社員の満足度アンケート項目の作成方法|項目例や注意点を解説


社員の満足度アンケート項目の作成方法|項目例や注意点を解説

社員の満足度は、会社全体の生産性や社員の定着率につながります。社員の満足度を把握するための方法としては、アンケートが有効です。しかし、アンケート項目が適切に設定されていないと十分な効果が得られないこともあります。

本記事では社員への満足度アンケートを考えている人事担当者に向けて、アンケート項目の重要性や設計のポイント、解答項目の具体例を解説します。

社員の満足度とは|満足度を構成する2つの要素「二要因理論」

社員への満足度アンケート項目を考える前に、「社員の満足度とは何か」「社員満足度の構成要素とは何か」を理解しましょう。


社員の満足度とは、社員が仕事や会社に対してどの程度満足しているかを表す指標です。満足度は以下の2つの要素から構成されており、これを「二要因理論」と呼びます。

・動機付け要因

・衛生要因


それぞれ詳しく解説します。


従業員エンゲージメントを用いて魅力的な会社の作り方を考える


動機付け要因

動機付け要因は、「仕事に対する満足の高さ」の度合いです。仕事を通して自己実現欲求や自尊心を満たせるものとも言い換えられます。


具体的には以下のような要素が挙げられます。

・業務内容

・良い評価や昇格

・周囲からの承認

・目標の達成

・責任のある仕事


これらが十分に満たせていれば、社員の満足度やモチベーションはアップしますが、不満が解消されるわけではありません。また、不足しているからといって、ただちに大きな不満に直結することもないでしょう。


衛生要因

衛生要因は、「待遇や職場環境などに対する不満」の度合いです。社員の心理的な安心にかかわる要素であり、具体的には以下のようなものが挙げられます。

・給与などの労働条件

・福利厚生

・人事制度

・職場での人間関係

・経営方針


これらが満たされていないと社員の不満に直結し、モチベーションが下がっていきます。しかし、充足させてもただちに満足につながるわけではなく、マイナスをゼロに戻すというイメージが近いでしょう。


「満足」の増加と「不満足」の減少は両方重要

動機付け要因が満たせていても、衛生要因が満たせていなければ満足度は下がっていきます。反対に、衛生要因が改善できても動機付け要因が放置されたままでは、満足度は頭打ちになるでしょう。


たとえば、仕事の成果を周囲から賞賛されれば社員はやりがいを感じますが、その成果が給与に反映されなければ不満は解消されません。また、いくら職場の人間関係が良好であっても、業務自体がやりたい仕事でなければモチベーションは上がらないでしょう。


このように、「満足」の増加策と「不満足」の減少策を両方行わなければ、満足度の向上は見込めません。


社員満足度の重要性

社員満足度が向上すれば、社員の働きやすさにつながります。しかし、それだけではなく、生産性の向上や人材不足の解消、さらには顧客満足度や業績の向上などの効果を得ることも可能です。ここでは社員満足度の重要性について詳しく解説します。


生産性が向上する

満足度が向上すれば、社員の仕事に対するモチベーションが高くなります。モチベーションの高い社員は主体的に行動し、無駄なく業務を行うため会社全体の生産性向上が見込めるでしょう。


さらに、社員同士が円滑にコミュニケーションを取るようになるため、無用な軋轢やコミュニケーションコストも減ります。モチベーションを高く持ち生産的に働けていると実感できれば、自然と成長意欲も湧いてくるでしょう。このように、社員の満足度は、さまざまな面から生産性を向上させます。


人材不足の解消につながる

社員の満足度が高まると離職しにくくなり、優秀な人材の流出を抑えられます。また、離職率の低減によるコスト削減も可能です。


人材の採用にはコストがかかります。人材紹介会社に支払う費用やリファラル採用の謝礼金などの目に見えるコストだけでなく、面接や引き継ぎ、研修にかかる人件費も忘れてはいけません。社員満足度の向上により離職率が下がれば、これらのコストを抑えられます。


また、離職率の低減だけでなく、新たな人材も確保しやすくなります。Great Place To Work® Institute Japan(GPTW Japan)による「働きがいのある会社」ランキングなど、社員満足度の高い企業を認定するランキングもあり、社員満足度の高い会社は求職者からの人気が高く優秀な人材が集まりやすくなるでしょう。


※参考:2024年版 日本における「働きがいのある会社」ランキング|働きがいのある会社研究所(Great Place To Work® Institute Japan)


