ミッションステートメントとは?作成方法やポイント、3つの活用事例を解説


ミッションステートメントとは?作成方法やポイント、3つの活用事例を解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

ミッションステートメントとは、企業の経営理念を具体的な行動に落とし込み、実際の業務や活動に反映させるために作成される文章を指します。従業員の価値観の統一やモチベーション維持、社外へのアピールポイントなどになるため、これから作成しようと考えている企業担当者の方もいるでしょう。本記事では、ミッションステートメントの作成方法や作成ポイント、3社の活用事例を解説します。

ミッションステートメントとは


ミッションステートメントとは、企業の存在意義や目的を示す具体的な行動指針です。組織の存在意義となる「ミッション」を、従業員の行動指針として利用できるように具体的に明文化したものとなります。同時に、社外に自社の方向性を示すためにも用いられているものです。ここでは、ミッションステートメントの役割や目的、似た言葉との違いについてみていきましょう。

ミッションステートメントの役割

ミッションステートメントの主な役割は次の2つです。

  • 価値判断基準の明確化
  • 会社の方向性を示す


それぞれについてみていきましょう。

ミッションステートメントは、従業員にとっての具体的な行動指針です。仕事で判断に迷った時はミッションステートメントに従えば良いため、スピーディーな判断が可能になります。また、他の従業員と価値観や意見が対立していても、判断軸が決まっているので仕事の方向性がぶれなくなるというメリットが生じます。グループでの仕事の効率が良くなるため、モチベーションアップや利益向上が期待できるでしょう。

ミッションステートメントは社内だけではなく社外に向けても公開するものです。ミッションステートメントがあれば、顧客や求職者、株主などに対して広く会社の方向性を示すことができます。

社内外に広く通達するため、「ミッションステートメントに合わない社員は去っていく」「ミッションステートメントに共感を持った社員を採用できる」という点もメリットといえるでしょう。同じ目標や志を持った人材が増えれば、企業としての結束力の向上が期待できます。

ミッションステートメントの目的と構成要素

ミッションステートメントには、従業員の仕事に対する考え方を統一するという目的があります。概念ではなく、具体的な行動指針として表現しているため共通認識が生まれやすいのが特徴です。

ミッションステートメントに必要な構成要素は次の9つです。

  • 企業理念
  • 製品やサービス
  • 自社の強み
  • 成長性
  • 社会的責任
  • 社員への姿勢
  • 顧客
  • 市場
  • 技術


これからミッションステートメントを作成する場合は、各項目について自社の考えや方向性を検討すると良いでしょう。

ビジョンステートメントとの違い

ミッションステートメントに似た言葉に、ビジョンステートメントがあります。ミッションステートメントは会社の目的、ビジョンステートメントは目的地までの道筋を示すものです。両者は互いを補い合わなければなりません。ミッションステートメントは不変のことが多いが、ビジョンステートメントは途中で変わることがある点も把握しておきましょう。

経営理念との違い

経営理念は、経営者の哲学や信念に基づき、企業の根本となる活動方針を明文化したものです。そのため、抽象的・概念的に表現されているものも珍しくありません。一方、ミッションステートメントは普段の業務や経営判断などとして利用するため、具体的で明確に表現されています。

会社組織として、大切にする考え方や価値観を言葉で表したものが企業理念です。従業員だけでなく、顧客や取引先に対しても企業の方向性を提示できます。企業理念の概要や作り方、社内に浸透させる方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
「企業理念」については、こちらの記事をご確認ください。

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関連記事:ビジネスにおけるミッションとは?策定方法や注意点、活用事例をあわせて解説

ミッションステートメントの作成方法


ミッションステートメントの作成を検討している人もいるでしょう。ここでは、ミッションステートメントの作成方法について解説します。

ステップ1:メンバーを集める

ミッションステートメントは、会社の行動指針になると同時に社外へのアピールにもなるメッセージです。代表者や役員も含め、作成に必要なメンバーを集めましょう。幅広い部署のメンバーが集うと、広い視野で会社全体を再評価することが可能になります。

