【企業向け】緊急時の安否確認の手順や方法を解説


【企業向け】緊急時の安否確認の手順や方法を解説

安否確認とは、緊急時に無事かどうか確認することです。企業における安否確認は、社員一人ひとりが無事かどうかを確認するものです。これはどのような時もスムーズに事業を進めるためにも重要です。安否確認が必要になるタイミングは突然やってくるため、事前の準備を欠かさないようにしましょう。
この記事では、企業の安否確認の手順や方法を解説します。万が一の事態に備えるために、ぜひ役立ててください。

まずは安否確認の方法をチェック

安否確認の方法は複数あります。ここでは、基本的な安否確認の方法について解説します。


安否確認システム

安否確認システムは、あらかじめ設定されている条件に当てはまる災害が発生した際に、安否確認の連絡を自動で送信するシステムです。すでに多くの企業が導入しており、安否確認の方法として一般的になっています。


安否確認システムを利用すれば、リアルタイムで社員の回答を確認できます。現状をすぐに把握できて便利です。ただし、他社のシステムを利用するには料金が発生します。内製する場合は多くの工数がかかるでしょう。


災害用伝言ダイヤル

災害用伝言ダイヤルは、NTT東日本が運営している安否確認のためのサービスです。171をダイヤルしてから安否確認したい相手の電話番号を入力すれば、伝言を登録できます。また、相手の伝言を再生することも可能です。


災害が発生するとなかなか電話がつながらなくなる場合もありますが、災害用伝言ダイヤルを利用すればそのような状況でも安否確認を行えます。ただし、安否確認を行うには、自分だけでなく相手も災害用伝言ダイヤルを利用していなければなりません。


災害用伝言板サービス

災害発生時は、携帯電話の各キャリアが提供する災害用伝言板サービスも利用できます。大規模な災害が発生すると各キャリアが特設のWebサイトを設け、そこから伝言板を利用できる仕組みです。インターネットにアクセスできれば、いつでもどこからでも利用できます。


ただし、災害用伝言板サービスは携帯電話の各キャリアが運営しているため、格安SIMからは利用できない可能性があります。


災害用伝言板Web171

災害用伝言板Web171は、インターネット上で利用できる安否確認のための伝言サービスです。安否確認したい相手のメールアドレスを登録すれば、メッセージを送信できます。そのため、メールアドレスを知らない相手の安否確認は行えません。


SNS

安否確認の方法としては、SNSもよく利用されています。具体的には、LINE、Instagram、Twitterなどです。災害が発生した後は電話がつながりにくくなるため、SNSのほうがスムーズに連絡をとれる場合が多いといわれています。


ただし、SNSは登録者だけが利用できるサービスです。そのため、安否確認したい相手がSNSを利用していなければ、安否確認は行えません。SNSを活用して安否確認するには、普段から相手がどのSNSを利用しているか把握しておく必要があります。


LINE

LINE安否確認は東日本大震災をきっかけとして作られたサービスであり、災害時に役立つサービスも提供されています。大規模な災害が発生した場合、LINE安否確認のサービスが利用できるようになります。ユーザーがLINE上の表示をタップすると、友だちになっている相手へ自分の状況を報告できる仕組みです。


ただし、LINEで友だちになっていない相手には、LINE安否確認による状況の報告はできません。

企業における安否確認の手順

企業が安否確認を行う場合、どのような手順で対応すればよいのでしょうか。ここでは、具体的な手順を解説します。


人命を確保する

企業における安否確認で最も優先すべきなのは、人命の確保です。まずは、自分自身やその周囲にいる人の安全を守りましょう。管理者が危険な状況のままでは、ほかの社員の安否確認はできません。体制を整えたうえで安否確認を開始できるようにする必要があります。


そのためには、普段から災害発生時の避難場所や避難経路などを確認しておくことが大切です。いつ災害が発生しても冷静に避難できるようにしてください。


安否確認の連絡をする

安否確認をすべき社員に対して連絡します。安否確認の連絡は、なるべく簡潔でわかりやすい内容にすることが重要です。相手がどのような状況でもすぐにチェックできるよう配慮しましょう。


ただし、災害が発生すると、適切な文面を検討する余裕がない可能性があります。そのため、安否確認の文面はあらかじめ作成しておき、いつでも使えるように下書きとして保存しておくと安心です。


社員が安否確認に回答する

安否確認の連絡をすると、各社員は現状について回答します。対象者全員から返信がくるまで待ちましょう。


部署ごとに回答を集約する

安否確認の対象者から返信がきたら、回答を集約します。なお、あらかじめ安否確認のメールをフォルダ分けしておくと、よりスムーズに集約の作業を進められます。


確認した情報を共有する

安否確認で得られた情報をまとめ、全社に共有しましょう。部署やエリアごとに異なる内容を送信したい場合は、あらかじめ別のメールアドレスを用意しておくとスムーズです。


安否確認の情報を共有すれば、それをもとに今後の対応を具体的に検討できます。事業継続のための指示や準備も可能になるため、安否確認はスピーディに行うことが重要です。


あらかじめ決めておきたい安否確認のルール

安否確認をスムーズに進めるには、あらかじめルールを設定しておくとよいです。ここでは、事前に決めておきたい安否確認のルールについて解説します。


担当者を決めておく

災害発生時に素早く安否確認を行うには、担当者を決めておく必要があります。安否確認の担当者としてふさわしいのは、統括部門の社員です。また、具体的にどの社員を対象として安否確認を行うかについても決めておきましょう。


連絡体制を整える

社員数が多い企業がスムーズに安否確認を行うには、部署ごとに対応したほうがよい可能性もあります。状況によって最適な連絡体制は異なるため、自社の状況を考慮したうえで準備しましょう。


確認する内容を決めておく

安否確認で質問する内容は、あらかじめ決めておくとよいです。たとえば、社員と家族の健康状態とともに出社の可否について質問すると、事業を継続するための判断がしやすくなります。緊急時に特別な業務が発生する場合は、社員の出社の可否を必ず確認しましょう。


定期的に訓練を行う

有事の際に安否確認をスムーズに進めるには、訓練も必要です。定期的に訓練を実施していれば、安否確認のフローを各社員も把握できます。そのため、災害発生時も業務再開のための行動をとりやすくなります。


安否確認の実施前にチェックしたい注意点

安否確認を実施する際は、事前にチェックしたいこともあります。以下で具体的に解説します。


緊急時に大人数の情報を確認できる最適な方法を考える

拠点が複数ある場合や社員数が多い場合は、それらの事情を考慮した安否確認の方法を選ぶ必要があります。各社員が所有しているデバイスの種類を把握しておき、スムーズに連絡できるようにしましょう。


情報を素早く集計・分析できるフローを考える

安否確認の連絡がとれたら、その情報を集計して分析することが重要です。緊急時であっても情報を素早く正確にまとめられるよう、事前に具体的なフローを整備しておく必要があります。


まとめ

緊急時にも事業を継続するためには、自社の安否確認の手順や方法などをあらかじめ確認しておく必要があります。災害が発生すれば冷静な判断をしにくくなるため、日頃から定期的な訓練を実施して備えておきましょう。