失敗しないため組織マネジメント|7つのフレームワークと必須スキル5選を徹底解説


失敗しないため組織マネジメント|7つのフレームワークと必須スキル5選を徹底解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


「組織マネジメントをスムーズに行うにはどうしたらいい?」

「経営学の本を読んだけれども、あまり理解できていない」

「組織マネジメントをサポートしてくれるツールがあればいいのに」

という方は多いのではないでしょうか?


組織マネジメントについて、さまざまな書籍がでていますが、ただ勉強すればそれで終わりというわけではありません。組織マネジメントは、全体を見ずに一部だけで考えてもうまくいかないことが多いです。視点が偏らずに戦略的な組織マネジメントを行うためには、フレームワークをうまく活用することが有効です。


そこで本記事では


  • 組織マネジメントとは何か
  • 4つの経営資源
  • フレームワーク7Sとは
  • 組織マネジメントに求められる5つの能力


について解説します。


「適切な組織マネジメントを行い、チームの皆で組織目標を達成したい」という方のお悩みを解決できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。


組織マネジメントとは企業の業績を上げるために経営資源をうまく活用すること

組織マネジメントとは、経営資源を活用しながら企業の組織活動において安定的な業績が得られるよう運営・管理することです。組織マネジメントによって、経営資源を最大限に活かし企業の目標達成の実現を目指します。


また、将来にわたって企業の存続を維持し続け、競争における優位を確立することも大きな目的です。組織マネジメントでは、業務の遂行を効率的かつスムーズに行うことが求められます。


企業にとって重要な4つの経営資源

企業にとって重要な経営資源には以下の4つがあります。


  • ヒト
  • モノ
  • カネ
  • 情報


どの要素も企業運営を行う上では欠かせないものです。一つひとつの要素について詳しく見ていきましょう。


ヒト

経営資源の中で一番重要なのが、ヒトであると言えるでしょう。他の経営資源と大きく違うのは、ヒトには感情や欲求があり、それによって自由に行動や発想を行えることです。


モノ・カネ・情報は、ヒトがいて初めてうまく活用できるものであり、企業活動にとって何が重要であるかを考え、行動に移すのもヒトです。そのため、ヒトが以下に活躍しやすい環境を整えるかが企業にとって優先度の高い課題であると言えます。


モノ

モノは企業が生み出す製品や、開発や製造の過程で用いられた機械、オフィスの設備やツールなどの物理的な資源のことを指します。


モノを所有することで、ランニングコストもかかるので、いかにモノを無駄なく活用し、企業の利益最大化を目指すかが課題と言えるでしょう。


カネ

企業は営利を追求するため「利益を得る」という目的がありますが、企業活動において物品を購入したり、人を雇ったりするのにも費用がかかります。


利益追求という目的だけでなく、その過程で必要な手段としての役割を持つのがカネです。カネには現金以外にも、以下のものが含まれます。


  • 株式
  • 債券
  • 借入金など


資金を蓄えて企業体力を高めることも、企業運営のために大切です。


情報

情報は以下のように企業にとって無形の財産を指します。


  • ノウハウ・技術
  • 顧客データ
  • 特許
  • 著作権
  • コミュニティ
  • 統計データなど


従来、経営資源は「ヒト・モノ・カネ」の3つでしたが、情報技術の発展により情報も加わりました。情報をいかに効率良く活用し、業務効率を図るかが企業の抱えている大きな課題です。有形資産同様に、無形資産である情報も売買できるため、ほかの経営資源と絡めて活用することが求められます。


組織の課題を浮き彫にする「7S」フレームワーク

企業の組織を分析し課題を洗い出す際には、7つの異なる要素に分けると、バランス良く組織を捉えられます。この7つの要素が「7S」フレームワーク(枠組み)です。


それぞれの企業ごとに、このフレームワークに当てはめ最適な事業戦略を立てていきます。7Sはハード面の3つの経営資源と、ソフト面の4つの経営資源に分けられます。


ハード面の3S

  • 戦略(Strategy)
  • 組織構造(Structure)
  • システム(System)


ソフト面の4S

  • 人材(Staff)
  • スタイル(Style)
  • スキル(Skills)
  • 共通の価値観(Shared Value)


