テレワークにマネジメントは不可欠!必要性・課題・方法なども詳しく解説


テレワークにマネジメントは不可欠!必要性・課題・方法なども詳しく解説

働き方改革やコロナ禍をきっかけにテレワークが浸透し、一般的な働き方として定着してきました。しかし、テレワークではマネジメントが難しいため、課題となっている企業も少なくありません。この記事では、テレワークにおけるマネジメントの必要性を述べ、マネジメントの課題やテレワークのマネジメントの方法なども解説します。ぜひ参考にしてください。

テレワークのマネジメントの必要性

テレワークのマネジメントを行ううえで、現状の理解は必要です。現状を踏まえなければ、マネジメントの必要性を理解することが難しいでしょう。ここでは、テレワークにおけるマネジメントの必要性を解説します。

組織の見える化に役立つシステムの詳しい情報はこちら

テレワークの現状分析

日本の経済の中心は東京であり、多くの企業が本社を構えています。周辺の各県や遠方から東京に働きに行くため、東京の労働人口は全国でも最多です。東京の企業のテレワーク実施率は、2023年4月現在で46.7%となりました。そのなかで、テレワークの実施回数が、週に3回以上の企業が41.5%です。

東京では、テレワークを中心とした働き方が、定着しているといって過言ではありません。テレワークの実施率や実施回数は、首都圏を中心に今後も増加し定着すると見込まれます。首都圏のテレワークの流れは、関西圏や地方都市部へ波及するでしょう。そうなれば、日本全国にテレワークが波及し、定着する可能性は高いといえます。

※参考:東京都テレワーク実施率調査結果4月|東京都

テレワークのマネジメントの必要性は高まる傾向

テレワークの実施率が高い状態で定着すれば、適切なマネジメントをしていく必要性も高まる傾向となるでしょう。また、多くの企業が、ハイブリッドワーク(通勤とテレワーク)を導入すれば、ますますテレワークのマネジメントが必要となります。

このような環境下では、自社のテレワークのマネジメントを早急に確立させましょう。テレワークのマネジメントができなければ、社員の勤怠管理や人事評価などにも悪影響を与える恐れがあるからです。

テレワークのマネジメントが成功すれば、多様な働き方に対してのマネジメントにも応用できます。労働人口が減少する時代を乗り切るためにも、テレワークのマネジメントは不可欠な要素です。

人的資本の「見える化」がつくる企業価値の新潮流

テレワークのマネジメントの課題

テレワークのマネジメントには企業によって異なるものの、複数の課題があります。ここでは、主な課題を4つ解説します。

業務の進捗管理が難しい

テレワークでは、社員の業務の進捗状況の把握が難しいです。また、部署内の各社員が担当する業務の進捗状況を共有できないことも大きな課題となっています。業務の進捗管理が難しい状況では、マネジメントにも支障があることは否めません。

テレワーク社員のなかには、部署の目標達成度さえ分からないケースもあるため、進捗状況の共有は喫緊の課題です。また、このような状況では、部署内の一体感はなく、部署全体の生産性にも影響します。他部署もこのような状況となれば、企業全体の業績悪化が懸念される事態といえるでしょう。

コミュニケーションが不足しやすい

テレワークでは、コミュニケーションが取りにくいことも大きな課題です。出社すれば挨拶を交わし、対面でコミュニケーションを図れます。しかし、テレワークではテキストのみのコミュニケーションが中心です。会話は激減し、相手の表情や仕草も分からないことがテレワークの現状です。

このような状況では、上司は指示したことが伝わっているか不安になります。部下は指示されたことに、問題がないのか分からないため、不安や疑心暗鬼に陥ることも少なくありません。このように、上司と部下の双方が疑心暗鬼になる状況は、大きな問題です。コミュニケーション不足が続けば、業務の進行に支障が生じる可能性も高くなります。

また、これらの要因により、社員がやりがいを感じなくなれば、離職リスクが増大することも大きな課題です。

人事評価が難しい

テレワークのマネジメントでは、人事評価が難しいことも大きな課題です。上司は部下の仕事ぶりが見えないため、部下が成果を出すまでのプロセスが分かりません。成果を評価できても、プロセスの評価ができないことになります。人事評価の際の判断材料が少なくなり、成果のみの評価になりかねません。

これらは、人事評価制度がテレワークを前提とした制度になっていないことが原因です。テレワークでの評価制度が確立していなければ、評価者によって評価にズレが生じるでしょう。テレワークの導入とテレワークの人事評価制度は、同時に導入することが理想です。

人事評価制度とは?評価の具体的な構成や目的、評価内容を知ろう

労務管理が難しい

テレワークでは、労務管理の難しさも大きな課題です。マネジメントを適正に行うためには、適正な労務管理が欠かせません。テレワークでは、上司が社員の勤務時間を正確に把握しづらい状況です。社員側も、業務中と業務外を区別することが難しくなるため、勤務時間が長くなる傾向もあります。

