テストなどを設けます。座学においても途中で問題に回答してもらったり、資料を読んでもらったりして、集中できる工夫をしましょう。
予算を確保する
研修の内容を決める前に、予算内で研修を運用できるか必ず確認しましょう。とくに研修を外部講師に依頼する場合は受講料による多額のコストが発生するため、事業計画を確認して予算に余裕があるか精査することをおすすめします。
予算の確保が難しい場合は、厚生労働省が実施する助成金制度の活用も検討しましょう。厚生労働省では、2023年5月現在で「人材開発支援助成金」という助成金を実施しており、社員が専門的な知識を習得できるよう訓練中に賃金の一部を助成する制度を設けています。
助成金により研修にかかるコストを補填できるため、予算に余裕のない企業人は助成金制度を利用してみてください。
経営目標から自社に不足している能力やスキルを見つける
経営目標を達成するために、どのような人材が必要なのかを考慮して研修プログラムを作成しましょう。社内で不足しているスキルや能力を調査し、経営方針と比較して重要度の高い課題から解決することをおすすめします。
ただし、社内で不足しているスキルや能力を手動で把握するのは、限界があります。できるだけ不足しているスキルを可視化できるようにするためにも、全社員のスキルや経歴、実績などの情報収集が欠かせません。
そこで人材の情報を一元管理できるタレントマネジメントシステムの導入をしてみてはいかがでしょうか?
弊社のタレントマネジメントシステム「タレントパレット」では、収集した人材情報から、社員ごとに特定のスキルや能力を可視化し、比較できます。不足している人材の特徴もスムーズに把握でき、ニーズの高い研修を見つけられやすくなります。
もしタレントパレットを利用して効率的な人材育成をしたいと考えている方は、下記リンクから資料請求ができますので、お気軽にお問い合わせください。
【階層別】研修プログラムの具体例3選
研修プログラムの具体例として、以下の3種類を紹介します。
- 新人研修
- 中堅社員研修
- 管理職研修
多くの企業で取り入れやすい研修を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
新人研修
新人研修では入社したばかりの社員に向けて、自社で最低限の業務を遂行できるよう基本的なスキルを習得するための研修を行います。
具体的な研修内容として以下のようなものがあります。
- 自社の経営理念・事業内容について
- ビジネスマインド
- ビジネスマナー
- 仕事の進め方
- コミュニケーションの取り方
上記の研修内容によって、新入社員が配属先でうまく人間関係を構築しながら業務に取り組めるようにしましょう。
中堅社員研修
中堅社員は部署やプロジェクトチームにおいてリーダー的存在になるため、指導者としてのスキルを身につけられるような研修を実施します。
主に以下の内容で研修を実施することが多いです。
- 後輩のモチベーションを高めるためのコミュニケーション方法
- リーダーシップ
- ティーチング
- コーチング
- マネジメント
中堅社員は部下を指導する立場であり、今後企業の経営にも携わる可能性も高くなるため、若手の育成と経営方針を元にして行動する能力を研修で習得します。
管理職研修
管理職研修では、経営理念やビジョンの設定や、組織のマネジメントに携わる管理職に向けて、以下のような研修を実施します。
- 管理職の役割についての理解
- 経営戦略の立て方や理解
- リスクマネジメント
- 人事評価
- チームビルディング
企業によっては新任管理職向けの研修や、上級管理職向けの研修など経歴によって教える内容が異なる場合もあります。
新任管理職研修について詳しく知りたい方は、別記事「新任管理職研修」をあわせてご確認ください。
研修プログラムは達成したい目標を意識して作成しよう
研修プログラムは課題を洗い出してから内容を決めることが大切です。課題から必要な人材の能力やスキルを把握し、受講対象者や研修後に達成したいことを具体的にして、プログラムを作成してみてください。
また、自社に不足している人材を把握するには、タレントマネジメントシステムの導入を検討しましょう。弊社のタレントマネジメントシステム「タレントパレット」では、人材情報を一元管理でき、社員一人ひとりのスキルや能力を客観的に把握できます。
特定のスキルを持った人材を絞り込んで検索でき、どのスキルが不足しているかを簡単に可視化できます。
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