こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
新型コロナウイルスの感染拡大は、社会に大きな影響をもたらしました。2023年の5月に「5類感染症」へ移行された現在にあっても、社会の動きがコロナ禍以前に逆戻りするということはなく、変化がそのまま受け入れられていくケースも多いです。
「ニューノーマル」とは、このように新しいスタイルや価値観が常態化していくことを指します。今回はニューノーマル時代の特徴や具体的な変化の内容、ビジネスに置ける影響などをまとめて見ていきましょう。
ニューノーマルの意味とは?
ニューノーマルとは、日本語に訳すと「新しい常態」を意味する言葉です。常態は平常の状態を示し、変化が起こる以前と同じ姿には戻れないという意味も含んでいます。
つまり、ニューノーマルをより詳しく説明すれば、「社会に大きな変革が起こり、それ以前の状態には戻れず、そのまま新しい常識が定着していること」と表現することもできるでしょう。
ニューノーマルの歴史
ニューノーマルという言葉が広く知られるようになったのは、新型コロナウイルスの蔓延による社会の変化がきっかけです。しかし、ニューノーマルという言葉そのものは、それよりも前から使用されていました。
初めてニューノーマルという言葉が使われたのは、2000年代初頭とされています。世界中にインターネットが普及し、サービスとして本格的に導入されていくにあたり、それまでのビジネスモデルや経済の仕組みが通用しなくなるという意味で用いられていました。
また、2009年にはリーマンショックによる深刻な金融危機をきっかけに、第二のニューノーマルが提唱されます。極端な資本主義により、社会全体が大きな痛手を負ったことで、持続可能な社会への変革が急激に進んでいったのです。
このように、ニューノーマルは国際社会に大きな影響を与える出来事をきっかけとして生まれるのが特徴です。
ウィズコロナ時代におけるニューノーマルとは
2020年に感染拡大した新型コロナウイルスによって、現代社会は3度目のニューノーマルを経験したこととなります。ここでは、コロナ禍におけるニューノーマルのポイントについて、改めて整理してみましょう。
マスクの着用義務
コロナ禍における影響は、日常生活のさまざまな側面に変化をもたらしました。そのうちの1つが、マスクの常時着用です。
それまで風邪を引いている人や花粉症の人などが着けるものとされていたマスクは、コロナ禍において誰もが外出時に外すことのできないアイテムへと変化しました。2023年5月に「5類感染症」へと移行したことで、マスクの着用は個人の判断に委ねられるようになったものの、一定の場面では引き続き着用が推奨されています。
不要不急な外出が禁止
感染拡大を阻止する観点から、国内ではたびたび緊急事態宣言が発令され、不要不急な外出が禁止となりました。旅行や行楽、里帰りといった長距離移動はもちろん、飲食店での食事やショッピング、娯楽施設の利用なども大幅に制限され、経済にも大きな影響をもたらしました。
ソーシャルディスタンス
コロナ禍においては、早い段階でソーシャルディスタンスの重要性も提唱されました。これにより、他者との間隔を1m~2m程度空けてできるだけ接触しないことが推奨され、行列や満員電車などの人が密集する場所は避けられるようになりました。
ビジネスや働き方におけるニューノーマル
新型コロナウイルスをきっかけとした3度目のニューノーマルは、ビジネスの分野にも大きな変化をもたらしました。ここでは、5つの代表的な特徴について解説します。
テレワークの普及
ビジネスにおける大きな変化の1つに、テレワークの普及があげられます。テレワークとは、場所を選ばずにどこでも仕事ができる柔軟なワークスタイルのことです。
感染拡大防止の観点から、通勤をせずに業務を行う在宅勤務が推奨され、実際に多くの企業が導入をスタートしました。テレワークには、「通勤の負担軽減」「従業員満足度の向上」「コスト削減」「フレキシブルなシフトの実現」といった働き方改革にも関連するメリットがあったことから、新しい働き方として広く浸透していったのです。