顧客満足度や業績にも影響する

社員満足度と顧客満足度、業績に相関関係があることを示す「サービス・プロフィット・チェーン」という理論があります。これは、社員の会社に対する満足度が高まると帰属意識が生じ、商品やサービスの質が向上して顧客満足度や業績も上がるとする理論です。


サービス業など、社員が顧客と直接接する業種では、社員が気持ちよく働けているかが顧客の満足度に直結します。製造業などエンドユーザーと社員が実際に接しない業種であっても、社員の満足度によって商品の品質が左右されることもあるでしょう。


サービスや商品の質が高まり顧客満足度が向上すれば業績もよくなるため、社員満足度の向上は会社の利益にも影響するといえます。


満足度アンケートの作成方法

社員満足度アンケートを作成する際には、漫然と項目を設定するのではなく、要点を抑えることが大切です。ここでは、満足度アンケート作成の流れを以下の3ステップに分けて解説します。

1.アンケートの目的を明確にする

2.事前に経営層や他部署の合意を取る

3.アンケート後の集計・分析をする


1.アンケートの目的を明確にする

まず、社員満足度アンケートを取る目的(ゴール)を明確にしましょう。「社員の満足度を測る」では抽象的であり、不十分です。何のために社員満足度を測定するのか、社員満足度を調査して何を成し遂げたいのかまで突き詰めましょう。


たとえば、離職率の高さを改善するために社員が何に不満を感じているのか原因を特定したい、福利厚生制度を強化するため社員が何に満足を感じているか知りたい、などの目的が考えられます。


アンケートの目的や解決したい課題によって、重点的に設定する質問項目は変わります。アンケートの効果を高めるためにも、目的を明確にしてからアンケート制作を始めましょう。


2.事前に経営層や他部署の合意を取る

アンケート調査を行う前に、経営層や他部署の合意を取りましょう。いくらアンケート内容を作り込んでも、回答する社員が納得して協力してくれなければ十分な効果は得られません。貴重な業務時間を割いて協力してくれる他部署のリーダー陣には、アンケートを行う背景や目的をしっかりと伝えて理解してもらいましょう。


また、アンケート調査には多かれ少なかれコストがかかるため、経営層にもアンケートの意義を伝え、事前に合意を取ることが必要です。ただし、アンケートの項目はあくまで目的に沿ったものとし、経営層の意見に合わせすぎて本来の目的から逸れないように舵取りをしましょう。


3.アンケート後の集計・分析をする

アンケートを作成し、結果を回収したら集計と分析を行いましょう。アンケートは回答が集まった時点で完了するわけではありません。アンケート作成時には、集計や分析のしやすさも踏まえて質問を設定しましょう。スケジュールや予算にも、集計・分析の時間と費用を見込んでおくことが必要です。


自由記述の形式よりも、5段階程度の選択方式の方が集計や分析がしやすくなります。質問によって、以下のように分析のしやすい適切な選択項目を設定しましょう。

(例1)

・非常にそう思う

・そう思う

・どちらともいえない

・あまりそう思わない

・全くそう思わない


(例2)

・非常に満足している

・満足している

・どちらともいえない

・不満

・非常に不満


満足度アンケート項目の具体例

満足度アンケートの質問項目は、おおまかに以下4種類に分けられます。

・社員の基本情報についての設問

・動機付け要因についての設問

・衛生要因についての設問

・総合評価についての設問


それぞれ具体的な質問の例を紹介するので、アンケート作成の際にぜひ参考にしてください。


社員の基本情報についての設問

社員の属性による満足度の違いを分析するため、アンケート項目には回答者の基本情報に関する設問を設けましょう。たとえば、所属部署、年齢、性別、勤続年数、役職などの属性に関する項目が考えられます。ただし、無記名のアンケートでは、個人が特定できないよう項目の設定に配慮が必要です。


基本情報に関する設問は回答に困ることはないため、前述の5段階の選択肢を設ける必要はありません。自由記述式でも迷わず回答できるため、選択肢が多くなる場合は自由記述でも問題ないでしょう。


具体的な質問項目の例は以下のとおりです。

質問項目例 回答欄・選択肢の例
所属部署を教えてください。 自由記述
年齢(年代)を教えてください。 20代・30代・40代・50代・60代
性別を教えてください。 男性・女性・回答しない
勤続年数(当社に入社してから何年か)を教えてください。 自由記述
当社での現在の役職を教えてください。 役職なし・主任・係長・課長・部長