7Sから、組織が望んでいる状態と現状とのギャップを診断し、課題を浮き彫りにできるのです。


ハード面の3S

7Sのうち、ハードの3Sについて解説します。ハード面については、施策を行いやすく短い期間で改善が期待できるのが特徴です。


戦略(Strategy)

戦略とは、事業において競合他社より優位に立つための方向性を決定することです。また、事業を行う上での課題を解決する方法を考えることも戦略の1つです。


戦略には以下の階層があります。


  1. 企業戦略
  2. 事業戦略
  3. 機能戦略


戦略を立てるときに最初に考えるのは、企業全体の方向性です。次に企業戦略を達成できるように、事業戦略でどの商品やサービスを展開するかを決めます。さらに、機能戦略では営業や研究開発といったような機能別に、より具体的な戦略を立てていきます。


組織構造(Structure)

組織構造とは、高いパフォーマンスを維持し、成果を生み出すための組織形態のことです。例えば、以下のようなものが該当します。


  • 組織における上下関係
  • 階層
  • 一緒に働く人
  • 責任の所在など


組織構造は、大きく以下のような組織に分けられます。


  • チーム組織
  • 事業部制組織
  • 機能別組織


上から順に、プロジェクトごとのチームで動く場合、事業部ごとに決定権がある場合、仕事の種類によって分けられる場合です。


システム(System)

システムは、社員のパフォーマンスを最大化するための制度や仕組みのことです。戦略や組織構造が出来上がっていても、その元で動くための制度がなければうまく機能しません。


組織として動くためには、経験の有無に関係なく誰でも一定のレベルで仕事を遂行できるルール作りが大切です。業務におけるマニュアルやリストなども、組織ルールとしてシステムの役割を持っています。システムには以下のものがあります。


  • 人事評価制度
  • 目標管理制度
  • 会計システム
  • 業務管理システム
  • 業務マニュアル
  • 給与体系


社内のシステムが整っていて初めて、社員は組織として動けるようになるのです。


ソフト面の4S

7Sのうちソフトの4Sについて解説します。ソフト面は、個々の社員の能力や価値観とリンクしているため、ハード面と異なり改善には時間がかかるのが特徴です。


人材(Staff)

7Sで検討する「人材」とは、社員そのものだけでなく、社員一人ひとりの仕事へのモチベーションをはかったり、人材育成の状況を分析したりすることも指します


また以下の活動も、人材で考えるべき範囲です。


  • 採用
  • 人材開発
  • リーダーシップ論など


社員の実績、経歴などの表面的な部分だけでなく、仕事の適性や意欲といった本質的部分まで確認することが求められます。


スタイル(Style)

スタイルは、社内の働き方、職場環境、社風、経営方針などを指します。これらは社員の仕事に対するモチベーションと密接な関係があります。たとえ優秀な人材がいても、スタイルによって社員のモチベーションが下がると、パフォーマンスが下がってしまい、企業の目標達成から遠のいてしまうのです。


社員一人ひとりの持つ力を最大化できるよう、戦略にあったスタイルをとることが大切です。社風が合わないと、早期に離職してしまう人も出てくるかもしれません。社風次第では、企業の離職率にも影響を及ぼす可能性があります。


離職率について詳しく知りたい方は、別記事「離職率が低い会社」をあわせてご確認ください。


スキル(Skills)

スキルは、組織や個々人の能力のことを指し、競合他社に比べて秀でている部分のことです。スキルの具体例には以下のものがあります。


  • マーケティング力
  • 技術力
  • 営業力
  • 販売力


市場において他社を圧倒するためには、戦略に合ったスキルの向上だけでなく、自社のスキルを分析し、足りない部分を補うために何ができるか検討することも大切です。


共通の価値観(Shared Value)

共通の価値観は、事業運営の土台となる部分で以下のものがあります。


  • 企業理念
  • 行動指針
  • ビジョンなど


共通の価値観は、7Sの中でも特に重要な要素ですが、組織全体に浸透させるのには時間を要します。組織内の既存の価値観を変えることは、容易ではありません。じっくりと時間をかけて価値観を社員皆で共有することで、目標達成のための方向性を揃えられます。


