職務適性検査は採用試験以外でも活用可能!基礎から活用法まで解説


職務適性検査は採用試験以外でも活用可能!基礎から活用法まで解説

職務適性検査は、採用活動で求職者の適性を見極めるプロセスで便利です。採用試験での活用が主流ですが、様々な用途で活用できます。本記事では、職務適性検査の基礎知識から導入するメリット・デメリット、活用方法まで詳しく解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


職務適性検査は、採用活動のプロセスでよく取り入れられています。採用試験での活用が主流ですが、実はそれ以外の用途でも活用することが可能です。


本記事では、職務適性検査の基礎知識から導入するメリット・デメリット、活用方法まで解説します。適切な採用活動や配置転換などを実施するために、ぜひ参考にしてください。

職務適性検査とは?業務との相性がわかる検査

職務適性検査とは、業務に対する適性を測るための検査です。具体的には、業務遂行に欠かせない知識・技術を得るための基礎的能力(職務適応性)を把握できます。簡単に言えば、結果内容から客観的に検査対象者と業務の相性の善し悪しを判断することが可能です。


企業で職務適性検査が行われる理由は、従業員個人の自己実現とキャリア設計をはじめ、企業の人材マネジメントや経営戦略を実現する点にあります。検査結果は職業の選択から人材採用、評価、配置・異動など幅広く活用することが可能です。

職務適性検査でわかる4つの項目

職務適性検査でわかることは、4つの項目に分類されます。その項目と詳細は、以下のとおりです。


・人間性や個性、人柄

検査対象者の人間性や個性、人柄が測れます。業務を遂行する上で人間性に問題がないか、業務に対する倫理観はあるかどうかを見ることが可能です。


・心理や性格

適性検査における性格とは、人間性の本質を映すものではなく表面に現れて将来変化する可能性がある特徴を意味します。心理学の分析術を活用し、日常的な行動動作・ものの見方・考え方や価値観・ストレス耐性などの傾向を把握することが可能です。


・能力や学力

個人の能力と学力がどれくらいのレベルか測れます。具体的には語彙や文章理解力・数的処理能力などの一般知能・知覚・作業速度や正確さ・問題解決能力などの特殊能力のレベルを把握することが可能です。


・興味

どんな仕事に興味があるのか、選んだ職業の傾向や職業観などもわかります。採用時だけではなく、転換配置の際も従業員の適正に合った配属先の決定に活用すれば、配置後のトラブルを防げる可能性が高いです。

職務適性検査を導入するメリット

職務適性検査の導入には、企業にとって様々なメリットがあります。主なメリットを5つ紹介しますので、それぞれ詳しく確認しましょう。

自社業務との相性がわかる

職務適性検査では、心理学の観点から人材と業務の相性を把握できます。検査を通じて作業効率や時間配分、集中力の持続時間、作業の正確性などを具体的に測ることが可能です。


面接や筆記試験のみでは、自社の仕事内容が向いているかどうかを数値化して判断できません。しかし、職務適性検査では業務との相性を数値化できるため、相性の善し悪しが判断しやすいメリットがあります。

早期退職を減らせる

検査結果をもとに自社の仕事とマッチする人材を採用できれば、早期退職のリスクを減らせます。早期退職の理由の多くは、入社前と後の仕事に対するギャップです。


今までは、実際に雇ってみないと仕事との相性はわかりませんでした。しかし、職務適性検査によってある程度の仕事の向き・不向きがわかれば、自社の仕事に適していない人材の採用を避けることが可能です。つまり、自社が本当に求める人材であるか見極める際に職務適性検査は役立ちます。

個人の感情や思想を除外した評価を得られる

個人の感情や思想を排除して、客観的に評価できることも職務適性検査のメリットです。面接の場合、複数の従業員・役員が受験者を評価します。それぞれで異なる思考や価値観を持つため、同じ評価項目でも評価内容にばらつきが生じやすいです。