また、上司が社員の表情や仕草を確認できないため、健康状態や心理状態の把握も難しいことが現状です。このような状態では、適正な労務管理とはいえません。労務管理が行き届かない状況で、労務災害が起これば、該当の社員は多大な被害を受けるでしょう。

社員本人だけでなく、その家族や企業にまで大きな影響があります。テレワークでの社員の労務管理は、適正に管理できる制度やシステムの導入が必要です。適正な労務管理は不可欠であり、社員本人への労務管理の意識付けも欠かせません。

労務管理の重要性とは?就業規則・労働時間などを管理して業務改善を目指そう

テレワークのマネジメントに必要な環境整備

テレワークのマネジメントを成功させるためには、環境整備が必要です。出社とは異なったツールやシステムの導入も検討しなければなりません。社員教育に関しても、テレワークに適した教育方法が求められます。ここでは、必要な3つの環境整備について解説します。

コミュニケーション環境の整備

コミュニケーション不足は、テレワークのマネジメントの大きな課題です。この課題を解消するためには、コミュニケーション環境の整備を検討しなければなりません。そのためにも、まずはオンラインに対応したコミュニケーションツールを導入しましょう。現在では、ビデオ通話ができるオンライン会議システムを導入する企業が増えています。

ビデオ通話が可能なオンライン会議システムは、オンラインミーティングだけのツールではありません。常時接続することで、リアルタイムにコミュニケーションも可能となります。業務に関する相談なども、スムーズになるでしょう。また、社内SNSやビジネスチャットなどの導入も有効な手段です。

テレワークに適したセキュリティの整備

テレワークでの勤務は、オフィス勤務と比べて情報漏洩のリスクが高くなります。理由は、社員の自宅やサテライトオフィスが、企業のオフィスよりもセキュリティが低いからです。テレワークでも、サイバー攻撃に対するセキュリティ対策の整備は、早急に対応しなければなりません。

業務を遂行するためには、情報が不可欠なので、VPNなどの導入を検討しましょう。VPNとは、仮想プライベートネットワークのことで、安全にデータ通信をするために開発された技術です。社員の端末に、重要な情報を保存させず、保持させない環境整備が重要となります。

また、セキュリティの環境整備だけではなく、テレワークに必要なセキュリティ研修や社員教育も施しましょう。セキュリティに関する啓発活動を続けることも効果的です。

労務管理の整備

テレワークであっても、労働に関する法律は適用されます。テレワークの労務管理も整備しなければなりません。チャットツールやカレンダー機能の活用は、有効な労務管理の手段です。上司と社員が、勤務時間や業務の進捗状況を共有できます。

始業や終業時刻の報告や進捗状況の報告などのルールも決めましょう。上司が社員の在席や離席を確認できることが望ましい環境です。労働時間に関するルールも定めなければなりません。テレワークでも安心して働ければ、ワークライフバランスも安定します。

テレワークのマネジメント方法

テレワークのマネジメント方法は企業によってさまざまですが、共通する方法もあるため、3つの方法を紹介します。

目標と仕事内容の明確化

企業には、事業計画や業績目標があります。それらを基にして、部署ごとに目標を定めることが一般的です。また、部署にはチームがあり、管理者がチームごとの目標を定めます。チームの管理者は、この目標を明確にし、事業計画や業績の目標からチームの目標までを、チーム全体に伝えて浸透させることが重要です。

そのうえで、社員ごとの目標を定め、目標達成に必要な仕事内容や業務プロセスを丁寧に伝えます。社員がそれを理解すれば、自分の仕事の重要性や必要性も理解できます。このような社員は、テレワークでも、自発的に目標に向かって業務に取り組むでしょう。チームの管理者は、マネジメントの一環として社員の目標管理を適正に行います。業務が遅れている社員には、面談やヒアリングにより適切なアドバイスが必要です。

適切な業務の振り分け

チーム管理者は、社員の能力を最大限に引き出すことが求められていいます。そのためには、個々の社員の能力や業務スピードを適切に把握することが重要です。業務内容によって、社員単独で任せる業務と、複数で共同作業する業務を分類します。そのうえで、各社員に適切に業務を振り分けなければなりません。

このように、適切な業務の振り分けも、テレワークのマネジメントの重要な要素です。適切な業務の振り分けができれば、社員間での相互協力も可能となり、それがチームの強みにもなります。チームが一丸となって、目標達成に邁進できる体制の構築も求められます。

進捗状況の可視化

社員の業務の進捗状況を可視化することは重要です。業務の進捗状況を可視化できれば、部署やチームの管理者が、社員ごとの業務の進捗状況を把握できます。これは、テレワークのマネジメントに不可欠な要素です。進捗状況の可視化は、労務管理の整備やコミュニケーション環境の整備をする際のツールを活用して行いましょう。

