人事評価における5段階割合の基準と配分方法!2つの評価方法のメリット・デメリットも紹介


人事評価における5段階割合の基準と配分方法!2つの評価方法のメリット・デメリットも紹介

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。人事評価における5段階評価の付け方や、その割合について悩まれている方は多いのではないでしょうか。

そこで今回の記事では、人事評価における5段階割合の基準や割合の決め方絶対評価と相対評価の違いについて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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人事評価における5段階割合の基準

人事評価における5段階割合は以下のような基準で分けられます。


  • 非常に優れている
  • 優れている
  • 普通
  • 改善が必要
  • 非常に改善が必要


各評価について決まった表現はありませんが、一般的には「1〜5」や「S〜D」などの数字や記号を用いる場合が多いです。それぞれの段階について解説するので、ぜひ参考にしてください。


非常に優れている

「非常に優れている」は、5段階評価中最も高い評価で、成績表では「5」または「S」「A+」に該当します。目標達成の基準を大きく上回る成果を出した社員につけられる評価です。そのため、この評価となる社員が社内での模範的な人材像となるでしょう。


「求められる営業成績を大幅に超えた」「新しい取り組みでチームの業務フローを改善し売り上げに貢献した」といった功績を上げた社員が対象となります。特に仕事上のパフォーマンスに期待できる人材であり、リーダーシップや売り上げでチームを牽引する存在です。この評価を得ることで、昇格や昇給の対象にもなるでしょう。


優れている

「優れている」は上から2番目の評価で、成績表では「4」または「A」に該当します。目標達成における基準を上回る成果を上げた社員につけられる評価です。最高評価には届かないまでも、営業であればチームや社内では売り上げを牽引する存在です。


難易度の高い目標をクリアした社員にもつけることが多く、能力値の高い社員であることから昇給やボーナスアップの対象となるでしょう。


普通

「普通」は、上から3番目の評価で成績表で言えば「3」または「B」に該当します。目標達成の基準を満たす、もしくは少し下回る成果を出した社員につけられる評価です。


5段階評価のなかでは、標準の評価となり「優れているわけでも劣っているわけでもない」いわゆる「平均」といった意味合いが強いです。より上の評価を目指し利益拡大に貢献させるためには「目標を超過達成するにはどうすれば良かったのか」という目線で改善が必要となります。


改善が必要

「改善が必要」は下から2番目の評価で、成績表で言えば「2」や「C」に該当します。目標達成において、基準を下回っている社員につけられる評価です。


全く成果が出ていないわけではありませんが、求められる結果やパフォーマンスを出すためにはより一層の改善が求められる状態です。「改善が必要」の評価となった場合、被評価者への積極的な業務指導も必要となります。


非常に改善が必要

「非常に改善が必要」は5段階中で最も低い評価で、成績表では「1」や「D」に該当します。目標達成における基準を大きく下回っている社員につけられる評価です。与えられた目標の多くが未達であったり、度重なるミスで損害を出してしまった場合などはこの評価となるでしょう。


「非常に改善が必要」の評価となった場合、本人はもちろん周囲の仕事が進みづらくなるなどの悪影響が出ている可能性が高いです。本人のキャリア形成の面からも、早急な改善が必要な状態となります。


人事評価における5段階割合の配分方法

5段階評価では、各段階ごとの割合についての2つの配分方法があります。


  • 各段階を均等に配分する方法
  • 平均値が多くなるように配分する方法


各配分方法について理解した上で、自社に適した方法を採用するようにしましょう。


各段階を均等に配分する方法

各段階を均等に配分する方法は「均等配分」と呼ばれます。例えば5段階評価であれば、以下のように全社員の20%ずつを各段階に振り分けることになります。


  • S評価:20%
  • A評価:20%
  • B評価:20%
  • C評価:20%
  • D評価:20%


均等配分方法は、各段階の人数が同じであることから、低い評価となった社員は強い劣等感を感じなくて済むのがメリットです。また労務の観点からも、各段階の割合が同じのため「この段階の人は一律に10%アップ」といった形で給与管理がしやすいでしょう。


しかし、各段階の人数が同数である均等配分は、各段階の社員間で能力レベルのバラつきが発生します。そのため自分よりも営業成績が下の社員でも、自分と同じ評価になるといった状況もあり得ます。


平均値が多くなるように配分する方法

数値を並べたときに、平均値を中心に正負の値が同程度に広がる配分です。統計学では正規分布と呼ばれ、左右対称の山を描くような形になります。


5段階評価に正規分布を用いたときは、各評価は以下のような割合となります。


  • S評価:10%
  • A評価:20%
  • B評価:40%
  • C評価:20%
  • D評価:10%


正規分布は、実際のパフォーマンス分布に近い形で評価を行うため、現実的で自然な評価結果が得られるメリットがあります。しかし、下位評価の割合は低くなります。そのため、5段階評価の場合、特に一番下の評価である社員は、やる気をなくしてしまうリスクがあるでしょう。


