チームビルドとは?目的や成功のコツ、企業事例を紹介


チームビルドとは?目的や成功のコツ、企業事例を紹介

チーム一丸となって目標を達成できる組織をつくる取り組みを「チームビルド」といいます。チームビルドは個々のパフォーマンスを高める上でも重要な取り組みです。本記事では、チームビルドの概要や目的、メリット、成功させるコツ、成功事例を解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


企業は複数のチームによって成り立っています。チームは様々なスキルを持った人材の集合体であり、一人ひとりが自分の力を最大限に発揮することで企業成長が可能です。チーム一丸となって目標を達成できる組織をつくる取り組みを「チームビルド」といいます。


組織やチーム体制を改善したい経営者や人事担当者の方に向けて、本記事ではチームビルドの概要や目的、メリットのほか、チームビルドを成功させるコツや事例などを解説します。チームビルドを行って従業員のパフォーマンスアップやチームワーク向上を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。


チームビルドの意味とは?

チームビルドとは、メンバー全員で同じ目標を達成できる「組織力」を育てるための取り組みを意味します。


単に有能な人材を集めただけでは、組織力があるとはいえません。組織は複数の部署やチームで構成されていることから、チームワークが重要視されています。メンバー間で連携が取れておらず信頼関係が構築できていなければ、組織全体の生産性に影響が出るでしょう。


組織力を上げるためには、チームビルドを通してメンバーそれぞれが持つスキルや経験値、知識などを存分に発揮できる環境を整えることが大切です。


企業がチームビルドを行う目的

企業がチームビルドを行う主な目的は以下の通りです。


・チームワークの向上

・主体性の促進

・リーダースキルの育成

・目標達成に向けた体制構築

・経営層のビジョン周知

・信頼関係の構築

・適切な人員調整

・マインドセットの形成

・チームの結束力向上


近年は働き方の多様化やAIの進化、グローバル化など、社会を取り巻く情勢が大きく変化しており、企業の柔軟な対応が求められています。


個性豊かなチームメンバーとともに目標達成を目指すためには、個々のスキルや知識を発揮するだけでなく、協調性を持って業務を進めなければなりません。チームビルドを実施すると、互いを尊重した上で自分の意見も気兼ねなく発言できる体制が整います。


また誰かの指示を待つのではなく、各々が主体性を持って行動ができるように導くこともチームビルドの目的です。入社してある程度の年数が経つにつれて、リーダースキルも必要とされますが、チームビルドを取り入れると統率力や指導力なども育てられます。


その他、経営層のビジョンを周知させ、メンバー全員が一致団結して目標に向かう上でもチームビルドが役立ちます。


チームビルドのメリット

チームビルドを導入すると様々なメリットが得られます。どのようなメリットが得られるかを把握しておくと、より効果的に取り組めるでしょう。続いては、チームビルドの主なメリットを3つ紹介します。


メンバー間のコミュニケーションが増える

チームビルドを導入すると、メンバー全員が同じ目標を持って業務に取り組むため、メンバー間でコミュニケーションを取る機会が自然と増えます。


日常的に会話をするようになると、目標達成に必要な情報が頻繁に飛び交い、報告・連絡・相談を逃すことも減るでしょう。互いの知識やノウハウも共有でき、万が一トラブルやミスが発生しても互いにサポートしながら迅速に解決できます。


アイディアが出やすい

企業には多様な価値観や知識、経験値、スキルを持った人材が集結しています。チームビルドによって互いの価値観を尊重できるようになると、コミュニケーションが活発になり、一人では思いつかなかったアイディアや意見に触れる機会が増えるでしょう。また双方のアイディアを踏まえて、さらによい考えが浮かぶケースも少なくありません。


このように、メンバーが互いに刺激し合うことで相乗効果が生まれ、難しい課題へのチャレンジや新しいイノベーションの想像につながります。


モチベーションの向上につながる

チームビルドが浸透すると相互理解が深まり、メンバー間の信頼関係を構築することが可能です。その結果、互いをサポートしつつ切磋琢磨しながら目標達成を目指すようになり、モチベーションの向上につながります。

