モチベーションマネジメントの効果とは。具体的な取り組みや実施の流れを解説


モチベーションマネジメントの効果とは。具体的な取り組みや実施の流れを解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

従業員の能力を最大限に引き出し、離職率を下げるにはモチベーションの維持・向上が不可欠です。従業員のモチベーションの維持・向上するための取り組みを「モチベーションマネジメント」と言います。


本記事では、モチベーションマネジメントの効果や具体的な取り組み方法、実施の流れについて解説します。


モチベーションマネジメントの概要



ビジネスの現場で「モチベーション」とは、組織や従業員の意欲を指します。従業員が高い意欲を持って仕事に取り組むための取り組みが、モチベーションマネジメントです。

従業員のモチベーションを向上させるための手段

モチベーションマネジメントとは、従業員のモチベーションを向上させるためのマネジメント手法です。

従業員が積極的に効率よく仕事をこなすには、仕事に対するモチベーションの維持・向上が欠かせません。仕事への意欲が低下すると、生産性の低下や離職率の向上などにつながるためです。

一方、従業員のモチベーションが向上すれば、自発的・積極的に仕事に取り組むようになるため、作業効率や生産性の向上が見込めます。さらに、従業員もより高い目標に挑むことが可能になります。

そのため、企業としてモチベーションマネジメントに取り組まなければなりません。 

一人ひとりに目を向けた人材育成に役立つ

モチベーションマネジメントは、全従業員に一律で行うものではありません。従業員一人ひとりに対して個別に行うものです。そのため、従業員全体を俯瞰的に把握・指導するのではなく、個別の人材育成を行うことが可能になります。

現状を把握し改善する

モチベーションマネジメントは、従業員一人ひとりの現状把握から行います。現在の従業員のモチベーションがどのような状態なのかを具体的に把握するところから始めます。聞き取りの中で労働環境などに問題点があるとわかった場合は、状態の改善に勤めましょう。

モチベーションマネジメントはモチベーションを向上・維持するために行うものです。それでは、そもそもマネジメントとはどういったものでどのように活用できるのでしょうか。マネジメントについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。 
「マネジメントスキル」については、こちらの記事をご確認ください。

モチベーションマネジメントの取り組む前に

企業として、従業員全体のモチベーションをマネジメントしていくことは大切です。しかし、モチベーションマネジメントに取り組む前に、把握しておかなければならない点がいくつかあります。

事前にそれらを把握しておかないと、「どのように取り組めばよいか」ピンとこないまま現状の聞き取りを始めてしまい、必要なポイントを聞き出しそびれることがあるため注意しましょう。ここでは、モチベーションマネジメントに取り組む前に知っておきたい3つの要素を解説します。

モチベーション理論を把握

何が人のモチベーションを引き出すことができるのか、事前に把握しておきましょう。さまざまなモチベーション理論がありますが、その中で主なものを3つ解説します。

①欲求理論
人間には何かを達成したい「達成欲求」、他人をコントロールしたい「権力欲求」、他人に好かれたい「親和欲求」があります。どの欲求が強いかによりモチベーションを高めるポイントが変わってくるという考え方が欲求理論です。

②公平理論
公平理論とは、「自分の仕事量と報酬」と「他人の仕事量と報酬」を比較し、不公平を感じた場合に差を埋めようとするという考え方です。

例えば、「頑張っていない上司の方が頑張っている自分よりも給料が高い」と感じている場合は、公平になるよう「自分も仕事の手を抜く」という行動が当てはまります。

期待理論
期待理論とは、「何かの行動に対して報酬が得られるとわかっている場合、モチベーションが上がる」という考え方です。ビジネスの場では、インセンティブや昇給、昇進、資格取得などが該当します。

自社におけるモチベーション低下の理由を把握

モチベーションが低下する理由は人によって異なります。自社において、どのようなことが多くの人のモチベーション低下につながっているか、共通点や理由がある場合把握しておかなければなりません。

例えば、人事評価に正当性を感じられない、職場環境が良くない、労働環境が良くない、上司との相性が悪い、 などの理由で多くの従業員がモチベーション低下を感じているとしたら、改善する必要があります。
「モチベーション低下」については、こちらの記事をご確認ください。

人の欲求の把握

人の欲求を把握するのに、「マズローの欲求5段階説」を参考にしても良いでしょう。

人の欲求はピラミッド状に成り立っており、低次の欲求が満たされて初めて高次の欲求を求めるようになるという考え方です。

  1. 生理的欲求
  2. 安全欲求
  3. 社会的欲求
  4. 承認欲求
  5. 自己実現の欲求


「眠い」「お腹が空いた」といった生理的欲求が満たされて初めて次レベルの「安心・安全」を求める安全欲求を欲する、という具合です。1から順に満たしていき、最終的に5の「自己実現の欲求」に到達すると言われています。

