こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
ストレス耐性テストとはどのようなもので、何のために利用されるのでしょうか?ストレスに対する反応の仕方には個人差があります。ストレス耐性について理解することは、現代の人事・採用担当者にとって非常に重要な課題です。
本記事では、企業がストレス耐性テストを実施する目的とその背景、ストレス耐性テストで測れる要素などを解説します。また、耐性の高い人・低い人の特徴についても紹介しますので、組織のパフォーマンス向上にぜひ役立ててください。
企業がストレス耐性テストを実施する目的
企業がストレス耐性テストを実施する主な目的は、離職への対策です。企業は、入社後すぐに辞めてしまうケースを減らし、長期的に働いてくれる人材を増やしたいと考えます。
離職を減らすという目的を持って人材を採用する際には、スキルや経験だけでなく、ストレス耐性も重要な要素です。組織内で長期的に勤務を継続するためには、様々なプレッシャーの中でパフォーマンスを持続する力、すなわちストレス耐性が求められます。本章では、企業がストレス耐性を実施する目的を、さらに具体的に考えてみましょう。
労働力を確保するため
採用の前にストレス耐性テストを実施するのは、厳しい状況でも持続して働くことができる人材を見極めるためです。安定した労働力を確保するためと言い換えても良いでしょう。
ストレス耐性が極端に低い人材を採用し、その人が早期に辞めてしまうと、労働力の不足に直結します。進行中のプロジェクトに必要な人員が不足し、予定していた業務の進行にも支障をきたすでしょう。
必要な人材を新たに確保したとしても、新人の育成にも労力を割かなければなりません。すぐに辞めない人材を確保するためにも、ストレス耐性テストの実施は不可欠です。
採用コストを削減するため
採用コストの削減という観点でも、ストレス耐性テストを実施する重要度は高いと考えられています。採用した人材にすぐ辞められてしまうと、その度に再度採用活動が必要になり、多くのコストがかかってしまうからです。
採用には求人募集の費用や選考時の人件費、入社後の研修費用など多くのコストを要します。せっかくお金と時間をかけて採用した人材が短い期間で何人も退職しては費用がかさむだけで、企業は利益を生み出せません。社内でストレス耐性テストを実施し、既存の従業員がストレスと向き合ったり対処したりする術を身につけ、離職率を下げる取り組みは採用コストを削減するために効果的です。
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ストレス耐性が重要視される背景
企業においてストレス耐性が重要視されるようになった背景には、メンタルの不調を訴える従業員が増加している状況があります。変化が激しい時代の中で、コミュニケーション技術の高度化やリモートワークへの適応など、従業員は多くのストレスを抱えているのです。
企業は、様々なストレス要素をうまく処理できる人材を求めています。高いストレス耐性を持つ従業員ならば、困難な状況でも一定のパフォーマンス維持が可能です。事前にストレス耐性を見極めておけば人材を適所に配置でき、メンタルヘルスの問題にも対処しやすくなるでしょう。従業員のストレス耐性を測ることで、企業はより生産的で健康的な職場環境を実現しようとしています。
ストレス耐性テストで測る6つの要素
ストレス耐性とは、厳しい状況や困難に直面した際に、精神的に落ち込まずに対応できる能力を指し、その能力を測定するのがストレス耐性テストです。しかし、一般的なストレス体制とは具体的に何をを意味し、どのように測定するのでしょうか。
本章では、ストレス耐性テストの概要と、そこで評価される6つの主な要素について、詳しく解説します。
1.感知能力
感知能力は、ストレスの原因に気づく力です。感知能力が高いとストレッサー(ストレスの原因)に気づきやすいため、よりストレスを感じやすい傾向があります。簡単に言えば、物事のいろいろな面で敏感な人はストレスを感じやすく、鈍感な人はストレスを感じにくいということです。
仕事量や人間関係・コミュニケーションなどにおいて、繊細で気配りができるのは重要なことですが、ストレスを感じやすいというデメリットにもなります。
2.処理能力
処理能力とは、ストレスの原因となっている問題にうまく対処し、解消する能力を指します。この能力が高い人は、ストレスを溜め込まず迅速に目の前の問題を解決できる力を持っています。
例えば、仕事の締切に追われてストレスを感じている場合を考えてみましょう。処理能力が高い人は、仕事の優先順位を再評価したり、頼れる仲間に相談してみたりという対処を取れます。一方で処理能力が低い人は原因を追求せず文句ばかり言っていたり、誰かに責任をおしつけたりして問題を解決できません。処理能力の高さは、日々の業務で起こる数多くの問題を解消するために必要不可欠な要素です。
