定量的評価を徹底解説!定性的評価との違いと上手な利用方法とは


定量的評価を徹底解説!定性的評価との違いと上手な利用方法とは

定量的評価は、物事を数値化して評価する手法です。売上や顧客数、客単価などビジネス領域で重要な数値を分析し、説得力のあるデータとして活用することが可能です。今回は、定量的評価の基本的な捉え方や上手な利用方法などを解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


定量的評価は、物事を数値化して評価する手法です。売上や顧客数、客単価などビジネス領域で重要な数値を分析し、説得力のあるデータとして活用できます。


ただし、すべての物事を定量的評価で表わせるわけではないので、場面によって使い分けることも大事です。この記事では、定量的評価の基本的な捉え方や上手な利用方法などを解説します。


定量的評価とは

定量的評価とは、数字に基づいた評価を行うことを意味しています。質的部分に注目をする定性的評価とは逆の考え方であり、客観的なデータに基づいた評価であるのが特徴です。


定量的評価は人事評価のみならず、マーケティングや市場調査など様々な場面で広く用いられています。ただし、すべての物事を定量的評価で解決できるわけではないので、うまく使い分けることが重要でもあります。


定量的評価の基準

定量的評価の基準は、数字で表せるものを評価の対象としている点です。逆に言えば、数字で表せないものは定量的評価の対象とはなりません。


定量的評価の例

定量的評価の具体的な例としては、ビジネスにおいては売上や顧客数、客単価などがあげられます。いずれも数字で表せるものであり、データの抽出から分析まで個人の主観を挟む余地がないため、客観的なデータを根拠として示せます。


そのため、プレゼンなどを行う際に定量的評価を用いれば、説得力のある提案を行えるでしょう。定量的評価を正しく行えることは、ビジネスパーソンにとって必要なスキルの1つだといえます。


定量的評価のメリットとデメリット


定量的評価を行うことはメリットがある反面で、デメリットも存在します。どのような点に注目すべきかを解説します。


メリット

定量的評価を行うメリットは、先に述べたように具体的な数字で表す評価であるため、多くの人に受け入れられやすいといった点があげられます。数字は人によって捉え方にズレが生じにくいので、コミュニケーションが取りやすくなるといえるでしょう。


例えば、社内の人事評価で用いる場合、人材育成に役立てられます。仕事の成果を売上や成約数など客観的なデータで示せば、従業員の納得感を得られやすいでしょう。


正しく評価されていると感じてもらえば、モチベーションの維持につながり、従業員と良好な関係を築くきっかけになるはずです。


デメリット

定量的評価を用いる場合に注意しておきたい点は、基準となる数字と目標達成までにかかった期間が適正なものであるかをよく検討する必要があることです。最初から達成できないような目標が設定されていては、いくら具体的な数字で説明されたとしても、従業員は納得しづらいでしょう。


また、逆に本人の実力に合っていない簡単な目標が設定されれば、仕事の達成感は得られないものです。定量的評価を効果的に活用するには、適切な基準で用いられているかどうかを精査する必要があります。


定量的評価を人事評価で利用する2つのポイント

定量的評価を人事評価で用いるときは、「結果や業績の評価で人事考課を行う」「業務遂行のプロセスで利用する」といった2つの点に注意しておく必要があります。それぞれのポイントを解説します。


結果や業績の評価で人事考課を行う

定量的評価を使って従業員の働きぶりを評価するには、仕事の結果や業績への貢献を数値化して、正しく評価することが大切です。定期的に面談を行っていれば、過去の実績と比べてどの程度、伸びているかを客観的に示すことができるでしょう。


そして、他の従業員の成果とも照らし合わせながら、給与や待遇面でのインセンティブを適切に与えることが大事です。いくら定量的評価での結果が正しいものであったとしても、それらを査定する人事評価制度が曖昧なままの基準では、不公平感が生じる要因にもなります。


従業員の人事考課については、不満や不公平感が出ないように、人事評価制度もあわせてチェックしてみてください。


業務遂行のプロセスで利用する

定量的評価は従業員が業務を遂行するプロセスのなかで、活用していくことが大事です。最終的な目標にたどり着くまでの中間目標の段階で、仕事の成果を数値化してみると、従業員自身の良い振り返りの機会にもなるでしょう。


定量的評価は短期的な目標を評価するのには向いていますが、中長期的な目標を評価する方法としてはあまり向いていません。そのため、例えば5年後に達成される目標を数字でいくら表そうとしても単なる予測に過ぎず、実質的にはあまり意味をなさないものとなってしまうでしょう。


5年間で達成する目標を設定するのであれば、半年や1年ごとのプロセスで定期的に評価を行っていくことが大切です。仕事に取り組む姿勢もきちんと評価しているというメッセージが伝わるため、従業員もモチベーションを維持しやすいでしょう。


定量的評価を活用するために、あらゆる人事データを統合して分析

定量的評価は数字を用いて、物事を客観的に評価していく手法です。ビジネスにおいては人事評価やマーケティングなど、様々な場面で活用できます。


タレントマネジメントシステムである『タレントパレット』は、あらゆる人事データを一元管理し、活きた情報として最大限に価値をもたらすためのツールです。定量的評価とタレントパレットを組み合わせることで、よりきめ細かなアプローチを従業員に対して行えます。


