研修の意味がないと言われるパターン3選!主催側が改善すべき5つのポイントを解説


研修の意味がないと言われるパターン3選!主催側が改善すべき5つのポイントを解説

慢性的な人材不足もあり、現場から研修は意味がないと不満が上がることは珍しくありません。本記事では、研修が意味ないと判断される原因について解説します。満足度の高く、明確な効果が得られる研修を主催したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


「研修の内容は現場では使えない」「新入社員以外がわざわざ研修を行う意味はない」「研修ばかりの会社では社員は成長しない」と現場から声が上がり、経営者や人事担当者の方は試行錯誤しているのではないでしょうか。


企業では、新人研修をはじめ、コンプライアンス研修やリーダーシップ研修などさまざまな研修が欠かせません。しかし、現場の不満や費用対効果も含めて考えると、研修に悩む方は多い状況です。


本記事では、研修が意味ないと判断される原因について紹介します。効果的な研修を実施して、生産性の向上、社員のエンゲージメント向上、組織の競争力強化をしたい方は、ぜひ最後までお読みください。


研修の意味がないと判断される原因はやりっぱなしだから

社員研修はさまざまな目的で実施されますが、現場では研修を一括りにして「意味ない」と声が上がります。原因は、主催側だけが満足するやりっぱなしの研修となっていて、学んだ内容が現場に落とし込めず、受講者の満足度が低いことを放置しているためです。


昨今は人材不足の現場が多く、研修でも人員を割くこと自体が現場の不満になりやすい状況に置かれています。そして、研修を受講者やその上司は研修内容を現場で活かす方法がわからず、直ぐに目に見える成果につながらないため、さらに不満となります。


また、研修を主催した経営者や人事担当も、効果が確認できず、社員のエンゲージメントが下がっている原因となっていれば費用対効果が低く研修は意味がないと判断することになってしまいます。意味のある研修にするためには、やりっぱなしの研修としないことが重要です。


研修の意味がないと判断される3つのパターン

主催する側にとって、研修を行う目的は人材教育や育成です。しかし、研修にもさまざまな方式や種類があるため、とにかく実施すれば社員が成長して業績が上がるわけではありません


具体的には、以下のような研修は費用対効果や受講者の満足度が低くなるため、意味がないと判断されてしまいます。


  • 知っていることを教える新人研修
  • 講師からの一方的な集合研修
  • 現場に落とし込むことを想定していない座学のみの研修


リーダー研修やコミュニケーション研修であっても、研修の目的は深く踏み込んで設定し、適切な方式や種類を選定する必要があります。


知っていることを教える新人研修

中途採用の新入社員に対して、基本的なビジネスマナーや、セルフマネジメントなどのマインドセットなどの研修を行うことは良くあります。中途採用は即戦力であることが求められているため、業務内容とは関係ない別の部分で時間を割くことは、現場からすれば意味のない研修と判断されてしまいます。


講師からの一方的な集合研修

集合研修で多くの受講者がいる場合に、ひとり一人の質問や疑問に対応できないため、一方的に講師の話を聞かせるだけになることがあります。内容の理解が浅く、曖昧な部分が多い状態で研修が終わることになれば、現場で活かせない意味のない研修です。


現場に落とし込むことを想定していない座学のみの研修

社外研修など今までの現場にない新しいことを教える場合、現場に落とし込むことまでは考慮されていないことがあります。受講した社員の上司も知らない内容となれば、現場に戻っても周りがフォローできずに、効果につながりにくいことで意味のない研修と判断されてしまうでしょう。


社外研修は意味がない?

社外研修は主に外部委託となるため、現場や受講者に合わせた研修内容になることは少なく、意味がないと判断されやすいです。そのため、内容に関係なく社外研修自体が意味のない研修と言われることがあります。


しかし、社内研修でも研修の目的や内容が合っていなければ、同じく意味がありません。大切なことは、社内研修と社外研修のメリット及びデメリットを把握して、目的や内容に合わせることです。


社内研修

社内研修のメリットは、細かな調整ができることとコストが抑えられることです。他にも以下のメリットがあります。


  • 自社の特性に見合ったカリキュラムが設定可能
  • 研修の直前まで修正や変更が可能
  • 現場や受講者の声を研修内容に取り入れることが可能
  • 講師役となる社員も成長する機会になる


デメリットは、研修内容は講師役の力量に依存することです。新しい知見を得られにくかったり、教えることに慣れていないと、効率が悪くなったりします。


社外研修

社外研修のメリットは、教えることを専門とする講師が研修を行うため、効果的に新しい知見やメソッドを取得させることができます。また、受講する社員のモチベーション向上にもつながります。


デメリットは、コストが高くなりがちな上に研修内容が受講者に合わず、費用対効果が不明瞭になる点です。具体的には、講師料以外にも会場費用、飲食費用、さらには受講者の移動時間も必要となり、研修内容が一般的すぎると相対的に満足度が低くなります。


研修内容を考えるのが外部の方だと、新しい知見やメソッドでも、現場に落とし込むことまでは含まれていないことが多く、研修終了後にフォローしてもらうことが難しいです。そして、現場で役に立たないことを学んだと認識されれば、不満につながります。


