こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「リファラル採用の社内告知ってそんなに大事なの?」
「メールで社員にお知らせするだけでは不十分なんだろうか?」
「どんな点に注意したらいいのか知りたい」
という方は多いのではないでしょうか?
リファラル採用は、社員の協力なくしてはスムーズに運用できません。そのために社内告知を行いますが、メールやチャットアプリなどで送るだけでは不十分です。社員の関心を引き、リファラル採用に協力したいと思ってもらうためには、告知の頻度や媒体、接触手段などが適切である必要があります。
そこで本記事では
・リファラル採用とはそもそも何か
・社内告知を行う際の注意点
・社内告知に関する大切なステップ
・リファラル採用成功のためのポイント
について解説します。
「リファラル採用をスムーズに運用して、良い人材を取り入れたい」という方のお悩みを解決できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
リファラル採用とは既存社員の紹介により採用を行うこと
リファラル採用とは、自社の社員が知人や友人に働きかけ、採用に結びつけようとする取り組みです。社員が紹介したいと思うためには、社内環境がよく、働きがいのある環境を整えなければいけません。社員にとって「良い会社」でなければ、人に紹介したいとは思わないからです。
リファラル採用に似たものに縁故採用がありますが、リファラル採用は一般採用と同じように選考を通過しなければならないのに対して、縁故採用では選考が実施されないことが多いです。
縁故採用は、企業の役員等の血縁者を採用することが前提で実施される特別な採用であり、リファラル採用とは全く異なります。リファラル採用で社員から人を紹介してもらうには社内全体に周知する必要があり、これが社内告知です。
社内告知が上手くいかないと、いくら社員に紹介したい人材がいてもマッチングさせることができません。本記事では、リファラル採用の社内告知に焦点を当てて解説していきます。
人材のマッチングについて詳しく知りたい方は、別記事「人材マッチング」をあわせてご確認ください。
リファラル採用の 社内告知をする前の3つの注意点
リファラル採用について社内で告知する前に意識すべき3つの注意点を解説します。
- 一斉に告知しない
- 告知をする頻度に注意する
- オンラインのみの告知にしない
これらの注意点を意識するだけで、社内告知の効果を高められるでしょう。
一斉に告知しない
社内告知をする際は、全社員に向けたリファラル採用についての告知を一斉に行わないようにしましょう。同じ内容の告知を一斉にすると、社員は当事者意識をもてず、自分以外の人が紹介してくれるだろうと他人任せな気持ちになります。
社内の各部署ごとに、担当者が社員一人ひとりに対して声掛けを行うなど、告知の仕方に工夫が必要です。
告知をする頻度に注意する
社内告知をする際には、告知の頻度も大切です。告知の頻度が少ないと、リファラル採用の制度のことを忘れられてしまう可能性がある一方で、頻度があまりにも多いと社員の本来業務に支障をきたし、嫌がられるリスクがあります。
社員の本来業務に影響が出ないよう、社内の温度感や社員の反応を確認しながら適切な告知頻度を模索することが大切です。
オンラインのみの告知にしない
告知方法にはさまざまありますが、オンラインのみの告知に依存しないことが大切です。近年はメールだけでなく、チャット形式のメッセージアプリの利用が進んでいます。しかし、それらのツールでの文字のやり取りだけでは、リファラル採用の告知の浸透力は弱いです。
以下のようなオフラインの告知方法も取り入れることが重要です。
- 説明会・プレゼンの実施
- 掲示板に掲示する
- 朝礼で紹介する
あらゆる場面でリファラル採用について発信することで社員の接触機会も増え、より関心が高まるでしょう。
リファラル採用の社内告知に関する大切な4つのステップ
ここでは、社内告知に関する大切な4つのステップについて解説します。
- リファラル採用の目的を明確にする
- KPIの設定を行う
- 途中経過や成果を社内で公表する
- リファラル採用に関する各データを測定して分析する
一つひとつのステップについて順番に見ていきましょう。
リファラル採用の目的を明確にする
