スメルハラスメントとは?スメルハラスメントによる影響と会社ができる対策を解説


スメルハラスメントとは?スメルハラスメントによる影響と会社ができる対策を解説

スメルハラスメントとは、においで周囲を不快にさせるハラスメントです。体臭や口臭、タバコのにおいなどが原因で起こりますが、自分では気づきにくいこともあります。そのため会社が主体となり、社内のスメルハラスメントを予防しましょう。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

スメルハラスメントとは、においで周囲を不快にさせるハラスメントを指します。体臭や口臭、タバコのにおいなどが原因で起こりますが、自分では気づかないケースもあるでしょう。会社が主体となり社内のスメルハラスメントを予防しましょう。

スメルハラスメントの概要

スメルハラスメントは、においで周りの人を不快にさせることを指し、職場や学校で人間関係や仕事の成果に影響を及ぼします。本章ではスメルハラスメントの概要や引き起こす問題を確認しましょう。

スメルハラスメントとは

スメルハラスメントとは、においによって周りの人を不快にさせることですが、原因は体臭や口臭、タバコのにおいなどさまざまです。自分では気づかないことも多いため日頃から清潔を心がけたりチェックしたりして、常に意識しましょう。スメルハラスメントの問題点
スメルハラスメントは、職場や学校における深刻な問題です。においが強すぎると、周りの人は吐き気やめまいを感じたり集中力が低下したりします。また、においを指摘された人はショックや恥ずかしさを感じたり自信を失ったりし、人間関係や仕事の成果にも影響するでしょう。

香害との違い

香害とは、香水や柔軟剤などの香りが原因で起こる不快感や健康被害です。一般的には良い香りだと思われるものでも、人によっては嫌悪感やアレルギー反応を引き起こすケースがあるため、軽視してはいけません
スメルハラスメントの主な事例
スメルハラスメントは香水や体臭・口臭・柔軟剤・タバコなどが原因で起こりますが、自分では気づきにくいポイントです。しかし、スメルハラスメントは周囲の人に苦痛や健康被害を与えたり、人間関係や仕事、恋愛などに影響したりする場合もあります。

香水

香水は自分の好みや気分でつけますが、周囲の人にとっては不快な匂いに感じる場合もあるでしょう。実際に、香水の匂いは強すぎると頭痛や吐き気を引き起こしたり、アレルギー反応などの健康被害を及ぼしたりするケースもあります。

香水は自分だけでなく周囲の人にも影響するものなので、つける量や種類には注意しましょう。

体臭

体臭は、汗や皮脂などが雑菌によって分解されて発生する匂いを指します。スメルハラスメントの原因となる体臭の例は、汗や皮脂、ワキガなどが挙げられます。体臭は、個人差や年齢、性別、食生活などによって変化しますが、あまりにも体臭が強いと、周囲の人は不快感や嫌悪感を抱いたり仕事や勉強に集中できなくなったりします。

口臭

一般的な口臭は「生理的口臭」と「病的口臭」の2種類です。生理的口臭とは病気や異常がなく、自然に起こる口臭を指します。唾液の分泌が減ると口の中の細菌が増えて、揮発性硫黄化合物(VSC)という臭いのもととなる成分を作り、生理的口臭を引き起こします。自分では気づきにくいので、水をこまめに飲んだり唾液を出すマッサージをするなど、口の中の水分量を意識しましょう。

病的口臭とは、何らかの病気や異常が原因で起こる口臭です。病的口臭の90%以上は口の中に原因があります。具体的には、歯周病や虫歯、歯垢や歯石、舌苔などがVSCを作ることや、義歯や金冠などの清掃不良が挙げられます。病的口臭は自分でも違和感をあるはずなので、臭いと感じたらすぐに病院を受診しましょう。

柔軟剤

柔軟剤は洗濯物に香りやふんわり感を与えるために使うものですが、その香りが周囲の人に不快感を与える場合があります。柔軟剤の匂いが強すぎると、相手に健康被害を与える「香害」の原因となる恐れがあります。

タバコ

タバコは喫煙者自身が楽しむものですが、その煙や匂いが周囲の人に不快感や健康被害を与えます。タバコの匂いが生理的に無理な人は、匂いを嗅ぐだけで頭痛を起こしたり吐き気を感じたりするでしょう。タバコは、自分だけでなく周囲の人にも影響するため、吸う場所や時間には注意しましょう。

会社が実施すべきスメルハラスメント対策


スメルハラスメントは匂いで広い範囲に不快感やストレスを与える問題です。本章では会社規模で行うスメルハラスメントの対策を紹介します。

ニオイ対策を実施する 

ニオイ対策とは、自分の匂いや周囲の匂いに気を配ることを指します。具体的には歯磨きや制汗剤の使用、香水の控えめなつけ方、服や靴の清潔さなどです。自分の匂いは自覚しにくいので各自が常に香害を意識して、企業では空気清浄機の導入や換気、消臭剤の設置を行えば匂いが社内にこもるのを防ぎます。

研修や社内広報で周知する 

研修や社内広報とは、スメルハラスメントの問題を社員に知らせる対策です。具体的には、エチケット講座やeラーニングなどでスメルハラスメントの定義や影響、対策方法などを教えます。

また、就業規則や服装規定などにもスメルハラスメント対策を明記し、社員にスメルハラスメントの自覚と防止意識を高めましょう。特に香水やタバコの匂いは周囲に影響や不快感を与える場合が多いので、喫煙や香水に一定の制限を設けて注意喚起することが効果的です。

