こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
ミッションドリブンとは、「ミッションに基づいて意思決定をすること」を指します。従業員の行動指針として、ミッションドリブンを取り入れたいと考えている担当者の方もいるでしょう。
本記事ではミッションドリブンの重要性や、ミッションを浸透させるポイントなどについて解説します。
ミッションドリブンの意味
ミッションドリブンとは、ミッションに沿ってすべての意思決定を行う状態を指します。ドリブンは、英語の「drive」の過去分詞形です。「~に突き動かされた」「~が原動力である」という意味を持ちます。「データドリブン」の場合、データをもとに意思決定を行います。「ミッションドリブン」の場合は、意思決定やアクションを起こす際に、企業が掲げるミッションを軸にします。
ミッションドリブンが機能する企業の特徴
ミッションとは、企業の存在意義や果たすべき使命のことです。多くの企業は、自社のミッションを掲げています。ミッションは、経営理念やステートメントなどと呼ばれることもあります。代表的な例を3つ見ていきましょう。
ソフトバンクグループ株式会社
経営理念:「情報革命で人々を幸せに」
ファーストリテイリンググループ
ステートメント:「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」
Google
ミッション:「Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。」
ミッションドリブンが定着している企業では、従業員は業務上の判断に際して自社のミッションを軸にします。多くの企業では、ミッションで「社会や環境に対する企業の姿勢」などを明確にしています。そのため、ミッションドリブンを採用している企業では、製品開発や利益だけでなく、社会的責任にも真剣に向き合うことになります。その結果、自社の利益だけでなく、社会問題や環境問題にもポジティブな影響を与えるでしょう。
ミッションドリブンの重要性
ミッションドリブンを取り入れ、判断をミッションに委ねると、従業員の方向性を統一できます。取り組むべき重要な課題や目的が明確なので判断の速度が上がり、限られたリソースを効果的に配分できるでしょう。
目的が明確になるため、多くの従業員が主体的に行動できるようになる点もメリットです。仕事に対するやりがいや満足感が生まれるため、モチベーションや成果の向上につながる点でも重要だといえるでしょう。
従業員全員でミッションを共有することで、企業への愛着心が強くなる点もメリットです。共感できるミッションがあると社員のエンゲージメントが向上し、離職率低下につながります。
ミッションドリブンを取り入れている企業では、採用活動時にも就職希望者に対してミッションをアピールすることになるでしょう。その結果、ミッションに共感できる人を採用できます。同じ志を持つ従業員を多く集められる点でも、ミッションドリブンは重要だといえるでしょう。
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ミッションを浸透させるポイント
ミッションドリブンを取り入れるためには、従業員にミッションを浸透させなければなりません。ここでは、従業員にミッションを浸透させるためのポイントを見ていきましょう。
従業員目線で策定する
従業員にミッションを浸透させるには、従業員が共感できるミッションを策定しなければなりません。従業員が共感を覚えないミッションでは、働く意欲が生まれないからです。
従業員一人ひとりがミッションに対して心から共感できると、浸透させることができます。そのためには、従業員が常に行動指針としたくなるような、従業員目線のミッションを策定する必要があるでしょう。
従業員に直接伝える場を設ける
従業員に直接伝えることで、ミッションを深く印象付けることができます。ただし、一度言葉で伝えただけでは、ミッションはなかなか浸透しません。何度も伝え続けることが大切です。加えて、職場の中の見える所に掲示する、名刺にミッションを記載するなど、普段従業員がよく目にする場所にミッションを記しておくと、記憶に定着しやすくなります。
事業内容や社会の変化に応じて、ミッションの捉え方が変わることは珍しくありません。その場合は必要に応じて従業員と議論を重ねて、ミッションに対する考え方をアップデートすることを検討しましょう。
評価制度に反映させる
ミッションを定着させるには、「ミッションの理解度」や「ミッションに基づいた行動」を人事評価制度に反映させることも有効です。そのためには、「従業員に達成してもらいたいミッションとは何か」「具体的な行動はどのようなものか」を明確にしなければなりません。