進捗状況を把握した管理者は、課題などを定期的にチェックして、社員にフィードバックしなければなりません。このフィードバックも、テレワークでのコミュニケーションの一環です。テレワーカーが、孤独を感じないこともマネジメントにつながります。

部署やチームの社員間で業務の進捗状況が分かれば、メンバーが互いにフォローし合うことも可能です。コミュニケーションが円滑であるほど、チームワークに一体感も生まれます。そののためにも、進捗状況を確認できるツールを有効に活用し、社員間で定期的なミーティングも開催しましょう。互いの近況を報告するだけでも、仲間意識が高まり、孤独感を感じないようになります。

マネジメントする側の研修も重要

部署の管理者やチームの管理者などは、テレワークのマネジメントの知見を深める必要があります。また、経営陣は、テレワークのマネジメントに、問題が発生していないのかを定期的に確認しなければなりません。管理者がテレワークのマネジメントスキルを引き上げることが不可欠です。

そのためには次のような項目を重視します。

・テレワークの課題を把握
・テレワークのマネジメントの役割やスキルの再確認
・自身が管理する組織のマネジメントの課題を整理し改善策を検討

これらの項目を自社で研修し教育できない場合は、外部のテレワークマネジメント研修などへの参加も検討しましょう。管理者への研修は、人事部だけでは難しいケースが少なくありません。人事部の社員が、役職者に研修を積ませることは至難の業です。

外部に委託することで、専門的なテレワークのマネジメントを管理者が習得できます。また、役員が講師を務めたり、外部講師を招いたりする研修方法も有効です。その結果、人事部の社員の負担も軽減されるでしょう。

テレワークのマネジメントを成功させるポイント

テレワークのマネジメントを成功させるためには、ポイントを押さえることが大事です。ここでは、3つのポイントを解説します。

業務と進捗状況の見える化

テレワークのマネジメントでは、社員の業務と進捗状況を可視化して管理することが重要です。テレワークでは、部下の働き方が見えにくいことが課題となっています。業務管理ツールやプロジェクト管理ツール、社内SNSなどを活用すれば社員の状況を把握しやすく、進捗の共有が容易になるでしょう。

見える化することで、業務やプロセスを評価する際の参考にもなります。ただし、進捗状況の見える化にあたって、報告するタイミングや内容が細かすぎれば社員の負担となりかねません。社員の負担にならないような配慮も必要です。

人的資本の「見える化」がつくる企業価値の新潮流

テレワーカーからの報連相

テレワークでは、コミュニケーション量や情報量が減る傾向があり大きな課題です。管理者は、コミュニケーションを意識したうえで、社員からの報連相を見直す必要があります。その際に、コミュニケーションのハードルを下げることが有効です。管理者側から、カジュアルなコミュニケーションを取れる機会を設けるようにすれば、社員もコミュニケーションを取りやすくなるでしょう。

また、部署やチームで、定期的に顔を合わせる機会を設定することも有効な手段です。オンライン朝礼なども、実施すれば効果が期待できます。また、オンラインでの1on1ミーティングの頻度を増やすなどして、社員からの報連相が実施される体制の構築も重要です。

積極的なコミュニケーション

テレワークでは、マネジメントする側の意識改革も必要です。単に、社員からの報告を待つだけの姿勢では、テレワークのマネジメントが失敗する可能性も高くなります。管理者自らが、社員の情報を集める姿勢が大事です。

たとえば、業務の進捗状況が芳しくない社員へ、ヒアリングすることも重要なマネジメントになります。マネジメントする側から、コンタクトすることにより、社員は課題を打ち明けやすくなるでしょう。また、「迷ったときは報連相」などのルールを決めれば、社員は気兼ねなく報連相を行いやすくなります。

コミュニケーション能力を高める要素とは?高い人の特徴や会社で鍛える方法を解説

まとめ

テレワークは、通常の働き方と認識している企業や労働者も少なくありません。テレワークにおけるマネジメントには複数の課題があり、この課題を克服することが、企業や人事に求められています。テレワークのマネジメントに必要な環境を整備し、マネジメントの方法を理解しなければ、円滑にテレワークのマネジメントを進められないでしょう。

タレントパレットは、テレワークにおける業務進捗の可視化や、労務管理、コミュニケーション支援など、リモートマネジメントに必要な機能を備えたタレントマネジメントシステムです。大手企業での導入実績とコンサルティングノウハウを活かし、お客様のテレワークマネジメントの課題解決をトータルでサポートいたします。テレワーク環境の改善をお考えの企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。。

組織の見える化に役立つシステムの詳しい情報はこちら
人的資本の「見える化」がつくる企業価値の新潮流