社内コミュニケーションで生産性が向上する?メリットや必要なスキルを解説


社内コミュニケーションで生産性が向上する?メリットや必要なスキルを解説

社内コミュニケーションの円滑化は、企業にとって利益につながる要素のひとつです。情報共有がスムーズになれば業務効率が向上し、コスト削減や生産性の向上といった成果が期待できます。

社内コミュニケーションの重要性は理解していても、スムーズにする方法がわからず悩んでいる人は多いでしょう。本記事では、社内コミュニケーションを円滑にするメリットや施策などを解説します。必要なスキルもまとめているので、ぜひ参考にしてください。

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社内コミュニケーションとは

社内コミュニケーションとは、社員達が業務内外で行う情報交換や共有、雑談などのことです。社内コミュニケーションには、業務を効率的にしたり、人間関係を改善したりする役割もあります。

社内コミュニケーションが不十分だと、人間関係がうまくいかないケースが多くなるでしょう。その結果、離職リスクや生産性の低下など、企業に悪影響を与える可能性が高くなるかもしれません。特に人事部は、社内コミュニケーションの重要性を深く理解する必要があります。

社内コミュニケーションを円滑にするメリット

企業が社内コミュニケーションに注力するのは、多くのメリットがあるからです。ここでは、代表的なメリットを3つ紹介します。

生産性が向上する

円滑な社内コミュニケーションは、風通しのよい企業風土を醸成するために欠かせない要素です。情報の共有や交換がスムーズになれば、部署内やプロジェクトチームのチームワークが強化され、生産性の向上につながります。

チームワークがよくなると、社員が自主的に業務に関わるようになり、進捗状況の確認も容易です。部門を超えたプロジェクトチームであっても、コミュニケーションが活性化しやすく、チーム内の雰囲気が良好になるでしょう。このような環境下では、新しいアイデアやビジネスチャンス、イノベーションの創出なども期待できます。

定着率が向上する

円滑な社内コミュニケーションは、社員の定着率を向上させる要素です。社内コミュニケーションが円滑であれば、社員同士が意見を言いやすい環境になります。上司や先輩社員などに悩みを聞いてもらいやすい環境でもあるため、社員のストレスが蓄積しにくくなるでしょう。

また、意見交換がしやすい環境であれば、同僚だけでなく上司や部下などの上下関係も良好になります。上司は部下の不満や課題を把握したうえで、適切なフォローやアドバイスを行いやすくなるでしょう。

このような環境下では、仕事を辞めたいと思う社員は減少するようになり、結果として社員の定着率が向上します。高い定着率は業務の効率化をもたらすため、企業の業績向上にも欠かせない要素です。

顧客満足度や収益が向上する

社内の雰囲気が良好であることは、取引先や株主など企業のステークホルダーに対しても信頼感を与える要因です。特に顧客対応においては、社員が前向きに顧客志向の姿勢を持つことで顧客との信頼関係を醸成でき、結果的に顧客満足度の向上につながります。

満足度の高い顧客はリピーターやロイヤルカスタマーとなり、企業に安定した収益をもたらしてくれるでしょう。さらに、顧客からのポジティブなフィードバックは、社員にとってモチベーション向上の要因となり、エンゲージメントが強化されます。

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必要な社内コミュニケーションスキル

社内コミュニケーションの円滑化には、必要なスキルがあります。ここでは、対面とオンラインに分けて解説します。

対面コミュニケーションスキル

対面でのコミュニケーションスキルは、社内コミュニケーションにおける基本的スキルです。対面コミュニケーションでは、声の大きさや聞き取りやすさなどが重要なポイントとなります。さらに、表情や身振りなども取り入れると、より伝わりやすくなるでしょう。表現したい内容に適した声の大きさや表情、身振りができるようになれば、スキルは高いといえます。

また、場の雰囲気を感じ取り、相手の反応を肌感覚で把握する力も欠かせない要素です。対面コミュニケーションには、言葉や表情が直接伝わるメリットがあります。一方で、否定的な印象も同じようにダイレクトに伝わるデメリットがあるため、注意が必要です。

オンラインコミュニケーションスキル

働き方が多様化するなかで、テレワークは広く浸透しました。それにより、オンラインの会議やミーティングも増えています。そこで必要なのがオンラインでのコミュニケーションスキルです。オンラインコミュニケーションには、テキストベースと音声・映像を使う方法があり、それぞれ必要なスキルが異なります。

