こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「人材流動性を高めるメリットを知りたい」「人材流動化に対応する方法がわからない」という方は多いのではないでしょうか。
人材流動性とは、企業間を移動する活発な人材の多さをあらわす言葉です。働く環境が変化するなか、社会全体で人材流動性を高める動きが注目されています。
そこで本記事では、人材流動性の高い企業のメリット・デメリットや、流動化に対応するコツまでを解説します。流動化に対応する方法を、全体像を明確にしたうえで理解できますので、ぜひ最後までお読みください。
人材流動性とは雇用活性化のレベルをあらわす言葉
人材流動性とは、働き手が1つの企業に依存しない柔軟な転職をし、雇用が活性化する程度をあらわす言葉です。日本には終身雇用や年功序列の考えが根強く残っており、人材流動性の低い状況が続いています。
近年では、人が企業間を活発に移動し、人材の流動性を高める働き方に注目が集まっています。人材流動性が見直されている背景は、主に以下の3つです。
- デジタル化の進歩
- 働き方改革
- 経済団体による後押し
現代の雇用形態は「メンバーシップ型」から「ジョブ型」へ変化しています。メンバーシップ型は新卒を一括採用して育てる形式である一方、ジョブ型は仕事に対して専門性のある人材を採用し、割り当てる方法です。
ジョブ型雇用が広まれば、企業に依存をしない人材が成長産業へと振り分けられ、流動性が高まります。海外ではジョブ型雇用が一般的であり、メンバーシップ型を採用している企業が多い日本の労働生産性は平均以下です。
働き方 | 内容 | 人材の流動性 |
---|---|---|
メンバーシップ型 | 新卒一括採用 さまざまな部署を経験 |
低い |
ジョブ型 | 専門性のある人材を採用 スキルを活かせる部署に勤務 |
高い |
人材流動性を高めるメリット4選
人材流動性が高い企業は、時代の変化に柔軟に対応できます。メリットを知ったうえで、企業の人材流動化を図るべきか検討するべきでしょう。
必要な人材を探しやすくなる
人材流動化が活発になると、求める人員を探しやすくなります。仕事内容に精通した人材を雇えば、育成の必要がない即戦力として活躍してもらえます。
通年雇用ができる中途採用であれば、急な離職や休職にも対応でき、業務の停滞を防げるでしょう。
ミスマッチの少ない雇用ができる
採用時点で任せたい職務内容が決まっているため、労働環境や給与面なども入社前に具体的に説明ができます。結果として、ミスマッチの少ない雇用が期待できるでしょう。
求職者がマッチ度の高い企業だと確かめられるように「カジュアル面談」の実施をおすすめします。カジュアル面談とは、選考と関係なく、求職者が企業へ気軽に質問ができる場のことです。企業側にも、求職者の志望度を測れるというメリットがあります。
若手の育成コストを削減できる
新卒を一括採用する方式から、経験者の積極雇用へと採用市場が変わった場合、新人育成のコストを削減できます。実務を教える時間が減る上に、マナーに対する研修への投資も必要ありません。
また、新卒は自身のキャリアビジョンが描けていない場合があり、入社後にミスマッチを感じて早期退職する可能性があります。入社後すぐに退職されると、採用にかけた時間も無駄になってしまいます。
企業価値の向上が見込める
時代の変化に合わせて必要な人材を採用できるため、企業価値向上につながります。近年では、AIのような最新のテクノロジーを企業で積極活用する「DX化」の考えが注目されています。
DX化に欠かせないのが、IT技術を持ったデジタル人材です。デジタル人材の採用で、先端技術のノウハウがない企業でも、早期の対応が期待できるでしょう。
デジタル人材について詳しく知りたい方は、別記事「デジタル人材」をあわせてご確認ください。
人材流動性を高めるデメリット4選
人材流動性の高い企業へ変化すると、組織全体のあり方も大きく変わっていきます。デメリットになる部分も把握しておかなければ、企業の態勢が崩れるきっかけにもなるため理解が必要です。
配置転換が困難になる
決められた仕事に対して採用する性質上、柔軟な配置転換ができません。多くの企業では、人をさまざまな部署へ異動させながら企業のバランスを取っています。
しかし、人材流動性を優先した場合は働く部署が限定されるため、急な欠員を社内でカバーすることが難しくなるでしょう。
専門スキルを持つ人材の取り合いになる
現代では、社会全体で専門スキルを持つ人材が重宝されており、社員がより条件の良い企業へ転職をするケースも十分に考えられます。年功序列の考え方から個々の成果が給与に反映されるしくみに変わっており、より簡単に離職しています。
社員のスキルアップを支援したり、評価制度の見直しをしたりして、企業へ定着させる取り組みも必要です。人材定着について詳しく知りたい方は、別記事「人材定着」をあわせてご確認ください。
人事担当者の管理が増える
仕事内容や勤務地などの条件は、人事担当者が個別に設定と管理をしなければなりません。採用する際の仕事内容や役割などの条件を明確にする「職務記述書」の整備が必要になるでしょう。
企業は職務記述書に記載した範囲内で指示を出し、成果に応じた給与を支払います。人事担当者がそれぞれの職務条件を適切に管理・更新し続けないと、社員とのトラブルが発生する可能性があります。
タレントマネジメントシステムの「タレントパレット」であれば、散らばりがちな社員データをシステム内で一元管理可能です。スキルや経歴など、あらゆる社員情報を可視化して分析できます。
人材の管理をスムーズにして、人事コストを減らしたい方は、まずは気軽に資料請求してください。
タレントパレットのHPはこちら