しかし、職務適性検査では検査結果が数値になって評価されます。定量的に表されることから誰が見ても結果がわかりやすく、受験者に対して公平性のある評価が可能です。

受験者が隠している部分も知れる

受験者が隠している潜在的なリスクの把握に、職務適性検査は役立ちます。面接や履歴書では、悪い印象を与えないように人に見せたくない部分は隠すことも可能です。


一方、職務適性検査では多くの質問に関連性があります。回答内容に矛盾が生じていれば、受験者は嘘をついていることがわかるのです。また、隠したい内容も質問の内容と回答から把握できます。


面接や履歴書だけでは、人材に関するすべての情報を把握できるとは限りません。わからない情報を得られる点は、相性の良い人材を招き入れたい企業にとって大きなメリットです。

将来の成長期待度がわかる

職務適性検査では、受験者が将来どの程度成長できるのかどうかも把握することが可能です。検査で測られるものは受験者の知能・知識以外に、性格や価値観など将来に影響を与える要素も含まれます。


スキルが高い人材ばかりにこだわると、優れたポテンシャルを持つ人材を見落としてしまう可能性が高いです。現時点でスキルは低いものの、研修や業務経験を通じて成長に期待できる人材を分析できるのは職務適性検査の強みと言えるでしょう。

職務適性検査を導入するデメリット

企業にとってメリットが多い職務適性検査ですが、デメリットも存在します。具体的にどのようなデメリットや注意点があるのかご紹介しましょう。

検査結果が受験者の能力を100%反映できていない

職務適性検査の結果は、受験者の職務適性が完全に反映されているわけではありません。検査結果は、試験当日の体調や会場の雰囲気、モチベーションなどによって左右されます。そのため、検査結果だけを重視して受験者を評価するのは避けましょう。

対策を行えば実際よりも良い結果が出せる

職務適性検査は、内容次第で受験者に対策されてしまい、実力以上に良い結果を出せてしまう場合があります。結果を真に受けて採用してしまった場合、企業側の期待値よりも仕事ぶりが芳しくない事実が後から明らかになってしまう可能性もあるでしょう。


受験者が対策できてしまう理由としては、インターネットやSNSの普及が挙げられます。誰でも様々な情報を発信できる現代では、検査内容を第三者に共有されてしまう可能性があるのです。検査内容が拡散されてしまうと後から受験する人が有利になってしまうため、企業側は対策が求められます。

職務適性検査はあくまで合否の補助である

職務適性検査は、採用の合否判断を補助する程度のものと考えてください。職務適性検査は個々の人間性や個性、能力などをある程度客観的に把握するのに役立ちます。


あくまでも職務適性検査は適性の有無を確認するテストであるため、面接やディスカッションなど他の選考結果も踏まえて、総合的な評価から合否を決めることが大切です。

職務適性検査の活用だけで終わらない、あらゆる人事データを統合して分析

職務適性検査は自社の業務と相性の良い人材を選出するのに役立ちますが、検査結果だけで合否を決められるものではありません。例えばミスマッチを防ぐためには、検査結果と離職傾向の強い特性・性格を照らし合わせ、特徴が一致する人物の採用を避けることも必要でしょう。


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職務適性検査の実施方法3選

一口に職務適性検査と言っても、様々な実施方法があります。代表的な実施方法として、Web受検・紙受検・テストセンター受検のメリット・デメリットをご紹介しましょう。


 

