こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「研修費用って相場はどれくらいだろう」
「予算には限りがあるから、研修費用を抑える方法があれば知りたい」
「最近よく耳にする助成金はうちの会社でも申請できるだろうか?」
という方は多いのではないでしょうか?
DX化が進む中で、社員に求められるスキルや知識も変わってきています。研修を通じて新たなスキルや知識を身につけて、企業に還元してもらうことは素晴らしいことです。しかし、研修費用には限界があるため、ただ闇雲に研修を受けさせるだけでは思うような効果は得られないでしょう。
そこで本記事では
- 研修費用の内訳や費用相場
- 研修費用を抑えるポイント
- おすすめの助成金
について解説します。
「研修を通じて、時代の流れに対応できる人材の育成にもっと力を入れたい」という方のお悩みを解決できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
研修にかかる費用の内訳
まずは、研修費用にはどのようなものが含まれるのかを解説します。研修にかかる費用は受講形態にもよりますが、主に以下のものがあります。
- 研修会場の使用料
- 受講会場までの交通費や宿泊費
- 講師費用
- 講習で使用するテキスト・備品
- 初期費用と月額費用(eラーニングの場合)
講師費用には、講師が行う研修にかかる費用以外に講師の交通費や宿泊費が含まれる場合と、別途請求される場合があります。そのため、トラブル防止のためにあらかじめ講師料の内訳を確認することが大切です。
研修を行う会場費用は、規模によって数万円から数十万円するところまで、さまざまです。自社内の会議室などを使用できる場合は費用はかかりませんが、それが難しいようなら外部の施設を利用することになります。自治体が運営している公共のレンタルスペースならば、安く使用ができます。
従業員一人あたりの教育研修費用は平均29,904円
産労総合研究所が行なった「教育研修費用の実態調査」によると、教育研修に要した費用実績は2021年度においては、一人あたり29,904円でした。
この金額は2020年度に比べると20%ほど増加していますが、コロナ禍以前の水準(2019年度で35,628円)にまでは戻っていません。また、2021年度における1社あたりの教育研修に要した費用総額は、予算額が6,821万円に対して実績額が5,221万円でした。
費用総額の水準も同様に、コロナ禍以前の水準までには戻っていませんが、これはコロナ禍によって、外部の研修を控えるようになったことも1つの要因であると考えられます。
研修費用の相場
1回あたりの研修の費用はどのくらいが一般的なのでしょうか。相場は、研修をどのような会社に依頼するかや受講形態によって大きく異なりますが、ここでは以下の3種類に分けて費用の相場について解説します。
- 個人事業の研修講師に依頼する場合
- 法人の研修講師に依頼する場合
- eラーニングを利用した研修の場合
研修の依頼先や受講形態 | 研修費用の相場 |
---|---|
個人事業の研修講師 | 数万円〜15万円程度 |
法人所属の研修講師 | 20〜30万円程度 |
eラーニングの利用 | 初期導入費用:20〜40万円程度 月額費用:利用人数に応じて3〜8万円程度 |
これらは、あくまで目安の費用ですが、有名な講師であれば研修費用が100万円以上かかるケースもあるでしょう。自社の予算に合うことはもちろん、ニーズにも合致した研修講師や受講形態を選ぶことが大切です。
研修費用を抑えるための6つのポイント
ここでは、研修費用を抑える6つのポイントを解説します。
- 研修に参加した社員が社内講師をする
- モチベーションの高い社員から優先的に受けさせる
- 複数の研修会社の費用を比較する
- オーダーメイドの研修を実施してくれる会社に依頼する
- eラーニング研修を利用する
- 助成金を利用する
これらのポイントを意識することで、費用対効果を高めることができるでしょう。各ポイントについて詳しくみていきます。
研修に参加した社員が社内講師をする
研修費用を抑えるためには、過去に外部の研修に参加した社員に社内研修の講師をやってもらう方法があります。過去に受けた内容と同じ研修を他の社員に向けて行うというもので、費用はかかりません。
講師役を今後依頼すると事前に伝えておけば、研修を真剣に受けようという動機づけになります。また、社内研修を同じ企業内の社員が行うことで、他の社員の刺激にもなり社内の活性化も期待できるでしょう。
モチベーションの高い社員から優先的に受けさせる
社員のうち、研修の受講に対してモチベーションの高い者から優先的に受けさせることもコストを抑えるために有効です。
研修費用の予算は限られているので、全社員に同じ質の研修を受けさせるのが難しい場合があります。研修を受けることに対して消極的な社員も中にはいるため、研修参加を希望する社員から優先的に受講枠を割り振るとよいでしょう。
やる気のある社員が、研修でより多くのことを吸収して社内に持ち帰り還元することで、企業側にも大きなメリットがあります。
複数の研修会社の費用を比較する
研修を行なっている複数の会社の料金を比較すれば、適切な費用のものが見つけやすくなるでしょう。研修会社によって、研修で使用するシステムや教材などが違うため、料金設定も異なります。