また、在宅勤務の普及にともなって各種オンラインツールの導入も進み、会議も対面型から画面を通じて行えるWeb会議へと進化していきました。
営業や商談のオンライン化が増加
コロナ禍における働き方の変化は、社内だけでなく社外とのやりとりにも影響を及ぼしました。顧客・取引先との接触は、直接相手先へ出向く従来型のスタイルから、オンラインによる非対面型のアプローチへと変化しています。
オンラインによる営業活動には、「交通費や時間を大幅に節約できる」「より多くの企業と効率的に打ち合わせができる」「遠方の相手も気軽に巻き込むことができる」といったさまざまなメリットがあります。また、場所にとらわれず、さまざまなエリアの人材を活用できるといった利点もあることから、新たな営業スタイルとして今後も活用されていくと考えられています。
大きな事務所が不要
従来の企業経営においては、従業員数に応じた広さのオフィスを用意するのが前提条件となっており、事業規模によっては大きな負担となっていました。特に都心部などの好立地のエリアに広いオフィスを構えれば、それだけ大きな固定費が発生し、経営状態を圧迫してしまうケースも少なくありませんでした。
しかし、テレワークの普及によって出社する人数が減ると、広いスペースを用意する必要性はなくなります。オフィスの省スペース化を実現すれば、固定費の大幅な削減につながるため、ニューノーマルの到来とともに事務所移転を行った企業も多く見られました。
非接触サービスの増加
コロナ禍による社会情勢の変化は、商品・サービスの提供方法にも大きな影響をもたらしました。感染リスクのない非接触型のサービスが支持されるようになり、キャッシュレスやオンライン受付など、人との接点を持たずに利用できる仕組みが次々と導入されていったのです。
また、チャットボットを活用した問い合わせ対応などを行うことで、本来であれば窓口での受付が必要であったサービスも、自宅にいながら利用できるケースが増えました。こうした動きにともない、オンラインサービスへの適応は、企業が競争力を失わないためのスタートラインになったといっても過言ではありません。
DXの促進
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術の活用によるダイナミックなビジネスモデルの変革を指す言葉です。DXという言葉そのものは、2004年にスウェーデンのウメオ大学の教授であるエリック・ストルターマン氏によって提唱された概念であり、国内でも以前から重要性が指摘されていました。
ニューノーマルの到来によって、加速度的にDXの重要度が増し、現在では企業が生き残るうえで必要不可欠な存在と考えられるまでになっています。具体的には、「業務フローのデジタル化」や「クラウド、コミュニケーションツールの活用」「アプリやAIを使った新たな顧客体験の提供」「顧客対応の自動化」などの幅広いテーマが課題とされています。
ニューノーマルな働き方管理だけで終わらない、あらゆる人事データを統合して分析
ニューノーマルな働き方を実現するうえで、企業にはより高度な管理システムが求められるようになっています。快適な労務環境を整えるうえでは、きめ細やかな人事データの管理と統合が重要なテーマとなっているのです。
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【リスク】ニューノーマル時代でこれだけは注意!
ニューノーマルの時代でビジネスを行うには、いくつか注意しなければならないポイントがあります。ここでは、代表的な注意点を2つご紹介します。
セキュリティ対策を万全に!
テレワークやオンラインツールを導入するにあたっては、セキュリティ対策を十分に行う必要があります。作業環境によっては、セキュリティ設備が脆弱な場合もあり、社内の重要な情報が漏洩してしまうリスクが高くなります。
そのため、まずは十分なセキュリティ設備を導入し、リスクを最小限にとどめることが大切です。また、人為的なミスを防ぐためには、従業員を対象とした研修などを行ってITリテラシーを高める必要もあります。
コミュニケーションは忘れずに!