席替えを実施する 

席替えをしてニオイが気になる人同士が近くに座らないようにする方法も効果的です。喫煙者とタバコの匂いが嫌いな人の席を離したり香水をつける人と香水の匂いが苦手な人の席を離したりなどの対策があります。

相談窓口を設置する 

相談窓口は、スメルハラスメントの被害者や加害者が相談できる場所です。人事部や労働組合などが担当します。

香水の匂いやタバコの匂いが苦手で悩んでいるという人やワキガで周りに迷惑をかけてしまうのを悩んでいる人が気軽に相談できる環境があれば、スメルハラスメントを解消しやすくなるでしょう。また相談内容は秘密厳守して適切な対応や支援を行えば、悩んでいる人が相談しやすくなります。

加害者に直接伝える 

匂いの原因となっている人に対して、その原因を改善してほしいと伝えるのもひとつの手段ですが、あくまで最終手段として活用しましょう。ただし、「くさい」と言われるのはかなり精神的にくるものがあるので伝え方が大切です。伝える際には、加害者側の気持ちを考えて個別に伝えるようにするなど細心の注意を払いましょう。

相手の自尊心を傷つけないように配慮し「会社全体の問題」として伝えれば加害者側も協力してくれるでしょう。

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会社がスメルハラスメントの対策を怠った場合のリスク

ニオイによって周囲の人を不快にさせるスメルハラスメントは、仕事や健康に影響する問題です。会社が対策を怠った場合、被害者は退職する可能性があったり、安全配慮義務違反となったりして、法的・経済的な責任を負う可能性があります。会社は被害者の声に耳を傾けて適切な対応をして予防策も講じるべきです。

被害者が退職する可能性がある

会社がスメルハラスメントの対策を怠った場合、被害者は職場で苦痛を感じるようになります。被害者は、仕事に集中できなくなったり、ストレスや不安を抱えたりするでしょう。

被害者は会社に相談しても解決しないと感じると退職を検討するでしょう。実際にスメルハラスメントが原因で社員が退職したケースもあります。人材の退職は離職率の高まりや採用・教育コスト増加の要因です。

安全配慮義務違反となる可能性がある

会社は、労働者の安全衛生を確保するために必要な措置を講じる義務があります。これを安全配慮義務と言い、スメルハラスメントは、労働者の安全衛生に関係する問題です。会社がスメルハラスメントの対策を怠った場合、安全配慮義務違反となる可能性があります。

安全配慮義務違反となった場合、会社は労働基準監督署から是正勧告や是正命令を受けたり、被害者から損害賠償請求や労災認定申請をされたりします。 

スメルハラスメントの加害者にならないための対策


スメルハラスメントは自分では気づきにくく、かつ相手に言いにくい問題です。しかし、放置すると職場環境や人間関係に悪影響を及ぼします。スメルハラスメントの加害者にならないために、以下の対策を実施しましょう。

口臭

口臭は、食べ物や歯周病、胃腸の不調などが原因で起こります。口臭が強いと、話す相手に不快感を与えるだけでなく、自分の信頼性や印象も低下するでしょう。

口臭を防ぐためには、以下のことを心がけましょう。
・毎日歯磨きをする。特に朝起きたときと食後は念入りに行う。
・歯間ブラシやフロスで歯垢や食べかすを除去する。
・口内炎や歯周病がある場合は早めに治療する。
・臭いの強い食べ物(ニンニクやタマネギなど)は控えるか、食後にガムやミント菓子で口臭を消す。
・水分補給をこまめに行う。唾液が減ると口臭が増すので、乾燥させないようにする。

体臭

体臭は汗や皮脂、細菌などが原因で発生します。体臭を防ぐためには、以下のことを心がけましょう。
・汗をかいた後はすぐにシャワーを浴びる。
・デオドラントや制汗剤を使う。ただし香りが強すぎるものは避ける。
・洋服や下着は毎日取り替える。汗や皮脂が染み込んだものは再利用しない。
・綿や麻など通気性の良い素材の服を着る。合成繊維は汗を吸収しないので体臭が増す可能性がある。
・健康的な食生活を送る。肉類や油分が多い食べ物は控えて野菜や果物を多く摂る。

タバコ臭

タバコ臭は非喫煙者にとって非常に不快で健康被害も心配されます。タバコ臭を防ぐためには、以下のことを心がけましょう。
・喫煙する場所や時間を制限する。職場では喫煙所以外では絶対に吸わない。
・喫煙後は必ずうがいをする。手や髪などもタバコ臭くならないように注意する。
・タバコ臭が付着した服やカバンなどはこまめに洗濯や消臭する。

香水・柔軟剤

香水・柔軟剤は自分の好みで使っているものですが、周りの人からすると強すぎる香りかもしれません。香水・柔軟剤の匂いが原因のスメルハラスメント防止には以下のことを心がけましょう。
・香水・柔軟剤は控えめに使う。
・香水・柔軟剤以外の匂い(体臭・口臭・タバコ等)と混ざらないようにする。匂い同士が干渉して不快感を与えることがあります。

まとめ

スメルハラスメントは近年注視される課題のひとつで、被害者は匂いによって集中力が低下してストレスを感じたり体調が悪くなったりする恐れがあります。対策を怠ると最終的には被害者が退職する危険性もあるため会社全体での改善が大切です。従業員がポテンシャルを発揮できる環境を作るために、会社主体でスメルハラスメント対策を行いましょう。

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