チームに貢献することの喜びやメンバーに認められたいという気持ちも芽生え、成果が出るにつれて、ますますモチベーションの向上につながるよいサイクルが生まれます。

チームビルドを成功させるコツ

チームビルドに取り組んでいるけれど、なかなかうまくいかないと悩む方も多いのではないでしょうか。チームビルドを成功させるためには、5つのコツを押さえることが大切です。続いては、それぞれのコツについて詳しく解説します。


研修やワークショップを開催する

チームビルドを成功させるためには、メンバー間のコミュニケーションが重要です。人材の多様性が重視される中、従業員一人ひとりの個性やスキル、バックボーンも多岐にわたります。


個性豊かなメンバーが集まる企業において、座学や資料だけでチームビルドを実現しようとしても難しいでしょう。研修やワークショップなどを開催し、コミュニケーションを取りやすい企画を盛り込むと、互いを知るきっかけになります。


チーム全体のビジョンを共有する

チーム全体のビジョンが明らかになっており、メンバー全員が理解していると、チームビルドが成功しやすくなります。一方で、ビジョンが曖昧だったり、共有できていなかったりすれば、行動すべきことが分からず、他のメンバーとタッグが組めません。


チームビルドがうまくいかないと感じた場合は、チーム全体のビジョンを今一度確認してみましょう。曖昧な点があれば、明確化した上でチーム全体に共有する必要があります。


各メンバーの役割を明確化する

チーム全体のビジョンを明確化した後は、目標達成に向けて各メンバーの役割を明らかにすることも大切です。個々のスキルや個性、経験値などを踏まえた上で、存分に力を発揮できる役割を与えましょう。なお、適切な人員配置をするためには、事前にメンバーの状況を把握する必要があります。


適切な役割やタスクを与えられることで、各々が効率的に業務を遂行できるようになるでしょう。その結果、チーム全体の目標達成も円滑に進みます。


目標を設定してモチベーション維持を図る

役割の明確化に加えて、モチベーション維持を図るための目標設定もチームビルドを成功させるコツです。チーム全体の目標を立てるだけではなく、個々の目標も設定しましょう。その上で、チーム全体と個人の目標が関連していることを浸透させる必要があります。


一人で業務に取り組むと、つい楽な方へ流れてしまいがちですが、自分の目標が全体の目標達成に影響していると理解できれば、モチベーション維持につながるでしょう。


リーダーが率先してチームを統率する

チームを統率する上ではリーダーの存在が大きいです。いくら有能な人材が集まり、個々のスキルを活かしながら役割を遂行していても、状況によっては想定外な出来事が発生することもあります。また、ミスが起こればすぐにリカバリーしなくてはなりません。


リーダーはチーム全体を俯瞰して見る立場です。リーダーが率先してチームを統率できる状態にあれば、万が一問題が起きたとしても、速やかに軌道修正ができるでしょう。


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チームビルドの失敗につながる原因

チームビルドの取り組みが失敗に終わってしまうケースがあります。どのようなケースで失敗しやすいのかを理解しておくと、チームビルドに取り組む際の参考になるでしょう。続いては、チームビルドの失敗につながる原因を3つ解説します。


目標を強制的に決める

明確な目標の設定は、個々のモチベーションを高める上で重要です。しかし、メンバーの状況や意思を無視して目標を設定すると逆効果になりかねません。強制的に目標を設定されると、各メンバーは「無理やりやらされている」という考えを持ってしまうためです。


目標を設定する際は、メンバーが自ら実行できる内容にする必要があります。事前にヒアリングを行い、取り組みたいことを確認した上で、チーム全体の目標につながる要素を導き出しましょう。


業務を丸投げする

チームビルドにおいて、メンバーを信頼して業務を任せることは大切ですが、あくまでもメンバーのやり方を尊重するのであって、業務を丸投げするのは間違いです。チーム全体のビジョンやチームビルドの重要性を伝えないまま業務を丸投げしても、良好なチームワークは築けないでしょう。