ニューノーマルな働き方は、他者との直接的な関わりが少なくなってしまう側面もあります。非対面型のコミュニケーションでは、細かなニュアンスなどを伝えるのはどうしても難しいことから、場合によってはチームワークや個人のモチベーションの低下をもたらしてしまうケースもあるのです。
そのため、社内でどのようにコミュニケーションを図るべきか、事前に話し合っておくことが大切となります。
ニューノーマルな働き方に求められるスキル(能力)
ニューノーマルの時代においては、従業員に求められるスキルも変化していきます。ここでは、4つの項目に分けて、重要性が高まっているスキルを見ていきましょう。
コミュニケーションスキル
オンラインツールを用いたコミュニケーションが主流になれば、これまで以上に高いコミュニケーションスキルが求められます。特に相手の意思や感情をくみ取ったり、言外の情報を適切に解釈したりする力は、対面型のコミュニケーションを行うとき以上に重要となります。
モチベーション管理
テレワークを行う際には、従業員個人が自分自身でモチベーションを管理できるスキルも必要となります。また、管理職に対しても、部下のモチベーションを丁寧に管理できるマネジメントスキルがより強く求められます。
セキュリティ対策
ニューノーマルな働き方には、オンラインツールの活用が前提となるため、従業員1人ひとりに高いセキュリティスキルが求められます。セキュリティ対策ができなければ、データの流出によって大きな損失を生んでしまうリスクがあるため、必要に応じて丁寧に従業員教育を行うことが大切です。
最新技術の活用スキル
新しいツールや技術を活用することで、業務を大幅に効率化できるのもニューノーマルな働き方の重要なメリットとなります。しかし、実際に組織として使いこなすには、担当者だけでなく周りの従業員も、対象の技術やツールについてある程度は理解しておかなければなりません。
そのため、ニューノーマルの時代では、新しいものを抵抗なく受け入れられる柔軟性も欠かせないスキルとなります。
ニューノーマル時代に活躍するためには
最後に、ニューノーマルな時代で幅広く活躍するために、個人が身につけておくべき考え方と価値観について解説します。
社会の変化はポジティブに
ニューノーマル時代においては、新しい技術やツールが次々と導入されていきます。これまで以上に未知の言葉やシステム、価値観などを見聞きする機会が増えていくため、変化を恐れてしまうか、前向きに受け止められるかで成長の度合いは大きく変わってくるでしょう。
新たな時代で活躍していくためには、従来と異なる環境もポジティブに受け入れ、自分を高めるチャンスとしてとらえることが重要です。
自分の市場価値を上げる
社会情勢が目まぐるしく変わっていくなかでは、企業が求める人材にも大きな変化が生まれていくと考えるのが自然です。業界や業種によっては、これから先に既存のスキルや経験が通用しなくなってしまう場面が訪れたとしても決して不思議ではありません。
それだけに、個人においては自ら自分の市場価値を高め続けていける向上心も重要なポイントとなります。
考える力を鍛える
自らの市場価値を高めるには、決められた業務や答えを追い求め続けるのではなく、自分で物事を考える力を常に鍛えていくことも重要です。思考力や発想力を鍛えることで、急激な変化に耐えられる柔軟性が身につき、ニューノーマルの時代でも能力を発揮できる人材へと成長していくのです。
まとめ
ニューノーマルの到来は、ビジネスの分野にも大きな影響を与えました。新しい技術や価値観が導入されていくなかで、ときには既存のスキル・経験が役立たなくなり、大幅に戦略を転換しなければならない場面が訪れることもあります。
こうした時代にあっては、急激な環境の変化にも負けない、「強靭でしなやかな組織づくり」が大きな課題になってくるといえるでしょう。その一助となるのが、効率的な人材管理を実現する「タレントマネジメントシステム」です。
タレントマネジメントシステムとは、人材の能力やスキルを最大限に発揮してもらうために、人材データを集約・一元管理して、高度な意思決定を可能にするシステムのことです。各人材のスキルや保有資格、経歴などのデータをもとに、計画的な人材育成や高度な配置戦略を練るために活用できます。
タレントマネジメントシステム『タレントパレット』は、データに基づいた科学的な人事を実現するためのシステムです。あらゆる人事データを蓄積・統合することにより、精度の高い分析を行い、人事や経営課題について根拠のある施策を打ち出せるようになるのが強みです。
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