組織マネジメントに求められる能力5選

ここでは、組織マネジメントに求められる能力について解説します。


  • コミュニケーション能力
  • 計画遂行力
  • マネジメント能力
  • リーダーシップ
  • 問題解決力


これらの能力の違いを理解するために、一つひとつ詳しく見ていきましょう。


コミュニケーション能力

組織マネジメントを行う上で、日頃からのコミュニケーションが大切です。部下と密なコミュニケーションをとって仕事に対するモチベーションを上げることは、チームの仕事をうまく回すためには欠かせません。


日頃からのコミュニケーションによって部下の社員たち一人ひとりの理解が深まると、彼らが高いパフォーマンスを発揮するためには何が必要か、おのずと分かるものです。


また、管理職は部下とのコミュニケーションだけでなく、経営者側の意志もしっかりと汲み取ることが大切です。組織の上から下まで、幅広い層のコミュニケーションの橋渡し的役割が管理職には求められます。


管理職が潤滑油としての役割を果たすことで、業務がスムーズに進むようになるでしょう。


計画遂行力

計画遂行力は、業務に要する時間や工数をしっかりと把握しながら、着実に目標達成を成し遂げる能力のことです。ときには計画が思い通りに行かないこともありますが、状況に応じて人材配置を見直したり、クライアントと打ち合わせをしたりして調整を行う役割も担っています。


リーダーシップのように人を動かす力も必要になるため、部下の苦労を労うなどして、モチベーションの維持・向上を図ることが大切です。


マネジメント能力

マネジメント力は、役職者が組織の目標達成のため、スムーズな業務運営ができるよう資源や資産などを管理する能力です。経営資源であるヒト、モノ、カネ、情報を適切に管理することで、社員一人ひとりに成果をあげさせて、企業全体の目標達成に導きます。


企業においては、例えば部長職などチーム全体を管理する立場になると、マネジメント力とリーダーシップの両方を兼ね備える必要があります。


リーダーシップ

リーダーシップは、役職の有無に関係なく組織全体の目標達成のために、ビジョンを示しながら他のメンバーを引っ張っていく能力です。チームのメンバー全員が同じベクトルを向くよう、自分が先頭に立ちます。


また、チームメンバーにとって働きやすい環境を整えたり、モチベーションアップを図ったりといった役割も担います。


問題解決力

組織運営を行うにあたっては、さまざまな問題に直面するため問題解決力が求められます。特に大きな問題は管理職一人の力では解決できないため、周りの人と話し合い解決策の決定と合意(コンセンサス)を得るスキルが求められます。問題解決のプロセスは以下の通りです。


  1. 現状と理想の状態とのギャップを認識する
  2. 現状の状態を分析する
  3. 問題解決のための課題を見つける
  4. 優先すべき重要課題に順番をつける
  5. 計画を実行する
  6. 結果を振り返り皆で共有する


このプロセスを経る中では、論理的思考(ロジカルシンキング)も求められます。


人事業務の効率化、データ活用をするならタレントマネジメントシステムの導入が必須


人事業務をDX化することで、社員データの一元化・人材検索・人事評価・配置検討などの幅広い業務を効率化できるようになります。また、人材育成・最適配置・社員パフォーマンスの最大化など、組織力向上を目的とした一歩先のタレントマネジメントまで実現が可能です。

また、タレントマネジメントシステムを導入すれば、社員データを集約し人事評価のペーパーレス化や異動シミュレーション、ハイパフォーマー分析など、高度な施策が実施できます。タレントマネジメントを取り入れて、自社のリソースを最大限に活用しましょう。

自社組織の特徴や課題を知って組織目標を達成しよう

組織マネジメントによって、ヒト・モノ・カネ・情報の4つの経営資源を上手に活用するためには「7S」フレームワークに当てはめて事業戦略を推し進めることが重要です。


その際には組織の課題を認識し、改善すべき点を見出す必要があります。そのためのツールとしておすすめなのが、タレントパレットのサービスです。


タレントパレットのサービスを利用することで以下のメリットがあります。


  • 組織診断(TPOD)によって組織の特徴・課題の洗い出しや改善策を提示してくれる
  • 組織マネジメントをサポートし、定期的なTPODの実施によって改善度合いが一目で分かる
  • 社内の組織ごとで比較を行い、優秀な部署の要因分析が可能


組織目標達成のためにぜひタレントパレットのサービスのご活用をご検討ください。


タレントパレットのHPはこちら