研修期間の給料はどう決めればいい?違法とならないためのポイントも解説


研修期間の給料はどう決めればいい?違法とならないためのポイントも解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

研修期間の給料額の決め方について頭を悩ませている担当者の方もいるのではないでしょうか。企業は、研修期間であっても給料は支払わなければなりません。しかし、本採用時の給料よりも下げることが可能です。ただし、一定の条件を満たしていないと違法となるため注意しなければなりません。

本記事では、研修期間の給料の決め方や注意点についてわかりやすく解説します。

研修期間中の給料の決め方



企業は、従業員の研修期間中であっても給料の支払いが必要です。しかし、一定の条件の下で減額できます。また、場合によっては支払いが不要となるケースもあるので、把握しておきましょう。ここでは、研修期間中の給料の決め方について解説します。

参加義務がある場合

研修への参加義務がある場合、給料は支払わなければなりません。参加義務の有無は、研修への参加が、強制か任意かという点で判断しましょう。

研修に参加しなければ業務遂行に差し障りがある場合も、研修参加は労働への従事と判断されます。例えば「研修に参加しないと業務に必要な資格が得られない」「研修に参加しなければ業務の遂行が難しい」などのケースが該当します。

内定者に入社前の研修を行う場合も同様です。参加が必須な研修には、入社前であっても給料の支払いが必要となる点に留意しましょう。

参加義務がない場合

 自己啓発やマナーに関する研修など、義務ではなく従業員が自発的に参加する研修の場合、給料の支払い義務は生じません。

ただし、「任意参加という建前を掲げているが、実際には無言の圧力をかけて参加を強要している」「研修に参加しない従業員の評価を下げる」といった場合は、強制参加の研修と判断されるため注意が必要です。

トラブルを招かないためにも、その研修が「強制参加」か「自由参加」か、従業員に対して事前にはっきりと伝えておきましょう。

減額は本人の許可が必要

研修期間中の給与の減額は、会社の判断だけでは行えない点に留意しておきましょう。減額する場合は、採用通知書や求人票などにも記載しておかなければなりません。加えて、契約書への同意が必要です。契約書の同意については後述します。

研修期間は本採用かどうかを決める期間ではなく、業務を行うための知識やスキルを身につけるための期間です。研修期間で実施すべきポイントや試用期間との違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

「研修期間」については、こちらの記事をご確認ください。

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研修期間中の給料で違反にならないための3つの注意点



研修期間中の給料額の決め方について難しいと考える担当者もいるでしょう。ここでは、法律違反にならないために、気をつけなければいけない3つの注意点を解説します。

本採用時よりも給料が低い場合は契約書などで同意を得る

研修期間中に本採用時よりも低い給料設定にしている企業は珍しくありません。ただし、企業の一方的な判断だけで給料額を引き下げることはできない点を把握しておきましょう。

本採用時よりも低い給料を支払う場合は、契約書などで事前に従業員の同意を得ておかなければなりません。

残業代の支払いも発生する前提で検討する

研修期間中であっても、従業員が法定労働時間である「週40時間、1日8時間」を超えて働いた場合は、残業代の支払い義務が発生します。残業代を支払わないと、労働基準法違反となる点を把握しておきましょう。

最低賃金よりも下がる場合は労働局長の許可を確認する

本採用時よりも給料額を下げた結果、賃金を時給換算すると研修期間中の給料額が、都道府県の最低賃金を下回る場合があります。

この場合、労働局長の許可を得なければなりません。これを「最低賃金の減額の特例」といいます。なお、減額は最大でも最低賃金の20%までで、これを下回ることは許されません。また、期間は最長6カ月が限度です。

パターン別:研修期間中の給料の決め方の事例

研修期間中の給料の決め方について、頭を悩ませる担当者もいるでしょう。ここでは、パターン別に研修期間中の給料の決め方を解説します。

就業規則や採用通知書に記載がない

研修期間中の給料額を下げる場合は、事前に就業規則や採用通知書などに、その旨を記載し、従業員からの合意を得る必要が生じます。記載していない場合は、研修期間中であっても本採用時と同額の給料を支払わなければなりません。 

今後、研修期間中の給料額の引き下げを検討している場合は、就業規則や採用通知書に必要事項の記載を行いましょう。

任意の研修しか行わなかった

会社として、参加義務のある研修を行った場合に給料の支払いが生じます。任意参加の研修しか行わなかった場合は、原則として給料を支払う必要はありません。

ただし、「任意参加」と通達しておきながら、実際には「研修に参加しなければいけないという圧力をかける」「研修に参加しないと評価を下げる」「研修に参加しなければ必要な業務を行うことができない」といった場合は、強制参加と見なされます。実質、強制参加の研修であれば、給料を支払わなければなりません。

強制参加の研修時間が通常の就業時間よりも長くなった

研修期間が法定労働時間の「週40時間、1日8時間」を超過した場合、残業代の支払いが必要になります。また、深夜や休日に研修を行った場合、割増賃金も支払わなければなりません。

正確に給料を支払うため、研修期間中も出勤時間の管理が必要です。

まとめ

研修期間中であっても、強制参加であれば基本的に規定の給料支払いが必要です。研修期間中の給料の額を本採用時よりも引き下げたい場合は、従業員の合意を得なければなりません。加えて、残業や深夜休日に研修を行った場合は、残業代や割増賃金の支払いが必要です。ただし、任意参加の研修のみの場合は、給料を支払う必要はありません。

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