こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
汎用性が高く、業務や業界を問わず使えるスキルをポータブルスキルといいます。コミュニケーション能力や計画力、決断力をはじめ多くの能力があるため、具体例を一覧で知りたい方もいるでしょう。
本記事では、ポータブルスキルの種類や構成要素、企業内で活用する方法について解説します。
ポータブルスキルとは
ポータブルスキルとは、業務や業界が変わっても使うことができる汎用性の高いスキルのことです。問題解決能力やプレゼンスキル、決断力、コミュニケーション能力など、多くの種類があります。
ポータブルスキルが高いと、部署の異動や転職などに柔軟に対応できます。環境や状況の変化にも対応できるため、本人はもちろん、周囲の人も一緒にいると仕事をしやすいと感じるでしょう。
ポータブルスキルを身に付けた従業員が増えると、ビジネスを円滑に進めることが可能になります。ポータブルスキルを重要視するメリットや必要な理由、従業員のスキルの伸ばし方について詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
「ポータブルスキル」については、こちらの記事をご確認ください。
厚生労働省の定義
厚生労働省は、ポータブルスキルを「職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても持ち運びができる職務遂行上のスキル」と定義しています。
専門的な知識やスキルだけでは、職種や業種が変わる転職は困難です。技術の発展や環境の変化が目覚ましい現代において、様々な変化に柔軟に対応するためにも、高いポータブルスキルを身に付けるべきです。
ポータブルスキル10選
ポータブルスキルの種類はたくさんあります。ここでは、代表的な10種類のポータブルスキルについて見ていきましょう。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、相手と意思疎通や情報共有をスムーズに行うスキルです。コミュニケーション能力が高い人は、自分の考えを相手にわかりやすく伝えられるだけでなく、相手の話にきちんと耳を傾けて共感することもできます。相手と信頼関係を築くことができ、仕事を円滑に進めることができるでしょう。
計画力
計画力とは、タスクやプロジェクト目的などのために計画を立て、実行する能力のことです。途中で不具合が生じた場合に、原因を究明してリスクを排除し、計画を立て直す能力もも含みます。計画力の高い人は、事前にリスクを予測し、それに必要な準備を怠りません。物事の優先順位を把握し、重要度や優先度の高い事案から着手していくことができます。
対応力
あらゆる物事に対して柔軟に対応する能力を対応力といいます。与えられたタスクやプロジェクトはもちろん、想定外のトラブルが起きた場合でも冷静に対応できる能力です。対応力が高い人は、感情に左右されない、リスクやトラブルを想定して準備している、ヒアリング力が高い、状況把握力に長けているという特徴があります。
多くの知識や情報を持っており、コミュニケーション能力も高い人が多いです。最初は対応力が低くても、経験を積むうちに知識や情報が増え、対応力が伸びてくるケースもあります。
発想力
何もない状態から新しいアイデアを生み出す力を発想力といいます。トラブルの解決や新規事業の提案、新商品の開発、競合他社との差別化など様々な場面で必要とされる能力です。
発想力の高い人は柔軟な発想を持ち、失敗を恐れず、積極性のある人が多いです。社員の発想力を高めるためには、失敗を咎めない、積極的な挑戦を評価するという社風が求められます。
分析力
課題や問題を解決するために情報を収集・分析し、解決策を導き出す力が分析力です。集めた情報を分類し、整理するためには論理的思考も必要です。データ分析ツールを用いる場合は、ツールを使いこなす能力も欠かせません。分析力が高いと現状を分析することで、将来を予測することもできるでしょう。
論理的思考力
物事を体系的に捉え、因果関係を正確に把握した上で、筋道を立てて考えられる能力が論理的思考力です。論理的思考力を身に付けると、分析力や問題解決能力が向上します。論理的に説明することで、相手を説得・納得させることができるため、提案力やプレゼン力の向上も期待できるでしょう。
決断力
問題や課題、トラブルへの対応など、意思決定が求められる状況で、覚悟と責任を持って決断を下す能力が決断力です。
ビジネスの場合は本人の能力の他に、責任ある役職や地位が必要になることもあるでしょう。