3.回避能力
回避能力は、ストレスの原因から距離を置く能力のことです。仕事とプライベートの間にしっかりと線を引き、自分を守る力とも言えるでしょう。回避能力が高い人は、ストレッサーと真正面からぶつからず、巧みに避けて通ります。常に仕事のことを考えるのではなく、仕事は仕事と割り切って考えることも大切です。
ただし、回避能力が高いだけでもいけません。例えば、叱られても平気な人は回避能力が高いと言えますが、真剣さや責任感に欠ける印象を与えるでしょう。
4.転換能力
転換能力は、ストレスとなっている状況をネガティブに捉えず、ポジティブに解釈する能力です。転換能力が低い人ならば、自分にとってマイナスな状況であると解釈する場面でも、転換能力が高い人ならプラスに解釈できるでしょう。
適度なストレスは、行動を促し達成感をもたらす原動力にもなります。例えば、新たな業務を任されるプレッシャーは、悪く解釈すれば単なる重圧になりますが、成長のチャンスだと捉えることで、やりがいにもつながります。
5.経験
経験とは、過去にどのようなストレスと向き合ってきたかということを表す要素です。たくさんの大きなストレスを経験してきた人ならば、少々のストレスにはびくともしないでしょう。
例えば、プロジェクトが予定通りに進行しない経験を持つ人であれば、同じ状況で必要以上のプレッシャーを感じることはありません。前回の経験をもとに、対処法や反省点がわかるからです。ただし、何度も失敗の経験を重ねることで、自信を失う場合もあります。経験から何かを学び、次に活かすことが重要です。
6.耐久容量
耐久容量とは、どの程度のストレスにどれだけの期間まで耐えられるかという、受け入れられるストレスの総量を意味します。耐久容量を超えない程度のストレスであれば、大きなストレス反応が出ることなく普通に過ごせます。
耐久容量が小さい場合はちょっとしたことにストレスを感じてしまい、様々な問題を引き起こします。耐久容量は体調や状況、そのときの精神状態などによっても変化し、常に一定ではない点に注意が必要です。
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また、特定の業務におけるストレス耐性と、パフォーマンスの関連性を調査するなど、人材の最適な配置を考える際にも非常に有用です。
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後天的に鍛えられるストレス耐性
ストレス耐性の要素の一つである「感知能力」は、先天的な要素が強く、容易には鍛えられません。しかし、ストレス耐性のすべてが先天的というわけではなく、個人の努力により鍛えられる能力もあります。
本章では、後天的に鍛えられるストレス耐性の種類を明らかにし、それぞれどのように鍛えていくのかを解説します。
処理能力:仕事に対する考え方を変える
ストレスに対処する処理能力は、後天的に鍛えられる能力です。ストレスとは外界からの刺激によって生じるため、その受け止め方を変えることで改善できます。
処理能力を鍛えるとは、仕事に対する考え方を変えることと考えることも可能です。例えば、仕事が多すぎてプライベートな時間がないことに、ストレスを感じている場合を想定してください。「仕事が多すぎて自分の時間がない」という考えを、「もっと成長して自分の時間を増やそう」という前向きな捉え方に変えると、改善につながる可能性があります。
回避能力:自律神経を整える
ストレスを受け流すためには、回避能力を鍛える必要があります。具体的には、自律神経を鍛えることにより、心身の健康を保つことが大切です。精神状態が安定していれば、多少のストレスは受け流すことができるでしょう。
自律神経は、ストレスがかかったときに心身のバランスを保つ働きをしています。生活習慣を見直し、適度な運動や良質な睡眠・正しい呼吸などを通じて、普段から自律神経の働きを正常化するよう心がけておきましょう。
転換能力:物事の捉え方を変える
同じ出来事が起こった場合に、人によって大きなストレスを感じたり、まったく感じなかったりといった違いがあるのは、転換能力が大きく関係しています。物事の捉え方を変えることで、ストレスの感じ方は大きく変化するのです。
転換能力を鍛えるためには、様々な経験を積み、たくさんの視点や考え方を獲得する必要があります。書籍を読み、知識として考え方のレパートリーを増やすことも有効です。
一つの考え方にとらわれず、多角的な見方ができるようになると、物事のポジティブな側面に気づきやすくなるでしょう。
経験:過去の成功体験を振り返る
経験はまさに後天的な要素です。過去に様々なストレスを乗り越えてきたという「成功体験」を振り返ることにより、自分自身の能力を再確認し、自己効力感を高める効果があります。