特にチームリーダーは、メンバーとのコミュニケーションを積極的に行う必要があります。ただ役割を与えるのではなく、チーム全体のビジョンや業務の目的を伝えて互いに理解することが大切です。


各メンバーの適性を考慮せずチームを編成する

チームを形成するにあたって、重要なポイントの1つが適性を踏まえたチーム編成です。大勢のメンバーが集まっても、適材適所に配置されなければ個々のスキルを存分に発揮できません。


人員配置を行う前に各々のスキルや個性、得意分野、弱みなどをしっかりと把握しておきましょう。その上でベストな配置ができれば、効果的な連携のもとチームの目標達成が実現します。


チームビルドの成功事例

チームビルドの重要性は広く浸透しつつあり、各社で様々な取り組みを行っています。これからチームビルドを行う場合、成功事例を参考にするとイメージしやすくなるでしょう。主な事例として、3社の取り組みを紹介します。

株式会社メルカリ

フリマアプリで知られる株式会社メルカリは、社内で新たなプロジェクトを立ち上げた際に各々が業務に追われており、チーム内で相互理解を深められないことが課題となっていました。


そこで、相互理解を図りつつプロジェクトで成果を出すために、プラスチック製の組み立てブロック「レゴ(R)」を取り入れたチームビルドを行いました。お題として出された形に沿ってレゴ(R)を組み立てたり、社内で大切にされている言葉「Be Professional」をブロックで表現したりするといったワークを行い、完成した作品を通して互いの意見を交わす手法です。


「なぜこの形にしたのか」「この色を取り入れた理由」などを伝え合ううちに互いの考え方が分かり、相互理解につながっています。


株式会社タニタ

家庭用や業務用計量器の製造販売を手がける株式会社タニタでは、各エリアに点在するメンバー同士の結束を強化するために「The 商社」というビジネスゲームを実施しました。

「The 商社」とは、株式会社プロジェクトデザインによって開発されたチームビルドを目的としたゲームです。いくつかのチームをつくってゲーム内で事業を立ち上げ、会社を拡大していきます。事業の計画や他チームとの交渉などを行い、最終的に決算をして順位を競う流れです。

ゲームとはいえメンバーの交渉の仕方や戦略の立て方など、普段の仕事を垣間見る機会となり、思わぬ一面に気づけたようです。自分の仕事の進め方を見直せるだけでなく、これまで知る機会がなかったメンバーの考え方やリーダーシップを目の当たりにし、実際の業務に活用できたといいます。

株式会社オリエンタルランド

東京ディズニーリゾートを運営する株式会社オリエンタルランドでは、年に1回、園内でカヌーレースを実施しています。実際にあるアトラクション「ビーバーブラザーズのカヌー探検」を活用した企画で、東京ディズニーリゾートで勤務するキャストが参加します。普段は園内で職務をこなしているため、なかなか話す機会がないキャスト同士が交流するチャンスとなったそうです。


また、メンバーと協力しながらカヌーをこぐため、チームワークを高める上でも役立つ企画です。11名のキャストと上司を含むチーム構成のもと、互いを知るよい機会になったそうです。


まとめ

働き方の多様化や人材の多様性が高まる中、互いを尊重しながら個々のスキルを存分に発揮するためには、チーム構成やチーム力が問われます。チームが一丸となり企業全体が成長していく上で大切なのがチームビルドです。


チームビルドはコツを押さえて取り組む必要があり、闇雲に進めても失敗する可能性があります。今回ご紹介したコツや失敗の原因などを理解した上で、計画的に取り組むことが大切です。


「タレントパレット」は様々な人材データを一元管理・分析でき、チーム体制の改善に役立ちます。あらゆる人事システムを活用できるため、人事業務の効率化が可能です。また、人材育成・スキル管理機能やTPOD(組織診断)機能を通して、各メンバーのスキルの見える化や組織の課題把握も行えます。


チームビルドの実施を検討している経営者や人事担当者の方は、ぜひタレントパレットのシステムをご活用ください。


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