こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
研修期間中の従業員から退職を申し出されて困惑するケースは実は少なくありません。また、研修期間中の退職率が高い場合は、人事・企業として改善策を検討する必要があります。
本記事では、研修期間中の退職の扱い方や退職率が高い場合の改善策について解説します。
研修期間中の3つの退職理由
研修期間中に従業員から退職を申し出されることもあるでしょう。研修期間中であっても、従業員が退職することは可能です。ここでは、研修期間中に退職を申し出る理由として多く挙げられるものを3つ見ていきましょう。
社風が合わない、キャリアが描けない
入社してみたものの、想像していた社風と合わないと感じて退職を申し出されるケースがあります。また、この会社で今後自分が働き続けることを想定した場合に「この企業ではキャリアが描けない」と感じた従業員が退職を申し出てくることもあるでしょう。
また研修の担当者と合わず、人間関係におけるストレスを感じる従業員もいます。研修中の退職率が高い場合は、研修担当者の指導方法や研修内容も定期的な見直しが必要です。
労働条件が面接や求職活動時と異なる
面接や求人活動時と労働条件が異なっていた場合、従業員のモチベーションが下がり退職に至るというケースはよくあります。研修期間中に従業員が辞めると、再度求人を行う必要があるので、余計な手間やコストがかかってしまいます。そのため、面接や求職活動時の情報は、実際のものと大きく異なることがないように確認しておきましょう。
家庭の事情
従業員に家族の介護など、働けない事情ができたために退職することもあります。家庭の事情などはプライベートな理由であるため、会社としても立ち入ることができないケースも多いでしょう。
なお、家庭の事情でやむなく退職する社員が多く、問題と感じている場合は、福利厚生など社内制度の充実を検討してみることも大切です。例えば、 社内業務の分散化が進んでいればリモートワークを導入することで、退職を防ぐといった方法も取れます。
新卒入社の従業員が3年以内で辞める確率は30%程度です。研修期間中の退職が多い場合は、企業の教育制度などを見直す必要があるといえます。 研修期間において何を実施したらよいのか迷った場合はこちらの記事をご覧ください。
「研修期間」については、こちらの記事をご確認ください。
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研修期間中に退職する人材に対する労務・給料の扱い
研修期間中に退職する従業員への労務・給料の扱いについてどのようにすればよいのか頭を悩ませるケースもあるでしょう。基本的には、通常の従業員の退職時と同様の扱いとなります。ここでは、労務・給料の扱い方について見ていきましょう。
働いた日数に対する賃金は全額支払い
研修期間中でも働いた日数に対する賃金は発生しています。そのため、入社以降退職するまでの賃金は全額支払わなければなりません。 研修期間中であっても賃金の未払いは許されず、 支払わなかった場合は、訴訟を起こされる可能性があります。
即日退職は難しい
民法では、従業員はいつでも退職の申し出をすることが可能です。また、申し出の日から2週間経過した場合、基本的には労働契約が終了する点も知っておきましょう。
そのため、原則として即日退職することは困難です。ただし、会社と従業員の間で合意が得られた場合などは即日退職できます。
雇用保険、社会保険の手続きは必須
研修期間中でも、加入条件を満たしている従業員であれば、雇用保険や社会保険に加入しておかなければなりません。そのため、退職する場合も所定の手続きが必要です。例えば、離職票を発行する場合は、従業員が退職した後に、人事担当者が雇用保険喪失手続きをハローワークに対して行わなければなりません。
研修期間中の離職率が高い場合の改善方法
研修期間中の離職率が高い理由としてよく挙げられるのは、次の3つです。
- 求職時と実際の労働条件が異なる
- 人間関係のストレス
- 会社の将来性に不安を感じた
研修期間中の離職率を下げるために、求職時や面接時には実際の労働条件を伝えるようにしましょう。また、研修期間中の離職率が高い場合、研修担当者のスキル・対応に問題がないか確認してみることも大切です。
退職理由をヒアリングし改善点を見つける
退職率が低下しない場合は、個別に退職理由をヒアリングしましょう。「一身上の都合」と申し出があった場合でも掘り下げなければなりません。家庭の事情なのか、転職によるものなのか、 働く環境に問題があるのかでは対処方法や改善点が大きく異なります。
コミュニケーションやマネジメントの方法を見直す
人間関係にストレスを感じて退職を申し出る人が多い場合は、社内のコミュニケーションの在り方やマネジメント方法などの見直しが欠かせません。現状の教育の体制から、問題点の洗い出し、改善案の立案・実施などといった流れで進めていきましょう
離職率を低下させるためにも、社内の人間関係構築を見直すことが大切です。
研修の内容を評価し改善する
研修内容そのものに問題がある場合もあります。研修期間中、研修の内容をどのように感じたのかヒアリングしてみましょう。
足りない部分や問題点があれば、改善が必要です。
研修期間中の離職率改善の事例
ここでは、実際に離職率を改善した事例について解説します。自社に近い事例があれば参考にして、離職率の改善に取り組むことも可能です。
人事制度の見直し
ビジネス向けWebサービスの開発・販売などを行っているサイボウズ株式会社は、28%あった離職率を4%まで引き下げました。従業員が自分に合った人事制度を選択できるように制度改革を行ったためです。在宅勤務制度や成果を重視する制度など、各自が自分に合った人事制度を選択しています。
自らが人事制度を作るため、従業員の主体性が向上するという効果もあったそうです。制度変革による働きやすさや主体性の向上が、離職率の低下につながったといいます。
オンボードの実施
焼鳥屋チェーンの株式会社鳥貴族では、店舗に配属された新入社員の悩みを、一定期間本社社員が直接聞くという制度を実施して離職率低下につなげました。まだ仕事に慣れないときに、職場に馴染めず離職を検討する人は多く見られます。
新入社員の悩みを丁寧に聞くことで、早期離職率の低下が見込めるといえるでしょう。
コミュニケーション制度の創設
人材派遣や紹介事業を行う株式会社ビースタイルでは、社内のコミュニケーションを活性化する制度を創設したことで、離職率低下を実現しました。
具体的には「バリューズアワード」という社内表彰制度や経営幹部に気軽に意見を伝える「全社日報」、上司との一対一の面談などです。積極的に社内のコミュニケーションを図ることで、会社全体の活性化につながりました。また、同時にワークライフバランスの適正化にもつながったといいます。
まとめ
研修期間中の従業員から退職願いを提出された場合は、他の退職手続きと同様に受け入れなければなりません。
研修期間中の離職率が高い場合は、会社に原因があることも考えられます。退職理由をヒアリングして問題点を見つけましょう。
コミュニケーション方法やマネジメントの改善で離職率低下につながることもあります。研修方法や内容についても、アンケートを取った上で改めて見直すことが大切です。
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