社内研修で司会の台本は必要?用意しておくメリット、作成手順やポイントを解説


社内研修で司会の台本は必要?用意しておくメリット、作成手順やポイントを解説

社内研修を実施する場合には、スムーズな司会進行のために台本を用意するとよいでしょう。台本があることで円滑に研修が進められ、内容も充実させることが可能です。本記事では、社内研修における司会に必要な要素や台本の作成方法、押さえるべきポイントなどについて解説します。


社内研修の司会は誰が担当する?

自社で小規模な社内研修を開催するのであれば、司会の担当は人事部から選出されるのが一般的です。社内研修では、司会だけでなく講師やサポート役も準備しなければならないため、社内の人材から選出すれば人件費を抑えられます。


ただし、大規模な社内研修になる場合は、進行に慣れた人材が必要とされるため、研修に強い外部企業に司会を依頼するのも手です。司会の外部委託にはコストが発生するものの、会場の雰囲気づくりやトークスキルに優れているため安心して任せられます。


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社内研修の司会に求められる要素

社内研修における司会役は、さまざまな役割を担います。ここからは、司会に求められる要素を解説します。


研修の進行管理

社内研修の司会を務めるには的確な進行管理が必要です。研修の時間は限られているため、予定されている研修内容をすべて伝えるためには、滞りがないように研修を進めていくタイムキーピング能力が求められます。


また、必ずしも計画通りに研修が進行できるとは限りません。研修に参加しているメンバーの理解度や反応をしっかりと見ながら、進行具合を調整できる柔軟性も必要です。


研修の概要説明

司会には、研修の参加者に対して概要説明をする役割もあります。どういう目的で、どのような内容が実施されるのかを参加者に理解してもらえるよう、的確な情報伝達能力が必要です。


参加者が限られた研修期間のなかで効率的に学習を進めるためには、目的意識をしっかり持ってもらう必要があります。そのため司会者は、理解しやすいようにまとめて研修の情報を提供しなければなりません。


ビジネスにふさわしい言葉遣い

社内研修の司会はビジネスにふさわしい言葉遣いが求められます。ラフな印象になってしまうと参加者の学習意識が削がれ、やる気を失ってしまうかもしれません。


また、研修に関する説明を齟齬なく伝えるためにも、誰にでも伝わりやすいように話す必要があります。自分が理解しているからと説明が雑にならないように、参加者の立場になって丁寧に接する姿勢が大切です。


社内研修の司会に台本は必要?

通常業務の傍ら、社内研修に多くの時間を割けない企業も多いかもしれません。そのため、限られた時間のなかでスムーズに進行できるよう、司会の台本を用意しておきましょう。司会の台本をあらかじめ準備しておけば、当日の進行スケジュールや司会に求められる役割が明確になります。


また、研修の内容に一貫性を持たせられるので、司会によって研修の質が左右されることもありません。司会の台本をはじめとする準備を徹底しておけば、研修をより濃い内容で実施できるでしょう。


社内研修の司会台本を用意するメリット

司会の出来によって社内研修の成果が大きく左右されます。ここからは、司会台本を用意するメリットを解説します。


進行がスムーズになる

台本を用意しておくと、研修当日の進行を円滑に進められます。研修の目的や内容を踏まえたうえで事前に流れを決めておけるため、何から進めればいいのか分からなくなったり、方向性を見失ったりすることもありません。研修内容を時間内に収めるためのタイムキーピングにも役立つでしょう。


伝え忘れを防止できる

研修当日は参加者のフォローや進行に追われてしまい、必要な情報を伝え忘れてしまうリスクが生じます。しかし、事前に台本を用意しておけば、最低限伝えなければならない情報を押さえられるため、伝え忘れの防止が可能です。


必要な情報の他にも、補足情報や参考資料なども台本に盛り込んでおくと、より充実した研修の実施につながるでしょう。


司会が進行に自信を持てる

台本を用意する段階で、研修の内容をしっかりと確認できます。心の準備ができた状態で当日の司会に臨めるため、自信をもって社内研修を進めていけるでしょう。


司会自身が研修の内容を理解していなければ、参加者に分かりやすく情報を伝えられず、進行にも迷いが生まれてしまいます。しかし、台本さえあれば順序よく進めることが可能です。参加者にとっても理解しやすい研修を実施できます。


社内研修の司会台本を用意するデメリット

司会台本を用意するとさまざまなメリットが期待できますが、逆にデメリットも発生します。ここでは、司会台本のデメリットを解説します。


事前の準備が必要となる

スムーズな社内研修の実施に効果的な司会台本を準備するには、綿密な研修計画の策定が必要となり、労力がかかります。台本作成の業務のために、時間も確保しなければなりません。


