研修企画の4つの手順&事後フォローの方法を解説!やるだけの研修を卒業するコツ


研修企画の4つの手順&事後フォローの方法を解説!やるだけの研修を卒業するコツ

昨今はどこも人材不足であるため、人材教育や育成に力をいれていますが、研修は上手くいっていないことが多い状況です。本記事では、研修企画の必要性やポイントを紹介します。社員の成長や業績向上につながる研修を企画したい方は、ぜひ参考にしてください。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


「研修企画なんて必要ないのではないか」「研修内容の選定が重要なのでは」「企画がしっかりしていても結局は不満が出るのではないか」と感じている方は多いでしょう。


研修企画を実施しても、現場からは役に立たない、必要性を感じないという声が上がり、上手くいってはいないのではないでしょうか。原因は、企画段階で研修の効果を高めるポイントを押さえられていないことです。


本記事では、研修企画の必要性やポイントについて解説します。より効果的で受講者の満足度が高い研修を企画できるようになり、業績向上に役に立ちますので、ぜひ最後までお読みください。


研修企画が必要な3つの理由

社員研修は、内容の選定だけ行っても社員の成長や業績向上につながらず、費用対効果は低くなります。重要となるのは、適切な研修企画です。


研修企画が不十分な研修の費用対効果が低くなる理由は、以下の通りです。


  • 受講者の満足度が低い
  • 現場で役に立たない
  • エンゲージメントが下がり離職につながる


受講者の満足度が低い

受講者のスキルや能力に関係なく、さまざまな研修を受講させていくと満足度が低くなります。満足度が低いのは「受講者が既に知っている情報」や「情報は新しいけれども浅い」と感じる研修であり、無駄なことをしていると思わせてしまうのが問題です。


満足度の低い研修を実施し続けると、モチベーション低下にもつながります。研修企画の受講者選定や、受講する意味を説明することで防ぐことができます。


現場で役に立たない

研修内容を新しい知見やメソッドとする場合は、座学のみで現場に落とし込むことまでは含まれていないケースがあります。研修を受講させても、現場で役に立たない内容だったと判断されれば、受講者のみならず現場全体の不満となります。


なぜなら、現場にない新しいことを学ぶのは、現場だけではフォローが難しいためです。研修企画でOJTを含めたり、研修後のフォローを事前に設定したりすることが必要になります。


エンゲージメントが下がり離職につながる

昨今は、慢性的な人材不足で定着率も低い現場が多い状況です。研修のために現場の負荷が増えたにもかかわらず、良い効果を確認できなければ、エンゲージメントが下がって離職につながります


特に、研修内容が経営戦略に沿っていない場合や、研修の意図を現場が理解していない場合に起こります。研修企画時に、経営層や現場にヒアリングをしたり、説明したりすることが重要です。


意味のある研修を企画・立案する4つの手順

社員の成長は業績のみならず、会社の経営戦略に則っているかも重要です。目的を明確にし、適切な手順に基づいて企画する必要があり、具体的な手順は以下の通りです。


  1. 現状の把握
  2. 課題の抽出
  3. 研修の狙いや目標の設定
  4. 施策へ落とし込む


1.現状の把握

会社以外にも、社会の状況も含めて把握することが必要です。具体的には、以下の傾向を調査することになります。


  • 今後を予想した上で求められること
  • リアルな現場で必要とされていること
  • 過去の実績から優先順位が低いこと


経営・人事・現場などさまざまな立場の視点も必要となるため「経営戦略に対し人材に求めるスキルや能力」「現場で求められる知識や技術」を、経営陣・現場それぞれヒアリングすることも有効です。


経営陣と現場で乖離している場合、中間管理職にヒアリングすることや、プロの研修会社に頼ることもおすすめです。


2.課題の抽出

人材教育や育成という手段で、解決できる課題を抽出することになります。会社が抱えてない課題を解決する研修を実施しても、意味のない研修となってしまうため、課題を洗い出すことが重要です。

受講者・現場・経営陣に焦点を当てる場合は以下のようになります。


  • 受講者本人が必要だと考える知識やスキル
  • 現場の上司が部下に求めているもの
  • 経営陣の計画に必要な社員の資質


.研修の狙いや目標の設定

現状を把握する際に得た情報や、抽出した課題を基に、社員研修での目標や狙いを設定します。設定された目標や狙いによって、実施する研修の内容や形態が変わるため重要です。具体的には以下となります。


  • 受講者・現場・経営陣にとって、どのような知識やスキルが必要か
  • 受講者に取得させたい気付きやマインド
  • 受講後にどのような行動の変化を望むのか


研修テーマの決め方とよく実施される研修の種類を紹介|テーマ決めが重要な理由も解説


4.施策へ落とし込む

費用対効果の低い研修としないために、しっかりと研修企画の段階で最後まで決めておくことが重要です。施策へ落とし込むために、決めることは以下の6つになります。


  • 受講対象者
  • 研修のテーマ
  • プログラム
  • 所要時間
  • 研修後のフォロー内容
  • 効果測定の計画


受講対象者や研修のテーマ、プログラムは「何かの技術を得るための研修」や「講師の話を一方的に聞く座学」としないために重要となります。受講者にやる気があっても、一度に長時間実施すれば集中力やモチベーションは下がってしまうため、研修の所要時間には気を付けなければいけません。


