こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「部下が日報に書くことがなくて悩んでいるが、原因と解決方法がわからない」「どのようにしたら日報を書くモチベーションを高められるのか」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
すべての社員が、質の高い日報を提出してくれるとは限りません。日報に書くことがなくて悩んだ結果、内容が薄くなってしまっているケースもあるでしょう。ただの感想文になる場合もあるため、必須項目や書き方を社員に伝えることが重要です。
そこで本記事では、社員が「日報に書くことがない」と悩む原因や対処法を解説します。業務改善に活かせる日報を作成してもらいたいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
日報に書くことがないと悩む3つ原因
社員が日報に書くことがないと悩む原因として、主に以下の3つが考えられます。
- 日報を活用する目的を理解していない
- 1日の終わりに着手する
- 考える習慣が身についていない
適切に対策できるように、まずは原因を把握しましょう。
日報の目的を理解していない
目的を理解していなければ、日報にどのようなことを書くべきかわからないでしょう。日報を書く目的として、以下の項目が挙げられます。
- 自己成長の促進
- 業務の可視化
- コミュニケーションの推進
目的が明確であれば、達成に関わる内容を日報に書けるようになります。例えば、自己成長の推進が目的なら、目標の達成度や改善点を記載すれば良いとわかるでしょう。社員に日報を書いてもらう目的を事前に共有することが重要です。
ただし目的を伝えても、社員が日報に何を書くべきか考えられないケースもあるので、必要に応じてサポートしましょう。日報を書かない人の心理やモチベーションを上げる方法について詳しく知りたい方は、別記事「日報書かない人」をあわせてお読みください。
1日の終わりに着手する
日報は、1日の終わりに振り返りながら書くことが多いのではないでしょうか。1日の終わりに書こうとすると、勤務中に反省したことなどを忘れてしまっている可能性があります。断片的にしか思い出せず、詳細な情報を日報に書けなくなってしまいます。
日報の内容を充実させるには、業務中の隙間時間に取り組ませるのがおすすめです。業務中に考えたことをすぐメモに取れば、確認しながら日報を作成できます。また、メモを見返すと冷静に考察でき、的外れな考えだったと気づくこともあるしょう。
日報ツールを使えば、外出先でも書き込めるので、内容を忘れて困るといった事態を防げます。タレントパレットの「1on1」機能を使えば、目標や業務の進捗をスマートフォンで入力できます。日報作成時に確認すれば、社員は迷わずに書けるでしょう。社員のコメントに返信できるので、コミュニケーションの活性化にも役立ちます。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
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考える習慣が身についていない
日報に書くことがないと悩むのは、考える習慣が身についていないからかもしれません。考える習慣があれば、良かった点や改善点など見つけやすくなります。普段の生活や業務の中で、あらゆる事象の要因を考えられるように、以下のような思考の訓練を実施するのがおすすめです。
- 商品がなぜ売れていないのかを考える
- 業務上の成功や失敗の原因を考える
- 特定の業務を好きあるいは嫌いと感じる理由を言語化する
さまざまな物事に対して、一歩踏み込んで「なぜなのか」と考えさせる訓練を行うと、社員は良い点や改善点を見つけやすくなるでしょう。
日報に必須の6項目
日報に書くことがないと悩む社員は、何をどう書くべきかわかっていない可能性があります。社員に、日報に必須の項目である以下の6つを伝えましょう。
- 目標
- 業務内容
- 成果
- 所感
- 改善点・課題
- 明日の目標・業務予定
具体的で意味のある日報を作成してもらいたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目標
意味のある日報を書くには、目標設定が大切です。日報をチェックする際に、社員がどのような目標を立てて業務に当たっているか把握できます。目標があると、1日の業務をどのように遂行するか考えられます。達成を目指して行動することで、到達度や改善点も把握できるでしょう。
