メンタリングとコーチングの違いと共通点は?実施の目的や効果も解説


メンタリングとコーチングの違いと共通点は?実施の目的や効果も解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

社内の人材や新入社員・若手社員を教育するために、メンタリングやコーチングが重要といわれています。言葉が違うだけと思われがちなこの2つの方法ですが、実は内容も実施する目的も、そして期待できる効果も全く異なったものといえます。

今回は、特にメンタリングに重点を置き、コーチングとの違いや共通点について解説します。

メンタリングとは何か

メンタリングとは、指導者にあたるメンターが、部下であるメンティーと1対1で対話してキャリア形成の悩みや不安を解消しながらサポートすることを指します。両者の間には信頼関係が前提にあり、対話を通じてメンティーが新たな知識や気づきを得て、成長できるようにするのが目的です。

一般的に、メンターには直属の上司や先輩のような利害関係者ではなく、メンティーの悩みや課題に応じた利害関係の薄い人が選ばれます。場合によっては直属の上司や先輩社員になることがありますが、いずれにしても信頼関係を構築しつつ悩みや不安を解消する仕組みであることに変わりはありません。

メンタリングの実施目的



メンタリングを実施する目的は企業によって少しずつ異なってきますが、主な実施目的は次の3つといわれています。

  • 主体性のある人材を育成する
  • モチベーションを高める
  • 離職率を下げる


上記の3つは、メンタリング制度を導入することで期待できる効果です。それぞれの詳細を見てみましょう。

主体性のある人材を育成する

メンターからさまざまな知識や経験を聞きながら気づきを得るメンタリング制度を通じて、主体性のある自律型人材の育成ができるといわれています。長期的に主体性を持って活躍してくれる社員が育つことで、企業の発展や成長に欠かせない人材となるでしょう。

悩みや不安が解決されれば、それまで行動を制限していた原因が解消できます。メンターとメンティーが継続的にこの習慣を続けることで、メンティーは徐々に自分で答えを発見して行動できる人材に育つといわれており、これを目的にメンタリング制度を導入する企業が増えているのです。

モチベーションを高める

メンタリング制度を実施している企業の中には、メンターがメンティーの抱えている不安に対して知識や経験を共有して解決し、モチベーションを高める目的で導入した場合もあります。

単純に困っていることやわからないことを定期的に尋ねられる環境があることで、安心感を提供する目的もあるでしょう。それらに加えて、早期の問題発見や解決ができるため、働きやすいと感じてもらえ、モチベーション向上につながります。

また、メンター側も一人の人材を育てられたという成功体験から、モチベーションが向上するケースもあります。メンターとメンティーの両方にとってよいことがあるのがメンタリング制度といえます。

離職率を下げる

メンターとの信頼関係を構築することで安心感につながり、離職率が低下するといわれています。メンターがいるという安心感から、短期の悩みから中長期的な不安が解消されるため、その企業を長く続けられるイメージが湧くためです。

ただし、前提として双方に信頼関係が構築されていることが条件になるでしょう。相談しても適切な返答が返ってこない、頭ごなしに否定されると感じてしまっては、メンティーが徐々にモチベーションを下げてしまいます。

双方に信頼関係が構築されていることで、否定することなくどんな悩みでも相談できる環境になるでしょう。その結果、安心感を感じられるようになり、離職率低下につながるのです。

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メンタリングとコーチングの違い



メンタリングとよく似たものにコーチングがあります。混同されがちな両者ですが、いくつかの違いがあり、実施する目的も違います。代表的な4つの違いを見てみましょう。

①領域

1つ目は領域・テーマの違いです。メンタリングは、ただ単に知識や経験を伝えるだけではなく、メンティーが抱える問題や不安などのメンタル面を解決・サポートするために行われます。一方のコーチングは、特定の目標やプロジェクトを実現するために行われるサポートです。

つまり「何のために実施するのか」が異なります。若手に対してメンタル面のサポートをしたいのであればメンタリングを、目標達成を目指しているのであればコーチングを導入するといいでしょう。

②対象者

対象となる人物が違うのも、メンタリングとコーチングの違いです。

メンタリングは実務経験や知識がない真っさらな状態の人に対しても実施できます。反対に、コーチングはある程度の業務経験や知識が必要になります。対象者の状態によってどちらが適切かどうかというのは異なります。

③メンターに必要な素質

メンターに必要な素質や能力も、メンタリングとコーチングで違います。メンタリングの立場はあくまで相談役であり、指導者というよりは面倒見のいい人が適任です。

対してコーチングは、相手の話を熱心に聞き、話を引き出すことができる傾聴力や質問力が求められます。相手にペースを合わせるペーシングというスキルも必要となるため、コーチングの方がより難しい立場に立たされると考えてよいでしょう。

④効果

最終的な効果も大きく異なります。メンタリングはメンタルのサポートも行うため、モチベーションの向上や離職率の低下が期待できるかもしれません。範囲も広く長期的で、すぐに効果を出せるというものではないのです。

コーチングは、主体性を発揮できる人材を育成する目的で行われることが多いとされています。抱えている課題などを解決し、行動できるようになるのがコーチングに期待される効果です。

メンタリングとコーチングの共通点

細かく見ていくと異なる点がいくつもあるメンタリングとコーチングですが、共通点も存在しています。具体的には次の3つです。

  1. 1対1で実施する
  2. メンティーが主役
  3. メンティーの主体的な成長を促す


ここから詳しく解説します。

①1対1で実施する

メンダリングとコーチングは、どちらも1対1で実施するのが基本です。共通してコミュニケーションを大事にしており、そこから信頼関係を構築していくのが基本の考え方となっています。人材育成を行う上で、信頼関係の構築はなくてはならない存在です。そのために1対複数ではなく、1対1でのコミュニケーションを大事にしています。

②メンティーが主役

両者の主役はいずれもメンティーです。コーチングの場合はクライアントといいますが、どちらも受ける側が主役になることに変わりはありません。

異なるのは両者の内容だけです。必要な知識やスキルを駆使して指導するのがコーチングであり、受ける側も指導する側も学びながら成長するのがメンタリングです。この両者は、似て非なるものであるため、対象者のニーズをよく見て実施するようにしましょう。

③メンティーの主体的な成長を促す

最終的にメンティーに気づきや学びを与え、主体的に行動して成果につながることをサポートする面では両方とも同じです。やり方は異なりますが、目指しているものはどちらも同じであり、メンティーの成長を促します。

最終的なゴールは、いずれも自律性と主体性を持った人材の育成です。企業にとっては重要な人材であるため、メンティーが抱える課題に応じて適切な方法を判断し、成長の手助けをしましょう。

メンタリングとコーチングの違いを踏まえた上で、ビジネスではメンタリングを重要視するケースが多いといえます。では、なぜビジネスにおいてメンタリングが重要視されているのでしょうか。メンタリングの概要について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧
ください。

「メンタリング」については、こちらの記事をご確認ください。

まとめ

メンタリングが特定の悩みや疑問に対して答えを得るのに対し、コーチングは特定の目的を達成するために何が足りないのかを考えて行動に移すためのものです。似て非なる両者ですが、どちらも企業の人材育成という観点では欠かすことができません。

しかし、自社にとってメンタリングが有効なのかコーチングが有効なのかは、なかなか判断が難しいところがあるでしょう。タレントパレットでは人事システムのデータを統合し分析でき、そこから今抱えている課題を出すことができるかもしれません。

人事管理システムを導入していない、人事に関するデータを分析できていないので課題が明確でないという企業は、ぜひタレントパレットの導入を検討してみてください。

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