しかし、司会は研修の成果を左右する重要な役割を担うため、台本も慎重に作成する必要があります。社内研修の実施が決まった際には、台本作成の時間と労力も考慮して、余裕を持った研修スケジュールを組んでおきましょう。


進行の柔軟性が減ってしまう

社内研修の進行方法を台本で縛りすぎてしまうと、柔軟性が失われてしまう可能性があります。迷いのない研修の進行には、研修内容や流れをしっかり決めておくのも大事ですが、必ずしも予想通りの展開になるとは限りません。そのため、状況に応じて柔軟に対応できる余地も残した台本にしましょう。


社内研修における司会の台本の流れ

社内研修で使用する司会台本は以下のような流れで作成することが一般的です。


研修開始時の挨拶

社内研修の司会進行では、最初に研修開始の挨拶から始めましょう。ここでは、社内研修の目的や実施する内容、当日の流れなどを参加者に伝えます。また、研修への参加に対する感謝も伝え、参加者に配慮するのも大事です。高圧的な姿勢では、参加者の反感を買ってしまう可能性があります。


研修講師の紹介

研修開始の挨拶が済んだら、研修を担当する講師の氏名や経歴、実績などを紹介します。どんな人物か分からないまま講師として登壇しても、参加者からの信頼は得られません。研修に積極的に臨んでもらい、学習のモチベーションを高めるためにも、信頼できる講師であると伝えることも大事です。


休憩時間・ブレイクタイム

社内研修では、学習を詰め込むのではなく、休憩やブレイクタイムを挟むと効果的に進められます。研修とはいえ、長時間の集中を保つのは難しいため、適度に休憩時間を設けるのも大切です。あらかじめ休憩するタイミングを決めておき、参加者にも伝えておくとよいでしょう。休憩を取り忘れないように、司会者からの声掛けも必要です。


研修終了時の挨拶

司会台本の締めくくりには、研修終了の挨拶も盛り込みましょう。講師への感謝とともに、当日の研修内容を振り返りながらまとめ、改めて参加者への労いの言葉を述べます。台本では、ある程度の挨拶の内容を決めておき、当日の進行に併せてアレンジしながら挨拶するよう工夫できるとよいでしょう。


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社内研修の司会台本を作成する手順

社内研修の司会台本は以下の手順で作成しましょう。


タイムスケジュールを決める

社内研修の進行に役立つ司会台本を作成するには、前もって研修のタイムスケジュールを決めておく必要があります。研修当日の流れをイメージし、できるだけ具体的に分刻みで決めておきましょう。タイムスケジュールを組む前に、研修中に実施したい内容を明確にしておき、各内容にどれくらいの時間がかかるか計算したうえで、的確に時間配分する必要があります。


役割分担を考える

社内研修の司会は、研修を運営する担当者のそれぞれの役割を理解し、的確なタイミングで指示を出すことが重要です。そのため、タイムスケジュールに合わせて役割分担も決定しておかなければなりません。


司会や講師以外にも、受付や資料の配布、機材の操作など、さまざまな役割が必要になるため、誰がどのタイミングで何をすべきなのかも台本に記しておきましょう。運営側の動きも台本で把握できていれば、よりスムーズな進行につながります。


社内研修で司会をスムーズに進めるコツ

司会担当者が社内研修をスムーズに進行するには、以下の3つのコツを押さえておきましょう。


台本をしっかり読み込む

司会台本は、社内研修の進行をスムーズにするために用意したものなので、しっかり読み込み、理解しておく必要があります。台本を参考にしながら当日のイメージトレーニングをしておけば、落ち着いて司会としての役割を果たせるでしょう。また、研修中には参加者からの質問などがあるかもしれません。あらかじめ想定される質問に対する答えを用意しておくと安心です。


時間管理を意識する

社内研修を予定通りに進行させるには、時間管理が重要です。司会が時間配分を把握できていないと、予定されている時間内で収まらないかもしれません。


用意していた研修内容が実施できないと、参加者の理解が浅くなってしまったり、後日追加で研修が必要になったりするなど、その後の業務に支障をきたす恐れがあります。台本に記載されている時間配分で進められるよう、気配りが必要です。


参加者の理解度を把握しておく

充実した研修にするには、司会者が参加者の理解度をしっかり把握するのも大事です。理解のレベルに合わせて進行具合を調整できれば、参加者がより理解しやすくなります。たとえば、初心者向けの社内研修で専門用語の理解が追いついてない場合、丁寧な解説を添えるなど、参加者のレベルに合わせて進行の仕方を調整するのも司会の役割です。