研修後のフォローや効果測定の計画がないと、やりっぱなしの研修につながります。研修後の状況に合わせて考えるのではなく、事前に決めておきましょう。


研修を企画・立案する時のポイント5選

企画・立案で研修の効果を高めるには、考え方や注意点を中心に、気をつけておきたい5つのポイントが存在します。

  • 現場での実践につなげるサポート
  • 人材戦略と経営戦略のつながりを理解
  • 人材育成担当者の役割を理解
  • 研修計画のブラッシュアップは定期的に必要
  • 研修後のフォロー


それぞれの立場の意見や考えは想定するものではなく、ヒアリングをして確認しておくことが重要となります。


現場での実践につなげるサポート

研修は、知識を伝えるだけが目的ではないため、実際の現場で役に立つ研修を行う必要があります。「研修内容がどう業務につながっていくのか」という点まで踏み込むことが大切で、具体的には以下のサポートが効果的です。


  • 学びのリマインドを行う
  • 実践状況を報告及びフィードバックをもらうことの仕組み化
  • 振り返りの目的を明確にして提示する
  • 査定とインセンティブの設定


人材戦略と経営戦略のつながりを理解

人材の育成は企業の今後に大きく影響するため、人材戦略と経営戦略をしっかりと把握しておくことが重要です。人事担当者が、中長期的な経営戦略を理解しておく必要があります


経営陣へ入念なヒアリングを行うことで、人材戦略へ関与してもらうことにつながります。幹部のニーズや理解が得られていれば、企画・立案や予算の策定などの時に進めやすくなるでしょう。


人材育成担当者の役割を理解

次に、人材育成担当者の役割を具体的にしておく必要があります。OJTを行う際にトレーナー側で何を行えば良いかわからず放置されてしまったり、具体的な行動ができていなかったりするケースがあるためです。


仕事内容の全体像や人材育成担当者の役割を理解し、以下の3点を明確にしましょう。


  • 誰がどの役割をするか
  • 研修は外注するのか
  • 育成担当者の具体的な作業内容


研修計画のブラッシュアップは定期的に必要

研修計画を行う際には、研修の具体的な目標と受講者にどのような変化を与えるのかを明確にする必要があります。具体的には、受講対象者の役職や立場や、研修における達成目標を定期的にブラッシュアップすることです。


研修実施にはさまざまな負担がかかるため、気づけば研修を実施することが目標となってしまうケースも少なくありません。「昨年度もやったから」という理由で、同じような内容の研修を実施し続けていると、研修の意味が薄れていきます。


研修後のフォロー

研修終了時点では理解できていても、しばらくすると忘れたり、実際の業務には反映されなかったりするケースがあります。なぜなら、現場に落とし込むところまで含む内容だったとしても、直ぐに実行するタイミングが訪れるわけではないためです。


回避するためは、受講者本人に「現場でどのように活かすか」を考えてもらうことと、主催側が研修後に定期的なフォローをする仕組みを作ることが、有効となります。


研修企画における事後フォローの重要性&3つの手段

研修後の定着がうまくいかない最大の原因は、フォローが不十分であることです。新しいことを学ぶ場合、実際に現場で試したり復習したりすることが必要で、そのためには定期的なフォローアップが重要になります。


また、人材育成の効果を長期的に確認するためにも、研修後のフォローアップは不可欠です。研修計画の段階から、研修後3か月、半年、1年などの一定の期間を置くことが有効となります。研修の効果を測定するのは難しいため、以下の3つの手段がおすすめです。


  • フォローアップ研修
  • アンケート調査
  • テスト


これらの手段は、期間を空けたり、複数回実施したりする必要があるため、eラーニングシステムや人材管理システムを導入することを検討しましょう。


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フォローアップ研修

フォローアップ研修は、研修で学んだことを実践できているかを確認することが目的です。また、離職率低下の改善にもつながります。


研修実施後にフォローアップ研修を組み込んでおくことで、受講者の定期的なモニタリングを可能とし、研修効果の向上につながります。


アンケート調査

研修後すぐに実施する「研修アンケート」は、学んだことや気づきが新鮮なうちに受講者からのフィードバックを得るために有効です。ただし、アンケートの評価が高かったからといって、必ずしも効果的な研修とは限らないため注意しましょう。


さらに、研修から一定期間が経過した後に「効果性アンケート」を実施することもおすすめです。


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テスト

学習内容の理解度を確認するには「理解度テスト」が適しています。特に知識の習得を目的とした研修においては効果的です。また、受講者が研修内容を実務にどのように活かすかをレポートで提出させるなどの方法も有効となります。


テストやアンケートの作成では、研修の重要なポイントを再確認できるような問題設定や解説を心がけることが重要です。テストの結果は、受講者へのフォローアップやフィードバックに役立ちますし、現場の上司や先輩社員と共有することでさらなる効果が期待できます。


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研修企画のまとめ

研修企画が必要となる理由は、やりっぱなしの研修を実施してしまうことを防ぐためです。研修を含む人材育成は、一度の実施で完了するものではないため、次回以降の研修企画作成のために効果測定をすることが重要となります。


タレントパレットは、研修やeラーニングの受講履歴を一元管理でき、社員のスキルと成長を見える化できます。一人ひとりに最適な育成計画を実現できるシステムを用意しているため、人事担当者として導入を検討していただければ幸いです。


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