こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「新人にどうやって日報の書き方を教えたらいいのかわからない」「何日も経っているのに新人が日報の書き方を覚えてくれない」「新人に正しい日報の活用方法を教えるにはどうしたらいい」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
株式会社給与アップ研究所の調査によると「日報提出自体が目的となっており、形骸化している」という課題を抱えている方が全体の56.6%を占めることがわかりました。約40%の方は、日報が業務内容の羅列か活動報告だけになっており、有効活用できていません。企業は、入社してきた新人に日報の書き方だけでなく、活用方法も教える必要があるでしょう。
そこで本記事では、新人が日報を業務に活かせるように教育する方法を解説します。日報の書き方がわからない新人に伝えるべきことがわかる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
新人が日報を書く2つの目的
新人が日報を書く目的は、主に以下の2つです。
- 振り返ることを習慣にさせる
- 上司が業務の進捗を確認する
新人で、日報の目的を知っている方は少ないでしょう。目的を意識できていないと、形だけの日報になってしまい、業務の改善に活かせません。ただの業務報告では日報を書く意味がないため、目的を新人に明確に伝えておきましょう。日報の目的について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
振り返ることを習慣にさせる
日報を書くと、1日を振り返る習慣が身に付きます。ただし、課題や改善点を考察しないと、形だけの日報になってしまいます。新人に日報の書き方を伝える際は、課題を洗い出し、改善策を考える必要性も説明しましょう。
日々の業務を振り返って考える習慣が身に付くと、PDCAサイクルを回せるようになり、翌日以降の行動を改善できます。PDCAとは、以下の4つを指します。
- Plan:計画
- Do:行動
- Check:評価
- Action:改善
新入社員が立てた目標や計画に沿って行動し、達成できるように改善していくことで、成果を生み出せるようになります。優秀なビジネスマンになるためには、振り返りの習慣を身に付けることが重要です。日報を作成する際に1日の業務を振り返ることで、反省・改善できるようになり、成長やスキルアップにつながります。
業務の進捗を確認する
管理職の方は、新人の業務進捗を確認する必要があります。なぜなら、新人を教育する必要があるためです。日報を通して新人の課題を把握すれば、適切にサポートできます。新人の代わりにやって見せたり人員を追加したりと、サポートする方法を考えられます。また、課題解決に役立つアドバイスもできるでしょう。
新人が業務にどれだけ時間がかかっているかを確認して、得意なことや苦手なことの把握も可能です。適切な業務を振り分けたり、量を調整できたりします。新人が失敗して、管理職の方の責任が問われるリスクも軽減できるので、日報で業務進捗を確認することは重要です。日報を書く意味や目的をについて詳しく知りたい方は、別記事「日報意味ない」をあわせてご確認ください。
新人に書き方と一緒に伝えたい日報に必須の5項目
日報に必須の5項目は、以下の通りです。
- 目標
- 業務内容
- 所感
- 改善点・課題
- 翌日の目標・予定
日報に必要な項目を共有すれば、新人が何を書いたら良いか悩みにくくなります。項目ごとの記載事項を解説するので、新人に共有しましょう。
目標
新人の業務改善を図るなら、目標を設定する必要があります。目標がないと、なんとなく業務に当たってしまい、なかなか改善できません。業務を開始する前に目標を把握していると、意識しながら業務を遂行可能です。
日報には、1日の業務で何を達成するのかを明確に書いてもらいましょう。当日の朝に考えると業務の準備によって、目標設定する時間を確保できないことがあります。前日に業務で学んだことや発見した課題を基にして事前に作成しておくと、PDCAサイクルを回しやすくなります。