動機付け要因についての設問

動機付け要因に関する設問は、仕事に対してどのくらい満足を得られているか確認する項目です。業務内容に満足しているか、仕事で達成感や賞賛を得られているか、などの質問項目を設定しましょう。


【仕事内容に関しての質問】

質問項目例 回答欄・選択肢の例
現在の仕事にやりがいを感じている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
現在の仕事内容は自分の興味関心と一致している。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
自分の仕事には意義や価値がある。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
自分の仕事は社会や人々の役に立っている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
現在の仕事内容は自分のスキルや性格に合っている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
現在、自分の仕事を自分の考えで進められている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
現在の仕事に責任感を持って取り組めている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない

【評価に関しての質問】

質問項目例 回答欄・選択肢の例
自分の仕事の成果に対して適切な評価が得られている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
自分は仕事を通して成長していると感じる。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
仕事に対して周囲のメンバーから賞賛が得られている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
仕事に対して目標を持って取り組み、達成している。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない

衛生要因についての設問

衛生要因に関する設問は、社員が何に不満を感じているか確認する項目です。会社の方針に納得しているか、待遇や福利厚生に不満はないか、職場の人間関係にストレスはないか、などの質問項目を設定しましょう。


【会社の方針について】

質問項目例 回答欄・選択肢の例
会社のビジョンに共感し、貢献したいと思う。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
会社の経営方針は社員に分かりやすく説明されている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
会社の業績を社員が把握できる状態になっている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
経営者や役員を信頼できる。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
経営者や役員は社員を大切にしている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない

【給与・待遇・福利厚生について】

質問項目例 回答欄・選択肢の例
現在の業務内容や成果に対し、給与は適切である。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
労働時間は適切である。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
業務量が多すぎたり少なすぎたりせず、適切である。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
休暇を十分に取得できている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
育児や介護を支援する体制に満足している。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
会社のスキルアップ支援体制に満足している。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
会社の福利厚生制度に満足している。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない

【職場環境・メンバーとの関係について】

質問項目例 回答欄・選択肢の例
業務をスムーズに進められる職場環境が整っている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
職場はコミュニケーションが取りやすい雰囲気である。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
上司と信頼関係を構築できている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
同僚と信頼関係を構築できている。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
自分が困ったとき、上司や同僚は助けてくれる。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない

総合評価についての設問

総合的な満足度に関する質問は、5段階の選択肢に加え、自由記述欄に特に満足している点や不満な点を書いてもらうと、気付けなかった観点からの意見が得られる場合もあります。

質問項目例 回答欄・選択肢の例
現在の職場で働くことに満足している。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
現在の職場を誇りに思う。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
この会社で長く働き続けたい。 非常にそう思う・まあそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない
会社に対して特に満足している点や不満な点があれば記載ください。 自由記述

アンケート項目作成時の注意点

より効果的なアンケートを作成するため、以下の点に注意しましょう。

1.回答者が特定できないようになっているか

2.設問項目は網羅できているか

3.質問の量が多すぎないか


それぞれ詳しく解説します。


1.回答者が特定できないようになっているか

回答者が特定される懸念があると、「厳しい意見を書いたら評価を下げられるのでは」と社員が本音で回答することを避けてしまう可能性もあります。そのため、基本的にアンケートは無記名で、個人が特定される心配はないことを、対象者すべてに伝えたうえで行いましょう。


基本情報に関する設問項目でも、個人が特定できないようになっているか配慮が必要です。たとえば少人数の部署では年齢・性別などから個人を特定できてしまう場合もあります。そのような場合は事業部を記載してもらうなど、誰にも個人が特定できないようにしましょう。


2.設問項目は網羅できているか

動機付け要因と衛生要因はどちらも重要な項目です。質問項目がどちらかに偏っていないかを意識してアンケートを作成しましょう。アンケートの目的が達成できる質問が漏れなく入れ込めているかも重要です。


また、選択肢が極端なものしかない場合、社員の本音を把握するのが難しく、記述式の回答が多くなると社員の負担が増えてしまいます。あいまいな回答にならない選択肢を設け、自由記述式の回答形式は質問に絞ることで、有意義なアンケート結果が得られるでしょう。

アンケートが完成したら、実際に依頼する前に回答者側の視点で質問票を見直し、回答者に負担をかけすぎずに目的が達成できそうか確認することが大切です。


3.質問の量が多すぎないか

アンケートで回答する質問の量が多すぎると、社員が負担に感じてしまいます。アンケートへの回答を面倒だと感じると、早く済ませようとして適当に回答してしまう社員もなかにはいるでしょう。また、長くて分かりにくい質問は読むだけで大変なばかりか、質問内容が正しく伝わらない可能性もあります。


