人材不足の原因分析には細分化が重要!課題解消に効果的な5つの対策を解説


人材不足の原因分析には細分化が重要!課題解消に効果的な5つの対策を解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


「人材がなかなか定着せず困っている」「自社の人材不足の原因を見極めるポイントは?」「人材不足を解消するための効果的な対策を知りたい」という方は多いのではないでしょうか。


少子高齢化による労働人口の減少により、長期的な人材不足が見込まれます。業績の維持・向上のためには、優秀な人材の流出を防ぐことが大切です。人材不足の原因が「採用〜離職」のどの段階にあるのか把握し、対策を行う必要があるでしょう。


そこで本記事では、日本における人材不足の現状と今後の課題、具体的な対策について解説します。。


この記事を読めば、自社の人材不足の課題や対策が理解でき、人材不足を解消できます。企業の業績アップや組織力向上につながりますので、ぜひ最後までお読みください。


人材不足の主な原因


日本における人手不足の大きな原因は、少子高齢化による労働人口の減少です。令和4年厚生労働省の報告によると、2065年度には総人口が9,000万人を割り、高齢化率は38%になると見込まれています。


高齢化に伴い、15〜64歳の生産年齢人口は減少傾向です。そのため、今後は新卒などの労働力だけで対応していくことは困難でしょう。


女性や高齢者・外国人などの労働参加を進めるとともに、転職・業務委託といった柔軟な働き方を取り入れた人材確保が必要です。


産業別にみる人材不足


人手不足の傾向は、産業ごとに大きく異なります。令和4年度厚生労働省の報告では、2019年は全ての産業で人手不足を感じていましたが、2020年には新型コロナウイルスの影響を受け、全ての産業で人手不足感が弱まりました。「宿泊・飲食サービス」「製造業」では、人手の過剰感が高まっています。


また、2021年12月の時点では「宿泊・飲食サービス」に関しても人手不足感が強まってきています。今後人手不足になるかどうかは、コロナウイルスの感染状況や経済活動によって変動するでしょう。


→人手不足の業界について詳しく知りたい方は、別記事「人手不足 業界」をあわせてご確認ください。


人材不足が見込まれる4つの業界


高齢化やDXの進展に伴い、次のような業界で人材不足が見込まれています。今後も、人材確保が中長期的な課題です。


  • 医療
  • 介護
  • 福祉分野
  • IT分野


介護職員の需要数は2040年度には280万人で、2023年度より22万人多く必要とされています。高齢化により、需要がさらに高まると予想されます。


そのため、待遇・働きやすさの改善・自動化ツールの導入で効率化を図るとともに、既存社員の人材育成や能力開発に取り組む必要があるでしょう。


また、2030年度までのIT人材不足は16〜79万人と推定されています。第4次産業革命が進む中、今後もIT関連の市場規模は拡大する見込みですが、日本ではIT人材の割合が低いことがデジタル化推進のボトルネックになっている可能性があります。


日本ではIT人材が特定の産業に集中しているため、非IT企業における人材確保に向けた体制構築が今後の課題です。外部人材の活用、社会全体でのデジタルスキルの底上げも必要になるでしょう。


参照元:厚生労働省|令和4年版 労働経済の分析

参照元:厚生労働省|令和4年版 厚生労働白書

参照元:内閣府|令和4年度 年次経済財政報告


デジタル人材について詳しく知りたい方は、別記事「デジタル人材」をあわせてご確認ください。


人材不足・人手不足の原因を見極める4つの分野


人材不足・人手不足の原因を見極めるためには、人材確保の取り組みを細分化した分析が重要です。人材確保の取り組みは、次の4つの分野に細分化できます。

採用管理 ・募集
・選考
定着管理 ・配置、配属
・評価、処遇
・教育訓練、能力開発
就労条件 ・労働条件
・労働環境
・人間関係
・福利厚生
企業の理念・価値観 ・経営理念
・組織文化