社内研修で司会が力を入れるべきポイント

社内研修の司会担当になったら、以下の5つのポイントに力を入れて準備しましょう。


研修目的を覚えておく

司会は社内研修の目的を十分に理解し、当日も忘れないようにしなければなりません。また、参加者にも共有し、学習意識を高めてもらう必要があります。研修中に参加者が意識すべき点や身につけるべき内容を具体的に伝え、効率的に学べるようサポートしましょう。


注意事項をしっかり伝える

社内研修に参加するにあたって守ってもらいたい注意事項を、しっかり伝えられるようにしておくのも大事です。注意事項が伝わっていれば、研修のスムーズな進行や参加者の安全確保に役立ちます。研修内容について参加者が不安に思ったり、困ったりしそうなことがあれば、あらかじめ説明しておきましょう。


参加者を巻き込む雰囲気作り

社内研修では、一方的に情報を伝えるだけではなく、参加者の学習意識を高める工夫も必要です。そのためには、司会が参加者を巻き込むような雰囲気をつくらなければなりません。


たとえば、座学や動画視聴などを続けるのではなく、グループワークやロールプレイなど、主体性を引き出す取り組みを入れるのもよいでしょう。参加者同士がコミュニケーションを取れる時間をつくるなど、意欲を引き出す工夫も検討してください。


当日の身だしなみ

社内研修で司会を担当するなら身だしなみも大切です。信頼して進行管理や説明を聞いてもらえるよう、当日は適した服装や髪型で臨みましょう。講師を外部から呼ぶケースも多いため、スーツなどのフォーマルで清潔感のある服装が無難です。また、研修が始まる前には、服装や髪型に乱れがないかチェックすることも欠かせません。


話し方・トークスキル

社内研修を滞りなく進めるためにも、聞き取りやすい話し方やトークスキルが必要です。早口や声のボリュームが小さくなると、情報が伝わりにくくなってしまいます。参加者の気を引けるように、間の取り方やボディランゲージなども意識しながら司会進行できるよう、練習しておきましょう。


社内研修の司会台本の例文

社内研修の司会台本をつくろうと考えても、内容をイメージできない人もいるかもしれません。そこで、司会台本に役立つ例文を場面ごとに紹介します。


会場の案内

会場の案内時には、以下のように研修の開始時間や注意事項なども伝えましょう。


【例文】

「社内研修へのご参加、誠にありがとうございます。研修は、◯時より開始予定です。研修会場内での飲食や喫煙は禁止となっておりますので、隣接する休憩所や喫煙所をご利用ください。また、携帯電話のマナーモード設定にご協力お願い申し上げます。」


研修開始時の挨拶

研修開始の挨拶では、以下のように自己紹介を挟みながら参加者への感謝を述べましょう。


【例文】

「お忙しいなか、お集まりいただきありがとうございます。これより、社内研修を開始いたします。本日の司会進行を務める、◯◯と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。」


研修講師の紹介

研修講師の紹介では、信頼感が増すように、氏名や経歴実績を具体的に説明しましょう。


【例文】

「今回◯◯研修を担当してくださる【講師の氏名】さんについてご紹介いたします。◯◯大学をご卒業後、◯◯に入社され、◯年に独立。幅広い事業を展開され、数多くの企業へのコンサルティングにも携わってこられました。現在は、××社の経営責任者としてご活躍中です。」


休憩時間の案内

休憩時間を案内する際には、休憩場所やお手洗いの場所だけでなく、休憩終了時刻を明確に伝えておきましょう。


【例文】

「これより、30分の休憩時間を取らせていただきます。休憩スペースとお手洗いは会場を出て左手にございますので、ご利用ください。また、次の研修は◯時を予定しておりますので、開始時刻までにご着席いただきますよう、お願い致します。」


研修終了時の挨拶

研修終了の挨拶では、講師と参加者への感謝を述べます。また、アンケート配布があれば案内しておくとよいでしょう。


【例文】

「以上で、本日の社内研修を終了いたします。ご参加いただいた皆様、最後まで誠にありがとうございました。また、本日の研修に関するアンケートを配布しております。出口に回収箱を設置しておりますので、ぜひご協力ください。それでは、お忘れ物がないよう、お気をつけてお帰りくださいませ。」


まとめ

社内研修では、司会進行が重要な役割を担います。あらかじめ台本を用意しておき、滞りなく進行できるよう準備しておきましょう。


また、社内研修を成功させるには、研修管理に役立つシステムを活用するのもおすすめです。タレントパレットでは、研修に役立つ人材管理や、eラーニングなどの研修教材の管理に便利なタレントマネジメントシステムを提供しています。大手企業をはじめ、幅広く導入されている実績やコンサルティングの知見もあるので、社内研修に不安がある方はぜひご相談ください。


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