人事評価で公平性を感じられないと、従業員のモチベーションが低下するおそれがあるため、注意が必要です。ミッションを評価制度に反映させる際は、従業員が納得できる形で行いましょう。
研修の実施
ミッションを社内に定着させるためには、研修を実施するのも有効です。新入社員や中途社員向けの研修を実施します。ミッションはどのようなものかを説明するだけでは、なかなか伝わらないかもしれません。
そこで、実際にミッションドリブンに取り組んでいる従業員の実例を紹介し、新入社員や中途社員にも「ミッションを達成するためにどのような取り組みが必要か」を考えてもらう機会を設けます。他の人の意見も聞くことで、自社のミッションに対する理解を様々な角度から深められるでしょう。
ミッションドリブンへの取り組み事例
ここでは、ミッションドリブンへの取り組み事例を見ていきましょう。
パナソニック
日本の大手電機メーカーであるパナソニックは、グループ全体で約26万人の従業員を抱える大企業です。ここでは、パナソニックの人事部の事例を紹介します。
パナソニックのミッション・ビジョン・バリューは、以下のとおりです。
ミッション:「Life tech & ideas 人・社会・地球 を 健やかにする。」
ビジョン:「人を想う技術 創造力でくらしを支えるベストパートナー」
バリュー:「お客様に寄り添い、考え抜きます。
くらしと調和する技術を追求します。
柔軟な発想で、常にオペレーションを進化させます。」
人事部門では「パナソニックには強いリーダーが足りない」と考え、リーダーの育成や採用を重要視していました。しかし、一人ひとりに寄り添ううちに、考え方が変わったといいます。強いリーダーが皆を引っ張っていくのではなく「個人一人ひとりが最大限の力を発揮し続けられる環境の構築」が大切だと考え直し、人事のミッションとして「Become the Best Place to Work」を掲げました。
今では、従業員一人ひとりを「挑戦する個人」と位置付けてサポートし、従業員の働きやすい環境作りに取り組んでいます。会社のミッションをベースに、必要に応じて部署ごとにミッションを決めることで、より具体的な取り組みが可能になった事例といえるでしょう。
Sansan
DXサービスの企画・開発・販売を行っているSansanのミッション・ビジョン・バリューは、以下のとおりです。
ミッション:「出会いからイノベーションを生み出す」
ビジョン:「ビジネスインフラになる」
バリュー:「仕事に向き合い、情熱を注ぐ
Lead the customer
体験を想像する
意思と意図をもって判断する
最速を目指す
強みを活かし、結集する
感謝と感激を大切にする
変化を恐れず、挑戦していく」
SanSanでは従業員間のつながりを重視し、ミッションドリブンを浸透させています。従業員は700人を超えますが、従業員がミッションに触れる機会を意図的に設けることで、理念の浸透を図っているそうです。具体的には、月に2回行われる全社会議の冒頭で、必ずミッションを唱和しています。
ミッションの唱和を行っていなかった時期に、「自分ごと感」が薄らぐ社員が出てきたため、会議での唱和を再開したそうです。加えて、従業員全員でミッションのアップデートを常に行っています。そのため、従業員は強い当事者意識を持ち、ミッションを捉えることができるのです。
会社のミッションを「会社だけのもの」と認識すると、どうしても他人事になってしまいます。組織のミッションと個人の目標やミッションを結合させることも、ミッションドリブンの組織作りでは大切です。
東京海上ホールディングス
損害保険業を軸として事業を展開している東京海上ホールディングスの経営理念は、以下のとおりです。
お客様の信頼をあらゆる事業活動の原点におき、
「安心と安全」の提供を通じて、
豊かで快適な社会生活と経済の発展に貢献します。
東京海上ではこの経営理念に基づき、本質的な社会問題を解決する方法としてデジタルの活用を決めました。例えば、自然災害への対応においては、ドローンを用いて被災エリアの全体像を把握しています。社会が激しく変化する中で、ミッションドリブンで事業を進めるためにはどうすればよいか考えを巡らせ、新たな技術の活用などを検討することも大切です。
まとめ
ミッションドリブンとは、従業員が常にミッションに基づいて意思決定を行いながら仕事を進めることです。
ミッションドリブンを進めると、従業員の判断速度やエンゲージメントの向上が期待できます。ミッションドリブンを進めるためには、従業員にミッションを浸透させなければなりません。そのためには、研修の実施や評価制度への反映が有効です。
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