参照元:厚生労働省|人材確保に「効く」事例集


例えば、就労条件に問題があり人材が離職して定着しないのであれば、雇用体制の見直しや業務改善によって、人手不足を解消できるでしょう。人材を確保しなくても課題が解決できれば、新規に採用する必要がなくなります。


ひとつずつ解説します。


採用管理


まずは募集・選考の2つの採用管理において、問題を抱えていないか分析します。募集段階で応募がこない場合「求人方法が固定化している」「求人情報に魅力がない」などの問題がないか、分析してみましょう。


また、応募はあるものの、求める人材が集まらないことによる人材不足も考えられます。原因としては、若い世代に絞り込みすぎたり性別にこだわりすぎたりと、採用方針の理想像が高すぎるケースがあります。


採用基準や選考の段階まで細分化して分析すると課題が見え、人材確保につながりやすくなります。採用・募集段階の取り組みで、改善の余地がないか考えてみると良いでしょう。


定着管理


次に、以下3つの定着管理で問題を抱えていないか分析します。


  • 配置・配属
  • 評価・処遇
  • 教育訓練・能力開発


上記項目を細かく分析することで、なぜ社員が定着せず離職していくのか課題が見え、改善点を見出しやすくなるでしょう。


配置・配属


配置・配属での問題を分析します。例えば「新人フォロー体制が構築されていない」「イメージと違った」という退職理由が多い場合は、適材適所への配置に問題があると想定できます。現場で自分が受け入れられていないと感じてしまうと、早期離職につながるケースが少なくありません。


「同じ部署からの離職者が多い」「せっかく採用してもすぐに辞めてしまう」という場合、配置や配属に問題はないか見直してみると良いでしょう。


配置転換によって、離職防止やモチベーションの向上、人材育成の効果が期待できます。


評価・処遇


定期的な人事評価を行っていたとしても、社員自身が「自分はこんなに貢献しているのに評価されていない」と感じる場合があります。評価制度や処遇に問題点がないか、分析することも大切です。


「将来のイメージがつかない」「キャリアパスの仕組みがない」という原因で退職する場合、評価制度や処遇を見直すきっかけになります。


長期勤続に対する手当・人事評価による臨時手当を支給するなど、社員が正当に評価されていると感じられる手段を検討してみると良いでしょう。


教育訓練・能力開発


「社員のスキルや能力に個人差がある」「業務手順がバラバラ」という場合は、教育訓練や能力開発制度の課題を分析してみましょう。


特に中途採用の場合、これまでの仕事の進め方と異なるため、指導や研修を受けないと「冷たくされた」「期待されていないのでは」と感じてしまいます。


社員が定着しやすい教育訓練や能力開発に改善の余地はないか、考えてみると良いでしょう。


就労条件


就労条件が悪いために社員が定着せず、人手不足につながっている場合があります。「就労条件」で分析が必要な項目は、以下4つです。


  • 労働条件
  • 労働環境
  • 人間関係
  • 福利厚生


労働条件


「長時間労働が多い」「休暇が取りにくい」といった労働条件では、社員は働きづらさを感じて離職につながりやすくなります


社員にとって働きやすい・働きがいのある職場であれば、定着率の向上につながります。労働条件に改善点が見出せないか、検討してみましょう。


労働環境


「重労働である」「夜勤などで労働時間が長い」「休憩場所がない」といった場合は、多様な雇用形態や労働環境の改善が必要です。


例えば、男性が多い職場では、女性用の更衣室やトイレがない場合があります。女性の活躍を推進するためには、整備を検討するのも改善点のひとつです。


人間関係


職場の人間関係は、離職理由として上位に挙げられます。ハラスメントや不当な扱いがないか、職場の人間関係の状況を把握しておくことは大切です。


特に女性の多い職場では、出産・育児・子育てなどライフステージに合わせた働き方が必要です。その一方で、不公平感を持つ社員がいたり、チームワークを乱す社員がいたりするケースも全くないとはいえません。職場風土の改革や人間関係の見直し、適材適所への移動などを検討してみましょう。