目標に対する意識を高めるために、日報に記載するだけでなく、朝礼などで発表してもらうこともおすすめです。上司やチームメンバーが目標を確認できるだけでなく、新人も再認識できます。目標があれば1日の行動を評価でき、新たな課題が見つかるでしょう。課題がわかれば改善策を考察でき、翌日の行動につなげられます。
業務内容
管理職の方は、新人が1日にどのような業務に、どれくらいの時間を要したのか把握しましょう。詳細な内容を把握するために、具体的に書いてもらうことが大切です。以下の項目を意識すると、業務内容を具体的に記載できます。
- いつ
- どこで
- 誰と
- 何を
- どれくらい
- どのように
たとえば「9時に〇〇様とA社で商談」「13時に〇〇サービスの導入検討会議に参加」など、具体的かつ簡潔に書いてもらうと、内容を理解しやすくなります。社員は、それぞれの業務が割り当てられているので、常に新人と一緒に行動できるわけではありません。1日にどのような業務にあたったのかを具体的に把握できるように、業務内容は具体的に記載してもらいましょう。
所感
社員の成長を促すには、所感をしっかり書いてもらいましょう。業務を通して感じたことという点が感想と共通ですが、改善方法を考えるという点が異なります。業務中に思ったことを掘り下げないと、所感ではなく感想になってしまうので要注意です。
例えば、14時までに資料を完成させる予定であったのに、完了しなかったとします。「予定通りに資料作成することが難しかった」など、感じたことだけで記載すると、感想に留まります。所感にするには、資料作成が時間内に完了しなかった原因や改善策などが必要です。
しかし、初めは原因や改善策をうまく考えられない方もいるでしょう。まずは、新しく学んだことや経験したことを記載してもらい、日報の内容を改善するためにアドバイスすることがおすすめです。また、意識的に「何が原因か」「どうしたら改善できるか」を質問し、新人に考えてもらいましょう。習慣になれば、一人でも所感を考えられるようになります。
改善点・課題
新人が日々の失敗を活かせるようになるために、改善点や課題を記載させましょう。新人は経験やスキルがまだ乏しいため、失敗することも多いはずです。何度も失敗すると「自分はだめだ」「向いてないかもしれない」などと思い、自分を責めてしまう方もいます。
上司は新人が成長できるように、失敗をどのように活かして改善していくかをサポートしてあげる必要があります。新人が自分で改善点や課題を考え、行動に移せるようになれば、業務品質向上が期待できます。
翌日の目標・予定
退勤前に目標や予定を考えておくと、翌日の業務中に意識できます。目標を設定しておくと、達成のためにすべき行動がわかるので、翌日の業務の生産性が向上するでしょう。
当日では時間がなくて、質の良い目標を立てられない可能性があるため、日報を書くときに考えてもらうのがおすすめです。目標を考えるためには、社員が抱えている課題を洗い出す必要があります。しかし、本人が自覚できていない課題もあるでしょう。社員を教育する立場の方は、新人の課題を見つけ、目標設定をサポートする必要があります。
また、社員の目標が適切か判断し、フィードバックすることも重要です。必要に応じて、より細かく目標を設定したり、数値や方向性を修正したりして、適切に目標設定できるようにサポートをしてみてください。
新人に日報を書かせるときの4つのポイント
新人に日報を書かせるときに、以下の4つのポイントを意識させましょう。
- 箇条書きを活用させる
- 結論から書いてもらう
- 5W2Hを意識させる
- 業務中にメモをとらせる
他の業務もある中で、確認してフィードバックできるように、具体的かつ読みやすい日報を作成してもらう必要があります。日報の書き方を教える際に、ここで紹介するポイントも共有しましょう。
箇条書きを活用させる
箇条書きを使うと、わかりやすく整理できるため、一目で要点を把握できます。反対に、すべて文章で記載されていると、日報の確認に時間がかかるので、箇条書きを使うように促しましょう。特に、業務内容を箇条書きにすると見た目がすっきりします。
また、日報を書く立場の方が頭の中で要点を整理できることもメリットです。いくつかの項目を列挙する際に使えるので、複数の目標や課題を書く際に箇条書きを使うように伝えましょう。
結論から書いてもらう