社員の本音が反映されていない回答をたくさんあつめても、アンケートの目的を達成することはできません。通常業務で忙しいなかで社員に協力してもらっていることを忘れず、適切な質問量と、シンプルで読みやすい表現を心がけることが重要です。


満足度アンケートの集計・分析方法

アンケートの回答が集まったら、集計と分析をしましょう。ここでは、集計・分析の方法を紹介します。


以下のホワイトペーパーも参考にしてみてください。

従業員エンゲージメントを用いて魅力的な会社の作り方を考える


単純集計

単純集計(Grand Total)は、質問ごとに結果を集計する方法です。どの項目の満足度が高いのか、もしくは不満度が高いのかを分析することができます。

質問項目
回答数
点数
5(非常にそう思う) 4(まあそう思う) 3(どちらともいえない) 2(あまりそう思わない) 1(全くそう思わない)
現在の仕事にやりがいを感じている。 1000 159
15.9%
348
34.8%
206
20.6%
212
21.2%
75
7.5%

単純集計の集計表は「単純集計表」、または「Grand Total」の頭文字をとって「GT表」と呼ばれます。


クロス集計

クロス集計は、2つの要素をかけ合わせて、回答者の属性ごとに満足度を集計する方法です。年齢・性別、部署、役職などの属性による満足度の違いを分析できます。


クロス集計では、「会社全体で見ると8割の社員が仕事に前向きに取り組んでいるが、○○部のみ不満を抱えている社員が半数を超えていた」などのように、単純集計では気が付けない回答傾向を把握することが可能です。

質問項目
現在の仕事にやりがいを感じている。
回答数
点数
5(非常にそう思う) 4(まあそう思う) 3(どちらともいえない) 2(あまりそう思わない) 1(全くそう思わない)
トータル 1000 159
15.9%
348
34.8%
206
20.6%
212
21.2%
75
7.5%
商品開発部 300 23
23.4%
38
38.77%
19
19.38%
15
15.3%
3
3.1%
営業部 300 28
9.3%
77
25.7%
97
32.3%
73
24.3%
25
8.3%

満足度構造分析

満足度構造分析は、満足度の高い社員や低い社員の傾向を分析する方法です。


総合的な満足度が高い社員が、特にどのような項目に満足しているのかを分析することで、自社の強みや、社員が何を重視しているのかが分かります。たとえば、資格取得や人材育成に対する満足度が高い場合、自身の成長に意欲的な社員が多いということです。


反対に、総合的な満足度の低い社員が特に不満を抱えている項目の傾向を割り出せば、改善するべき項目も見えてくるでしょう。コミュニケーションに関する満足度が低ければ、部署内での連携を見直すなどの対応策が考えられます。


ポートフォリオ分析

アンケート項目に重要度を設定し、満足度と重要度の2つの軸で分析する方法です。結果は大きく以下の4つに分けられ、会社が重要と捉えている項目でどの程度満足を得られているか分析することができます。


・重要項目で満足度が高い

・重要項目で満足度が低い(最優先課題)

・重要でない項目で満足度が高い

・重要でない項目で満足度が低い(優先度の低い課題)


重視する項目で不満度が高ければ、それが最優先で取り組むべき課題です。しかし、重要度の低い項目で不満度が高かった場合、後回しにできる場合もあります。このように、ポートフォリオ分析は施策の優先度を付けるうえで効果的な分析方法です。


比較分析

比較分析は、自社で行った過去の調査結果や同業他社の調査結果と、現在の結果を比較する分析方法です。


自社の過去の調査結果と比較することを「経年比較」と呼びます。経年比較は同じ質問項目で分析することが望ましいため、質問や回答方法を過去の調査結果と大幅に変えないようにしましょう。


また、他社の調査結果と比較することを「他社比較」と呼びます。他社の調査結果と比較することで、経年比較だけでは見落としがちな自社の長所・短所を探ることができます。しかし、他社の調査結果の入手は簡単ではありません。もし他社比較を行うのであれば、コンサルタントの活用やデータ購入も視野に入れましょう。


まとめ

社員の満足度は、働きやすさだけでなく、顧客満足度や会社の業績にも影響を与える重要な指標です。社員満足度を正しく調査して施策に生かすためにも、適切な質問項目を設定して分析までしっかり行いましょう。


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