福利厚生


福利厚生・定着に必要な制度・手当などが不足していないか分析します。給与以外の面で待遇を見直したり、新たな制度を導入したりできないか、改善点を見出してみると良いでしょう。


理念・価値観


採用・定着・就労条件に課題がなければ、最終的に企業の「理念・価値観」に行き着きます。理念・価値観で分析が必要な項目は、以下2つです。

  • 経営理念
  • 組織文化


経営理念


社員が会社に対して誇りや帰属意識・連帯感を持つためには、経営理念を社員に浸透させることが大切です。会社に将来性を感じ、定着率の向上、ひいては人材不足の解消につながるでしょう。

とはいえ「条件が良くても会社の方針に共感できない」といった理由で離職するケースがないとは限りません。経営理念を浸透させつつ、社員が会社に抱いている価値観にも目を向けると良いでしょう。

組織文化


組織文化は、社員一人ひとりの価値観や信念などが影響し合い、形成されます。例えば、限られた時間内に業務を終わらせようとしなかったり、成長を認めてくれなかったりすると、社員は働きづらさを感じてしまいます。

雰囲気の悪い職場では社員のモチベーションが下がり、離職につながりやすくなります。社員が前向きな気持ちで働ける組織文化を作るため、改善策を見出してみましょう。

タレントパレットは、社員一人ひとりの情報をデータベース化できるタレントマネジメントシステムです。採用管理から離職防止まで一気通貫した社員情報の蓄積ができ、あらゆる階層で人事戦略の課題解決に役立ちます。最適配置、人材育成、人事評価など、人材不足の原因分析に役立つ機能を備えているので、ぜひ資料請求してみてください。

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人材不足・人手不足を解消するための5つの施策


この章では、人材不足・人手不足を解消するための5つの施策を解説します。


求人像の明確化


まずは自社の経営方針を整理し、求める人材を明確にします。経営方針・課題を明確にしないまま採用すると、離職につながってしまうリスクがあります。


求人像を明確にする際は、以下のような視点で考えると良いでしょう。


  • 現状のビジネスを維持するための人手が足りていないのか
  • ビジネスを改善・拡大するために質の高い人材が足りていないのか。
  • 必要な人数はどのくらいなのか
  • 単に人手が足りないため働き手が必要なのか
  • デジタル人材やハイパフォーマーなのか


上記の視点を押さえることで、自社にとって必要な人材が見出しやすくなります。


人材確保


求人像を明確にしたら、人材確保に取り組みます。労働人口の減少によって、新卒採用だけでは人手不足を解消することは困難だと予想されます。


以下3つの体制を構築し、人材確保を行いましょう。


  • 中途採用
  • 外国人の登用
  • 多様な雇用形態


中途採用者の受け入れ体制構築


人手不足を解消するための対策として、中途採用者の受け入れ態勢の構築が挙げられます。転職を希望する人材が役職に就く場合、男女問わずキャリアの見通しができていることが大切です。


厚生労働省の調査によると、自分のスキルや能力を発揮しつつ、給与増加につながるか、キャリアの見通しを求めています。


また、キャリアチェンジを行う場合、ワークライフバランスを重視する傾向があります。転職後のキャリアの見通し、処遇、就労条件などを考慮しつつ、受け入れ態勢を整えていくことが重要です。


多様な雇用形態の採用


パートや時短勤務、業務委託など、多様な雇用形態を採用すれば、人材不足・人手不足の解消につながる可能性があります。

外部人材の活用によって、人材不足・人手不足の解消だけでなく、社内にはない専門的な技術やノウハウを得られるでしょう。実際に、外部人材をすでに活用している企業では、売上高の増加率が高いというデータがあります。