決断力の高い人は、多くの情報を集め、じっくり精査して根拠ある決断を下します。目標を定めた上で優先事項を見極め、臨機応変に対応できる人が多いようです。
課題解決力
問題や課題、トラブルなどが発生した場合に原因を究明し、解決策を提案して移し、解決する能力を課題解決力といいます。
課題を解決するためには、分析力や論理的思考力、観察力などが欠かせません。それらに加えて、粘り強く課題と向き合って本質を見極める力や、導き出した解決策の中から実行できるものを選択し、実行する力も必要です。
情報収集力
質が高く正確な情報をスピーディーに手に入れる能力を、情報収集力といいます。インターネットの普及によって、以前と比べて情報を手に入れることが容易になりました。しかし、Web上で公開されている情報がすべて正しいとは限りません。古い情報や誤った情報もたくさんあります。
膨大な数の情報が出回っているため、不要な情報まで手に入ることもあるでしょう。情報収集力が高い人は、情報を収集する目的を見定め、必要な情報を効率良く入手することができます。
マネジメント能力
部下などを管理する能力をマネジメント能力といいます。管理職やリーダー職の人に求められる能力です。
マネジメント能力が高い人は、部下としっかりコミュニケーションを取り、それぞれの課題や長所・短所、目的を把握した上で適切な仕事を割り振ることができます。スケジュール管理や進捗状況のチェックを怠らず、部下が悩んでいる場合は相談に乗ることも大切です。また、部下を育てるためのコーチングスキルも欠かせません。
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ポータブルスキルの構成要素
厚生労働省が推奨するポータブルスキルの構成要素は9つあります。これらは「仕事の仕方」と「人との関わり方」に大きく分けられます。それぞれについて、見ていきましょう。
仕事の仕方
仕事の仕方とは、課題に対して適切に取り組むためのスキルを指します。具体的な内容は以下の5つです。
- 現状把握
- 課題設定
- 計画立案
- 課題遂行
- 状況対応
現状把握で求められるのは、現状を的確に把握し、課題設定のための情報収集や分析を行うスキルです。課題設定に必要なのは、現状把握で集めた情報や分析結果をもとに、仕事に取り組む際の課題を設定するスキルです。計画立案では、課題遂行のために具体的に計画を立てるスキルが欠かせません。課題遂行では、スケジュール管理力や決断力などが求められるでしょう。状況対応とは、思いがけないトラブルに見舞われた時などの対応のことです。事前のリスク管理や準備はもちろん、対応力も欠かせません。
人との関わり方
人との関わり方は、以下の4つの要素で構成されます。
- 社内対応
- 社外対応
- 上司対応
- 部下マネジメント
人との対応では相手の立場に関わらず、高いコミュニケーションスキルが必要です。状況によっては、相手に納得してもらえるよう、論理的に説明する論理的思考力や部下を管理するためのマネジメント能力なども求められます。
ポータブルスキルを役立てる方法
従業員のポータブルスキルが高まると、企業はどのようなメリットを享受できるのでしょうか。ここでは、企業が従業員のポータブルスキルの役立てる方法について解説します。
人事異動の幅が広がる
コミュニケーション能力や仕事の仕方に優れた人は、どんな部署や業種でも仕事ができるため、人事異動の自由度が高まります。
人事評価にポータブルスキルを加えることで、従業員のスキルを把握できるようになるでしょう。それをもとに、必要な部署に高いスキルを持つ従業員を配置できます。結果としてコミュニケーションの活性化や従業員のモチベーションアップ、業務効率化などが期待できるでしょう。
管理職を任せられる
マネジメント職には、コミュニケーション能力や計画力、対応力をはじめ、様々なポータブルスキルが求められます。ポータブルスキルが高い人が多い職場では、誰にでも安心して管理職を任せられます。
まとめ
ポータブルスキルは業務や職種に関わらず、どの職場でも必要とされるスキルです。コミュニケーション能力や問題解決能力、論理的思考力を始め、多くのスキルが該当します。従業員のポータブルスキルが高いと社内の人間関係が改善するため、離職率低下やモチベーションアップ、業務効率向上などが期待できます。従業員のポータブルスキルを向上させるために、人事評価制度にポータブルスキルの項目を入れるのも良いでしょう。
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