ストレス耐性を向上させるために、多くの経験を積むことは確かに有効です。ただし、やみくもにストレスを経験すれば良いというものではありません。無駄なストレスを抱えないよう、注意してください。自分のストレス耐性を知り、新たな仕事に積極的に挑戦する中で、無理なく経験値を高めましょう。
ストレス耐性が高い人の特徴
同じ環境で生活していても、ストレスの感じ方や耐性は人によって大きく差があります。この差はストレス耐性と関連しますが、耐性は後天的に向上させることが可能です。本章では、ストレス耐性が高い人の特徴を解説します。
物事を客観視できる
ストレス耐性が高い人は、総じて自分が直面している状況を客観視する力に長けています。物事を冷静かつ客観的に捉えることで、自らを俯瞰し、ネガティブな思い込みを防いでいるのです。
問題や困難な状況が生じたときに、その原因や結果に対して主観的に反応するのではなく、客観的な事実として受け止め、解決策を探ることに集中します。自分の状況を一定の距離を置いて見つめると過剰反応せず理性的な判断が行えます。
楽観的で切り替えができる
楽観的な思考と切り替えの速さは、ストレス耐性の高い人に多く見られる特徴です。ストレス耐性の高い人は、失敗や挫折を経験したときに、それをすぐに反省し、同じ失敗を繰り返さないように努めます。
楽観的な思考とは、悲観的なフィルターを通して物事を見ないことです。失敗した場合、楽観的な人はまず失敗を分析し、原因を探ります。さらに、自己否定に時間を費やさず気持ちを切り替えて問題の解決に取り組む傾向が高いでしょう。
周りにうまく頼っている
ストレス耐性が高い人は、自分だけで問題を抱え込まず、ときには周りに頼ることもあります。他人からの助けを受け入れることで、自分にかかる負担をうまく軽減することが重要です。
周りに頼ることができる環境を整えておくことで、それ自体が仕事の環境を良好にし、ストレスの原因を取り除くことにもなります。周りの助けを求めてばかりではいけませんが、信頼できる仲間にときには頼ることで、チームワークの円滑化にも貢献できるでしょう。
気分転換の方法を知っている
自分に合った気分転換の方法を理解していることは、ストレス耐性が高い人に共通する特徴です。仕事を離れて気持ちをリフレッシュさせることで、また次から集中的に仕事に取り組めます。
ストレス耐性が高い人の中には、複数の方法を効果的に使っている人も少なくありません。仕事中に気分転換をするのが上手な人もいれば、家でゆっくりと楽しむ人もいます。気分転換は、ストレスの原因から逃げることではなく、ストレスに向き合うためのエネルギーを充電するためのものです。
ストレス耐性が低い人の特徴
ストレス耐性には個人差が見られますが、両者の違いは何に起因するのでしょうか。本章では、ストレス耐性が低い人の特徴を紹介します。ストレス耐性が低い人の特徴を理解することにより、自分自身のストレス耐性を見直す際の参考になるでしょう。
真面目で完璧主義すぎる
真面目で完璧主義の傾向がある人は、自分の些細なミスでも許せずに気分が落ち込んでしまいます。それは当然ストレス耐性の低さにつながる要素です。
完璧主義は多くの場合、失敗したときの自己否定感を引き起こします。少しの失敗も許せないという不寛容さは、多くのストレスの原因となるでしょう。自己を受け入れ、失敗やミスに対する寛容さを身につけるとストレス耐性を高められます。
気持ちの切り替えができない
ストレス耐性が低い人には、過去の失敗やミスを長く引きずる傾向が見られます。自己評価が低く自己否定的な考え方をする人は、気持ちの切り替えもうまくいかず、結果的に大きなストレスを抱えてしまうのです。失敗は認めることが大切ですが、それをネガティブな感情とともに引きずることはストレスの原因となります。
反省点を理解し失敗から学んだら、すぐに気持ちを切り替えて問題解決に力を注ぐというマインドを身につけましょう。
協調性が高すぎて意見を言えない
協調性が高く自分の意見を言えない人は、大きなストレスを抱えることがあります。周りの状況を意識しすぎて自分の気持ちを抑えてしまうため、感情の逃げ場がなくなってしまうのです。
自分の意見や感情を適切に表現することは、ストレスを軽減し、良好な人間関係を維持するためにも重要です。協調性が高いことで、職場での評価が上がることはありますが、ストレスの原因にもなります。協調性と自己主張のバランスを身につけることが大切です。
まとめ
本記事では、ストレス耐性テストの有用性や耐性を高める方法について詳しく解説しました。企業はストレス耐性テストを効果的に活用し、離職率を低下させ労働力を確保することが重要です。
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