外国人の雇用体制の整備


今後、日本の労働人口の減少が見込まれている中、人手不足の対策として外国人の雇用を視野に入れると良いでしょう。外国人採用の際は、特定技能制度を活用します。

特定技能制度とは、深刻化する人材不足・人手不足の対応として、即戦力となる外国人を受け入れる制度です。介護・ビルクリーニング・建設業など、12の特定産業分野からなる在留外国人の受け入れが可能となります。

2022年3月から、外国人の新規入国制限が一部緩和されました。そのため、今後は技能実習生などの外国人労働者の受け入れが進むと見込まれています。

外国人労働者の受け入れによって、ダイバーシティの推進や、新たなアイディアの創出につながります。英語や外国語圏との取引や新規顧客の獲得にもつながる可能性があるため、受け入れ態勢の整備に積極的に取り組むと良いでしょう。

社内の人材育成


外部からの人材確保が難しい場合は、既存社員の育成が人材不足の対策となり得ます。人材育成として、社内での能力開発や、適材適所への配置を行います。


リーダー候補となる人材の活躍や定着に向けて、能力開発・待遇改善などのフォローアップを行うと良いでしょう。


人材発掘について詳しく知りたい方は、別記事「人材発掘」をあわせてご確認ください。


また、人材育成の目標について詳しく知りたい方は、別記事「人材育成 目標」を合わせてご確認ください。


離職率を下げるための施策


人材不足の対策として、既存社員の離職率を下げるための施策も効果的です。先に述べた就労条件の見直しや、給料や処遇などの労働条件の改善、女性や高齢者が働きやすい職場環境の整備が重要です。


特に女性は、出産・育児などのライフステージの変化によって離職するケースが少なくありません。子育て中でも働きやすい職場環境を整えることは、離職防止につながり、人材不足の解消にも役立つでしょう。


また、高齢化がすすむ中、65歳以上の高齢者が働きやすい職場づくりも大切です。


離職率について詳しく知りたい方は、別記事「離職率を下げるには」を合わせてご確認ください。


デジタルツールやAIを活用した業務効率化


デジタルツールやAI・ロボットなどの活用は、人材不足・人手不足の解消に効果的です。特に、以下のような場面では先進ツールを積極的に活用すると、自動化・省人化に役立ちます。


  • 繰り返しの単純作業
  • 重労働
  • 危険な場所での作業
  • データ処理


デジタルツールやAIを活用すれば、精度が高まりサービスの質の向上、人件費の削減にもつながります。人手やコストを他の作業に充てられ、生産性が向上する可能性があるでしょう。


人事業務の効率化、データ活用をするならタレントマネジメントシステムの導入が必須


人事業務をDX化することで、社員データの一元化・人材検索・人事評価・配置検討などの幅広い業務を効率化できるようになります。また、人材育成・最適配置・社員パフォーマンスの最大化など、組織力向上を目的とした一歩先のタレントマネジメントまで実現が可能です。

また、タレントマネジメントシステムを導入すれば、社員データを集約し人事評価のペーパーレス化や異動シミュレーション、ハイパフォーマー分析など、高度な施策が実施できます。タレントマネジメントを取り入れて、自社のリソースを最大限に活用しましょう。

人材不足の解消は原因の見極めが重要!分析にはタレントパレットを活用しよう


人材不足を解消するためには、採用・定着・就労環境・企業理念のうち、どの分野に問題があるのか原因を見極めることが重要です。


少子高齢化による労働人口不足によって、新卒のみで人材不足への対応は困難だと考えられます。そのため、既存社員の育成や外部人材の採用も視野に入れておく必要があります。


同時に、離職率を下げる施策やデジタルツールの活用も人材不足・人手不足の解消に役立ちます。人材不足・人手不足の解消には、タレントパレットの活用がおすすめです。


採用管理から適材適所への配置・人材育成・評価・離職防止まで、あらゆる階層で人事戦略の課題解決に役立ちます。人材不足の原因分析に役立つ機能を備えているだけでなく、サポートやコンサルティングも万全なので、ぜひ気軽にお問い合わせください。


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