前日の反省や改善点を活かした目標設定を行い、PDCAサイクルを回すと、社員の成長を促せます。日報を書くことに慣れるまでは、1日の業務が始まる前に、社員が目標設定をできているか確認しておきましょう。
業務内容
1日どのような動きをしたのか、業務内容を報告してもらいましょう。例えば、以下のような内容があります。
- 資料作成
- 営業訪問
- クライアントとの商談
- 会議参加
- 事務処理
5W2Hを使うと、具体的な内容の日報が作成可能です。5W2Hとは、以下の項目を指します。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
- How many/How much(いくらで)
詳細に書かれていると、進捗状況や業務量を確認できます。他の業務を割り振ったり、サポートをしたりできるでしょう。
成果
成果として、1日の目標をどれだけ達成できたのか報告させましょう。毎日同じ業務に従事していると、同じ報告になり形骸化してしまう可能性があります。ただし、実際には毎日全く同じ業務を行っている訳ではないでしょう。また、社員のモチベーションやコンディションも変動するため、目標の達成度が変動するのが一般的です。
日々の目標をどれだけ達成できたのか把握できれば、チーム全体での動きを調整可能です。一部の業務が遅れると他の社員に影響を及ぼすこともあるため、日報に記載されている成果をしっかり確認しましょう。
所感
所感として、良かった点や気づいたことなど、業務中に感じたさまざまなことを記載してもらいます。他にも業務の中で、部下が頑張ったと思う事柄を報告してもらうこともおすすめです。良かったことや頑張ったことを書くと、自己肯定感や仕事に対するモチベーションの向上を期待できます。
取り組みや工夫に対して褒めると、承認欲求が満たされ、社員は「また頑張ろう」と思うでしょう。ただし「商談を頑張りました」など、ただの感想になっていないか注意する必要があります。成果につながった行動など、工夫した点も書いてもらうことで、内容の濃い日報になります。
改善点・課題
普段の業務の中で、社員が学んだことや改善すべきと感じたことを挙げてもらいましょう。知識不足や能力不足による失敗だとしても、正直に記載してもらうことが重要です。
失敗や学んだことを踏まえて、翌日の目標や改善策を考えさせると社員の成長につながります。社員の行動や考えに対して不満や怒りを感じることがあるかもしれませんが、批判したり怒ったりしないようにします。
何か伝えたいことがあるなら、他の社員に見えない場所で直接伝えるか、チャットツールのメッセージを活用しましょう。どうするべきか経験を踏まえてアドバイスしたり、サポートしたりすると社員の成長や信頼関係の構築につながります。
明日の目標・業務予定
1日の業務を振り返り、明日の目標や業務予定を考えてもらいましょう。振り返りや目標設定は、PDCAサイクルを回すのに必須です。日報を通して、社員が自然とPDCAサイクルを回せるようになります。
また、翌日の目標や予定を決めておくと、仕事のイメージや事前準備ができます。翌日の業務のシミュレーションができ、スムーズに進めることが可能です。
日報に書くことがないと悩む社員に伝えたい3項目
ここでは、社員に質の高い日報を効率的に書いてもらうための3つのコツを紹介します。
- PDCAを意識させる
- 5W2Hで記載させる
- 箇条書きを活用させる
1日の業務が忙しくて、日報を書く時間が取れない社員もいるでしょう。効率を高めれば、忙しい社員でも質の高い日報を作成できます。社員の成長を促すためにも、日報作成の効率の高め方を把握しておきましょう。
PDCAを意識させる
PDCAを意識させると、部下の成長を促せます。PDCAとは、以下の頭文字をとったものです。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Action(改善)
「目標達成のためにどう行動するべきか」と考えたり、前日の反省を活かしたりできるため、社員の成長を促せます。定期的に、過去の日報を確認させるのも重要です。過去を振り返ることで、自身の成長を実感できます。よりレベルの高い目標設定にも役立つので、振り返りの時間を設けるのもおすすめです。
5W2Hを記載する
5W2Hのフレームワークを用いると、日報の内容が具体的になり、情報の抜け漏れがなくなります。5W2Hとは、以下の項目を指します。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