5段階割合の人事評価における2つの種類

5段階割合の人事評価には、2つの種類があります。


  • 絶対評価
  • 相対評価


各評価方法の特徴を知ることで、自社に最適な評価方法を判断できるでしょう。どの評価方法を導入するかによって、給与や社員のエンゲージメントが左右されます。


絶対評価

絶対評価とは、個々のパフォーマンスや成果を、達成基準や目標と比較して評価する方法です。達成すべき具体的な目標や基準を定め、その基準に基づいて各個人の達成度を評価します。


絶対評価は、個人の目標に対する過程や結果のみで最終的な評価が決まるため「公平性が高い」というメリットがあります。目標の達成度も明確に測定できるため、個々の能力や努力をそのまま評価に反映できます。


相対評価

相対評価とは個々のパフォーマンスや成果を、他の社員と比較して評価する方法です。例えばクラス内の成績順位や「営業成績トップ10%」などが該当します。相対評価は他の社員との比較によって決まるため、最終的な評価を決定しやすいというメリットがあります。


一方で個人の頑張りによって結果を出したとしても、比較されるほかの社員の成果によっては自身が想定していたより低い評価がつけられることもあります。そのため想定評価は、絶対評価よりも個人の成長が評価されにくいといえるでしょう。


また、1次評価は絶対評価、2次評価を相対評価にするといった組み合わせも可能です。例えば、事前に設定した個人の目標に対しての達成度を絶対評価による1次評価とします。その上で各段階の定員にあわせて、相対評価によって各社員の最終的な評価を決める流れです。


絶対評価のメリット・デメリット

絶対評価のメリットには「公平で納得感を得られやすい」、デメリットには「基準設定が難しい」などがあります。メリットとデメリットを理解し、自社の評価方法を決める際の参考にしましょう。


絶対評価のメリット

絶対評価のメリットは、主に以下の2つです。


  • 公平で納得感を得られやすい
  • 努力や成果が評価に直接反映される


絶対評価は、周囲との比較によって決まる相対評価とは違い、決められた基準に対する達成度のみによって決まります。そのため、社員は自身の評価に納得しやすいでしょう。個々の努力や成果を正確に反映するため、社員のモチベーション向上にも期待できます。


また、具体的な目標や基準が設定されているため、社員は自分が何を達成すべきかを理解できるようになります。その結果、課題が明確になり社員の成長スピードが向上するでしょう。


絶対評価のデメリット

絶対評価のデメリットは、主に以下の2つです。


  • 基準設定が難しい
  • 人件費が高くなりやすい


絶対評価のデメリットには、評価基準設定の難しさがあげられます。基準が厳しすぎると多くの社員が目標を達成できず、低すぎても達成が簡単になり社員の成長につながりません。さらに、絶対評価は個々の状況や業務内容の違いを考慮しにくいため、一律の基準では不公平感が生まれることもあります。


例えば同じ目標を設定しても、部署ごとに環境やリソースに違いがあるため、ある部署では達成が容易であっても別の部署では難しい場合もあるでしょう。


また、絶対評価は各段階の人数に制限がないため、高評価の社員が増えすぎる場合もあります。ベースアップやインセンティブの対象者が増加することで、一気に人件費が高くなるケースもあるでしょう。


相対評価のメリット・デメリット

相対評価のメリットには「評価格差をつけやすい」、デメリットには「評価理由の説明が難しい」などがあります。必要に応じて絶対評価と相対評価を組み合わせるなど、柔軟な評価体制を構築することが重要です。


相対評価のメリット

相対評価のメリットは、主に以下の2つです。


  • 評価格差をつけやすい
  • 人件費をコントロールできる


相対評価は、各社員の評価が他の社員の評価によって左右されるため、必然的に評価格差がつきやすくなります。格差があるとさらに上の評価を目指そうと社員間で切磋琢磨しやすく、チームの成長を促しやすくなります


さらに、絶対評価のように目標達成した社員全員が給与アップやインセンティブ対象となることがないため、人件費もコントロールしやすいです。


相対評価のデメリット

相対評価のデメリットは、主に下記の2つです。


  • チームワークが阻害されやすい
  • 評価理由の説明が難しい


相対評価のデメリットとして、チームワークが阻害されやすい点があげられます。他の社員の評価で自分の評価が決まるため「周りの評価を下げて自分の評価を上げよう」と考える社員が出てくる可能性もあるでしょう。


また、相対評価は個人の目標達成度合いや成果が、そのまま評価に反映されるわけではありません。そのため、評価理由の説明に合理性を欠く場合もあります。社員が自分の成長や努力を正当に評価されていないと感じれば、モチベーションが下がり業務のパフォーマンスに悪影響がでる可能性もあるでしょう。


まとめ

人事評価における5段階評価は、それぞれ「非常に優れている」「改善が必要」といった表現での評価付けが一般的です。また、各段階における人数配分にも2種類あるため、それぞれのメリットやデメリットを理解した上で、どちらを採用するかを決めましょう。さらに、社員の評価を絶対評価で決めるのか、相対評価で決めるのかも定める必要があります


人事評価には様々な方法があり、方法の検討から導入までは時間もかかります。データに基づいた科学的な人材マネジメントが可能なタレントパレットなら、運用中の評価シートを元に、5段階での評価設計の作成支援など、あらゆる人事評価体制を簡単に構築できます。


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