リファラル採用を行うにあたっては、その理由や目的を明らかにする必要があります。企業によって異なりますが、例えば「採用コストを抑えたい」といった目的がある場合を考えます。目標を定めたら、その目標達成のためにすべきことを以下のように洗い出していきましょう。
- リファラル採用経由で何人採用したいのか
- 採用の基準はどうするか
- どの部署にどんな人材が欲しいのか
さらに、具体的な数値目標を立てることで目的がよりクリアになります。前年までの実績がなく、具体的な数値が分からない場合には、試験的に短期間だけ運用を行い、その結果を数値化すると良いでしょう。
KPIの設定を行う
続いて行うのが、KPIの設定です。KPIとはKey Performance Indicatorの略語で、目標達成までの中間目標のようなもので、重要業績評価指標とも呼ばれます。
KPIを設定することで、目標達成のために「何をどの段階でどの程度達成するべきなのか」といったことを明確にできます。KPIに似た用語にKGIがありますが、これはKey Goal Indicatorの略語で重要目標達成指標と呼ばれ、目標そのものです。
KGIだけを設定するとやるべきことが不明確になることが多く、具体的な行動を持って目標を達成するためには、KPIを合わせて設定することが重要です。
途中経過や成果を社内で公表する
リファラル採用の告知をしただけで終わってはいけません。リファラル採用に関する途中経過や成果について、社内で共有する必要があります。
途中経過などの情報がないと、人事業務に携わっていない社員からすると「そういえば、リファラル採用の件はどうなったんだろう?」といった疑問が出てきます。
また、リファラル採用の成果を社内で共有することで「私も良い人材を知っているから紹介しようかな」といったように、社員の気持ちの後押しにもつながるでしょう。
リファラル採用に関する各データを測定して分析する
リファラル採用に関する各データを収集し分析することも大切です。通常、リファラル採用は一回だけで終わるものではないので、データを分析して今後の採用に活かす必要があります。
例えば社員が紹介した人のうちの面談実施率、採用率、定着率等を数値化することで、今後リファラル採用を行う上での課題が見えてくるでしょう。このように、データ分析によって評価を行い、改善点を見出すPDCAサイクルを回すことも大切です。
リファラル採用の KPIを設定するまでの流れ4選
ここでは、KPI設定までの流れについて詳しく説明します。
- KGIの設定を行う
- 採用方法ごとの流れを把握する
- 歩留率の設定を行う
- KPIの設定を行う
これらの詳細について一緒に見ていきましょう。
KGIの設定を行う
まずは最終目標であるKGIを定めます。リファラル採用においては、採用人数をKGIとすることが多いです。KGIとして具体的数値目標(ゴール)を設定することで、その達成のための中間目標であるKPIも決まってきます。KPIを決める上で、KGIの設定は大変重要です。
採用方法ごとの流れを把握する
企業は通常、求人媒体や転職エージェント経由など、リファラル採用以外の採用方法も併用していることが多いため、各採用方法での選考の流れを見える化することが大切です。
例えば、各採用方法での応募人数から採用決定に至るまでの人数の変化を数値化し、視覚的に把握することで流れを追いやすくなるでしょう。
歩留率の設定を行う
次に歩留率の設定を行いましょう。選考対象となる人数に対して、何人が選考に通過したかの割合を歩留率といいます。
歩留率は、選考通過人数/選考対象数✖️100で表せます。
例えば、前年の実績が以下のとおりだった場合の歩留率を考えてみましょう。
応募者 | 12人 |
面談対象者 | 10人 |
選考対象者 | 6人 |
内定通知者 | 4人 |
内定承諾者 | 3人 |
例えば、内定辞退率を調べる場合には内定辞退者数➗内定者数で求められ、上の表の場合、(4-3)/4=25%です。逆に内定受諾率は75%であることも分かります。
KPIの設定を行う
最後にKPIの設定を行います。KPIは採用過程において最も重要な項目に絞り、その正当性を確かめるものです。
例えば採用過程において「選考対象者数」が重要であると考えるならばそれがKPIとなります。最初に設定したKGIから逆算して、KPIを決めます。
リファラル採用成功のためのポイント4選
