π型人材とは?T型人材やI型人材との違いを徹底解説!


π型人材とは?T型人材やI型人材との違いを徹底解説!

π(パイ)型人材とは、2つ以上の専門性を備え、幅広い知見を持った人材を指します。組織を成長させるには、様々な物事に対応できる人材の確保が不可欠です。今回は、π型人材の基本的な特徴や他の人材との違いを紹介します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


π(パイ)型人材とは、2つ以上の専門性を備え、幅広い知見を持った人材を指します。T型人材よりも多くの専門性を持っており、独創的なアイデアを生み出す存在として注目されている面があるでしょう。


この記事では、π型人材の基本的な特徴や他の人材との違いを解説します。


π(パイ)型人材とは

人材の特徴を表す言葉に、「π(パイ)型人材」というものがあります。どのような特徴を備えているのかを解説します。


π型人材の意味

π型人材とは、2つ以上の専門性を備えており、豊富な知識を備えている希少性の高い人材を表す言葉です。専門性が1つであればT型人材と呼ばれますが、2つの以上の場合はπ型人材といいます。


複数の分野にまたがった専門知識やスキル、知見を備えたπ型人材は独創的なアイデアを生み出せる存在として、T型人材よりも尊重される傾向にあるといえるでしょう。


π型人材が注目された背景

π型人材が注目される背景には、社会情勢の変化や企業の事業領域が広範囲かつ多角化している点などがあげられます。大企業であれば国内だけでなく、海外に営業所や工場を持っているため、グローバルな舞台で活躍できる人材が求められています。


また、中小企業においても人手不足から、1人の人間がいくつも担当業務を兼務しているケースはめずらしいものではありません。広範囲の業務に対応できるπ型人材は、どの企業においても必要とされる存在だといえるでしょう。


π型人材以外の人材とは

人材を表す言葉はπ型人材の他にも様々なものがあります。それぞれの言葉が持つ意味を解説します。


専門的かつ知見が広いT(ティー)型人材

T(ティー)型人材とは、専門的な知識やスキルを備えており、専門外の分野においても一定の知見を持っている人材を指します。T型と呼ばれるのは、専門性の深さを縦線、視野の広さを横線に見立てているためです。


T型人材は、1つの分野における専門性を持つ「I型人材」と、幅広い知見を持つ「一(イチ)型人材」の特徴を両方備えているともいえます。T型人材が注目されるのは、スペシャリストとジェネラリストの両面をあわせ持っているからです。


多くの企業では、事業環境の変化に対応するためにイノベーションを起こす取り組みを行っています。専門知識と他ジャンルに及ぶ知見を備えたT型人材は、まさにその中心となれる存在だといえます。


深く追求するI(アイ)型人材

I(アイ)型人材は、専門分野に特化したスキルを発揮するスペシャリストを指す言葉です。主に技術職に多く見られるタイプであり、従来から日本企業が求め続けてきた人材のタイプともいえるでしょう。


先に述べたT型人材にも、I型人材の要素は含まれていますが、幅広い知見を備えているかという点で違いがあります。


横のつながりをもつH(エイチ)型人材

H(エイチ)型人材とは、自らは何か特定の専門性を身につけているわけではなく、専門家同士の横のつながりを築いていける人材をいいます。Hの横線部分は、専門性を備えたスペシャリストであるI型人材をつなぐ橋渡し役になる意味が込められているといえるでしょう。


これはT型人材には見られない特徴であり、様々な立場を超えて人と人とのつながりを築けるH型人材も多くの分野で求められている存在です。


3つの専門域をもつ△(トライアングル)型人材

△(トライアングル)型人材は、トリプルメジャーとも呼ばれており、3つの分野で専門性を備えている人材を指します。専門分野の数ではT型よりも多いですが、幅広い分野に関する知見を備えているかどうかは△型人材には問われません。


しかし、複数の専門性を持つ△型人材に対するニーズも高いものがあるといえるでしょう。


専門性があり交流も得意なJ(ジェイ)型人材

J(ジェイ)型人材は高い専門知識を持ちながらも、様々な分野のスペシャリストたちと交流が行える人材を指します。専門家や第一人者とコンタクトを取ることによって、結果として専門外の領域に関しても幅広い知識を学べるといえます。


T型人材の場合はすでに幅広い知見を備えている状態ですが、J型人材の場合は現在進行形で学んでいる状態にあるといえるでしょう。


π型人材が持つスキル

π型人材について深く理解をするためには、どのようなスキルを備えているのか把握しておくことが大事です。ここでは、π型人材が持つ3つのスキルを解説します。


物事を多角的に捉えるスキル

π型人材は、幅広い知見を備えているので、物事を多角的に捉えるスキルを持っているといえます。常識やこれまでの発想にとらわれず、独創的なアイデアを生み出せる能力を備えているため、新たなプロジェクトを担うリーダーとして成果を出すことが期待されます。


情報を収集し、取捨選択するスキル

あらゆる情報を収集し、取捨選択するスキルがπ型人材には備わっています。単に多くのジャンルへの知見があるだけでなく、専門性も備えているので高いレベルで情報を整理・分析し、本当に必要な情報だけを抽出できる能力に優れているといえるでしょう。


目標達成のために自律するスキル

π型人材は、目標を達成するためのプロセスやゴールの設定を自ら行えるため、自律的な行動が取れる人材だといえます。細かな指示を与えるよりも、ある程度の権限と裁量を持たせて仕事を任せるほうが、結果的に組織の成長にもつながっていくはずです。