同じような内容の研修であっても、料金を比較すると額に大きな差がある場合があるので、複数の研修会社に見積もりを出してもらい、具体的な内容も踏まえて十分に検討する必要があります。
オーダーメイドの研修を実施してくれる会社に依頼する
予算に合わせたオーダーメイドの研修を実施してくれる研修会社を利用することも、一つの方法です。通常、研修のプログラムは固定されたプランに基づいて提供されることが多いです。
しかし、自社の業種や目的によっては必要のないプラグラムが含まれている場合があり、不要なプログラムをカットしてくれる研修会社を利用すると費用を安くできます。
研修の目的が明確ではない場合には、別記事「【必見】研修の5つの目的と達成するための4つのポイント!設定方法3ステップも紹介」をあわせてご確認ください。
eラーニング研修を利用する
eラーニング研修を利用することでも、研修費用を抑えられます。eラーニングは初期の導入費用がかかりますが、研修を受ける社員の人数が多くなるほどコストを下げられます。長期的な目線で見ると、コスパ良く研修を受講できるでしょう。
また、eラーニング研修はパソコンとインターネットの環境があれば、時間や場所にとらわれることなく受講できるのも大きなメリットです。
スマートフォンなどのモバイル端末でも受講が可能であり、10分前後の細切れで動画配信を行なっているところもあるため、普段の業務で忙しい人でも隙間時間に学習ができます。
eラーニングを担当する講師の質は均一であるため、学習のムラも出にくいでしょう。
助成金を利用する
助成金を受けて研修費用を補填する方法もあります。助成金とは、人材育成のための計画をあらかじめ立てた上で、書類を労働局に提出し、計画が遂行できると受給できるお金のことです。
書類の作成等が複雑であるため、自社で申請が困難な場合には社会保険労務士に依頼して代理で申請をしてもらうことも可能です。
研修費用を抑えるためにおすすめの助成金
ここでは、おすすめの助成金について解説します。
- 人材開発助成金
- 東京都 DXリスキリング助成金
助成金を上手く活用することで、人材育成のための研修費用の補填が可能になります。これらの2つの助成金について詳しくみていきましょう。
人材開発助成金
人材開発助成金は、社員に計画的な職業訓練を受けさせる事業主に対して支給される助成金です。人材開発支援助成金は、以下の9つのコースが用意されています。
- 特定訓練コース
- 一般訓練コース
- 教育訓練休暇等付与コース
- 特別育成訓練コース
- 建設労働者認定訓練コース
- 建設労働者技能実習コース
- 障害者職業能力開発コース
- 人への投資促進コース
- 事業展開等リスキリング支援コース
人材開発助成金は、申請する前段階で訓練実施計画届などの書類を作成する必要があったり、事業主や労働者についても受給するための条件があったりするのが特徴です。
上記の9つのコースのうち、事業展開等リスキリング支援コースであれば、新規事業の立ち上げ等で事業展開を図る場合に、新たなスキルや知識を習得するのにかかる費用の一部が助成されます。
他のコースでも同様に、職務に関連する専門知識やスキル習得のための職業訓練等を実施した場合に支給が行われます。
東京都 DXリスキリング助成金
「DXリスキリング助成金」は、東京都が実施している助成金です。都内に本社がある中小企業を対象にして、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関するスキルや知識の習得を目的とした講座を受講した場合に支給されます。
中小企業限定であることが大きな特徴ですが、中小企業には以下のような定義が設けられており、これに該当しない場合には対象外となるので注意が必要です。
主たる事業 | A: 資本金額または出資総額 | B: 常時雇用する労働者数(企業全体) |
---|---|---|
小売業(飲食店含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
DXリスキリング助成金を申請する前に、自社が上記のAまたはBの条件を満たす中小企業に該当するのかをしっかり確認する必要があります。
研修費用のまとめ
社員のスキル向上や知識習得のための研修の予算に限界があるため、費用を抑えることが大切です。費用を抑えるために、複数の研修会社を比較検討することはもちろん、研修の受講形態の見直しや助成金の活用など、自社でできることはたくさんあります。
特に助成金は、高額が支給されるのでおすすめです。ただ、助成金の支給を受けるためには、社内の労務管理をしっかりと行う必要があります。
助成金申請の際には、賃金台帳やタイムカードなどがしっかり管理されているかや、残業代の未払いがないかなどについてもチェックされる可能性があるため、日頃からの労務管理が大切です。
労務管理に自信のない方は、タレントパレットのサービスがおすすめです。タレントパレットを利用すると以下のメリットがあります。
- 人事情報の一元化によって書類の手続きの短縮が可能
- データの入力や転記作業などが簡略化できる
- 労務手続きでデータが更新されると、人材データベースにも自動で反映される
労務管理を健全に行い助成金等の申請をスムーズにするためにも、ぜひタレントパレットのサービスをご検討ください。