日報を結論から書いてもらうと、素早く内容を理解できます。最初に理由や業務の進捗を書き、結論が最後になると、要点を把握しにくいです。結論を後回しにすると、主張のポイントがずれて、わかりにくい日報になることがあります。日報で何を報告したいのかわかりにくいと、確認に時間がかかってしまうでしょう。
結論を最初に書いて、次に理由や状況を説明してもらうようにすると、主張が逸れにくいです。新人が日報を書いている途中に、何を主張したいのかわからなくなる心配も軽減できます。日報を確認する負担を軽減するだけでなく、新人が悩まないようにするためにも、結論から書いてもらいましょう。
5W2Hを意識させる
新人が日報を書くときに5W2Hを意識させると、具体性が増してわかりやすくなります。5W2Hとは、以下の項目を意味します。
5W | Who(誰が) |
When(いつ) | |
Where(どこで) | |
What(何を) | |
Why(なぜ) | |
2H | How(どのように) |
How much(いくら) |
5W2Hを利用すれば「17時までに新商品のプレゼン資料を80%作成する」など、具体的なも奥表設定ができます。目標だけでなく、成果や改善策にも活かせます。また、書き手と読み手との認識の齟齬を軽減できることもメリットです。詳しいだけでなく、正確な内容の日報を作成してもらいたいなら、新人に5W2Hを意識させましょう。
業務中にメモをとらせる
業務中、新人にメモを多く取らせ、日報を書くときに活用するように伝えましょう。日報を書くタイミングは、退勤前であるケースが多いです。退勤前に1日の業務や考えたことを思い出そうとしても、忘れている可能性があります。業務中に取ったメモがあれば、出来事を思い出す時間を短縮できるでしょう。
メモは、考えの整理にも使えます。1日の出来事だけでなく、課題に感じたことや改善策になりそうなこともメモしておくと、日報作成を効率化できます。業務上の課題や改善策が充実した日報を作成してもらうために、新人にはメモを取ることを勧めましょう。
新人が日報を書く効率を高める2つの方法
新人の日報作成効率を高める方法として、以下の2つが挙げられます。
- テンプレートを用意する
- システムを導入する
新人が日報作成時に悩まないようにしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
テンプレートを用意する
テンプレートを活用すれば、日報に必要な項目を網羅できます。どのような内容を記載すべきかわかるので、必須項目を共有しなくても日報を作成できるでしょう。悩む時間が減る分、作成時間を短縮できます。
ただし、内容の書き方がわからない新人もいるので、初めは見本を共有しても良いでしょう。見本があれば、どのような書き方が適切か理解できます。テンプレートによって項目の種類や記載欄の大きさが異なるので、自社に合ったものを選びましょう。
システムを導入する
日報管理システムを導入すると、パソコンやスマートフォンで作成し、印刷することなく共有できます。紙で提出するタイプとは異なり、業務の合間に書き進められることがポイントです。書くことを忘れたり、何を記載すべきか迷ったりする時間を短縮できます。日報作成の時間を短縮できる分、他の業務に時間を当てることも可能です。
スマートフォンで利用できるシステムなら、時間や場所を選ばずに日報が書けます。リモートワークをしている社員にも、当日に日報を提出してもらえます。当日に日報を共有してもらえば、素早くフィードバックできるでしょう。フィードバックするタイミングが早まれば、新人の業務における課題の早期解決をサポートできます。
まとめ
新人は日報の書き方がわからず、悩むことがあります。目的や必要な項目を伝えると、質の高い日報を作成できるようになるでしょう。確認する立場の方は、日報を読んで社員の課題を把握し、しっかりフィードバックやサポートしましょう。
テンプレートや日報管理システムを利用すると、日報作成の効率化を実現可能です。また、日報の作成方法でなく、課題や改善策の考察に時間を使えるので、業務品質の向上が期待できます。スマートフォンでも利用できる日報管理システムは、時間や場所を選ばずに書き進められるのがメリットです。
タレントパレットには、社員同士でコミュニケーションが取れるシステムが備わっています。業務の進捗を確認したり、目標を共有したりできます。迅速にフィードバックすることも可能なので、ぜひ導入をご検討ください。