多様なスキルと知見を備える人材を育成するために、あらゆる人事データを統合して分析

π型人材は高い専門性と幅広い知見を備えた人材であり、企業がイノベーションを起こす際に中心的な役割を担ってくれる存在だといえます。これまでの発想や常識にとらわれないアイデアを生み出すには、柔軟に物事を考えられる人材の確保が必要だといえます。


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π型人材の専門分野の探し方

π型人材は2つ以上の専門性を備えていることに特徴がありますが、どのように専門分野を見つけていけばよいかを解説します。


興味のある業界から探す

興味のある業界やすでに携わったことがある業界について、さらに深掘りしたり将来予測を立てたりすることによって、そこから専門分野を見つけていくことが可能です。業界内で様々な人とのネットワークを広げつつも、周辺業界にも手を伸ばしてみると新たな発見を得られるでしょう。


自分の持つスキルから探す

語学力や思考力、対人理解など自分が持つスキルの中から専門分野を見つけていくのも1つの方法です。特定の専門領域であっても、少し切り口を変えるだけで、新たな専門性を生み出すきっかけになります。


これまで築いてきたキャリアの中から、役に立ちそうなスキルを抽出し、さらにブラッシュアップを行ってみましょう。


自分の得意分野から探す

自分の中で得意だと感じる分野を追究していくことで、専門家と呼べるほど高い能力を発揮できる場合があります。仕事のスキルだけに限定するのではなく、趣味として取り組んでいることを極めていくことで、新たな人脈が生まれキャリアチェンジにつながるきっかけを得られる可能性があります。


採用時点別π型人材の育成方法

π型人材は得るためには、人材育成に力を入れることが大切です。ここでは、新卒採用と中途採用の2つのパターンに分けて、育成方法を解説します。


新卒採用の場合

新卒採用の場合は、いきなり高いレベルで目標を設定するのでは、学びのための十分な時間を確保してあげることが大切です。まだ本人の中でも、自らの才能や能力に気づいていない部分があるので、ゆっくりと時間をかけて育成していく姿勢が大事だといえます。


自社のニーズに合ったπ型人材に育ってもらうためには、必要と思われる学びの機会を提供していきましょう。社内研修会や社外での経験などを通じて、様々な体験を積ませてあげることが重要です。


中途採用の場合

中途採用者は即戦力の人材として求められがちですが、自社のニーズにマッチした人材ばかりを集めようとすると、なかなかπ型人材の適性を持った人物を得ることはできないでしょう。特定の専門性を備えた人材を中途採用したら、中長期的に伸ばしていけそうな能力を見定め、ジェネラリストとしての知見を広げるアプローチを行っていくことが大切です。


π型人材の育成手順

π型人材を育成するには、基本的な手順を押さえておくことが大事です。どのような流れで人材育成に取り組めばよいかを解説します。


2つの専門分野を究める

π型人材は2つ以上の専門性を備えていることに特徴があります。そのため、本人のスキルや能力、経験などを踏まえた上で、どのようなジャンルでポテンシャルを備えているのかを見極めてみましょう。


普段からコミュニケーションを緊密に行い、興味・関心なども考慮して、キャリア開発に取り組んでいくことが大事です。


ジェネラリスト視点を身につける

専門性を究めるだけでは、π型人材として成長しない点に注意が必要です。π型人材は、幅広い知見も備えておく必要があるため、ジェネラリストとしての視点を身につけられるように、学習の機会を与えるようにしましょう。


一定のサイクルで違う部署に移動してもらったり、担当する業務を変更したりして、多角的な視点で物事を捉えられる力を養ってもらうことが大事だといえます。


就労環境を整える

π型人材の育成はとにかく、落ち着いて学習することができる環境を整えてあげるのが大切です。日々の業務に追われてばかりの就労環境では、思うように学びの機会を得ることができないでしょう。


人材への投資という観点から、日常業務を調整して、学習に取り組みやすい環境を与えてみてください。


多様な人材を採用する

π型人材を育成する環境としては、できるだけ多様な価値観や考え方を持った人材を多く受け入れるほうが良いといえます。社内の人と交流する機会を通じて、様々な刺激を受けていけば、自ずと視野の広い考え方ができる人材に育っていくことが期待できます。


π型人材育成の注意点

π型人材を育成するには、いくつか気をつけておきたい点もあります。まず、π型人材を育成するまでには、それなりの時間がかかる部分があげられるでしょう。


すぐに成果を求めるのではなく、中長期的な人材戦略の一環として、長い目で人材育成に取り組んでいくことが大切です。また、伸び伸びとした環境で仕事や学びに取り組んでもらうために、就労環境を整えてあげることも大事だといえます。


そして、業務においては一定の裁量や権限を与えて、自らの責任で仕事をしてもらう機会を与えましょう。たとえ失敗をしても、それが専門性を磨いたり、視野を広げるきっかけにもなるので、柔軟な人事評価制度を整えることも重要です。


まとめ

企業のイノベーションに大きな役割を果たすことが期待されるπ型人材は、多くの業界で重宝される存在だといえるでしょう。π型人材を育成するにはそれなりの時間を必要としますが、将来的な組織の成長を考えるなら、早い段階で取り組んでいくことも大事です。


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