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モチベーションマネジメントの具体的な方法




どのようにモチベーションマネジメントを行えば良いのかわからない人もいるでしょう。ここでは、モチベーションマネジメントの具体的な方法について解説します。

一定期間従業員のモチベーションを把握する期間を作る

モチベーションマネジメントを行う方法は複数あります。例えば次のような方法です。

  • チームミーティング
  • 上司と部下の1on1ミーティング


ミーティングの方法を決めたら、従業員に「モチベーションマネジメント」のためにミーティングを行うことを通達します。実施日までに一定期間の猶予を設けましょう。下準備もなく突然、「モチベーション」について問われてもすぐに答えられる人はそう多くありません。

従業員一人ひとりに、 一定期間モチベーションを把握する期間を作って自分の中でまとめてもらう期間が必要です。

その後、チームまたは上司により、従業員1人ひとりに悩みや不満はないかなど、現在の仕事に対するモチベーションを聞き取り、現状を把握していきます。

評価制度などの見直しが必要であれば改定する

ミーティングの結果をもとに、従業員のモチベーション低下の理由をまとめましょう。個人差はありますが、労働環境、評価制度、人間関係など、多くの人が不満を感じている部分があれば、改定・改善を行います。

例えば、人事評価制度が公平性を欠いているためにモチベーションが低下しているのであれば、人事評価制度を見直しましょう。

営業成績などの目標が高すぎるために、モチベーションが低下することもあります。

多くの従業員のモチベーション低下につながる要因を見つけ出し、必要に応じて改定・改善を行いましょう。

目標を設定し定期的に報告してもらう

従業員のモチベーションを保つには、目標設定が必要です。部署ごとや個人ごとに、モチベーションを保つために必要な目標を設定します。目標は、1ヶ月から3ヶ月、3ヶ月から半年などといった期間で設定し、数値化できるものにしましょう。

また、高すぎる目標や低すぎる目標ではモチベーションの維持・向上にはつながりません。進捗状況を定期的に報告してもらい、必要に応じて目標の見直しを行いましょう。
「モチベーションを保つ」については、こちらの記事をご確認ください。

モチベーションマネジメントは、自社の状況に合わせて取り入れていく必要があります。知識やスキルがなければモチベーションマネジメントを実行することはできません。しかし、研修を受けることで知識やスキルを獲得することも可能です。
マネジメント研修について詳しい内容を知りたい場合はこちらから。 
「マネジメント研修」については、こちらの記事をご確認ください。

モチベーションマネジメントを行う際の3つのポイント

モチベーションマネジメントを行う際に気を付けるべき3つのポイントを解説します。

モチベーションマネジメントに必要なスキルを管理層が身につける

チームミーティングや1on1ミーティングをする際、上司に必要なスキルがないと現状や目標などを聞き出すことが困難です。

従業員に対していきなり教育するのではなく、まずは管理層がマネジメントに必要なスキルを身につけましょう。

モチベーションマネジメントに必要なスキルは、部下から話を聞き出すコミュニケーションスキル、モチベーションのセルフコントロールスキル、リーダーシップ力などです。

これらを身に付けた上で、部下から現状を聞き出します。このような流れを作ると、企業内の意識が徐々に変わっていくでしょう。

報酬以外のインセンティブの仕組みを作る

モチベーションを上げるためには、営業手当・資格手当などのお金に関するインセンティブを検討することも多いでしょう。

お金以外のインセンティブを取り入れることでより幅広い施策が可能となります。報酬以外のインセンティブには次のものがあります。

  • 評価:人前で表彰する、成果に見合った評価を行う
  • 理念:企業理念を共有し、仕事に対する意義や意味を自覚させる
  • 人:憧れの上司や同僚と一緒に働くける環境を作る
  • 自己実現:「達成感」の得られる仕事を与える、仕事を通じて夢を叶えられる環境を作る


自社に適したものを取り入れてみましょう。

自社に足りない文化や制度を見直す

インセンティブ以外に、例えば、コミュニケーションの活発化や従業員を褒める制度を導入することなども従業員のモチベーションアップにつながります。

例えば、社内に情報共有ツールを取り入れるなどの工夫で部署を超えた従業員同士のコミュニケーションを活性化させる、上司や同僚同士で褒めあう制度を取り入れる、経営理念やミッションを共有し従業員が充足度や達成感を味わえるようにするなどです。

自社に足りない文化や制度があれば、この機会に見直して、必要なものを導入してみましょう。

まとめ

モチベーションマネジメントとは、従業員のモチベーションの維持・向上を促す仕組みを指します。

上司と部下が1対1で話し合う1on1ミーティングや、チームごとに行うチームミーティングなどで従業員の現状を聞き出し、モチベーションダウンにつながるような仕組みが社内にある場合、改善・改良を進めましょう。

従業員のモチベーション向上につながる仕組みが社内にない場合は、新設や見直しを行うとさらなる成果が期待できます。

従業員のモチベーションマネジメントを行う際も役に立つのが、「タレントパレット」です。「タレントパレット」は、労務管理や採用管理、人事評価に利用できるだけではなく、人材データ分析や人材育成など、さまざまな業務を簡単に行うことができます。

組織診断機能を使えば、従業員の「やりがい」や「目標の納得度」「成長機会」などを一目で管理できるため、モチベーションマネジメントにも最適です。モチベーションマネジメントを効率よく行いたいとお考えでしたら、お気軽にお問い合わせください。

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