テキストベースのコミュニケーションスキル

テキストベースのコミュニケーションでは、チャットやメールを使ったコミュニケーションのスキルが重要です。具体的には、次のようなスキルが求められます。

・文章を簡潔にまとめるスキル
・自分の考えを言語化するスキル
・配慮して相手の手間を省くスキル

文章に関しては、自分が伝えたい内容を簡潔に言語化してまとめなければなりません。また、文章に自分の考え方を言語化して加えることが大事です。自分の主張だけではなく、相手への配慮や手間を省く言葉遣いも重要な要素となります。

音声・映像を用いたコミュニケーションスキル

オンラインコミュニケーションスキルでは、音声・映像を用いたスキルが重要です。音声や映像を使ったコミュニケーションスキルのポイントは、次のようになります。

・場の雰囲気を作るスキル
・相手の反応を見ながら柔軟に対応するスキル
・参加者の意見をまとめるスキル

オンライン会議でのコミュニケーションに不慣れな社員もいるので、ロールプレイングなどを活用して慣れてもらう工夫も必要です。

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社内コミュニケーションに抵抗を感じやすい人の特徴

すべての社員が円滑にコミュニケーションできるわけではありません。ここでは、社内コミュニケーションに抵抗を感じやすい人の特徴を解説します。

人と話すのが苦手

人と話すのが苦手な社員は、社内コミュニケーションに抵抗を感じやすい傾向です。たとえば、以下に挙げる特徴がある社員が該当します。

・普段から口数が少ない
・自分から話しかけることが少ない
・会話に対して常に消極的

人と話すのが苦手な理由は、知らない相手に心を開けなかったり、会話が途切れるのを恐れたりすることが挙げられます。自然な会話ができない社員とは思うようにコミュニケーションが取れないため、周囲の人は避けられていると感じてしまうかもしれません。

しかし、社員が社内のコミュニケーションから孤立してしまうのを防ぐことは、人事の大切な役割です。個々の社員が安心して話しやすい環境を整えることが、企業全体の連携強化にもつながります。

相手を過度に気にする

相手の反応や気持ち、顔色などを過度に気にする人も、社内コミュニケーションが苦手な傾向があります。社内では、同僚や上司、部下など社内の仲間への配慮は必要です。配慮がない職場であれば、社内がギスギスとした雰囲気になるでしょう。

しかし、相手の反応を気にしすぎて、仕事の内容さえも伝えられなければ、企業や部署の不利益にもなります。また、社内コミュニケーションからフェードアウトしようとするかもしれません。このようなタイプの社員には、相手の反応よりも仕事の優先度を意識するトレーニングが必要です。

雑談力がない

雑談が苦手な社員も、社内コミュニケーションに抵抗を感じやすいタイプといえます。雑談は、人と円滑に会話するためのスキルでもあり、雑談力の高い社員ほどコミュニケーションが得意です。そもそも雑談の目的は、相手との関係性を築いたり、親近感を深めたりすることにあります。

雑談力が高いと人間関係が円滑になり、仕事もはかどるでしょう。雑談が苦手な人は相手との共通点を見つけられず、話題を広げられなくなります。このような社員には、共通点を見つけて話を広げるトレーニングが必要です。

社内コミュニケーションを円滑にする施策

企業は社内コミュニケーションを円滑にする施策を講じなければなりません。ここでは、代表的な施策を紹介します。

社内イベントを開催する

定期的に開催する社内イベントは、社内コミュニケーションの円滑化に効果的です。たとえば、以下のようなイベントを開催できれば、社員同士が業務時間以外でコミュニケーションを深められます。

・社内運動会
・社員旅行
・新年会
・新入社員歓迎会
・ボーリング大会
・野球大会
・フットサル大会
・花見会
・誕生日会
・社内の部活動や大会応援
・創立記念パーティ
・バーベキュー

社内イベントの意義は、社員が何らかの理由を持って集まることです。また、イベントに社員の家族を招待することで、大きな効果を得られるケースもあります。イベントが終わったあとは、社長談話や社員の発表などを動画配信するのもよいでしょう。参加できなかった社員が動画で確認したり、次回のイベント開催の参考にしたりするのに有効です。

ただし、近年は飲み会を避ける企業も少なくありません。「飲みニケーション」などはハラスメントに抵触する可能性もあるため注意しましょう。

社内報を発行する

社内報の発行は、社員間の意思統一に役立ち、社内コミュニケーションのベースになる施策です。社内報は、社内の出来事や連絡事項を社員に伝える広報の役割を果たします。以前は、冊子や新聞などで配布していましたが、現在はメールマガジンや社内SNSで公開しているケースが一般的です。

社内報は、テキストばかりではなく、画像や動画を活用すれば内容が伝わりやすく、コミュニケーションを深めるきっかけにもなるでしょう。また、会社のニュースや業績などをタイムリーに発信することも重要です。社内報で新入社員を紹介する際は、自己紹介も掲載することで、社内コミュニケーションへの参加を後押しする効果も期待できます。

