こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
企業の中で仕事に対するモチベーションの高い従業員が増えると、生産性が向上し離職率が低下します。
何によってモチベーションが高まるのかは人によって異なるのをご存じでしょうか。各従業員のモチベーションのタイプを把握すると、より効果的な対応が可能になります。
ここでは、モチベーションタイプの概要、注意点、活用方法について解説します。
モチベーションタイプの概要
モチベーションとは、何かを成し遂げたいという「意欲」や「動機付け」です。ビジネスの場においては「仕事に取り組むための意欲」を意味します。
何がモチベーションの源になるのかは人によって異なります。例えば「仕事を頑張ってたくさん給料を稼ぎたい」と考える人もいれば「この会社で頑張って働いて出世したい」と思う人もいるでしょう。
この、個人によって異なるモチベーションの源泉を「モチベーションタイプ」と言います。モチベーションタイプは、大きくいくつかのパターンに分けることが可能です。従業員のモチベーションタイプを把握することで、企業や上司として効果的な対応が可能になります。
なお、従業員の仕事のやる気に直結する「モチベーション」について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
「モチベーション」については、こちらの記事をご確認ください。
6つのモチベーションタイプ
モチベーションタイプは人によって異なり、ほとんどの場合、以下の6タイプに分類できます。ここでは、モチベーションタイプの種類と内容についてわかりやすく解説します。
インセンティブ
報酬によってモチベーションを上げるのが、インセンティブです。報酬は金銭だけとは限りません。表彰・評価などもインセンティブに該当します。
インセンティブタイプの人は、「給料アップ」や「報酬」「評価」「表彰」などをモチベーションにして仕事に取り組みます。
頑張りに応じて給料を上げる、公正な評価制度を採り入れる従業員の働きに対して表彰する、といった制度を導入すると効果的です。
アチーブメント
特定の目標を達成することをモチベーションとするタイプが、アチーブメントです。
このタイプの人は自分で目標を作り、それを成し遂げる「達成感」を求めます。向上心が強く、何事も自分で成し遂げたいという傾向にあります。
結果に対するフィードバックを求めがちなのもこのタイプです。会社としては、本人に定期的に目標に対する成果やスキルなどのフィードバックを行うと効果的です。
パワー
権力を得て他者に影響を与えたいと考えるタイプが、パワーです。競争の激しい仕事や責任の伴う仕事を好む傾向にあります。
一方このタイプの人は、他者から指示されることを良しとはしません。
チームのリーダー的なポジションを与える、責任感の伴う仕事を任せる、競争のある仕事を任せる、などがモチベーションアップに効果を発揮します。
フィア
失敗や困難など、ネガティブなものを避けたいと考えるタイプが、フィアです。解雇や失敗、上司から怒られることを避けるために、モチベーションを利用します。
フィアモチベーションの人は、高い目標に挑む、率先して行動するというタイプではなく、周りを見て行動することが多いでしょう。
短期的な動機付けとしては効果を発揮しますが、長期的にフィアを持続させるのは良い傾向ではありません。将来的なことを考えると、周囲がサポートしながら克服させたいタイプのモチベーションと言えるでしょう。
コンピテンシー
スキルの獲得によってモチベーションを上げる タイプが、コンピテンシーです。職人や外科医、スポーツ選手など頑張って一定のスキルを獲得することを目標として仕事に取り組むタイプを指します。
このタイプの人には、熟練した技術を手に入れたい、という気持ちを後押しするサポートが必要です。
エクスペクタンシー
個人の努力が結果に結びつくと想定されるときにモチベーションが上がるタイプが、エクスペクタンシーです。
「スポーツ選手がオリンピックで金メダルをとるために練習を頑張る」などの心理が該当します。
このタイプの人には具体的に「これを頑張ったらこういう成果が得られる」というモデルケースを見せ、イメージさせることが大切です。
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モチベーションタイプが分かったあとの活用ポイント
従業員のモチベーションタイプを把握した後、どのように接すればよいのか頭を悩ませる担当者の方もいるでしょう。ここからは、把握した後の活用方法について解説します。
具体的な目標を決定する
どのタイプの場合でも、モチベーションを維持するのに必要なものは「具体的な目標設定」です。
目標を立てる時は、以下の項目に気を配りましょう。
- Specific:具体的
- Measurable:測定可能な