ステップ2:内容を絞り込む

社内に浸透している考え方や代表者や創始者などが大切にしている考え方を中心に、数多く書き出していきましょう。ミッションステートメントに必要な9つの要素について考える必要があります。すべて洗い出した後、それらの言葉の共通点を探しましょう。そこに自社の強みや個性があるはずです。

ステップ3:文章化する

ステップ2で絞り込んだ内容を文章化します。自社の強みを含め、多くの人の理解や共感を得られる言葉を取り入れることも大切です。社内はもちろん、ユーザーや消費者にも記憶してもらえるよう、シンプルで覚えやすいキャッチフレーズに仕上げましょう。

ミッションステートメントの作成ポイント

ミッションステートメントの作成時に考慮したいポイントは次の6つです。

  • 企業理念
  • 顧客への姿勢
  • 社会的責任
  • 従業員への姿勢
  • 製品、サービス
  • 自社の強みや将来性


この6つを意識して作成すると、幅広い人たちからの共感を得られます。実際の業務時の判断基準としても用いるため、概念的なものや長い文章、難解な言葉よりも端的でわかりやすく具体的なものを目指した方が良いでしょう。

出来上がったミッションステートメントは、従業員と共有するだけでなく、一般ユーザーや株主、求職者などの目にも触れるものです。対外的な自社のアピールとしても利用することを前提に作成しましょう。

ミッションステートメント3つの活用事例

具体的にどのようなミッションステートメントが用いられているのか、気になる人もいるでしょう。ここでは、3つの企業のミッションステートメントをみていきます。

ファーストリテイリング

ユニクロやGUをはじめとしたアパレルブランドを抱える株式会社ファーストリテイリングのミッションステートメントは次の通りです。

ステートメント:服を変え、常識を変え、世界を変えていく
ミッション:ファーストリテイリンググループは本当に良い服、今までにない新しい価値観を持つ服を創造し、世界中のあらゆる人々に、良い服を着る喜び、幸せ、満足を提供します
独自の企業活動を通じて人々の暮らしの充実に貢献し、社会との調和ある発展を目指します

企業として服を消費者に届けることをメインとしながらも、その先には人々の暮らしの充実や社会調和の発展を目指していることが伝わってきます。

リクルート

人材派遣企業を展開している株式会社理クリートのミッションステートメントは次の通りです。

ミッション:まだ、ここにない、出会い。
より速く、シンプルに、もっと近くに。

人材派遣業として多くの出会いを届けることはもちろん、スピード感を持ってシンプルに、身近に展開していきたいという考えがあることがわかります。

花王

花王のミッションステートメントは次の通りです。

使命「豊かな共生世界の実現」
私たちは、志をひとつに熱意をこめて、日々をよりこころ豊かにすることに邁進し、Kirei Life~すべての人と地球にとってより清潔で美しく健やかな暮らし方~を創造します。優れた価値を生みだす革新を通して喜びを分かち合い、すべてのいのちにとって安心で調和のとれた世界を実現します。

「豊かな共生世界の実現」だけでは、様々な解釈ができます。その下に使命を噛み砕いた言葉を付けることで、より具体的な意味や方向性をつかむことができるでしょう。あわせて、花王は「花王ウェイ(企業理念)」として、使命・ビジョン・基本となる価値観・行動原則を公開しています。従業員に示したい方向性が多岐にわたる場合は、花王のように多くの項目に分けて伝えることも検討してみましょう。

関連記事:ミッションクリティカルとは何か?似たシステムとの違いや障害への対策も解説

まとめ

ミッションステートメントとは、企業の存在意義や目的を表す「ミッション」を具体的に文章化したものを指します。業務上の判断基準や行動指針になるとともに、社外に向けても広く会社の方針をアピールするものです。

これからミッションステートメントを作成する際は、代表者や役員、各部署の従業員など幅広いメンバーを集めてみましょう。自社を俯瞰的に見ることができるため、強みや個性を幅広い視点から発見できます。

メンバーを集める際はタレントパレットの人材データ分析機能が役立つでしょう。タレントパレットは人材データを一元管理し、幅広く活用できるシステムです。採用管理や労務管理だけでなく、人材データ分析機能や人事評価をはじめ幅広く活用できます。人材データの管理や活用にお悩みでしたら、ぜひ、タレントパレットを活用してみましょう。

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