ここでは、リファラル採用をスムーズに行うためのポイントについて解説します。
- 社員がリファラル採用に関与しやすい制度を導入する
- 中長期的な目線で行う
- 社員のエンゲージメントを高める
- 経営陣にも働きかける
リファラル採用は企業内の人を全て巻き込みながら、取り組むことが大切です。一つひとつについて見ていきましょう。
社員がリファラル採用に関与しやすい制度を導入する
まずは、社員がリファラル採用に関与しやすいよう、制度を構築する必要があります。社員は、普段の業務がある中で協力することになるため、リファラル採用を行うにあたっては社員の負担をできる限り減らすことが大切です。
そのため、どの段階まで社員に任せるのかや、選考方法などについて明確に定めておく必要があります。また、社員がリファラル採用に積極的に関与したいと思える環境づくりも大切です。
例えば、紹介したいと思っている友人に声をかけてみたり、説明を兼ねた食事会を催したりしたといったアクションを起こした社員にポイントを付与するのも良いでしょう。協力社員の数を増やしていく取り組みを行います。
ポイント上位の社員を社内で表彰するなどして、社員のリファラル採用への関心を高め、モチベーションアップを図るのも有効です。
また、リファラル採用の報酬についてもあらかじめ明確にしておきましょう。
リファラル採用の報酬について詳しく知りたい方は、別記事「リファラル採用報酬」をあわせてご確認ください。
中長期的な目線で行う
リファラル採用は短期間では効果が見込めないため、中長期的な目線で行うことが大切です。短期間で採用を強化したい場合には、他の採用方法も併用することが望ましいでしょう。
リファラル採用によって、企業とのマッチ度の高い人材が定着し離職率が低下するまでは、一定の時間を要します。しかし、一旦離職率が低下すると補充の人員を補うための採用は不要となり、コスト削減にもつながります。
離職率について詳しく知りたい方は、別記事「離職率を下げるには」をあわせてご確認ください。
社員のエンゲージメントを高める
社員エンゲージメントを高めることは、リファラル採用を成功させる上で非常に有効です。エンゲージメントとは、社員の会社に貢献したいという意欲のことで、会社への愛着度ともいえます。
会社に対して愛着を持っており、友人や知人に自社を紹介したいと思えるような企業であれば、社員エンゲージメントはおのずと高くなります。社員のエンゲージメントを確認するためには、部署ごとにアンケートを取るなどして、各社員のエンゲージメントを見える化することが大切です。
アンケート結果をもとに、自社の課題を洗い出し、社員エンゲージメントをさらに高める姿勢が企業には求められます。
経営陣にも働きかける
社員に対して働きかけるだけでなく、経営陣にもリファラル採用に関心を持ってもらうことが大切です。例えば、経営陣にリファラル採用を行う上での中長期的な戦略や、得られるメリットなどを数値として見せることで関心を持ってもらえるでしょう。
また、リファラル採用のために行っている活動のデータを可視化し、社内全体で共有することも有効です。経営陣の意識が変化すれば、リファラル採用のスムーズな運用が可能になるでしょう。
人事業務の効率化、データ活用をするならタレントマネジメントシステムの導入が必須
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また、タレントマネジメントシステムを導入すれば、社員データを集約し人事評価のペーパーレス化や異動シミュレーション、ハイパフォーマー分析など、高度な施策が実施できます。タレントマネジメントを取り入れて、自社のリソースを最大限に活用しましょう。
社内告知で社員のリファラル採用への関心を高めよう
リファラル採用について社内告知をする際には、タイミングや頻度、接触手段などに注意しましょう。社内告知をするにあたっては、リファラル採用の目的の明確化やKPI設定、各種データの社内共有・分析が有効です。
また、リファラル採用では、企業全体で取り組むことが大切です。そのためには、社員が関与しやすい仕組みを整備して社員のエンゲージメントを高めたり、経営陣を巻き込んだりしながら、中長期的な目線で取り組む必要があります。
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