リモートワーク手当とは?必要性や支給方法、メリットなどを解説


リモートワーク手当とは?必要性や支給方法、メリットなどを解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

リモートワーク(テレワーク)には、自宅で仕事を行う在宅勤務(在宅ワーク)がありますが、光熱費やネット回線使用料などが必要になるため、会社側はそのような費用の誰がどのように負担するのかを決めなければなりません。この記事は、こうした費用に関係するリモートワーク手当について詳しく解説していきます。

リモートワーク手当とは?

ここでは、リモートワーク(テレワーク)手当の導入背景や、その必要性について解説します。

導入の背景

リモートワークを行うためには、さまざまな設備が必要になります。また、継続してリモートワークを行うと、ランニングコストも発生するでしょう。

リモートワークに必要な費用には、以下のようなものがあります。

・光熱費(電気代など)
・通信費(電話代金やインターネット利用料)
・端末購入費(パソコン、タブレット、スマートフォン購入費)
・セキュリティソフト利用料
・家具購入費(デスクやチェアの購入)
・賃料(リモートワークスペースの確保)

上記は、オフィス勤務であれば会社が負担するものですが、自宅で仕事をするとなると、従業員個人の負担になります。そのため多くの企業では、リモートワークに必要な費用を「リモートワーク手当」として支給しています。

支給する義務はある?

リモートワーク手当の支給は、リモートワークを実施する企業の義務になるのでしょうか? 結論からいえば、法律で義務付けられているものではなく、企業に支払う義務はありません。支給するかどうかは、各企業が自由に決定できます。

ただし、常時10人以上の従業員がいる場合には、労働基準法第89条において就業規則の作成と届け出が義務付けられているので、注意が必要です。第89条5号において、「労働者の食費、作業用品その他の負担」に関しても記載するよう決められています。つまり、リモートワーク導入で、各従業員に自己負担を求める場合は、その旨が就業規則に記されていなければなりません。

定めがない場合は支払わなくても良いとはいえ、従業員の負担が増えると、従業員の実質賃金は減ってしまいます。これは、モチベーションやエンゲージメント、ロイヤリティなどへも悪影響を及ぼすでしょう。リモートワークによって負担が増した分は、企業がリモートワーク手当で補うほうが、合理的といえます。

リモートワーク手当の相場と支給方法



リモートワーク手当の相場はどのくらいで、どのように支給されているのかをご紹介します。

リモートワーク手当の相場は、月額3000円〜5000円程度で、出社する日が混在する場合は、日額100円〜150円前後を目安に加減されるようです。たとえば、富士通株式会社のリモートワーク手当は月額5,000円、株式会社メルカリは半年分のリモートワーク手当を60,000円支給しています。

リモートワーク手当の金額を決定する際は、リモートワークによって増える負担に見合った額を検討しましょう。もし、リモートワーク手当が高すぎると、リモートワークが少ない従業員から不満がでてしまうかもしれません。また、リモートワーク手当目当てに、リモートワーク時の残業を増やし、生産性が落ちる可能性もあります。

リモートワーク手当の導入における注意点

リモートワーク手当を導入する際は、金額の決定や経理上の扱いについて、いくつか注意点があります。

金額決定に明確なルールを設ける

リモートワーク手当の金額は、企業側が自由に定めることができますが、清算方法や支給方法を明確にし、周知しておく必要があります。

また、従業員と企業の費用分担の割合は、双方が納得できるルールで運用することも大切です。リモートワーク手当は、「快適に在宅勤務をするためのものである」という目的を明示し、従業員が在宅勤務をする、しないに関わらず納得できる内容にしてください。

課税対象の仕組みを説明する

リモートワーク手当は、1か月ごとに定額で払う場合、原則課税対象となります。対して、かかった実費相当額の支払いや、リモートワークに必要な機材・家具を貸与する場合は、課税対象になりません。

なお、リモートワーク手当は給与の一部となるので、労災保険料・雇用保険料の計算において賃金総額に含まれます。そのため、リモートワーク手当を導入する場合は、社会保険料に関する改定が必要になるかもしれません。事前に顧問社労士に相談し、改定内容を従業員にも周知しておきましょう。

また、リモートワーク「手当」という名前ではありますが、通勤手当などとは異なり、労働時間と連動しない「除外賃金」には含まれません。そのため、残業代(割増賃金)を計算する際は、リモートワーク手当も基礎賃金に含まれます。この点も従業員に周知しておく必要があるでしょう。

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企業側のメリット



リモートワーク手当の支給を検討すると、企業の負担が増えるように感じるかもしれません。しかし、リモートワーク(テレワーク)に移行することで、企業にもたらされるメリットもあります。

経費削減

リモートワーク手当は、通勤手当とくらべると、比較的安価なため、リモートワーク(テレワーク)化が進めば、むしろコストの削減が期待できます。

さらに、出社頻度が減れば、従業員の居住地やオフィスの立地に関して、条件を緩められるかもしれません。従業員の通勤負担が減ることで、賃料の安い地域で生活できれば、企業からの家賃補助を減額できるかもしれません。また、オフィスも地価や賃料の低い場所に移転できれば、経費の削減が見込めるでしょう。

従業員のモチベーションアップ

リモートワークへの移行で、それまでアナログで行っていた業務や慣習の見直しをするチャンスが生まれます。それによって、業務の効率化、生産性の向上、働きやすさからくる従業員のモチベーションアップなども見込めるでしょう。

また、通勤や業務時間に柔軟性が生まれることで、ワークライフバランスの実現や、人材定着率向上なども、計画的に進めることが期待できます。

雇用創出のキーになる

リモートワーク(テレワーク)は、育児中・介護中、地方在住、障害を持つ方など、スキルを持っているのに通勤・出社が難しい人材を獲得できるチャンスにもなります。

現状のリモートワーク体制では、生産性の向上が実現できていない場合には、見直しが必要かもしれません。働き方やシステムを再検討し、雇用創出のきっかけにすれば、企業にとって大きなメリットを生む変革ができるでしょう。
「リモートワークメリット」については、こちらの記事をご確認ください。

まとめ

リモートワーク(テレワーク)の導入をする際は、従業員が納得できるリモートワーク手当を合わせて導入する必要があります。そのため、明確なルール作りや、従業員への周知が欠かせません。

これにより、一時的作業量は増えますが、働き方や業務システムの見直しで、生産性や従業員のモチベーションの向上、雇用創出などが期待できます。企業側のメリットも少なくないのです。

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「課題別活用シーン」については、こちらの記事をご確認ください。

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