人事評価システムとは、会社などで働く社員の人事評価に役立つシステムのことです。自治体で人事評価システムを導入するケースも増えつつあります。本記事では、自治体向け人事評価システムについて解説します。導入するメリットや選び方なども解説しているため、役立ててください。
人事評価システムとは?導入するメリットや自社に適したツールの選び方を解説
自治体向け人事評価システムとは
そもそも自治体向け人事評価システムとは、法律に配慮しながら自治体の職員における人事評価ができる、システムのことです。経済産業省によるDX化推進を背景に、導入を決める自治体が増えています。
自治体向け人事評価システムを導入することで、各自治体の人事評価に応じた効率的な運用や、事務作業、評価工程などの自動化が可能です。また、評価シートをクラウドで管理できるなどの機能を搭載した、自治体向け人事評価システムなどもあります。ただし、利用できる機能はサービスによって異なるため、導入の際は慎重に検討することが大切です。
自治体向け人事評価システムの必要性
自治体向け人事評価システムを導入すれば、公平で透明性のある人事評価の運用が可能です。
2016年に地方公共団体における人事評価の制度導入が義務化された一方で、人事評価に対して不公平感を抱く職員も一定数存在します。職員が持つ不公平感を解消しないままにしておくと、モチベーションが下がったり、退職を検討されたりするなどの可能性があるでしょう。自治体向け人事評価システムを導入することで、こうした問題の解消が期待できます。
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自治体向け人事評価システムのメリット
自治体向け人事評価システムには、5つのメリットがあります。順番に内容を確認していきましょう。
必要な情報をスピーディに探せる
自治体向け人事評価システムを利用すれば、人材情報のデジタル化が可能です。また、デジタル化した人材情報をまとめて一元管理できるため、必要な情報をスピーディに探せます。自治体向け人事評価システムを利用するだけで、工数の削減につながる可能性もあるでしょう。複雑な情報管理もできる点も、自治体向け人事評価システムのポイントです。
作業の効率化がはかれる
自治体向け人事評価システムは、システム上で人事評価が完了します。このため、作業の効率化が可能です。たとえば、評価シートの印刷、配布、集計などの作業効率の改善ができるでしょう。作業の手間がかからないだけでなく、時間的コストの省略も実現します。
別業務にリソースをさける
自治体向け人事評価システムに仕事を任せることで、従来の現場と比較して時間や労力の余裕が出やすいです。このため、職員は人事評価における整備など、別の業務に注力することができます。新たな人材育成の施策検討など、人事評価以外の業務に対するリソースも確保できるでしょう。
エンゲージメントが向上する
自治体向け人事評価システムを導入すれば、透明性が高い人事評価がされやすくなります。このため、職員から納得感を得やすく、職員のエンゲージメントの向上が可能です。ビジネスにおけるエンゲージメントとは、職場と職員の関係性を指します。
職員は職場から適正に評価されたり、スキルや志向にあった異動が行われたりすることで、エンゲージメントが上がりやすいです。
ペーパーレス化が実現する
自治体向け人事評価システムを利用すると、人事評価の際に専用の用紙などに様式を印刷する必要がなくなります。ペーパーレス化によるコスト削減にもつながるでしょう。コスト削減に取り組むことで、自治体のイメージが上がるケースも考えられます。
自治体向け人事評価システムを導入する際のポイントとは
自治体向け人事評価システムにはさまざまなメリットがありますが、導入する前に考えておくべきポイントがあります。ここで6つのポイントを確認しましょう。
目的や期間を明確にしておく
まずは、「なぜ自治体向け人事評価システムを導入するのか」を考えましょう。そのうえで、導入する目的を明確にしたり、人事評価の期間やルールなどを見直したりすることが大切です。基準などを具体化することで、人事評価の信頼性が高まります。なお、状況によっては自治体独自の制度設計が必要です。
職員に周知する
職員に対しては、事前に自治体向け人事評価システムを導入することは伝えておきましょう。導入後の運用方法や、導入によって得られるメリットもあわせて共有しておくと安心です。職員からの質問などに対応する担当者を設定するなどしておくと安心です。
必要な機能の確認