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定量的評価を生かした目標設定とは

定量的評価を効果的に行うには、正しい目標設定が重要になります。個々の従業員によって能力やスキル、経験などは違っているので丁寧に目標を設定していきましょう。


本人の実力に合っていない目標を設定してしまっては、モチベーションの低下につながり、最悪の場合は離職の原因にもなってしまいます。定量的評価を人材育成につなげていくためには、1on1ミーティングなどを通じてキャリア開発を一緒になって取り組み、円滑なコミュニケーションが取れる関係を築いておくことが大切です。


従業員自身が掲げる目標と会社が目指す目標との擦り合わせを行い、その流れのなかで客観的なデータを示す手段として定量的評価を活用してみると良いでしょう。


人事評価での定量的評価を活用する3つのポイント

人事評価において、定量的評価を活用するには3つのポイントを押さえておく必要があります。どのような点に気をつければよいのかを解説します。


目標があいまい

まず、従業員に達成してもらいたい目標があいまいなままだと、いくら定量的評価を用いたとしても効果は薄いでしょう。目指すべきゴールが不明確なままでは、数字で根拠を示されたとしても、従業員自身はあまり納得できない部分があるはずです。


すべての物事を数値化しようとするのではなく、どのような目的で目標を設定しているのかを丁寧に話し合っていく必要があります。目標について従業員と合意を得てから、定量的評価を用いるようにしましょう。


厳しすぎる目標

いくら数字の根拠が正しかったとしても、初めから達成できないような目標を掲げてしまっては、従業員のモチベーションが下がってしまうだけです。例えば、「1ヶ月後の制約件数を今の2倍にする」といった目標は、明らかに現実との乖離が大きいでしょう。


目標設定はあくまで、個々の従業員の能力に見合ったものでなければなりません。そのためにも、日頃から従業員がどれくらいの実力を備えているのかをきちんと把握しておく必要があります。


簡単な目標設定

厳しすぎる目標設定は問題がありますが、逆に簡単すぎる目標設定も問題があるといえます。特に努力をしなくても達成できるような目標を設定してしまっては、仕事にやりがいを感じられなくなってしまい、モチベーションの低下を招く要因になるでしょう。


目標設定のミスマッチが起こるのは、従業員とのコミュニケーションがしっかりと行われていないことに原因があるといえます。そのため、個別面談の場などを通じて目標に対する認識の擦り合わせを行うことが大事です。


業務評価での定量的評価とは

業務評価において定量的評価を用いるときは、職種や業務内容による違いを考慮する必要があります。例えば、営業職の成約件数やマーケティング職の集客率などは、目標を数値化しやすい職種だといえるでしょう。


しかし、事務職や研究職といった職種の場合、業務の成果を数字で表すのは難しいといえます。そうした場合には、次に紹介する定性的評価と組み合わせて運用してみると、正しく評価できるケースも多くあります。


定性的評価とは

定性的評価とは、数値化できない物事を質の面で評価していく手法です。例えば、コミュニケーション能力に対する評価として、「3ヶ月前と比較して、〇〇さんのコミュニケーション能力は15%向上した」と言われても、どう理解してよいのか判断に迷うでしょう。


このような場合は、「〇〇さんは他部門の人とも積極的に話をして、社内勉強会を盛り上げられるようになった」「若手の人たちが話しやすい雰囲気を作ってくれた」と、質の向上で評価を行うほうが適切だといえます。


定性的評価は抽象的な物事を質の部分で評価するのに適しており、本人が取り組んだプロセスそのものを評価する傾向が見られます。


定量的評価と定性的評価の違い

ここまで解説したように、定量的評価が物事を数字で客観的に評価するのに対して、定性的評価は物事を質で評価する手法といった違いがあります。どちらが優れているというわけではなく、シーンによって上手に使い分けることが重要です。


定量的評価と定性的評価を組み合わせる

一般的に、定量的評価60%に対して、定性的評価40%ほどの割合で評価を行えば、バランスの取れた評価が行えるといわれています。評価対象にもよりますが、定量的評価と定性的評価をうまく組み合わせることが大切です。


数値化できる部分はできるだけ数字で表せるように努め、定量的評価が向かない部分については、業務プロセスや仕事への姿勢など定性的評価を用いてみると良いでしょう。多角的な視点で評価を行うことで、評価対象者は納得しやすいといえます。


目標管理手法 OKRとは

定量的評価と定性的評価の両方を組み合わせた目標管理の手法として、「OKR」があります。OKRは「目標(Objective)」と「成果指標(Key Results)」を組み合わせた意味を持ちます。


目標については定性的な観点から定め、成果を評価する手法として定量的評価を用いるのが特徴です。OKRを活用すれば、従来の目標管理の手法と比較して、スピーディーな対応が可能であり、大胆な目標設定が行えるという特徴があります。


まとめ

定量的評価は物事を数字で表す手法であり、データを基に客観的な根拠を示すことによって、多くの人たちの納得感を得られるといえます。一方で、数値化できないものについては、他の方法と組み合わせるなどして柔軟に対応していく必要があるでしょう。


定量的評価を上手に活用するには、適切な目標設定や従業員とのコミュニケーションが大事です。人材育成などにも活かしていくためにも、「タレントマネジメントシステム」を活用してみましょう。タレントマネジメントシステムとは、人材の能力やスキルを最大限に発揮してもらうために、人材データを集約・一元管理して、高度な意思決定を可能にするシステムをいいます。


人材一人ひとりのスキルや保有資格、経歴などのデータをもとに、計画的な人材育成や高度な配置戦略を練るために活用できます。また、タレントマネジメントシステムである『タレントパレット』は、データに基づいた科学的な人事を実現するためのシステムです。


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