新人研修は意味がないのか

現場で新入社員に求められることは、早期の自立ではなく、自分自身をコントロールできる自律です。新人研修の実施形態は、集合研修で座学のみであるケースが多いため、自律を促すことは難しいでしょう。


例えば、参加必須の研修で会社独自のルールを学ばせても、実際の業務でできなければ現場で改めて教えることになります。現場が一から教える必要はなくとも、わざわざ新人研修に時間を掛けることは無駄で、意味がないと判断されます。


また、企業理念や文化などを理解してもらうため毎回同じ進め方や方法で実施している企業も少なくありませんが、時代遅れと揶揄されることもあります。時間に追われている現代において、時代遅れは時間の無駄とも捉えられてしまうため注意が必要です。


新人研修そのものが不要ではありません。ただ、事前に個人研修や自主学習を実施し、業務に関することはOJTで教育するなど、内容によって実施方法を変えることが重要となります。


意味がないからと研修はやらないと危険

昨今の人材不足や新型コロナウイルスの影響による経営悪化から、研修を実施しなくなった企業は、悪化し続ける業績を改善できなくなります。研修を受講させないということは、教育体制が整っていないことに等しいためです。


やる気や能力のある社員は、スキルアップやキャリアアップが望めないと感じれば、どんどん辞めていきます。さらに、業務の引継ぎは独自のやり方のみが伝わってしまい、社内のノウハウとしては蓄積されません。


また、新入社員への教育が行われないと残った社員が教育をすることになります。結果的に、大半の新入社員は適切な教育がされないまま現場に送り出されることになり、定着率が下がって業績改善が難しくなってしまうでしょう。


意味のない研修にさせないためには主催側が改善すべき5つのポイント

意味のない研修とさせないためには、主催側が改善しなければいけません。受講者のスキルや知識に関しては、主催側が事前に通知や説明、調査をすることが重要となります。具体的には以下の5つです。


  • 目的が曖昧な研修を企画しない
  • 受講者のスキルや知識を把握する
  • OJTなどのアウトプットの場も研修に組み込む
  • 一方的ではなく双方的な話し合いが可能な場とする
  • 自発的な価値観の変容を促すようにする


意味のない研修を避ける4つの形態と効果的に実践する方法

研修は目的や内容とは別に、実施形態を選定する必要があります。目的や内容に問題がなくとも、適切な実施形態でなければ、意味のない研修と判断されてしまうため注意が必要です。選定項目は主に以下の4つになります。


  • 階層別研修・選抜研修
  • OJT・Off-JT
  • 集合研修・個人研修
  • 社内研修・社外研修


どれか一つや片方を選定するのでなく、目的や内容によって組み合わせることが重要です。


階層別研修・選抜研修

階層別研修とは、新人研修などの、新入社員や若手管理職といった役職や立場などの階層別に実施する研修です。主に、役職や立場が変わった社員が受講対象者となります。


一方、選抜研修とは選ばれた優秀な人材が一つ上の階層に上がるために必要な知識やスキルを身につける研修です。具体的には、役職アップを視野に入れている社員が受講対象になります。


OJT・Off-JT

OJTとは「On The Job Training」の略称で、現場で先輩や上司から実際に業務を進めながら教わる形態です。現場に落とし込める実践的な知識や、技術を学ぶことに適しています。


Off-JTとは「Off The Job Training」の略称です。職場から離れセミナーや研修などを行い、座学がメインとなり、新しい知識や技術のインプットが目的の場合に適しています。しかし、現場に落とし込むことは難しかったり、時間が掛かったりするのがデメリットです。


集合研修・個人研修

集合研修とは、同じ場所に講師や受講者を集めて対面形式で実施する研修の形態です。一般的には数名から十数名程度ですが、場合によっては数百名以上が集まる場合もあります。連帯感促進や教育カリキュラムを明瞭にしやすいですが、ついて行けない社員が出てくる可能性があります。


個人研修とは、オンライン研修やeラーニングシステムなどを用いて、個別に自己学習していく形態です。インターネットにつながっていれば実施可能なため、会議室などを確保する必要がありませんが、グループワークが難しく、受講者の心理状況などの把握も難しいのがデメリットです。


社内研修・社外研修

社内研修(内部研修)とは、社内の人材が講師を勤めるため現場につながりやすい内容となり、研修終了後のフォローも容易となります。しかし、教えられることは既存のことが中心となり、現場にはない新しいことを題材とする場合は、まず講師役が教えるための勉強をする必要があります。


社外研修(外部研修)とは、外部に委託し講師を招くことが多い形態であり、教えることを専門としている方が実施するため、わかりやすい内容になります。しかし、研修内容に現場に落とし込むことまでは含まれていないことや、わかりやすさを重視して情報が浅くなる可能性があります。


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研修意味ないのまとめ

現場から「研修は意味がない」と言われる原因は、現場での落とし込みや受講者の満足度が含まれずにやりっぱなしになっているためです。そして、研修がやりっぱなしの状態から改善されない原因は、研修結果を次回に反映できない管理体制です。


タレントパレットなら、人材育成や管理に適したシステムを用意しており、研修の受講状況や保有しているスキルなどの人材データを一元化・分析できます。より効果的な人材育成を実施したい方は、ぜひ人事担当者として導入を検討していただければ幸いです。


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