こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
業務やプロセスを効率よく進め、目標達成を図る手法はオペレーションマネジメントと呼ばれています。オペレーションマネジメントを行った場合、資源の有効活用や従業員のモチベーション向上、生産性の向上など様々な効果が期待できるのです。
しかし、企業にオペレーションマネジメントの概念や実施方法を理解していないというケースも想定されるでしょう。
本記事では、オペレーションマネジメントの重要性や実行する場合の注意点を分かりやすく解説します。
オペレーションマネジメントとは何か
オペレーションとは、業務やプロセスの目標を達成できるようにサポートする仕組みや手順のことです。マネジメントとは「管理」などを意味する言葉を指します。
その2つを組み合わせたオペレーションマネジメントは、「オペレーションが上手くいくようにスムーズに管理する手法」です。オペレーションマネジメントを行った場合業務プロセスが改善され、スムーズに回るようになるためパフォーマンスの向上につながります。
オペレーションマネジメントは一度構築したらそれで終わりではありません。何度もPDCAを繰り返し、改善することで生産性や業務効率の向上などが期待できます。オペレーションマネジメントの役割は多岐にわたります。ここでは、代表的なものについて見ていきましょう。
役割
オペレーションマネジメントの役割の1つは、業務内のボトルネックやムリ・ムダ・ムラを見つけることです。こういった課題を解決できれば、生産性の向上や業務の効率化につながります。
また、企業には「ヒト・モノ・カネ・情報」という4つの資源（リソース）があり、最大限に活用することを考えなければなりません。そのうえで、オペレーションマネジメントを上手く実行できれば、リソースを最適に分配することが可能となります。
たとえば、人的リソースの分配が最適化された場合、従業員は働きやすい環境下で効率的に業務をこなせるようになります。快適な労働環境で働くことで、従業員のモチベーション向上が期待できるでしょう。
従業員の労働環境を快適にしモチベーション向上につなげられる点もオペレーションマネジメントの特徴です。
重要性
オペレーションマネジメントは企業にとって重要性の高いものだと認識されています。
デジタル技術が急速に進化したことから、多くの企業がオペレーションシステムを導入しオペレーションマネジメントを行うことが可能になりました。また、ITツールを活用したオペレーションシステムを導入すれば、業務効率を大幅に改善できます。
オペレーションマネジメントを導入した場合は業務フローの最適化を図れるため、製品やサービスの質が大幅に向上します。企業としての優位性を獲得するには、オペレーションマネジメントの導入が欠かせません。
限られた経営資源を最大限に活用するためにも、オペレーションマネジメントの導入が欠かせません。何度もPDCAを重ねれば、継続的に業務の効率化を図ることも可能です。
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オペレーションマネジメントには7つの機能がある
ここでは、オペレーションマネジメントの7つの機能についてみていきましょう。業務計画やサプライチェーンまで役立てられるため、自社の課題に合わせて取り入れることが大切です。
①業務計画を立てる
オペレーションマネジメントの基礎機能として、業務計画を立てることができます。
たとえば、在庫やリソースを管理し、製品の生産やサービス運営状況などのモニタリングを行うことが可能です。リソースの分配を最適化するためには、従業員の心身の状態なども把握したうえで、スケジュールや作業フローの計画を立てなければなりません。
こういった場合に、オペレーションマネジメントを活用すれば、綿密な業務計画を立てることが可能です。
②財務業務
財務業務にもオペレーションマネジメントが必要です。企業の目的は、利益の向上や業務の拡大といえるでしょう。そのためには、コスト削減と売上向上を意識し、予算配分を行わなければなりません。
目標に合わせた予算を作成し、予算配分やリソースの管理を行うことが求められます。また、投資機会をみつけ、売上向上や業務拡大につなげる必要があるでしょう。
③製品デザインにおける情報収集を行う
オペレーションマネジメントは製品デザインについても一定の役割を果たします。
市場調査を行い、顧客のニーズや市場動向を把握し、分かりやすくまとめることも可能です。そして、まとめた情報を製品デザイナーに提供することが主な役割となります。あわせて、デザイナーの製品開発のサポートを行うこともできます。
④品質管理を行う
生産された製品が品質基準に適合しているかをチェックできることもオペレーションマネジメントに求められる機能です。
製品が一定の品質基準を満たしていないものを販売すると、消費者からの信頼を損なうことにもつながります。そのため、リスク分析・品質基準の設定・品質テストの実施・製品の不具合を記録などして、品質管理を行わなければなりません。
また、品質管理を行う場合、市場や他社調査で品質を定義し、基準を作る必要もあります。
⑤予測を立てる
市場調査を行い、製品の需要を予測する機能も活用可能です。需要の見込みに合わせて、生産量、マーケティング活動、営業計画、調達コストの見積りなどを立てていくため、予測を立てることは大変重要な役割の1つです。