メリット

デメリット

Web受検

・自宅から受検可能なので、会場と時間の設定が不要

・受検コストが低く、受験者も気軽に受けられる

・結果の集計や分析が比較的容易

・身代わり受検やネットからの質問など不正行為が行われる可能性がある

紙受検

・会場での検査となるので不正リスクが低い

・会場や開催時は自社で自由に設定可能

・会場を押さえるためにコストがかかる

・受験者は会場への移動が必要

・手作業での集計になりやすく、結果が出るまで時間がかかりやすい

テストセンター受検

・監督者がいるので不正リスクが低い

・業務委託が可能なので、実施に手間がかからない

・受験者は会場への移動が必要

・受験者のコストが高くなりやすい

・業務委託にかかるコストが高い

職務適性検査を実施する目的を明確にする

職務適性検査には様々な種類があるので、実施する目的をはっきりさせて自社にとって最適な検査方法を選択することが大切です。実施する目的は、以下の5つに分けられます。


  • 採用試験での振り分け
  • 求職者の情報収集
  • 従業員の職務適性
  • 従業員のストレスチェック
  • 退職者の退職理由の分析


それでは、職務適性検査を実施する目的について詳しく解説します。

採用試験での振り分け

職務適性検査は、主に採用試験で求職者を選別する際に用いられる場合が多いです。特に大量の募集があった時、面接ができる人数にまで絞り込む際に役立ちます。


採用試験の選別に使用する際は、単なるスクリーニングツールとならないように注意しましょう。応募者の排除を目的にするのではなく、一定の水準や特性を満たしているかどうかを測る手段として使用し、適切に選別してください。


検査では求職者の能力の優劣よりも、自社の業務や風潮にどの程度あっているのかがわかるような質問内容にすると良いでしょう。

受験者の情報収集

職務適性検査は人材の選別や選考だけではなく、今後の採用活動に活用するための情報収集も可能です。例えば掲載した求人情報からどのような人材が集まったのか、採用試験を行ったことで残った人材はどんな人物なのか把握でき、今回の採用活動の振り返りができます。


自社が理想とする人材と実際に採用した人材が一致しているのか、振り返りから把握可能です。また人材の傾向や結果をデータとして残して分析すれば、今後の採用広報や選考に活用できるでしょう。

従業員の職務適性

既存の従業員に対して適性検査を行う場合もあります。職務を顧客別や作業別などで細かくすることで、業務やケースごとに求められる特性が見えてくるでしょう。


検査結果から従業員一人ひとりの特性を可視化できるので、業務ごとに求められる特性と照らし合わせれば、より適した部署への異動を検討できます。本当に適した業務に異動させれば、従業員の作業効率が向上する可能性があるのです


また、検査結果は配属先の上司や従業員本人にフィードバックが可能です。フィードバックされた結果は職場・部署内での人材育成やマネジメント、コミュニケーションなどに活用できます。

従業員のストレスチェック

ストレス社会と呼ばれる現代では、従業員がどの程度のストレスを抱えているか把握することが重要です。適性検査では、従業員が抱えるストレスを数値化でき、適切な対応が必要な従業員を判別できます。


ストレス値に合わせて個別にフォローできれば、健康被害や離職の防止が可能です。また個々のストレス値だけではなく、ストレスの要因を特定して改善に取り組むことも大切になります。部署・課ごとの検査結果の分析や従業員へのヒアリング、現場監査などを通じて要因を特定していきましょう。

退職者の退職理由の分析

適性検査を退職時に実施するのもおすすめです。退職率を下げるためには、退職理由を理解し、対策を講じる必要があります。退職時に適性検査を実施すれば退職者の状態をある程度把握できるので、特性や心理状態を分析すれば離職防止策を考えやすくなるでしょう。


退職時の適性検査で正直に退職理由を答えてくれるとは限りません。しかし、長い時間をかけてデータを収集していけば、退職傾向がある程度見えてきます。

まとめ

職務適性検査では受験者の特性や性格、スキルなどを客観的に可視化し、自社の業務に適性があるか判断できます。うまく活用すれば、採用のミスマッチの防止が可能です。


また、既存の従業員や退職者の分析にも活用できます。しかし、職務適性検査の結果がすべてではないため、その点を理解して適切に運用していきましょう。


職務適性検査を実施するなら、ぜひタレントパレットを活用してみてください。分析結果をもとに、経営や人事問題の解決に向けた根拠のある施策を実施できるようになります。


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