ロジカルシンキングの研修について解説。目的別に受講しよう


ロジカルシンキングの研修について解説。目的別に受講しよう

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

物事に矛盾がないように筋道を立てて考えることや体系的に整理して思考することをロジカルシンキングといいます。問題解決能力や提案力などが向上するため、ビジネスシーンにおいても重宝されている思考方法の1つです。ロジカルシンキング研修を検討している担当者の方もいるでしょう。

本記事では、ロジカルシンキング研修、種類、実施する際のポイントなどを解説します。

ロジカルシンキングとは



ロジカルシンキングとは物事に筋道を立て、矛盾のないよう論理的に組み立てていく思考法です。感情やバイアスなどを排除し、客観的に分析し論理的に考えて結論を導き出します。

ロジカルシンキングを身に付けると、物事を適切に分解し、因果関係を正確に把握できるようになるでしょう。問題解決能力が向上するためビジネスの現場でも重宝されている思考方法の1つです。また、感情や思い込みを排除して客観的に物事を見られるようになるため、説得力のある提案ができるようになります。提案力が向上すると、営業や交渉を有利に進められるでしょう。

ロジカルシンキングの種類

ロジカルシンキングには3つの代表的な手法があります。

  • 帰納法
  • 演繹法
  • 弁証法


それぞれ詳しく見ていきましょう。

帰納法

多くの事例を集め、その中から共通点を見つけて結論を導き出す手法です。事実や事例を多く紹介することで、相手に納得感を与えられます。ただし、分析方法や集める情報を間違えると事実と異なる結論を導き出すことがあるため注意しましょう。

演繹法

ルールや一般常識と観察事項を結び付け、結論を導き出す手法です。例えば、「電化製品はいつか壊れる」という一般常識と、「パソコンは電化製品だ」という観察事項があった場合、この2つの事象を結び付け「パソコンはいつか壊れる」と結論付けることを指します。一般論を利用するため、相手に納得感を与えられます。結び付け方を間違えると、正しい結論に結びつかないため注意しましょう。

弁証法

対立や矛盾する2つの事象をどちらも否定することなく、新たな結論を導く手法です。例えば、「昼からビールが飲みたい」「昼からアルコールを摂取したくない」という2つのユーザーニーズを同時に満たすために「ノンアルコールのビールを開発する」という結論を導き出します。

ロジカルシンキングはビジネスシーンで様々なメリットをもたらす一方で、いくつかのデメリットもあります。導入前にメリットだけでなく注意点についても把握しておきましょう。ロジカルシンキングについてより詳しく知りたい方はこちらの記事から。

「ロジカルシンキング」については、こちらの記事をご確認ください。

ロジカルシンキングの研修内容と目的

ロジカルシンキングを身に付けると次のような効果があります。

  • 意思決定を円滑にする
  • 思考や自発的に行動できるようにする
  • 問題分析、提案力をあげる


ビジネスの様々な場面で役立つため、ロジカルシンキング研修を検討している担当者の方もいるでしょう。ロジカルシンキング研修には様々な種類があります。従業員にどのような知識や技術を身に付けて欲しいのかを考えて、自社の目的に合った研修を選択しましょう。

ここでは、研修内容と目的について解説します。

ロジカルシンキングの考え方を学ぶ

ロジカルシンキングがどういうものなのか、全く分からない従業員が多い場合は基本的な研修を選択すると良いでしょう。

ロジカルシンキングは専門用語も多いため、初めて接する人には良くわからないことも少なくありません。そのような場合は、ロジカルシンキングの考え方を学べる基礎的な講座を選択してみましょう。

ロジカルシンキングとは何か、ビジネスでどう活かせるのか、基本的な考え方やビジネスに応用する際の考え方について学ぶ研修などがあります。

ロジカルシンキングのフレームワークを身に付ける

ロジカルシンキングを身に付けるには、フレームワークの活用が有効です。具体的には、ピラミッドストラクチャーやロジックツリーなどを用います。

フレームワークを使いこなすためには、種類や使い方を学ばなければなりません。フレームワークの種類や利用方法、例題などを学べる研修を選択してみましょう。

ロジカルシンキングのためのフレームワークには多くの種類があり、それぞれ使い方や目的が異なります。フレームワークについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

「ロジカルシンキングフレームワーク」については、こちらの記事をご確認ください。

ロジカルシンキングと他の考え方を並行して検討する

ロジカルシンキングを絶対的な考え方だと思って信頼すると、間違えた結論にたどり着くことがあるため注意が必要です。あくまでも目的達成のための手段の1つであることを前提としなければなりません。ロジカルシンキング以外の思考方法が必要となる場面も見られます。ロジカルシンキング以外の考え方も含めて知識を蓄え、その場に適した思考方法を活用することが大切です。

ロジカルシンキングだけに傾倒することが不安な場合は、ロジカルシンキングを含め、多様な思考方法を学べる研修を選択してみましょう。

ロジカルシンキングの実践を繰り返す

ロジカルシンキングの考え方を学んでも、実際の業務にすぐに役立てられるとは限りません。

従業員の実践力を高めたい場合は、実践に特化した研修がおすすめです。グループワークなどで様々な演習に取り組む講座を選択してみましょう。

ロジカルシンキングの仮説思考を身に付ける

ロジカルシンキングの目的の1つは、課題解決能力の向上です。課題解決に有効な手法として「仮説検証」があります。これは、仮説を立てデータを集めて仮説を検証することで問題を解決する手法です。