製品の需要以外にも原材料の変動などの予測も行います。
⑥戦略を立てる
オペレーションマネジメントでは、業務計画・財務・市場予測などを行う中で様々な情報を収集しなければなりません。この膨大な情報を元に、戦略の策定を行いましょう。
企業の目標を達成するためにどのような戦略を立てればいいのか検討し、実際に戦略を組み立てていきます。戦略に基づいて企業のリソースを管理し、成果の最大化を実現するため、「戦略の策定」は大切な機能の1つといえるでしょう。
⑦サプライチェーンマネジメント
社内に生産システムがある場合は流れを滞らせないためにもサプライチェーンマネジメントも必須になります。一般的なサプライチェーンの流れは次の通りです。
- 原材料
- 仕入
- 生産
- 流通
- 卸売
- 小売
- 消費者
卸売や小売を通さず、直接消費者に商品を提供するD2Cを採用している企業もあるでしょう。消費者の需要を分析し、原材料の調達量を検討し直せる点もオペレーションマネジメントに求められる機能の1つといえます。
手順
オペレーションマネジメントの具体的な実践方法は、業種や業界によって異なります。そのうえで、「PDCA」を意識して運用することが大切です。PDCAは次の4つの頭文字を取った言葉で、継続的な業務改善を求める時に活用します。
- Plan（計画）
- Do（実行）
- Check（評価
- Action（改善）
それぞれについて見ていきましょう。
1.Plan（計画）
目的を確認し、達成に必要な計画を立てることを意味します。最終的な目標だけでなく、「作業工数」「品質」「予算」「スケジュール」など、日々の業務管理のための細かい目標に沿った計画も立てていきましょう。
形が目に見える製品の品質、目に見えない「サービス」に対する品質(顧客満足度)についても管理が必要です。その場合、「QCD（品質・費用・納期）」の観点に沿って考えると良いでしょう。
計画を立てる際は可能な限り具体的なアクションを決めておくと運用しやすくなります。「誰が・何を・どのように・いつまで」こなせばいいのか、分かるような計画を立てましょう。
2.Do（実行）
計画に基づいて実行する段階です。オペレーションマネジメントにおいては「実行」が最も重要なステップといえます。
計画通りに業務が進行しない場合は、迅速に対処しましょう。必要に応じてデジタルツールを導入すれば、大幅な業務効率化が期待できます。
3.Check（評価）
計画を実行した結果を評価します。目標は達成できたのか、未達だったのか、その原因は何なのかといった客観的に分析を行いましょう。
評価が主観的となってしまうことを防ぐためには、数値などで日々客観的な記録を残すことが有効な対策といえます。また、目標が未達だった場合に個人の責任を問わず、
仕組みに問題があることを前提に、計画を練り直すことでより精度の高い仕組みを構築しましょう。
4.Aciton（改善）
評価を元に、当初の計画を改善します。この場合も、できるだけ具体的な計画が必要です。業務フローや作業手順に手を加えるケースもあるでしょう。
業務フローや作業手順を変更した場合、現場に定着するまでに時間がかかります。また、運用のフォローをしなければ、「計画」に問題があったのか「フローが現場に定着していない」だけなのか、適切に判断することはできません。
最終的な目標が達成できるまで、PDCAサイクルを繰り返す必要があります。ただし、環境や社会的情勢などが変化すれば、求められるオペレーションマネジメントにも変化が生じるでしょう。そのため、定期的にPDCAを見直すことが重要です。
オペレーションマネジメントを実行する場合の注意点
ここでは、実行する際の注意点について解説します。とくに、どのような目的で何を解決したいのかを明確にしましょう。
方向性の明確化
オペレーションマネジメントを実行する際、企業の方向性や価値観の影響を受けます。自社の風土になじんでいないオペレーションマネジメントを取り入れた場合、運用に支障をきたすことケースも多いでしょう。企業全体の行動指針を明確にし、どのように取り組むのかまで明確化することが大切です。
従業員の特性、人的ミスの把握
オペレーションマネジメントが適切に運用できなかったとしても「現場の従業員」に責任を押し付けてはなりません。そうなってしまわないためにも、従業員の特性を把握した上で、適切な業務を振り分けることが大切です。
また、人に頼っている限り、人的ミスを完全に防ぐことはできないといえるでしょう。そのため、ミスが発生することを前提に、マネジメントの設計や対策を行う必要があります。
ツールの導入
オペレーションマネジメントを実施する際は、チームメンバーの業務の進捗状況を細かく確認しなければなりません。情報共有やコミュニケーションもアナログでの管理では、限界があります。
必要に応じて、タスク管理や情報収集が簡単にできるツールなど、ITツールの導入を検討してみましょう。
まとめ
業務をスムーズに進めるための仕組みを管理することを、オペレーションマネジメントといいます。仮に、上手く構築できた場合は、業務の効率化や売上向上、従業員のモチベーションアップなど様々な効果が期待できるでしょう。
しかし、オペレーションマネジメントは一度構築しただけではベストな状況は作れません。PDCAサイクルで進めていくことが大切です。何度も見直し、改善することで、業務全体の効率化が進むでしょう。
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