社員食堂を設ける

社員食堂は、社員が利用できるように設けた食堂です。社内に設けられているのが一般的ですが、なかには近隣の飲食店を社員食堂にしているケースもあります。たとえば、居酒屋のランチタイム営業を貸し切って社員食堂にすれば、コストもスペースも抑えられるでしょう。

また、単なる食堂ではなくカフェ形式の要素も取り入れて、ミーティングスペースとして利用できる社員食堂も注目されています。食事をしながらコミュニケーションを深めたり、カフェで社員の相談を受けたりすればコミュニケーションが深まるでしょう。

さらに、質の高い社員食堂は、企業の魅力として採用活動にも効果的です。充実した福利厚生の一環として、求職者に「働きやすい環境」としてアピールできます。また、お弁当持参の社員でも気軽に利用できるよう、スペースや設備を整備すれば社内での昼休憩が快適になり、社員満足度の向上にも効果的です。

社内SNSを導入する

社内SNSは、社内だけで運用するものであり、原則として外部に漏れることはありません。社員だけがアクセス権限を与えられており、厳密な運用ルールが定められているのが一般的です。

社内SNSは、社内の出来事や社内クラブ・サークル、イベントなどの情報発信が多いことが特徴です。社内コミュニケーションのツールとして役立っており、一方通行にならないため取り入れたい施策のひとつといえます。

Web会議システムを導入する

Web会議システムは、単に会議を行うためのツールにとどまらず、社内コミュニケーションを促進する役割も果たします。働き方の多様化に伴い、テレワークが定着した企業は増えました。一方で、アフターコロナによるオフィス回帰が進む企業もあります。

テレワークの導入によってオフィスに戻る必要がない企業では、Web会議システムを活用することで遠隔地でもスムーズな連携が可能です。これからテレワークを導入する企業は、社内コミュニケーションを重視し、Web会議システムの導入を検討するとよいでしょう。

オフィス回帰を進めている企業でも、テレワークと組み合わせる働き方を採用するケースが少なくありません。そのような環境でも、Web会議システムは効果的です。導入することで、コストを抑えながらも遠隔とオフィス間のコミュニケーションを円滑にし、社員同士の情報共有や意思疎通を活発にすることが期待できます。

社内コミュニケーション施策のポイント

社内コミュニケーション施策を講じても、ポイントを押さえていなければ失敗に終わるケースも少なくありません。施策の具体的なポイントを解説します。

目的や課題を明確にする

社内コミュニケーション施策を成功させるには、目的と課題を明確にすることが重要です。目的はコミュニケーションの円滑化や活発化であり、課題は社内コミュニケーションが不足している原因を特定することです。まず、なぜコミュニケーションが必要になったのか、その原因を明確にしましょう。

原因がわかれば課題が浮き彫りになり、課題を解決できれば目的の達成につながります。最終的な目的は、社内の連携や情報共有をスムーズに進めることですが、原因や課題を無視したままでは目的の達成が難しくなります。

社員に周知する

社内コミュニケーション施策は、全社員に周知しなければ成果を期待できません。施策の目的や重要性を伝え、社員1人ひとりが理解・共感することが成功の秘訣です。特に「コミュニケーションの円滑化が企業全体の利益となり、結果として社員自身の利益にもつながる」という点を強調しましょう。

片方だけに利益が偏る施策は社員に受け入れられにくいため、双方向のメリットを意識した周知が不可欠です。また、社員からの提案を施策に取り入れた際には、その成果を報告し、提案者を表彰するなどの工夫を行うと、社員のモチベーション向上につながります。

中長期的視野で施策を立てる

社内コミュニケーションは、中長期的な目線で施策を立てることが重要です。社内コミュニケーションの施策は、一朝一夕に成果はでないと認識しましょう。さまざまな施策とコラボネーションしながら、中長期に渡って実施することが肝要です。

社内コミュニケーションの円滑化や活発化が社風として醸成されるまで、粘り強く取り組む姿勢が求められます。ただし、中長期に及ぶ施策となるためマンネリ化しないように留意しましょう。マンネリ化は社員のモチベーションを下げる原因にもなるため、工夫が必要です。

まとめ

社内コミュニケーションが円滑であれば、生産性や定着率が向上するメリットがあります。社内コミュニケーションを苦手とする社員がいる場合は、人事や上司が積極的に巻き込むように努めなければなりません。結果的に企業利益の向上にもつながるため、効果を期待できる施策を取り入れましょう。

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