組織力が低下する
人材流動化が進むと、企業に長く勤める人材が減り、組織間のつながりが薄くなります。日本従来の採用方式は、多くの人がさまざまな部署を横断し、組織力向上に貢献がしやすい傾向にありました。
組織力がない企業は、チームとしてのパフォーマンスが落ち、人間関係のストレスを抱える社員も出てきます。組織内の目標を明確にして、チーム全体で取り組む風土を作っていく必要があります。
組織力強化について詳しく知りたい方は、別記事「組織力強化」をあわせてご確認ください。
人材流動化に対応する主な3つの方法
従来の雇用形態では、スキル重視の人材にとって魅力のある企業にならない可能性があります。柔軟に企業が欲しい人材を採用していくため、現状の制度を見直していきましょう。
給与体系を成果主義にする
年功序列のままでは、スキルに依存して職場を切り替えていく人材の採用ができません。そのため、成果を考慮した給与体系へとシフトしていく必要があります。
給与体系の制定は全社員一律ではなく、職務ごとに取り決めることをおすすめします。ほかの企業との優秀な人材の取り合いになることが予想されるため、市場に見合う給与の設定を行うべきでしょう。
労働環境に柔軟性を持たせる
人材の流動化に合わせ、労働環境の整備が必要です。「テレワーク」や「フレックスタイム」などの自由な働き方を推進する制度は、人材流動化にマッチしています。成果で評価をする体制に変わるため、どのような働き方でも公平な成果を出しやすくなります。
さらに、場所を選ばない働き方をすることが多いデジタル人材の受け入れもしやすくなるでしょう。事務所での勤務を必須とする従来の労働環境のままでは、柔軟な働き方を求める人員は集まりません。
評価制度を成果基準にする
従来の勤務態度や意欲を評価するしくみから、成果を基準に置く制度に移行する必要があります。スキルを重視して採用した社員には、主観の入らない具体的で納得性のある評価が求められるでしょう。
成果重視の評価手法に対応するため「コンピテンシー評価」の採用をおすすめします。コンピテンシー評価とは、目標達成度や仕事の正確性などの成果を指標とし、具体的で公正な評価ができる手法です。
コンピテンシー評価の導入には、社内の行動特性を把握し、職務ごとに評価項目を設定する必要があります。そのため、長期的な目線で作成し、都度見直しをしなくてはなりません。
タレントパレットであれば、システム内にコンピテンシー評価が標準搭載されています。企業独自の項目を細かく設定でき、簡単に評価基準の作成が可能です。人材流動性に対応できる評価制度をスムーズに導入したい方は、まずは気軽に資料請求してください。
タレントパレットのHPはこちら
人材流動性のある社員を採用するコツ3選
人材の企業間移動が激しくなるなかでも、企業は必要な人員を都度洗い出し、採用活動を継続していかねばなりません。
この章では、流動性のある人材を採用するコツを解説します。
人事担当者のスキル向上
専門的なスキルを持つ人材は、他社との取り合いになる可能性が高くなるため、人事担当者のスキル向上が必要です。自社の雰囲気を伝えられるコミュニケーション能力や、スキルレベルを確認する質問力が求められるでしょう。
スキルアップの方法には、社内での採用ロールプレイングの実施や、採用担当者向け研修を行っている外部サービスの利用が挙げられます。
採用手法の拡充
流動性のある市場のなかで、効率的に求める人材を雇用するためには、採用手法を広げる必要があります。流動化に適した採用方法として「アルムナイ制度」が挙げられます。アルムナイ制度とは、離職した社員に対し、積極的な再雇用を呼びかける手法です。
退職した社員の再雇用をすれば、企業の仕事内容を理解していることから教育コストがかかりません。さらに、求める人材としてマッチしていることもわかっており、スムーズな採用が期待できます。
ほかにも、個人事業主との業務委託契約を部分的に行う手法が有効でしょう。求めるスキルを持った個人事業主との契約で、即戦力として働いてもらえるメリットがあります。
内定後のフォロー
雇用した社員が内定後にミスマッチを感じた場合、流動性のある市場だと早期退職の可能性があります。社員がスキルを発揮できる環境になっているかどうか、定期的な面談により確認する必要があるでしょう。
面談の結果問題が発覚した場合、すぐに対処することで優秀な人材の定着を図れます。
人事業務の効率化、データ活用をするならタレントマネジメントシステムの導入が必須
人事業務をDX化することで、社員データの一元化・人材検索・人事評価・配置検討などの幅広い業務を効率化できるようになります。また、人材育成・最適配置・社員パフォーマンスの最大化など、組織力向上を目的とした一歩先のタレントマネジメントまで実現が可能です。
また、タレントマネジメントシステムを導入すれば、社員データを集約し人事評価のペーパーレス化や異動シミュレーション、ハイパフォーマー分析など、高度な施策が実施できます。タレントマネジメントを取り入れて、自社のリソースを最大限に活用しましょう。
人材流動性の高い企業を目指すならタレントパレットがおすすめ
人材流動性を高める動きが注目されているなか、流動化に対応するためには、組織のルールを大きく変更する必要があります。人事担当者の負担は増えますが、社会の転換期をうまく乗り切れば、さらなる企業の拡大が期待できるでしょう。
タレントパレットであれば、散らばった社員データを統合して、企業がどのようにして流動化に対応するかの分析が可能です。社員評価システムを企業ごとにカスタマイズし、人事担当者の業務負担を大幅に減らせます。
社会の人材流動化を利用して、時代の変化に対応できる企業にしたい方は、まずは気軽に資料請求してください。