- Attainable:達成可能な
- Relevant:関連性がある
- Time-bound:時間制限
目標設定時に必要な5つの要素は、その頭文字をとって「SMART」と言われています。
この5つを意識すると、具体的で達成可能な目標設定が可能になります。
目標を伝えてもらった上で定期的に進捗報告をもらう
一方的に会社から目標を押し付けられた場合、従業員のモチベーションアップにはつながりません。そのため、従業員ごとに自分に合った目標を本人に定めてもらいます。
加えて、目標を誰かと共有すると、達成に対するモチベーションアップにつながります。従業員自身がSMARTを意識した具体的な目標を立て、上司と共有し、進捗管理を行いましょう。
それぞれのモチベーションが上がる仕組みを用意する
「報酬」など金銭的なものは、会社によっては用意するのが難しいケースもあるでしょう。
モチベーションを維持するためには、従業員が定期的に自分の成長を実感できる仕組みを取り入れることが大切です。
企業として、「表彰」「昇格」など、従業員が褒められることや頑張りを認められることによりモチベーションが維持できる制度や仕組みを用意しましょう。
モチベーションタイプごとのマネジメントの注意点
モチベーションタイプごとにマネジメント方法は異なる点を把握しておきましょう。ここでは、モチベーションタイプごとにマネジメントを行う際の注意点について解説します。
それぞれのタイプに合った目標設定が必要
目標設定を立てる際は、それぞれのタイプに合ったものを意識して立てると、より大きな効果を発揮します。
インセンティブタイプの人には表彰、評価と言ったものを目標にいれます。場合によっては、「報酬」を視野に入れても良いでしょう。なお、この場合は本人だけでなく、報酬・表彰・評価のために会社の制度そのものを見直す必要が生じます。
アチーブメントタイプの人は細かく目標を設定し、細かく達成度を確認します。
パワータイプの人は、チームリーダーや責任感のある仕事を任せ、進捗状況などを定期的に確認しましょう。
フィアタイプの人は、失敗をしないような目標設定からはじめていくと良いでしょう。同時に「失敗してもやり直せる」「失敗を恐れなくともよい」という風に、サポート・教育することも大切です。
コンピテンシータイプの人には、業務に必要な技術の獲得に取り組んでもらうと良いでしょう。業務によっては資格取得なども視野に入れてみましょう。
エクスペクタンシータイプの人には、「この仕事を頑張ればどのような成果が得られるか」具体的なイメージが湧くよう伝えた上で、目標設定を行ってもらいます。
目標設定はタイプによって異なりますが、「報酬」「表彰」「評価」などの設定を会社として行う際は全従業員に向けて行わなければなりません。「資格取得の推進」「仕事を頑張ったらどのような成果が得られるのかのモデルケースを伝える」なども、個人に向けるだけでなく、全従業員に向けても行いましょう。
定期的な面談によってモチベーションを確認する
モチベーションが維持されているか、確認するには定期的な面談が欠かせません。チームミーティングや上司と部下の1on1ミーティングなどの時間を確保して、従業員のモチベーションや目標に対する進捗状況などを確認しましょう。
自分からどれだけ目標達成のために動けたのかを報告してもらう
モチベーションを高めるには、「報酬」「昇進」などの外発的な動機だけでなく、「仕事が楽しい」「やりがいがある」「自己実現できた」といった内発的な動機もあります。
外発的な動機は会社で用意できますが、内発的な動機は自分の中で芽生えさせてもらわなければなりません。
最終的に、従業員に「内発的」な動機付けでモチベーションを高めて行ってもらえるようにするには、従業員自ら「目標達成のために動く」よう取り組んでもらう必要があります。
そのため、目標達成についての報告を受ける時は、従業員に「期待していること」を直接伝え、自ら目標達成のためにどう動くか考え動いてもらえるようなアプローチを行いましょう。
従業員に、自ら考えどのように目標達成のために行動したのかを報告させることは、従業員に内発的な動機を意識してもらうことにつながります。
まとめ
何によってモチベーションが高まるのかは人によって異なります。従業員のモチベーションタイプを把握し、タイプごとに対応すると、従業員のモチベーションアップにつながります。
「報酬」「人事評価」など、多くの従業員がモチベーションアップにつながるような制度を取り入れてみても良いでしょう。
モチベーションアップのためには目標設定とそれに向かう取り組みが欠かせません。上司と部下の1on1ミーティングなど、モチベーションや目標の進捗状況を確認する機会を定期的に設けると、従業員のモチベーションの維持につながります。
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