- How many/How much(いくらで)
5W2Hを使うと、日報に詳細な業務内容を記載できます。例文は、以下の通りです。
◯月◯日 日報 名前: 部署名: 本日9時(When)担当クライアントのA社(Where)で A社の担当者B様は(Who)、今月A社工場で作成した商品◯個(How many)を 先方の予算は1ヶ月あたり◯万円(How much)で依頼したいとのこと。 会社に持ち帰り、現在倉庫担当チーム内で検討中。 |
社員が日報を書くことがないと悩むなら、5W2Hを活用してみてください。5W2Hを記載すると、具体的な内容の日報が書けます。
箇条書きを活用させる
日報の内容をわかりやすくするため、箇条書きを使わせても良いでしょう。例えば以下のように必要なことだけ箇条書きで書くと、日報がシンプルで読みやすくなります。
【目標】 ・新規営業10件 ・成約3件 【業務内容】 ・9時:メールチェック ・10時:担当案件の資料作成 ・13時:社内会議参加 ・14時:新規営業 ・17時:メール・電話対応 【成果】 ・新規営業6件 ・成約1件 【所感】 ・クライアントからクレームのため午後は時間がとれなかった ・営業時質問されたことに即答できず成約に結びつかなかった 【改善点・課題】 ・クレーム対応の方法を学習する ・再度商品内容に関して復習し営業に臨む 【明日の目標・業務予定】 ・新規営業8件 ・クライアントとA社で9時に商談 |
業務内容を書く際は、いつ行ったかも記載してもらうと、所要時間を把握できます。あれこれと必要以上に書いてしまうと、内容がわかりにくくなります。箇条書きで記載してもらい、概要を把握できるようにしましょう。
日報を書く意欲を高める3つの対策
社員に「また日報を書きたい」と思ってもらえるように、以下の3つの対策を取りましょう。
- フィードバックする
- サポートする
- 信頼関係を構築する
一度日報を正しく書けたからと言って、毎日続けてくれるとは限りません。継続的に質の高い日報を書いてもらうために、対策を把握しておきましょう。
フィードバックする
日報のフィードバックを行い、真面目に読んでいることを伝えましょう。日報を毎日真剣に読んだところで、反応をしていなければ読んでいるのか社員はわかりません。
反応がないなら適当に書いても同じだと、まじめに書かなくなってしまう可能性があります。日報を読んだら、前向きに評価して感謝の言葉を伝えると、仕事や日報に対するモチベーションが湧くでしょう。
日報共有システムを使っているなら、社員が更新したらできるだけ早く反応するのがおすすめです。迅速にフィードバックすると、翌日の業務に活かしてもらえます。しっかり読んでいる姿勢を見せれば、社員は質の良い報告をしようと心がけるようになるでしょう。
サポートする
社員が日報を書いてくれたら、状況に応じてサポートすることが必要です。適切なサポートをすると、社員からの信頼度が増して良い関係を築けます。
仕事のためでも、批判的な見方をするのは避けましょう。日報を確認する立場の方は、社員が業務に活かせるようなアドバイスを行うことが重要です。状況に応じて適切にサポートできると、部下の成長につながります。業務の改善にも役立ち、社員は継続的に質の高い日報を書いてくれるでしょう。
信頼関係を構築する
部下との信頼関係を築けていないと、日報を出してもらえない可能性があります。日報を書くように迫っても、応じてもらえないことも。信頼関係はすぐに築けるものではないため、普段の業務を通じて改善する必要があります。例えば、以下のようにして信頼関係を構築していくと良いでしょう。
- 社員の話や意見を最後まで聞く
- 否定や批判はせずに努力を認めた上でアドバイスをする
- 業務に関する情報共有を徹底する
- コミュニケーションの機会を増やす
- お互いの関心事項を共有する
話を聞かずに意見を押し付けてしまうと、社員との関係性が悪化します。社員を尊重していることを表すために、最後まで話を聞いたり積極的に声をかけたりして、良い関係を築いていきましょう。
まとめ
社員が目的を把握していなかったり、考える習慣がなかったりすると「日報に書くことがない」と悩んでしまいます。書くことがない原因を把握して対策を講じ、日報を書くサポートを行うことが重要です。日報を活用できると進捗管理だけでなく、社員の成長促進やコミュニケーションの活性化も図れます。
タレントパレットには「1on1機能」があり、社員の目標や進捗を把握したり、コミュニケーションが取れたりします。日報に書くことがないと悩んでいる社員をサポートしたい方は、ぜひご検討ください。