仮説検証を行う際はデータの集め方や分析方法など様々なコツを身に付けなければなりません。仮説検証の力を強化したい場合は、仮説検証に特化した研修を検討してみましょう。

ロジカルシンキングの研修には様々な種類があります。研修以外でロジカルシンキングを身に付けるための1つの手法として、多くの例題に接してみることも有効です。ロジカルシンキングの例題について詳しく知りたい方はこちらから

「ロジカルシンキング例題」については、こちらの記事をご確認ください。

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対象者の選定方法



どのような従業員をロジカルシンキング研修の受講対象者にすれば良いか迷うこともあるでしょう。ここでは、対象者の選定方法について解説します。

ロジカルシンキングができているか

ロジカルシンキングが身に付いているかどうかを判断基準にするのも1つの方法です。ロジカルシンキングは思考方法なので、既に身に付いて実践している人は研修を受ける必要はありません。

とはいえ、ロジカルシンキングを習得しているかどうか全従業員に確認するのは手間やコストがかかります。

例えば、新入社員のみをターゲットにしても良いでしょう。効率よく受講させるためには、入社試験にロジカルシンキングを取り入れ、ロジカルシンキングが身に付いていない新入社員にだけ研修を受講させる、といった方法が考えられます。

ロジカルシンキングを前提とした課題を与えられるか

新入社員だけでなく、他の社員にもロジカルシンキング研修を検討することもあるでしょう。

管理職やチームリーダーに対しては、部下にロジカルシンキングを前提とした課題や目標を与えられるかどうかを1つの基準としても良いでしょう。

ピラミッドストラクチャーやロジックツリーなどの、フレームワークの使い方がわからない、うまく使いこなせないという社員に限定して、ロジカルシンキング研修を受けさせるのも1つの方法です。

経営判断の一つとして定着しているか

社内の経営判断の指標の1つにロジカルシンキングが定着しているかどうかを確認してみても良いでしょう。多くの従業員が論理的な話し方やコミュニケーションができている場合、研修は不要と判断できます。

一方、感情的、場当たり的な経営判断が多い、論理的に課題解決できる従業員が少ないなどと感じる場合は、ロジカルシンキング研修を検討してみましょう。

研修実施・選択の際のポイント

研修を実際に選ぶ際に、どれを選べば良いか悩むこともあるでしょう。加えて、折角の研修を意味のあるものにしたいと思う担当者は少なくありません。ロジカルシンキング研修を実施する際にチェックしておきたい、3つのポイントについて解説します。

実践重視

ロジカルシンキングの基本を学んでも、実践で使えなければ効果を感じることはできません。

ビジネスの現場でロジカルシンキングを早く使えるようになるためには、受講者自ら考える機会が多いものを選択してみましょう。ディベート形式、グループワーク、ロールプレイングがあるものを選択すると、研修中にずっと受け身で受講することはできません。研修時間内に自ら考えて実践や発表する機会があるため、ただ聞くだけの研修と比べ思考方法が身に付くでしょう。

研修の目的に合わせる

ロジカルシンキングに関する研修には基本から応用まで様々なタイプのものが数多くあります。そのため、従業員の理解度や目的に合わせ、複数の研修を採用するのも1つの方法です。

例えば、基本がわかっていない人には基礎講座、基本は分かっているがビジネスに応用できていない人には応用講座、などと対象者によって異なる研修を受講させても良いでしょう。

その他にも、営業職向け講座、管理職向け講座、アイデアを出すための講座など幅広い講座があります。業界や業種など、目的を絞った研修を受けると効率よく学べるでしょう。

研修後の振り返りを行う

研修を一度受けただけで何も行わないと、なかなか社内に定着しないため注意が必要です。研修に対するフィードバックを行い、定期的に業務に取り入れているかどうかを確認する仕組み作りが大切になります。

例えば、業務の中にロジックツリーやピラミッドストラクチャーを取り入れると、きちんと活用できているかどうか確認できるでしょう。

各従業員に日報や定期的な業務報告などを提出させることも有効です。客観的な視点で論理的に業務を把握できているか、分かりやすい言葉で正確に日々の業務を報告できているか、といったことが確認できます。

まとめ

ロジカルシンキング研修には多くの種類があります。基礎から応用まで幅広いため、従業員のレベルや会社としての目的に合わせて選択することを意識しましょう。

例えば、ロジカルシンキングについて何も知らない人に対しては考え方の基礎を学ぶ基本編、言葉や概念は知っているものの実践に活かせていない人には演習問題の多い講座、など、人によって受講内容を変えると有効に活用できます。

研修を1度受講しただけで、確実に身に付けることは困難です。社内に根付かせるためには、普段の業務内にフレームワークを取り込んでみても良いでしょう。従業員に業務報告やプレゼンなどをさせると、ロジカルシンキングが活用できているか確認できます。

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