こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
成功した際に高いリターンが見込めるため、あえて高い危険性を覚悟して行動を起こすことをリスクテイクと呼びます。では、実際のビジネスにおけるリスクテイクは実用性があるのでしょうか。
ここでは、ビジネスシーンにおけるリスクテイク思考について事例や活用方法などを解説します。
リスクテイクとは
リスクテイクとは、高いリターンを求めて危険性を覚悟した上で行動することです。つまり、「ハイリスク・ハイリターン」に挑むことを指します。
ビジネスシーンにおいては、安定した経営のためにリスクを避けることもあるでしょう。一方、飛躍的な成長のためにあえてリスクを取ることが必要になる場面もあります。
一般的にリスクとリターンは比例関係にあるため、高いリターンを求める場合は高いリスクに挑まなければならないため、リスクテイク思考が必要となるケースが多いといえるでしょう。
リスクとは
ビジネスにおけるリスクとは企業経営の中で起こりうる危険性のことです。例えば、次のようなものがあります。
- 地震・台風などの自然災害
- 景気変動などによる売上減少
- 退職者の増加や採用者不足など人的リソースの減少
- 賠償責任
- 為替・金利の変動
- 戦争・景気などによる原材料の高騰
- 個人情報流出
リスクは「発生した場合の影響度」と「発生頻度」で検討しなければなりません。
リスクの高さ・低さはそれぞれのリスクに対する影響度と発生頻度を掛け合わせて算出します。
仮に発生した場合を想定すると、影響度が高く発生頻度も高いものは高リスク、ビジネスへの影響度が低く発生頻度も低いものは低リスクだと判断可能です。
リスクヘッジとは
リスクヘッジは、想定されるリスクに対して事前に対策を行い、そのリスクが発生しても最小限に抑える行為や考え方を指します。リスクによる損失の回避や損害を軽減するための行動です。
リスクテイクはあえてリスクを取りに行く行動を指します。しかし、何の準備もせずにリスクを承知の上でリターンを取りに行くわけではありません。実際にリスクテイクを行う際は、予め想定したリスクに対し、軽減策や予防策などを講じた上で行動を起こします。そのため、リスクテイクを行う際は、リスクヘッジを取り入れたうえで行動することになるでしょう。
リスクに関連する言葉では、リスクマネジメントという言葉があります。これは、リスクが発生した際にどのように対策するのか事前に決めておき、リスク被害を最小限に抑えるという考え方や管理体制を指します。
「リスクマネジメント」については、こちらの記事をご確認ください。
リスクテイクのメリット
ビジネスにおいてリスクはなるべく避けたいと考える企業は少なくありません。しかし、企業の成長のためにはリスクテイクが必要な場合もあります。ここでは、リスクテイクのメリットについて解説します。
リスクマネジメントにつながる
ビジネスシーンでリスクテイクを取る際はそのリスクの高さを知り、必要なリスク対策を取った上で「適切なリスクテイク」を行わなければなりません。何の策も取らずにリスクテイクを行った場合、企業として、大きな損害を得る可能性が増すためです。
つまり、リスクテイクを行うには、リスクの高さを知りリスク対策を講じなければなりません。つまり、リスクマネジメントを行う必要があるといえます。
企業によっては、守りの姿勢を大切にする視点からリスクマネジメントに積極的に取り組めないこともあるでしょう。しかし、新たな分野に進出するなど、企業としてリスクテイクを行なわなければならない場合には、損害を最小限にするためにリスクマネジメントを行わなければなりません。
リスクテイクに取り組むことは、積極的にリスクマネジメントを自社に根付かせるきっかけの1つとなるのです。
大きなリターンにつながる
リスクテイクを実行した結果、成功すれば企業としても大きなリターンにつながります。
これまで守りの姿勢のみで取り組んできた企業にとっては、自社にリスクテイクを取り入れることで「攻め」に転じるチャンスとなります。
特に、これから大きな成長や飛躍を望んでいる企業にとって、「リスクテイク」思考を採用することは大きなメリットだといえるでしょう。
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ビジネスシーンにおけるリスクテイク事例
具体的にビジネスの場でどのような場合にリスクテイクが必要になるのでしょうか。ここでは、主にみられる2つの事例についてみていきましょう。
M&A
M&A(企業の合併・買収)は、リスクテイクの1つです。
M&Aは次のようなニーズを満たすために行われます。
・会社を広げたい
・多角的経営をしたい
・新規事業を低リスクで開始したい
・既存事業の拡大につなげたい
・ハイレベルなノウハウや人材を手に入れたい
しかし、財務諸表では確認できなかった財務や経営に関するリスクを引き受ける可能性は否定できません。また、M&Aにより従業員のモチベーションが低下する、従業員が離職するといった人材リスクも伴います。
考えうるリスクを予め想定して対応し、被害を最小限に食い止めることで、合併や買収の大きなメリットが期待できるでしょう。
設備投資
設備投資もリスクテイクの1つです。特に銀行などの融資で設備投資を行う場合、キャッシュフローが悪化することを把握しておかなければなりません。
工場や研究開発に大規模な設備投資をする場合、商品開発が失敗するリスクや先々売上が減少してしまい投資した資金を回収できないというリスクが伴います。
一方で、商品開発が成功した場合や売上が予想以上に伸びた場合は、大幅な利益アップが期待できます。事前にしっかりした情報収集・シミュレーションなどを行い、必要なリスクヘッジを取った後でリスクテイクを行いましょう。
リスクテイクへの取り組み方
リスクテイクは会社を成長させるためには欠かせない取り組みの1つといえるでしょう。ここでは、リスクテイクへの取り組み方について解説します。
定量的リスク分析
リスクテイクを取って想定しうる被害を最小限に抑えるためには、事前にリスクを分析し対策を立てておかなければなりません。
リスク管理にはリスクの定量化が必要です。そして、定量化するためには、リスクの発生頻度とリスクが発生した場合の影響度を掛け合わせます。
なお、各リスクの企業への影響度や発生頻度は業種・企業などにより異なる点も把握しておきましょう。
チャレンジして可能性を広げる
定量的リスク分析をした後は、それぞれのリスクに対して必要な対策を立てましょう。
可能な限りリスクを回避する、リスクが生じた際の被害を最小限に抑える、など具体的な対処方法はリスクの種類により異なります。
リスクを把握した後は、新しい事業や設備投資、M&Aなどにチャレンジしましょう。ハイリスクな戦略や事業計画に挑戦し、成功した場合はハイリターンが得られる可能性が高まります。
成功体験をベースにリスクテイクによるチャレンジを増やすことで、企業は成長し、新たな可能性を広げられるでしょう。
まとめ
高いリターンを求め、リスクを覚悟したうえで行動することをリスクテイクと呼びます。
企業がより大きく成長するために、リスクテイクが必要な場面が多いといえるでしょう。リスクテイクを行う際は、事前に考えうるリスクを分析し、軽減策や対応策を決めておかなければなりません。
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