こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
業務に対する姿勢も悪く、トラブルを起こしやすい従業員を退職させる場合、効果的な手段のひとつとして「勧奨退職」があります。この記事では、勧奨退職の概要や解雇との違い、メリット・デメリット、勧奨退職を行う手順について説明します。
勧奨退職とは?
勧奨退職とは、辞めてもらいたい従業員に対して、自らの意思で退職するように説得する行為を指す言葉です。従業員を強制的に辞めさせるのではなく、退職する方向に促すことで、穏便に退職届を出してもらうことを意味します。
勧奨退職は、企業側に認められた行為であり、違法行為ではありません。しかし、注意して勧奨退職を行わなければ、裁判沙汰になってしまう可能性もあります。
が自らの意思で退職する行為であることをしっかりと認識しておきましょう。また、この場合の退職は自己都合ではなく、会社都合退職となります。
勧奨退職における企業側の注意点
勧奨退職を行うにあたって、企業側が最も注意しなければいけないことは、正しい方法で行い、違法と受け取られないようにすることです。解雇よりも勧奨退職は比較的実行しやすい行為であるものの、従業員との関係性がこじれてしまうこともあります。
労使間のトラブルに発展してしまうと、企業側と従業員側、双方とも大きなダメージを負ってしまうことにもなりかねません。例えば、裁判が起きた場合には双方にダメージが残ることになると想定されます。しっかりと対策を練ったうえで、勧奨退職を行う必要があるでしょう。
勧奨退職をする場合は綿密な話し合いがポイント
勧奨退職において、従業員との綿密な話し合いは、大きなポイントです。勧奨退職の対象となる従業員を納得させ、お互いの関係に感情的なしこりを残さないことが重要です。しかし、いくら綿密な話し合いが必要といっても、何回も話し合いを重ねてしまうと退職の強要と捉えられかねません。
勧奨退職に関する話し合いは、綿密な話し合いを1回、誠意をもって行うことを意識しましょう。一般的には、3回程度の話し合いの中で勧奨退職を行い、従業員が納得できなければ次の対応を検討します。
労務管理だけで終わらない、あらゆる人事データを統合して分析
時代は人材情報「管理」から人材情報「活用」へ!
タレントマネジメントシステム『タレントパレット』で、さまざまな労務課題と向き合えます。
・ペーパーレス化で労務管理、手続きを効率化
・入社手続きや身上届などスマートフォンでも申請可能
・自動チェックで入力漏れ確認も不要
・データをタレントマネジメントに活用
⇒タレントパレットの資料を見てみたい
勧奨退職と解雇の違い
解雇は、会社の都合によって半ば強制的に辞めさせる行為です。法律では一定の制約があり、簡単に解雇はできません。懲戒解雇や普通解雇といった種類があります。
勧奨退職は自己都合退職を促す行為となるため、企業にとって解雇よりは比較的やりやすい行為といえるでしょう。
勧奨退職を行う場合の企業側のメリット
ここからは、勧奨退職による企業側のメリットについて詳しく解説します。とくに、強いマイナスイメージを防げる点は企業には大きなメリットだといえるでしょう。
勧奨退職のメリット1.辞めてほしい従業員に辞めてもらえる
辞めてほしい従業員に辞めてもらうことができる点は、勧奨退職のメリットの1つです。残念ながらどのような人材でも企業の方針とどうしても合わない場合は、勧奨退職を検討する必要があるでしょう。
解雇には制限が多くありますが、解雇よりも勧奨退職は比較的実行しやすいため、まずは勧奨退職から行っていくケースは多いといえます。
勧奨退職のメリット2.解雇などのマイナスイメージを防げる
解雇の場合、辞めさせられた従業員にしこりが残ることも多く、評判などに関してはトラブルになりかねません。解雇を実行することで、ほかの従業員がマイナスイメージを持つことにもなりかねないでしょう。
勧奨退職は、本人の意志で辞めることになるため、解雇よりもマイナスイメージがつきにくくなります。解雇よりも従業員のプライドを損ねる可能性が少ないため、うまく進めることができれば、双方のダメージが少ない点もメリットです。
勧奨退職を行う場合の企業側のデメリット
ここからは、勧奨退職を行う場合のデメリットについて解説します。従業員に対する説明の方法に対して、コミュニケーションとして最善を尽くす必要があるといえるでしょう。
勧奨退職のデメリット1.退職強要と受け取られる場合がある
従業員との話し合いが不調にもかかわらず、勧奨退職を強行してしまった場合、退職強要と受け取られる可能性が高いといえます。また、勧奨退職が不調に終わると、さらに従業員のモチベーションが下がってしまう可能性も考えられるでしょう。
場合によっては職場の環境の悪化につながってしまいます。
勧奨退職のデメリット2.こじれると大きなトラブルになる場合がある
勧奨退職が不調に終わり、従業員がそのまま勤務することになってしまっても、感情的なしこりが残ってしまうこともあります。その場合、後に大きなトラブルとなる可能性があるといえるでしょう。
また、真面目に勤務していたとしても、企業側の求める人材ではないと判断されている状況となるため、双方がマイナス要因を抱えたままの雇用となってしまうケースも想定されます。
勧奨退職を行う場合の手順
勧奨退職は違法ではありません。しかし、しっかりと手順を踏んで進めていく必要があります。ここからは、勧奨退職を行う場合の流れについてみていきましょう。
勧奨退職の対象となる従業員への警告や指導
勧奨退職はいきなり勧めるのではなく、日ごろから指導による改善を試みておく必要があります。しかし、警告や注意しても全く改善しない場合は、勧奨退職を勧めなければなりません。
勧奨退職の決め手として、注意しても改善が見られなかったことを証明する必要があります。口頭で注意するだけではなく、必ず書面などで改善のため指導を行っていたことを残しておくことがポイントです。
勧奨退職の実施と面談
教育や指導によっても全く改善が見られない場合は、勧奨退職を実施しなければなりません。
また、勧奨退職に至る要因や会社の意向などを綿密に話し合いましょう。ただし、回数が多く、長時間の話し合いをしてしまうと、退職の強要と受け取られることから、勧奨退職の話し合いは、多くても2~3数回程度で明確に伝えましょう。
合意書の作成
従業員が勧奨退職に応じた場合は、速やかに合意書を作成し、退職の日程などを決定する必要があります。話し合いで決まったことをしっかりと実行し、円満に退職してもらうように進めていくことが大切です。
勧奨退職に同意してもらえたら、速やかに合意書を作成し、退職日などを確定させなければなりません。合意書に法的な根拠はないものの、双方で引継ぎや退職の実施まで含めて合意を得た条件を記録したものとして役立ちます。
拒否された場合の対応も検討する
勧奨退職が必ず成功するとは限らないため、拒否された場合の対応も検討しておきましょう。部署の異動や解雇といった措置などが代表的です。
勧奨退職は、不調に終わった場合の対応が非常に重要です。不調に終わったとしても、従業員のモチベーションを上げる方法や適した部署への移動により、能力が発揮される場合もあります。人事面においては、従業員の能力やモチベーションを高める対策が必要です。
まとめ
現状で、どうしても企業にとって有益ではない従業員が存在している場合、勧奨退職は1つの有効手段となります。ただし、能力や評価に関しては、部署移動などで能力が発揮される可能性もあることから、推奨退職だけでなく、マネジメント面から見つめなおす機会にもなるといえるでしょう。
タレントパレットを活用すると、従業員の情報を綿密に把握することができます。
適材適所の人材配置や従業員のモチベーション対策について検討されている方は、タレントパレットへお気軽にお問い合わせください。
タレントパレットのHPはこちら