自治体向け人事評価システムは、サービスごとに搭載されている機能が異なります。このため、職場に必要な機能を見極め、その機能が利用できる自治体向け人事評価システムを探さなくてはいけません。たとえば、360度評価に対応しているもの、MBOを用いることができるものなどがあります。適宜無料トライアルを利用して、職場に最適なものを正式に導入するようにしましょう。
変更は最小限にとどめる
自治体向け人事評価システムを導入するにあたり、人事評価などの変更が必要になるケースも少なくありません。しかし、導入前に大幅に評価基準を変更するなどの対応は、職員が混乱する恐れがあるため控えた方が無難です。変更の必要がある場合はできるだけ最小限に抑え、時間をかけて着実に移行しましょう。
体制を整備する
自治体向け人事評価システムを最大限に活用できるよう、職場の体制を整備しましょう。導入が完了しても現場に定着しなければ意味がありません。利用者を対象にした研修を実施したり、マニュアルを作成したりなどの対応が必要になります。サポート窓口を用意する方法もおすすめです。
適切なタイプを検討する
自治体向け人事評価システムは、大きくクラウド型とオンプレミス型の2種類に分けられます。
クラウド型は、インターネット環境があればどこでも利用可能です。また、オンプレミス型と比較すると導入スピードが早いという特徴もあります。ただし、強固なセキュリティ対策が不可欠です。
オンプレミス型はカスタマイズ性に富みます。一方で、新しいサーバーの設置が必要であるためコストや時間がかかりやすいです。
自治体向け人事評価システムの選び方
自治体向け人事評価システムを導入する際は、職場の状況に最適なものを選ぶことが大切です。ここで自治体向け人事評価システムの選び方を解説します。
1.LGWANなどの取得状況
LGWANやISMAPは、政府に定められたセキュリティ基準です。LGWANは各自治体をつなげる行政専用のネットワーク、ISMAPは日本の政府情報システムのためのセキュリティ評価制度を指します。
自治体は住民に関する情報などを扱うため、LGWANやISMAPを取得しているサービスを導入することで、信頼性が担保されて安心です。
2.法改正への対応
導入を検討している自治体向け人事評価システムが、現在の法律に準拠しているか、法改正が起きた場合に対応できるのかを確認しましょう。職場での運用イメージを踏まえて、導入すべき自治体向け人事評価システムを考えることが大切です。
3.セキュリティ対策
万が一、自治体で情報漏洩が発生した場合、住民からの信頼を失いかねません。情報漏洩を未然に防止するためにも、自治体向け人事評価システムを導入する際は、第三者機関のセキュリティ審査に通っているか確認する必要があります。また、他の公共機関での導入実績もあわせて確認しておくと安心です。
4.機能性
導入する自治体向け人事評価システムに、職場で必要な機能が搭載されていないと活用しにくくなります。導入しただけで利用者がいないといった状況にならないよう、事前に必要な機能を洗い出し、それに対応した自治体向け人事評価システムを導入するようにします。運用体制や効率化の程度を元に検討するとよいでしょう。
5.操作性
操作が複雑で分かりにくいと、職員が活用してくれない可能性があります。誰でも簡単に直感的に操作できる、自治体向け人事評価システムがおすすめです。操作を覚える手間や時間が削減され、職員も前向きに活用してくれるでしょう。
6.導入スピード
自治体で新たなシステムを導入する場合、運用開始の期間が決められているケースも少なくありません。このため、導入スピードも忘れずに確認しましょう。早い段階で予定しているスケジュールに自治体向け人事評価システムの導入が間に合うか把握しておくと安心です。
7.コスト
自治体向け人事評価システムを導入するためには、コストがかかります。料金システムはサービスによって異なりますが、職場に合わせたカスタマイズが必要な場合は、別途料金が発生するケースが一般的です。一般的にはオンプレミス型よりもクラウド型の方が、コストを抑えやすいとされています。
8.サポート
初めて自治体向け人事評価システムを導入する場合は、サポートが手厚いものを選んだ方が安心です。構築から運用まで徹底してサポートしてくれるものもあれば、導入後のみのサポートとなるものもあります。導入前にサポートの範囲や充実度、無料・有料区分などを確認しておきましょう。
まとめ
自治体向け人事評価システムは、自治体の職員の人事評価を公平かつ効率的にできるシステムです。人事評価の作業効率アップがはかれるだけでなく、職員のエンゲージメントの向上などにつながるといったメリットがあるため、導入する自治体が増えつつあります。
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